2002年の読書記録 1月




ぶたぶた  矢崎存美  徳間デュアル文庫
満足度 ★★★★
あらすじ 大きさはバレーボールくらい、薄いピンク色、ビーズの目、頼りになるぶたのぬいぐるみとそれを取り巻く人々との心温まる話したち。
感想 不思議。読み終わって、何でなのか知らないけど、涙が浮かんでるのだ。
感動するって言うわけでもないのに、じ〜んと来る!!来る!来る!!
一話一話印象的だし、次はどんなお話なんだろうって気になって読み進める。
好きなのは、プールの話。記憶喪失のハナシ(これはホント泣けるよ!)そしてラスト、ううう・・・ なんで泣けるの?でも泣ける!
そんなぶたぶたをぜひお薦めします。
お薦め度 ★★★★★











赤いべべ着せよ  今邑 彩  角川ホラー文庫 
満足度
あらすじ ことろ、ことろ、赤いべべ着せよ・・・という伝承歌にのっとり殺人事件がおきる。
感想 途中までは結構怖かった。
でも、後半息切れしたかな?
心理ホラーというオチで、好みは好みなのだがラストまで緊迫感が続かなかった。 残念!!
半分ぐらいまで読んで寝ようとしたら、怖くなってだんなにしがみついて寝たけどね(笑)
お薦め度 ホラーに慣れてない方には怖いかもしれない。★★











仄暗い水の底から  鈴木光司  角川ホラー文庫
満足度 ★★★★
あらすじ 水をモチーフにした恐怖作品短編集(映画上映中) 
感想 ちょっと怖かった!!
オチのない怖さ、種明かしのない怖さ・・・と言う感じかな?
終わらない恐怖、今も胸に残る怖さ・・・。
作者さん水が好きみたいね。他にも確か水関係の作品があると思う。だからこそ、ここまで水を題材にしてこんなに怖い作品がかけるんだろうな。
お薦め度 ★★★★★











うつくしい子ども   石田衣良  文春文庫
満足度 ★★
あらすじ 神戸のサカキバラ事件をモデルにした小説。
感想 事件の衝撃が、いまだ自分の中で大きいためにあまり入り込めなかった気がした。
巻末にも書いてある「少年A この子を生んで」や作中のルポのモデルになったと思われる「暗い森(朝日新聞社)」も、そして被害者のお父さんが書いておられる「純」も、おととし読んだ。
どうしてもそれらと比較してしまい、小説として純粋な気持ちでは読めなかった。
上記の3作品を読んだ限り、やはり被害者の立場から事件を見てしまうというのも、この小説に入り込めなかった理由かもしれない。
事件がなくて、これだけの小説を読まされたらきっとすごく感動したと思う。ストーリー展開も、内容もすごくよかった。ちょっと残念だ。
お薦め度 ★★★★

















奇跡の人   真保裕一  新潮文庫
満足度
あらすじ 事故で植物状態になりかかりながらも、社会復帰を果たし、奇跡の人と呼ばれる31歳の男が過去の記憶を探そうともがき苦しむ物語。 
感想 「奇跡の人」というフレーズは初めから出てくるけれど、本当の意味を知るのはラストまで読まなくてはならない。で、その意味を知って感動したかと言うと・・・どちらかと言うと「否!」。
なにせ、くどい!!もう、彼女のことはほっといてあげなよ〜〜と、口をはさみたくなるぐらいくどいのだ。
結局最後まで読んでみたら、母親の気持ちは十分に理解できるものの、いまとなっては「彼ら」のほうが真剣に主人公のことを考えてくれたりして、「イイヤツ」じゃないか? この主人公の性格こそが諸悪の根源なんじゃないの?
病院仲間のことも忘れて(トモさんはどうなったんだ!)、くどいくらいに彼女を追いつめた結果がこれではなんともやりきれない。(だんなさんとはどうなったの?)
作品の本当の意味での「奇跡の人」よりも冒頭から使われている意味での「奇跡の人」であるほうが普通だけどよかったような気がする。
お薦め度

















R・P・G   宮部みゆき  集英社文庫
満足度 ★★★★
あらすじ ネット上でできたあるひとつの擬似家族。それが殺人事件に発展したのか? 
感想 時間と空間が「取調室でのある一日」という固定された中で物語が進むが、事件の概要や回想シーンなどをうまく織り交ぜながら飽きさせず、ラストで唸らせる さすが宮部さん!!
でも、今回人物があまり好感持てなかったのが残念だったような気がする・・・。
お薦め度 ★★★

















人質カノン   宮部みゆき  分春部文庫
満足度 ★★★★
あらすじ 普通の暮らし 日常の中でほんの少しミステリーなかんじの出来事たち(短編集)
感想 登場人物たちがとても生き生きしていて、宮部さんらしいまとまり感のある短編ばかりでよかった!!
「八月の雪」本人からしたらすこぶる理不尽な理由で松葉杖の生活になってしまった少年の、何処にも持って行きようのない怒り、苛立ちがよく出ていた。少年を描かせたらとてもお上手な作者らしい一篇で、終わり方もとてもいい。もう少し長くてもよかったかも!
「生者の特権」死を決意したOLが出会った少年とちょっとした冒険を・・・。短い中にドキドキハラハラがうまく盛り込まれていて、前向きな終わり方に心地よい感動が得られる。この短編集の中では一番気に入った作品。
お薦め度 ★★★★

























ぶたぶた
赤いべべ着せよ
仄暗い水の底から
うつくしい子ども
奇跡の人
R・P・G
人質カノン