しょっぱいドライブ 大道珠貴 文藝春秋2003年3月号
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満足度
お薦め度
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あらすじ
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九十九さんは60くらいのおじさんで、お金があってとっても人がいい。
主人公の「わたし」の、父親や兄はその人の良さに漬け込んで、お金を借りたままにしている。
そして、「わたし」も。
劇団員の追っかけをして、劇団員を好きなのに、九十九さんとなんとなく付き合っている女と、人がいいだけで風采の上がらない初老の男との、物寂しい物語。
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感想
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これ・・・・
面白いんですか?
書評も読んだけど、選考委員たちの感想も、二分されている。
私は、小説に求めるものはなんらかの「感動」なのだけど、どうもこの作品とは相性が悪かったのか・・?感動って言うものはなかった。
ともかく、主人公に共感できない。
劇団員の「遊さん」のことを追いかけながらも、なぜか九十九さんを放って置けなくてドライブやデートしている。
「九十九さんと游さんの、どっちがいい。略。いや、どっちにしろ嫌なのだ。どっちも嫌なのだ。どの道嫌なのだ。」なんて考えてるんだもん。主人公。
読んでるこっちにも伝染してきそうな気だるさがうっとおしかった。
「湿ったユーモア」とか「小さな笑いや哀しみ」とか「さみしいユーモア」とか選考委員さんたちは誉めておられるが、ちっとも笑えなかったし、ユーモアも感じられない。
芥川賞って不思議ですな。正直言えば。
あえて誉めるなら、特徴のある文体、句読点の打ちかた・・と言う所でしょうか。
わたしには「純文学」が分からないのでしょうねぇ・・・。
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