感想
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長編だと信じて読み始めたので、表題作「深追い」が、唐突に終わってしまったので拍子抜けしてしまった。
でも、短編とはいえ、どれも心に鬱屈や暗い過去を持つ警察官が主人公で、力作と思う。
初出一覧を見たら、順番にだんだんとよくなってきているのが分かる。勢いのある作家だと言うことではないだろうか。
とくにラスト2編はよい作品で「仕返し」は、先を急がせる魅力があったし「人ごと」は最後にジーンとしたし、心に残る。
一番好きなのは「訳あり」。この本の作品はどれもいわゆる「中途半端な終わり方が、読者の想像力を助長する」のが魅力のひとつと思うんだけど、「訳あり」はすっきりと終わっておりさわやかな読後感であった。
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