感想
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先日、美母衣ダムをはじめて見たばかりだけど、その大きさに驚いた。
このストーリーは、そのダムのそこに沈んでいる村にまつわる数奇な運命の持主たちを描いたものである。
うそか本当か知らないけど、ここに住んでた住人は台湾から、日本政府によって移住させられた民族で、手厚い保護下に置かれていたらしい。
それはなぜか?
なんでも、この台湾の「高砂族」と言う人たちは、ある特殊な体質を持っていて、その研究のためにそういうことになったそうだ。
戦争中に日本が植民地支配をしたのは朝鮮だけでなく台湾もだった。と、そう言えば教科書には載っている。そう言えば・・というのは、まったく失礼極まりない発言だけど、そういうことってあんまり詳しく教えてもらっていないと思う。むすめの教科書を見ても、朝鮮も少しだけど、台湾の侵略の事は一言ぐらいしか書いていないのだ。
本書を読んでいると、戦時下に日本が台湾の人たちをどのように扱ったかが書いてあり、またまた胸が締め付けられる想いであった。
ストーリーも、ダムができる前の、奥美母衣に住む台湾からの移住者たちの当時の物語と現代の,
なぜかその秘密に巻き込まれていく主人公のストーリーが交錯して、最後に明かされる真実まで一気に読めた。
でも、もう少し、その民族全体の姿が見たかったと思う。
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