オンリー・チャイルド ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー
|
満足度
| ★★★
|
あらすじ
|
離婚暦のあるリディアは、妹の結婚式でアーサーに出会い、二人は結婚する。
しかし、アーサーには母親から虐待されて育ったという過去があり、それはリディアにとって結婚生活を続ける上で深刻な影響をもつものだった。
|
感想
|
サラっと、ストーリーを言うと、DV(ドメスティック・バイオレンス)の話だ。
と言っても、それだけではないのはケッチャム氏の作風!
DVにしても、対象となるのが「妻」だけではなく「子供(実の子)」までもが被害を被るので、そこに我が子を守るために立ち上がる「強い母親」の像が見ものとなる。
男の執念と、母の子を守る愛との勝負。
当然「母の愛」が勝つと思って読んでいても、なんだか雲行きが怪しくなったり、読者を引き込む法廷劇があったり、飽きさせず最後まで一気に進む。
ところが、ヒューマンドラマとは違う!この作者の描くものは!
ラストでゾクッとする感覚は、「ホラー好き」の好むところだろう。やりきれなさも含めて。こういうオチが、作者らしいのかもしれない。
|
お薦め度
|
★★★
|