2005年の読書記録*6月
その2



なんて素敵にジャパネスク 8 炎上編 /氷室冴子★★★★★
集英社コバルト文庫
師の宮を追い詰めた瑠璃姫、勝ったつもりであったけどなんとなく釈然としない。何かが違う気がする…。すべてを知った高彬は、瑠璃姫の「勝ち」を素直に信じられず、自分なりに真相を追究しようとする。そして、明らかになった「本当の」真実とは!!
ああ〜〜。いよいよ「なんて素敵にジャパネスク」も、感慨の最終巻。
ラストにふさわしい、盛り上がり、ドラマティックな展開であった。
「あなたにもっと早く出会っていれば」という師の宮の言葉の意味がようやくわかると、それまでの「師の宮メをやっつけて!」と言う思いはどこへやら。ほんとうに時間を巻き戻せるなら、もっと早くに師の宮に瑠璃姫を会わせてあげたかった! こんなにも切なくて悲しい気持ちを抱いていたなんて。そうか、それが事実だったのか、そんな気持ちで生きてきたのかと、今までの師の宮に抱いてきたマイナスイメージがすべて雲散霧消。
以下ネタばれです。反転してください。↓
そして まさに「炎上」の時には、師の宮と絢姫両者の思い合う心、加えて、、絢姫を思う大弐の自害や師の宮を思う由良姫の断髪など「女たち」の行動、高彬へすがりつくようにして発した願い「師の宮を助けたい」と言う願いの深さに涙が止まりませんでした。煌姫ですら涙ぐんだのだもの(やはり、いい人だよね!)瑠璃姫が吉野君に思いを馳せて、師の宮を説き伏せようとする場面も泣けました。ほんとにボロボロ泣けた。
そしてそしてそのとき大活躍の高彬にも感涙。もしもコトが明るみに出たときは自分がすべてを背負い込む気持ちで…その壮絶な決心に、男を見た!!高彬、かっこいいよ!!でも、それもみんな瑠璃姫のためだったんだよね。愛は強シですね。
瀕死の意識の中で最後に瑠璃姫にあいたいと願った高彬。健気でいじらしくてまたまたじ〜んとしましたよ。瑠璃姫や、ここまで高彬に愛されて、幸せものだよね。やはり高彬はかっこ良い〜♪
そして二人が仲良しになった最終場面、ホッとした気持ちで読み終えることができて、物語が終わるのが残念なような、2人に平穏に末永く仲良くしてもらいたいような、
温かい気持ちで本を閉じたのだった。
mocoちゃんにお借りしました。どうもありがとう〜♪



なんて素敵にジャパネスク 7 逆襲編 /氷室冴子★★★★★
集英社コバルト文庫
師の宮の陰謀で、あやうく命を落としそうになった瑠璃姫。事情を知った、煌姫や守弥達と高彬の別邸に隠れながら養生する事に。しかし、そこに高木の妹の由良姫が、瑠璃姫の弟、融に連れられてやってきた!ことの中心人物の思いがけない登場に、みんなパニック!そこへ、今度は師の宮と手を組んでいる高彬の兄春日大納言まで登場して!!
そして物語は、 いよいよ、因縁の師の宮と瑠璃姫の直接対決へ??
命が危なくっても、決して死んでしまうような事がないのが主人公。そこは安心していたんだけど。
しかし、その生還に一役買った煌姫!面白い人だね〜。もう、大スキになってきた!…たしかに、出てきたときは「嫌な女」って思ったんだけどね(笑)。でも、こんな人が味方についたら百人力、とまで行かなくても(何の事情で寝返るかわからない危うさがある)力強い。守弥もしかり。
瑠璃姫が死んだとばかり思ってる、春日大納言に一芝居打つところがあるのだけど、それがもう面白くって!(笑)あいかわらずクルクル良く回転する明晰な頭脳。平安時代の姫様にしておくのはもったいないような人ですね!
師の宮との「対決」にしても、由良姫の恋心まで慮って、決断をくだす瑠璃姫のやさしいところがとっても好ましいです。
さて、「時間をください」と言って去っていった師の宮はどうする考えか。
ラスト8巻を待て!!(と言っても同時刊行だったらしいが)



なんて素敵にジャパネスク 6  後宮編/氷室冴子★★★★★
集英社コバルト文庫
なんとか師の宮の正体を暴きたい瑠璃姫。そこで一計を案じた。煌姫をスパイとして、師の宮の屋敷に送り込む事を!そのために、瑠璃姫と煌姫は大喧嘩をはじめるのだった。
かたや瑠璃姫自身は後宮に乗り込むことに。大皇のつてで段取りをつけていたのだが、そこにおり良く?後宮で「もののけ騒ぎ」が持ち上がる。そのドサクサに紛れて、予定よりも早く後宮入りを果たす瑠璃姫なのだが…。
完全に「サスペンス劇場」風です!この表紙!!第一巻の明るさは何処へ???(笑)
それにしても、なかなか瑠璃姫と高彬は新婚らしいイイ雰囲気にならないですなぁ。それがちょっと残念と言えば言えるけど、見事なケンカを(お芝居とは言え)見せてくれたり、後宮に乗り込んだり、気弱な辛気臭い女御にガッツをわけたり、後先考えずに啖呵切っちゃったり、瑠璃姫の魅力は満載で衰え知らず(笑)
ストーリー展開もすばらしく先を急がせる!!
鷹男のひさしぶりの登場も嬉しい♪それに、なんと言っても、この6巻では「瑠璃姫入浴シーン」がある!!…いや、別にいやらしい意味じゃなくって!この時期の人たちはお風呂はどうしていたんだろう?とか、気になるのですよ。ふむふむ、蒸し風呂ね。と、納得できて嬉しかった。でも、着物は脱いだのかしら?ベルばら時代のフランスがそうであったように、やはり入浴の週間があまりない古代では、体臭などを隠すために香を焚いたりしたのかしら?
そんなことはともかく、このラスト!!!
今までで一番、次が気になるラストじゃありませんか〜〜!!
瑠璃姫〜!!      つづく!



なんて素敵にジャパネスク 5  陰謀編/氷室冴子★★★★★
集英社コバルト文庫
三条家では、とあるツアーが行われる事になった。そのツアーとは「瑠璃姫懐妊祈願、帯解寺ツアー」。それは守弥が瑠璃姫に与えた入れ知恵で、このツアーで新三条邸をほとんど留守にしてその間に師の宮をおびき出そうと言うものだった。しかし、帯解寺が懐妊祈願の寺であると知らなかった瑠璃姫。子供をほしがっていると、義母はおろか高彬にさえ誤解されてしまう。
その夜、新三条邸に忍び込んだものがいた。その男が瑠璃姫にした事は…!!
5巻は「陰謀編」である。2巻までにもミステリー色は多少あったものの、本格的になってきている!しかも、表紙まで、それまでの天真爛漫さが抜けて「大人の瑠璃姫」みたいになってきているのだ。
でも、冒頭はまだまだ笑いの連続。なんと言っても、勘違いで「子宝祈願」を義母におねだりしてしまった瑠璃姫と、それをまともに「瑠璃が子供を産みたがってる」と受け取ってる北の方とのちぐはぐなやり取りが面白い!!瑠璃姫が北の方に圧倒されて、ぐうの音も出ないところなんて、面白くってもっと読んでいたいぐらいだった!
さて、 師の宮がどんな人物か…この巻で明らかになるのだが、とんでもない男ですね。でもなんだかミステリアスで、注目したい。
守弥もなかなかに侮れないヤツだったのだが、守弥なぞよりも一枚も十枚も上みたい。
そして、ここで、高彬に意外な苦悩があることが明らかになるのだが、それがまた6巻へ続いていく。早く!6巻へ急げ!!



なんて素敵にジャパネスク 4  不倫編/氷室冴子★★★★
集英社コバルト文庫
なぜか、急激に瑠璃姫に嫉妬心を露にする高彬。その近辺には謎の人物師の宮の影がチラホラと。
いっぽう、煌姫が思いもかけない告白をしてくる。それは、高彬と瑠璃姫とをひきはなそうとして守弥が暗躍、自分にその片棒を担がせようとした、ということをこれ見よがしに瑠璃姫に告げ口するのだ。
そこで、瑠璃姫はことの真相を正そうと、守弥を呼びつけるのだが !!!
瑠璃姫と高彬の結婚生活に平安な日々なし?

この4巻は、高彬のトチ狂ったような?嫉妬から始まる。
殿方に嫉妬されるなんて、なかなか気分が良いではないの?
しかも、師の宮が良い男として登場するわ、その師の宮に仕える邦利光もいいおとこみたいで、高彬のライバルだらけの4巻です。
3巻を読み終えた時、煌姫のことを「もっとかき回してほしい」なんて書いたんだけど、まさにそのとおりで、上品な生まれとは裏腹になんて現実的で利害にさとい姫様なんでしょう。こういう人結構好きです(笑)。なんと言っても座右の銘が「うまい話に裏がある」「人を見たら泥棒と思え」なんてね、アンタほんとに、水無瀬の煌姫なんですかい??(笑)
師の宮の正体も徐々に明らかに!次の5巻が楽しみです。
★4つなのは、高彬があんまり出てこなかったからね(笑)出てきてもヤキモチばかり焼いてるしね(笑)