感想
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何とかならないの〜〜〜!?
読んでいる最中に常に私の頭にあった言葉だ。
こんなにも、こんなにもこんなにも、シーラは母親を求めているではないか。全身全霊で母親を恋うているじゃないか。
作者も、それこそ全身全霊で受け止めて教師と言う立場を超えて、シーラにかかわり愛したことはわかっているけれど、それでも、シーラには足りないのだ。
お願いだから、この哀しい傷付いた少女を何とかしてあげて!もっと、もっと、もっと!
部外者の私が(同じ立場にあっても絶対にここまで出来ないだろう)何を言うんだ・・というギモンはこの際横っちょにおいといて、ただひたすら哀しくてじれったい。
シーラの求めているものとトリイの与え得るものの落差を思い知るたび、「無力」と言う言葉を痛感してうなだれるだけ。
その中で、シーラが自分の存在を確認して、自分の道を切り開こうと模索する姿は、読むものの心を揺さぶる。しかし、「シーラの強さがわれわれを励ます」と、締めくくるにはあまりにも、シーラが痛々しく切ない本書なのである。
それでもやはりシーラにエールを送らずに入られないのだ。
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