アルプスの少女ハイジ ヨハンナ・スピリ 各務三郎訳
毎日新聞社
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満足度 お薦め度
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あらすじ
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ご存知アルプスの少女ハイジ、原作は(英語版の翻訳)上下2巻組みですよ。
突然アルムおんじの前に現れた可愛い少女ハイジは、おんじの手からもぎ取られフランクフルトへ行ってしまう。そこでクララとクララのお医者様と言う生涯の友を得て、ふたたびアルムの山に帰るハイジ。離れ離れになる事でお互いの大切さを確認し、教育、信仰の大切さを思い出し、人の輪の中に帰るおんじ。
どんなに偏屈な人の心もとろかすこころやさしいハイジの物語。
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感想 ちょっとネタばれ?
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テレビで何度となく繰り返してみてきたアニメの原作を久し振りに読んでみた。
アニメは日本の子供を対象としてるので、あまり描かれていないが、原作ではいかにも「キリスト教」!!!って感じです。
ハイジハおじいさんのところにいる間は学校はおろか教会にも行かず、お祈りもしていなかったんだけど、フランクフルトで神様にお祈りすると言う事を覚える。
これはクララの優しいおばあ様が教えてくれた事だ。
ハイジはただ、フランクフルトから戻っただけではなく、信仰と言う手土産を持ってきた。
いったん神様に背いたおじいさんは、ハイジに諭されるように信仰心を取り戻し、村人と和解し、「人の生活」の中に戻っていく。人と人が理解しあい受け入れあうということがここで描かれており、最高に感動するくだりだ。
アニメでは一番の山場はクララが歩けるようになったと言う事だけど、原作者の言いたいことは本当はここにあったんじゃないだろうか。
このあたりは日本人にはちと理解しがたいと言うか、「若草物語」なんかでもそうだけど、神に対する絶対服従と言うか畏敬の念がしつこく描かれていて、じつはちょいと閉口する。
だからアニメでは原作ほどには描いてないのだと思う。
面白いところでは、幽霊騒動が起きた時、屋敷の人間たちはみな1人で寝るのが怖くなり、ハイジにもチネッテといっしょに寝るようはからう。ところがハイジは「幽霊よりもチネッテのほうがずっと怖かったので一人で寝たかった」とかいてあって笑った。
言いたいコトはまた日記のほうで随時書いていきます。
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