2004年の読書記録*5月



ツ、イ、ラ、ク/姫野カオルコ★★★★★
角川書店
主人公隼子。
ある人物に出会い「一生に一度の真実の恋(帯の言葉)」に「墮ちる」。

ひさーしぶりに、すっごく大好きな恋愛小説を読んだ!って感じだ〜。
姫野さんのエッセイや小説では、時々人を必要以上に「性欲の塊」みたいに描いてあると思っていたが、今回ほどそれが素直に読めたことはなかった。
「自分だって子供のころがあったでしょ!思春期だって過ごしてきたでしょ!どうして、その時の気持ちを忘れてるの?」という、一種のじれったさのようなものが色濃く出ていて、最初はちょっとだけ辟易しそうになるのだが、後にこれがとんでもなく納得させられるような濃密なストーリー展開にメロメロにやられてしまった。
とくに、初めての時の車での河村の気持ちがすごいリアルであった。
教師と生徒という絶対に越えてはならない一線を持つ関係だけに、おたがいの思いは(というか、河村の思いは)外に出すわけに行かずまるで爆発寸前の風船のようになっている。これが一気に弾ける様がむちゃくちゃセクシーで、そしてなおかつ切なくて。この部分は何度も読んでしまった。「だめだ。俺、こいつにまいってる。」というこの一言がどんなに好きか。
そして、2人が別れる直前の逢瀬のなんと、切ない事か。
肉欲にまみれながらの純情。体を重ねながらも寂しい逢瀬。泣けました!
同級生の三ツ谷から「先生は無言電話に向かっておまえの名前を呼んだ」と言われて、平然としながらも内心では嬉しくて泣いてしまう隼子も、切なくていじらしくて泣ける。
ラストは予想しえたけど、ひょっとして、作者はこの2人を引き裂いたままかもしれない…という心配しながら読んだので、予想以上に感動してしまった。
余韻が長く後を引く、わたしにはとってもとってもツボだった。
トラキチさんからお借りしました。ありがとうございました!



天璋院篤姫/宮尾登美子★★★★★
講談社文庫
幕末動乱の時期、第13代将軍家定の御台所として、島津斉彬の密命を受けて大奥へはいり、人心を掌握して君臨した篤姫の生涯を描く。

まるで、本当に大奥にいるかのようなリアルな物語にすっかり魅了された。
篤姫という人自身、とても魅力的な人物で(そのように描かれていて)一挙手一投足すべて目が話せなかった。
家定も、わたしだったら「こんなだんなさん頼りない」とか、だめだとか、悪い所ばかりを見てダメだしするんじゃないかと思うが、篤姫はきちんと良い所も見て理解してその広い懐に包み込もうとする。
どんな流言飛語にも惑わされず、きちんと真実に迫ろうとする。
個人的感情で物事を判断せずに、広い視野を持つ。
頂点に立つ者は前言撤回できず、その一言の影響力がおきいことから、滅多に口を開かず肝心なことだけをきっちり言葉にする。 「口は災いの元」ということばが、自分のためにあると思っている私から見たら、つめの垢を煎じて飲みたいぐらいの人物だ。
人に対する情も深く、優しく暖かい、おおきな人物であったようだ。
大奥の女中たちの信頼も半端じゃなかったようだ。
特筆するべきは、最後の将軍慶喜の事だろうか。
ここで描かれる慶喜は、すごく「嫌なやつ」である。
司馬遼氏の「最後の将軍」で描かれた慶喜とは180度違う。
「ねぇ、ちょっと!聞いた?慶喜の本当の姿!」
「うんうん、ひどいやつだったらしいね。がっかりだね」
「司馬遼に騙されたわよね、私たち!!」
…てなもんじゃないだろうか?
しかし、また別の方向から見ればきっと篤姫も
「ねぇねぇ篤姫ってさ〜〜…」
「嫌な人だったんだってね。
 宮尾登美子にしてやられたわよね!!」と、なることもあるのかも知れない。
そのように本気で騙される事ができる作品ほど、読者にとってはすばらしい作品となるわけで、そういう意味でもこの作品は読み応えがあり、ふかく感情移入できた良い物だった。
もっと、宮尾さんの作品を読みたいと思うし、また、幕末への興味も募る。
ひさびさの大ヒットとなった。
ぴょんちゃんにお借りしました。ありがとうでした♪



白い少女たち/氷室冴子★★★★
集英社コバルト
珍しい氷室さんのシリアス!
寮のある中高一貫のミッション系スクールで、生徒の1人が謎の失跡。
残されたクラスメートたちの、心の葛藤を描く。
特に、失跡した知恵子の幼馴染でもあり、親友だと思っていた瑞穂は、自分には置き手紙の一つもなく、そのわけさえ見当もつかない状況に、自分の至らなさと、親友からはそれほど大事に思われていなかったのではないかというショックで、人並みならぬ落ちこみようだったが…。

氷室さんが、思春期の少女たちに送ったメッセージが見えるような作品。
「自分の事を誰も分かってくれないとか、寂しいのは私1人だなどと悩んでいるそこのアナタ!
アナタひとりじゃないのよ。周りを見てごらん。いつも明るいあのコも、しっかりしているあのコも、ひょうきんそうに見えるあのコも、実は心の中では大きな孤独を抱えてるのかもしれないよ。
アナタ1人じゃないんだよ。
アナタのことをちゃんと理解してくれる人が必ずいるから。
さぁ!勇気を出して、心を開いてみようよ!」
…と、書いちゃうととってもクサイんだけど、こういうメッセージで少女たちにエールを送ってるんだなって感じの、ちょっと暗いけど、素敵な物語だった。
ラストは、どうなんだろう。読者に想像でゆだねたあたりも、氷室さんらしいかな?

初版昭和53年、ということで懐かしいものがあり、作品のほかにも色々と楽しめた一冊でした。 お友達のぴょんさまからお借りしました。ありがとう♪



飛ぶ教室/エーリヒ・ケストナー★★★★★
偕成社文庫
この本は、わたしがなだいなだ氏に、はまっていた時、なだ氏が薦めておられたので買ったのだけど、なんと15年ほど積んでいた。ところがあるとき!はな家のはなさんが強力プッシュしておられるの知り、ようやく読むことに!!
今までどうして読まなかったんだろう!
と、後悔するぐらい素敵な作品だった。
ドイツの寄宿学校のなかで繰り広げられる、少年たちの友情と思いやりのつまった、心が温もるような物語なのだ。
私の涙のツボは なんといっても「正義先生」のフトコロの深さだ。
そして、子供たちがその先生の愛情をしっかりと全身全霊で受け止めるところ。
マルチンのクリスマスの悩みも泣かせるし、その後の顛末も…。
ケストナーは、子供の事をほんとうに思ってこの本を書いたんだろうな…と思える。
何がどうなのか知りたい人は是非とも本書を手にとって見ましょう!


ケストナーの生涯には、第一次と、第二次の両大戦が大きく影を落としていることだろう。
「飛ぶ教室」も、ナチスの統治下に自由主義者として迫害されながらもやっと出版されたようだ。
戦争の中で辛い思いをする子供たちを見ていたケストナーが、作品に込めた思いが伺われるのではないだろうか。
戦後の作品には有名な「ふたりのロッテ」などがある。
そういえば映画で感動した「点子ちゃんとアントン」も、この人の作品だ。
子供を見つめる視点とその優しさがどの作品にも溢れている。
自叙伝には「わたしが子供だったころ」があり、興味が引かれるところだ。



殺人者はそこにいる
殺ったのはおまえだ/新潮45
★★★
「殺人全書」の現代版のようなものかなと、古本で購入。
平成の時代になってから起きた残忍な事件の数々に肉迫するレポート集。
世間を騒がして、記憶に残る事件ばかりだった。
中には未解決事件もあり、ルポからはどうも「黒」の印象が強い容疑者も裁判で無罪になっていたり、まったく犯人が見つかっていない事件などもあり、その後が気になるものも多かった。
「殺人全書」と、違うのは事件が時間的にも間近い事なので、関係者たちがまだまだこの世に生きて、生活していると言う事。
そして、事件は現代の世の中で起きていると言うのに、あまりにも文化の低い家庭で犯人が育っていたりするとまったく暗澹とする。
いや、低い文化生活=犯行 という図式ではなく、ただただ、こんなにも低い生活をしている家庭もあるんだと言う事に驚いた。
「殺人全書」は、著者岩川さんの「人に対する情」が感じられたが、こちらはまだまだそこまで行くには事件そのものが生々しすぎるかなと言う感じ。



フランス革命夜話/アン・ペリー★★★★
ソニー・マガジンズ
時はフランス革命の真っ只中。
主人公のセリーはかの有名なスタール夫人の召使として働いていた。
しかし、仕事中、友達に預けておいた幼い息子が突然死をしてしまう。
仕事中に子供を預けていた、セリーの友達のアマンディーヌが男と逢引していて息子の面倒を見なかったという噂を聞き、セリーはアマンディーヌのと、その恋人のジョルジュにひそかに復讐を誓う。

ここには、フランス革命で振り回される市民の姿が描かれている。
昨日の敵は今日の友、そしてまた逆もあった革命当時。
主人公セリーのように革命軍を私怨を晴らす手立てとして利用した人はいくらでもいたかもしれない。
混乱が日常であった当時の様子が、垣間見えてなかなか面白い一冊でした。

ちなみに、作者のアン・ペリーをモデルにした映画に「乙女の祈り」がある。
ケイト・ウィンスレッドが出ていたので、タイタニックのあとで見たのだが、とってもエキセントリックな少女たちで怖かった…。アノ人がこの作品を書いたのね(多分映画は創作部分も多いだろうが)
と、別の面でも興味深く読めた話。

ネッ友のらむちゃんからお借りしました。ありがとう♪



世界史怖くて不思議なお話/桐生操★★★★
PHP文庫
世界史の闇に葬られ、迷宮入りした様々な事件を桐生さんが独自の視点から分析を施してまとめ上げた作品。
ジャンヌ・ダルク チェーザレ・ボルジア パラケルスス モーツァルト 鉄仮面の男 ナポレオン カスパール・ハウザー ルイ17世 ルードヴィヒ マタ・ハリ アナスタシア…その人生と最期とは…

この中ではやはり、最近読んだばかりの「ナポレオン」のことが、面白く読めた。
ずっと以前に預言書があり、ナポレオンの人生そのままを暗示してあったとは本当なのだろうか?
「ルードヴィヒ」は、先日、やはりらむちゃんに貸していただいて漫画を読んだのだが、写真が漫画とあまりにもかけ離れていてびっくりというかがっくりと言うか(苦笑)
たしかに若いころのルーは良い男だけど、晩年は…!!!
漫画とはエライ違いだった〜…(爆)
「モーツァルト」、映画の「アマデウス」とは違う視点からその死を捕らえていてこれも面白かった。映画によってサリエリ殺人説が浸透しているような感じだけど、この本を読んで事実はそう簡単なものではないと思われて、ますます興味を誘われた。

それにしても、ヨーロッパと言うと、毒殺とフリーメイソンを抜いては語れないような感じ。
マリー・アントワネットの父親のフランツも熱心な会員だったとか。
藤本本にはあんまり、フリーメイソンって出てこないけど、かなり浸透していたような感じだ。
あんまり分からないだけに不気味さが募るのである。

これも、ラムちゃんからお借りしました。ありがとう♪



もっとわたしを/平安寿子★★★★
幻冬舎
舞台やドラマの主人公…その主人公に当たってるスポットライトを少しずらしたり、カメラの角度を少し変えると、そのドラマでは端役だったひとが「主人公」になったりする。
そして、またその主人公のドラマの端役にも同じことが言えて…
そんな風に変わっていく主人公を一つのラインの上に配置していくと、いつの間にかそのラインは環を描いている。
この連作短編集はそんな感じの作品だ。
そして、カメラの角度が変わると、人の見え方も全然変わってくる。
主人公たちは誰もがみな「もっとわたしを…」という、切実な願いを抱いている。
もっとわたしを認めて欲しい
もっとわたしを好きになって欲しい
もっとわたしを分かって欲しい…
だれにでもある、正直な気持ち。

なかでも一番好きな話は歯医者の受付嬢が主人公の話。
ひとは見た目とはぜんぜん違う内面や、苦しみ悲しみを抱えてると再発見させられる。
さくさくと、読めました。

トラキチさんからお借りしました。ありがとう。



2004年の読書記録*4月



愛犬家連続殺人/志麻幸永★★★★★
講談社文庫
たぐい稀なる凶悪殺人事件でありながら、阪神淡路大震災・オウム事件の陰に隠れた形となったこの事件の共犯者が、自ら綴った生々しい、戦慄と驚愕のレポート。

ん〜〜。。
怖かった・・。
犯人と一緒に死体の始末をつけた人間にしか表現できないリアルな生々しいレポート。
文章も上手くて、迫力があった。
主犯の男、正気じゃない。
でも、裁判でそういうことを言うと「無罪」になるので間違っても「気が狂ってる」なんて言ってはいけないというのだ。
でも、とても、正気でこんなことできるわけがない。
そして、事件を昇進の踏み台にしようとする警察の体質。
本末転倒もはなはだしく、怒れる。
マスコミも、裏づけも取らず関根の嘘八百をそのままテレビで放送した事もあったそうな。
そういうメディアのあり方にも不信感を覚えた。
犯人が事あるごとに使う言葉「ボディーは透明」「透明にしてやる」などと言う「透明」の意味は、「殺す」と言う意味でオウムの麻原の「ポア」を彷彿とさせる。
どこか似通った感じがする。



水底の森/柴田よしき★★★
集英社
アパートで見つかった顔を判別できないくらいに潰された男の死体。
しかし、その部屋の住人ではないらしい。
その部屋に住む夫婦のうち、夫の方はまた別の場所で死体となって発見された。
関係者でただひとり、行方知れずとなった妻「風子」を追ううちに、刑事の要は自分の過去にこの風子との関わりがあったことを思い出す。
2人を殺した犯人は風子なのか?
そして顔を潰された死体は誰なのか?
女と男、事件と事件が横の糸、縦の糸で繋がっており、気が付くと一つの結末へ。

人の不幸は蜜の味・・・と言うが、風子の悲惨な人生が明らかになっていくのは、申し訳ないけど目が離せなかった。
事件の真相を追ううちに次第に明らかになる事実。その事実を求めて読者は刑事要の視点で読み進むのだが、このもう一人の主人公も激しい「生」を生きていて、どちらにしろ、一気読みさせる内容だった。
主人公たちに感情移入できない場合、いつもなら読みたくなくなるのだけど、これは読ませた!!
文章がよかったのかな?さすが柴田さんというところか。



蛇にピアス/金原ひとみ★★★★
文藝春秋
ぱっと、思ったのは「村上龍」みたい・・ということ。
主人公たちの暮らしに納得できる要素は少しもないし、こんな若者がたくさんいたら日本の将来はどうなるの?という気もするのだけど、主人公たちが深い迷いの中であがいている、溺れていると言う痛々しい感じがよく表れていた。
自分のからだを傷つけてまで飾ろうとするのその理由は?
舌に穴をあけたり、刺青をしたり。
ピアスさえためらう(耳が大きくて似合わないと言うのも理由の一つだけど!)「親からもらった体に傷をつけるな」と言われて育った私には、とても理解しがたい。
それでも、主人公たちの悲痛な寂しさや心の叫びが聞こえてきそうで、不思議と胸打たれる小説だった。

「命は誰のものか、それは、命を傷つけようとする人のものではなくて、その命を愛そうとする人のものだ」
これは、あるお坊さんの言葉だが、ふとこういうときに思い出すのだ。
いま世の中で自分も含めて一体どれだけのひとが本当に自分の命を愛しいと思っているのか。この少女たちに本当にきちんと、「生きる」ことを説ける人が何人いるだろうか・・と思ったり。



皇帝ナポレオン 上・下/藤本ひとみ★★★★
角川書店
良くも悪くも、すごい人だった!と言うことが分かった。
まさに怪物のような・・。
物事は平坦ではなく立体的で多面的だ。
ナポレオンにもいろんな面があり、ある面では「悪」であり、もう一つの面では「善」であることもあっただろう。
でも、そんなことは誰にでも言える。たとえヒトラーにだって。
やはり200万もの命がなくなった事実は重いと思う。
戦争があるたびに万単位の兵士たちが簡単に死んでいき、土地はあらされ蹂躙される。
「世界中が荒らされることなく、兵として徴用されたり、略奪されて苦しむ事がない世の中を作らねばならない」と考える主人公のことばは、本書をとおして著者が一番訴えたかった事ではないだろうか。
藤本さんの 「ナポレオンは英雄か独裁者か?アナタは、これを読んでどう思ったの?」という問いかけが聞こえてきそうだった。

あまりに長い作品であり、戦いの部分は小説というよりもレポートのような感じで少々読みにくい部分もあったがおおむね迫力ある作品だった。
以下、内容を書くので良かったら読んでみてください。

後の百日天下と言われるエルバ島の脱出からパリ行軍、ワーテルローの戦いに敗れるまでの間、新聞記者モンデールの取材と、彼の目を通してナポレオンに肉迫する。

ナポレオンという人は20年の間、戦争に明け暮れていた。
その間、ナポレオンの主な戦いはイタリア遠征、エジプト遠征、ロシア戦役などなど、もっと細かく言えばアウステルリッツの会戦、イェーナの戦い、フリードランドの戦いなどなど、ともかく人生イコール戦争のような人だったようだ。
そしてそれらの戦いのひとつひとつで何万人単位で、兵隊などが死んでいる。
ナポレオンのために命を投げ出す兵隊たち・・・本の中でナポレオンのカリスマ性が語られている。

ところが、一枚皮をめくればそこにいるのは妻ジュスティーヌに骨抜きのようになっているナポレオンが同居しているのだ。
戦地から毎日のように、妻に艶かしい手紙を書きつづけたナポレオン。
上巻では、イタリア遠征とエジプト遠征時代を描き、ナポレオンとジュスティーヌの関係を中心に影の実力者タレイランとの関係に迫る。
そして、ブリューメル18日のクーデターを経て終生執権、皇帝・・と上り詰めるナポレオンを描く。
すべてを知るタリアン夫人とモンデールの恋の行方も見逃せず、そのあたり藤本さんさすが・・という感じだ。

そして、ジュスティーヌの後も、何人もの女に「女狂い」するナポレオン。
そういう、裏の顔も明らかにしつつ、ナポレオンの罪を告発する下巻では、ロシア戦役のむごさが圧巻。
60万の軍隊がほぼ壊滅したと言われるロシア戦役。
そして、作中の次元で言うと「現在」のワーテルローの戦いを見たモンデールの目を通して、読者はナポレオンに反発したり理解したりしながら感動のラストへ。

ナポレオンがセント・ヘレナ島で死んだ後も、反ナポレオン、親ナポレオンに世論が揺れて、死後でもなお6000人の命がその為になくなったと言う事。
こんなにも、人の命を左右した人物だったのだ。
最後は自分がモンデールになって、ナポレオンの「ウィンク」を受けたような気分だった。



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感想