2006年の読書記録*4月



週末のフール/伊坂幸太郎★★★★
集英社
評価の分かれる伊坂作品。わたしは好きですね。 これもよかった(ただし3作品目)。

近未来?それともパラレルな未来なのだろうか? この時代の設定は、あと3年で惑星が地球に衝突する、というもの。 8年前にその「発表」があり、人類は「生活」を止めてしまう。 パニックになり飛語流言略奪殺人なんでもアリの時を経て 残り3年となった今、パニックは小休止している。 「のんびり」してるとさえ思えるような人々の生活を描いてる。
のだけど、その登場人物たちの身内は、パニックの時に理由もなく殺されたり、パニックの人々の巻き添えになって死んでいたり、どの人もそれなりに辛い出来事を体験しているのです。 でも、投げやりになるではなく、泣き叫ぶのでもなく、(そう言うこともあったのだけど、そう言った「時間」はすべて終ったのだと思う)淡々と、だけど思いやりとか、人間らしさと言うものをちゃんと持って生活する人々を、仙台のヒルズタウンを舞台に 描く。
ちょっと読み終えたとき、アンニュイになってしまった。 自分にも「世界の終わり」が近づいてるような気が、感染したみたいに。
作品からは「生きるってなんですか?」という、重い問いかけを感る。 ただ、作品全体に漂う飄々とした雰囲気が、重さをあまり感じさせずにさらーっと読めたのだけど、ほんとうはもっともっと深いところで受け止めるべき作品なのだろうと思う。
でも、「どんな状況になっても生きていくのだ」というメッセージが胸に染みます。ありがとう…という気持ちになる。
「明日の記憶」の映画を見たときもちょっと同じような気持ちになった。
生きるのに資格なんていらない、
生にしがみつくことは醜くない、
ただ生きてるだけでいいんだよ、
できることをすれば良いんだよ…と言われてるような。

「鋼鉄のウール」の中に出てくるボクサーの『苗場』という男は、世界の終わりを告げられても動じることなく、いつものようにボクシングのトレーニングに明け暮れる毎日。 彼が言った言葉が、一番胸に突き刺さりました。 著者もこの言葉が一番訴えたい言葉だったのではないだろうか?

わたしたちはいつも、いつ終ってもおかしくない「今」を生きてるのだ。 「終わり」は今日かもしれない、明日かもしれない。 そんなあたりまえのことにふっと気付かされた。
期限は、あるのだ。

あさみさんにお借りしました。ありがとうございました♪



離婚裁判~モラルハラスメントからの脱出
   庄司雅彦
★★★
アメーバブックス
図書館に行ったら、新刊コーナーに置いてあって、そそられるものを感じて借りてきた一冊です。 ブログから発行にいたった本のようで、元ブログはこちら↓
離婚裁判
内容は、実は小説として読むとなんだかなぁって感じです。ゴメンナサイ。素人の枠を出てないというか…。
ただ。著書あとがきに書かれているように、小説としてどうこうと言うよりもこの本の出版の目的は「モラル・ハラスメント」略して「モラハラ」と言うらしいんだけど、その言葉の認知度を少しでも高めるためとのこと。そのために小説風にすればもっと大勢の人に知ってもらえるのでないかと言う意図によるものだとのことです。 素人臭い文章ですが(ぎゃー、わたしに言われたくないと思うけど!!)読みやすくはありますので、著者や出版元のその意図は成功しているかも。

さて、というわけでモラハラについてご説明をしますと。
特殊な精神的虐待で、真綿で首をしめるように相手に『自分が悪い』と思わせるようにしむけ、最終的には相手を、精神的に完全に支配してしまうこと。 例えば子どものうちから毎日のように、親から虐待を受けると、子どもは親の機嫌を取るようになり加害者の意のままに動くほうがかえって精神的な安定を得られるようになるそうですが、このモラハラにおいても、最終的に被害者は加害者に完全に支配され抵抗できず、言われるがままの状態になってしまうとのことです。
特に暴力をふるうわけではないので、離婚しようとしても難しい。『性格の不一致』で片付けられてしまうのがオチです。
裁判官などの法曹界の人たちでさえまだまだ認知度が低いんだそうです。

なかなかショッキングなネタだけに、実力のある小説家のかたに、また描いていただきたいものです。わー。何様?って感じでほんとに、ゴメンナサイ。



アラミスと呼ばれた女/宇江佐真理★★★★
潮出出版
お久しぶりの宇佐真理さん。 今回の主人公は、幕末に通詞(通訳)として、歴史の陰で活躍した実在の人物を描く!…と、一瞬思ってしまった。実際にはどこにも正式には記録が残ってないらしいけれど、ほんとうにいたのかもしれませんね、こう言う人。
肥前長崎、鎖国政策の布かれている日本で、ただひとつ世界に開かれた窓出島。主人公お柳は、その出島で通詞をしている男平兵衛の娘だった。少しずつ学んだフランス語の腕前は誰にも引けをとらなかった。
父親が攘夷派に殺されてしまったあと、芸者に身を落として母との生活を支えるお柳だったが、海外視察から戻ってきた榎本武揚(釜次郎)の口添えで、榎本お抱えの通詞となる。男のなりをして…。

+++感想+++

すごい人生ですね。お柳。怒涛のような人生に釣り込まれ、目が離せませんでした。戊辰戦争の真っ只中に通詞として飛び込む、あまりにも派手で濃厚な時間をすごしたために、その後の生活が地味すぎに感じたのでは。 がくーっとお柳も老け込んでしまったのではないでしょうか。 それを支えたのは娘のお勝の存在。 お勝がいなかったら、抜け殻のようになったに違いないと思うのだけど。 戊辰戦争のあとは、お勝がいたからこそ色鮮やかな生活が出来たのですね。 そして、やがてはお勝も手元を離れて…。 その母親としての責任を全うした気持ち、そして、えもいわれぬ寂しさ、虚しさのような気持ちが手にとるように感じられ、胸が詰まってしまった。 特に最後の榎本との別れの場面は…。泣けました。
しかしそれにしても、榎本武揚!ええ男でしたね! 妻がいながらお柳と関係を結ぶと言うのは、わたしのツボからは外れていてかなり惜しいが、男としてカッコよかった。 戊辰戦争のあと、長い拘置生活を経て、請われて新政府軍に入った榎本。一見「二君にまみえた」ように見えるけれど、実は本当に日本のことを考えていると言うことが、本書から伝わり榎本の男気を感じた。 この本で、榎本武揚にすごく興味が湧きましたがおりしも「小説現代」では北原亜以子さんが「密約」と言う小説を連載されているのだけど、これがこの榎本武揚の物語のようです。 チラッと読んだ部分では、榎本が留学中に触れた西洋の文明に驚くシーンがあり、面白そうです。本になったら読んでみたいです。
らむちゃんにお借りしました。ありがとうございました



硝子のハンマー/貴士裕介★★★★
角川書店
keiさんの紹介を読んで読みたくなって借りてきました。 面白かったです!

あるビルの最上階の社長室で起きた殺人事件。 容疑者として逮捕されたのは隣の部屋にいた専務だった。 が、無実を証明するために雇われた弁護士、青砥純子と セキュリティのエキスパート(?)榎本径の二人が事件を解き明かす。

何が良かったかと言うとですね!! セキュリティのエキスパートの榎本と言うひとが、ひじょーに魅力的であったということ!! クールでポーカーフェイス、スマートで慧眼 こう言う頭の回転の速い、賢い人に弱いのですよ。わたし。自分にないものを求めるんでしょうね〜。ツイラクですよ。 イメージ的にはミッチー(及川光博さん)だったなぁ。なぜか。 このひとと、若き弁護士の純子、このふたりのビミョーな距離感が、本筋とは関係ないんだけど、とーってもツボ!でした!
この関係が物語に、より鮮やかな色を加えて、ニマニマしながら読めるところがよかったー。
後半は『犯人』の視点で物語が進行して、前半とはまるで違うカラーですが、それはそれで面白かった。ストーリー的には犯人側の物語のほうが読み応えあり。 この犯行を二人がどうやって解いてゆくのか 密室の謎は解き明かされるのか。 真実はいったい、どういうことなのか。 全編興味しんしんで読むことが出来ました。
ラストはまた、にんま〜りの終り方で、続きが是非とも読みたい私。 これって、続編出てないのかな。 ふたりのかけ合いがまた見たいです♪ というわけで、なかなか読後感のいい本格ミステリーでした♪



ぼくは悪党になりたい/笹生陽子★★★★
角川書店
これ、かなり評判の良い作品ですよね。 で、手にとったのだけど、はじめのうちは文章がなぜか馴染みにくく(いやな文体ではなかったんだけど)鷲づかみ度には欠けた。
しかし、あるとき主人公が映画を見る。 その映画は「ギルバート・グレイプ」。わたしが一番愛する映画です。 ちょっぴり病んだ家族を捨てられず、面倒を見ている青年の物語。 それまで映画には関心がなく、ジョニー・デップもディカプリオも、ましてやラッセ・ハルストレム監督もよく知らない主人公が、「ギルバート・グレイプ」の主人公ギルバートにいたく共感を覚え、そして自分を重ねて行くのだけど、わたしはそんな主人公エイジにとても好感を持ち、このエピソードから感情移入して読むことができるようになった。
この「ぼくは悪党になりたい」は、ある意味で笹生流「ギルバート・グレイプ」なんだなぁと思います。 時々主人公が思い浮かべる映画のシーンが、映画を知ってる人には効果的にリアルによみがえり、感動を深めて行くと思う。
ギルバートほど深刻じゃないけど、このエイジも家族の面倒を見てます。 仕事で外を飛び歩いている母親に代わり、幼い弟の面倒を見て、家事全般も受け持ってる。わたしもこんな息子が欲しいと思えるようないい息子です。
物語は、エイジが修学旅行に行く直前、弟が水疱瘡になってしまうところから動き出します。母親は商品の買い付けで海外へ行ってるので修学旅行の間、弟の面倒を見てくれる人が必要になる。 そういう時この家ではいつも、母親の彼氏や元カレや準カレを呼ぶことになってるらしい。 で、今回白羽の矢が当たったのが杉尾という33歳の青年(中年?)。 この杉尾に弟ヒロトはとてもよくなつき、杉尾もまたヒロトエイジを大事にしてくれるのだけど、それには深い事情があったのです。
事情がわかったときにエイジが思ったこと、そしてとった行動、母親の言葉、すべてがじわーんと心に染み入ります。 エイジも杉尾っちもお母さんもみーんないい! 特に杉尾っちのメールは泣けた! これでもか!みたいな、わざとらしい感動を誘引するものはなく淡々としているのだけど、読み終えた後胸がほっこり温もるような、そんな素敵な物語でした。



主婦は一日にして成らず/青木 るえか★★★★★
角川文庫
るえかの主婦シリーズ第四弾!!
思えば、第一弾「主婦でスミマセン」では、鼻血ゼリーにのけぞり、 第二弾「主婦は踊る」では、OSKに入れ揚げるさまを見て呆然とし 第三弾「主婦と旅暮らし」では、明らかになる夫の実態に釣り込まれ・・・
しかし、その度に強烈なインパクトを残してくれてますよね。るえちゃん。 今回も 「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい…!!!!」 と、突っ込みたくなった部分多数あり。
まず、 「風呂の水は週に一度は替える」 とか 「トイレの床を一度も掃いたことがない」 とか  (拭いてるという可能性があるだろうか…) 「洗面所にボウフラを沸かせる」とか… あまつさえ、「そんなとこ(ぼうふらが湧いてる所=髭剃りのカップみたいなところに水がたまって、そこに沸いたらしい)見ないよ!」と逆ギレしてみたり。 「玄米が粉々になるまで、コクゾウムシにやられる経過を観察してた」 とかね…。 まー、でも、一番の「おいおいおい!!」は 蟻がたかったおはぎを、そうと知りつつ、おはぎの甘さに負けて逡巡なく食べちゃうところかなー。 蟻って、酸っぱいんですってよ! 「蟻酸」ってのに納得してた、るえちゃんなのです。
あとは、ゴキブリと友好関係を結んでみたり、 青虫芋虫毛虫の死の瞬間を瑞々しいまでに想像してみたり、 ナメクジとの格闘を描いてみたり、 (大きいナメクジは『ダイナメ』で、小さいナメクジは『コナメ』と呼んでますが、こういうるえちゃんのセンスが、わたし大好きでございます) 便所コオロギが好きだと言ってみたり(逆に、わたしのこの世の中で一番嫌いな虫がこの『便所コオロギ』つまり『カマドウマ』なんですよ〜〜〜〜!!!ゴキブリよりも嫌いなんですよ!!!気持ち悪いよね。でも、見つけたときは目が釘付けになる…ってことは、本当はすきなのだろうか。ぎゃー!!) ともかく、エッセイの前半は違うテーマ=だーさまとの馴れ初めとか、結婚式や新婚初夜のこととかなんだけど、後半は「虫一色」って感じでかなり、読み応えがあります。 嫌いな人は読んではだめですよ!

しかし、ゴキブリをつぶしたときに腹から出た汁が練乳に似てたというくだりを読んだからには、ちょっとこの夏練乳がけのアイスやカキ氷は食べられないかも…。



25時のイヴたち/明野照葉★★★★
日本之実業社
決して読後感が良い本ではない。
人間の(女の)心の暗部を描いてあるといえば良いかと。

+++あらすじ+++

飯野真梨枝、専業主婦39歳。
堀川理沙、仲間と広告代理店のような会社を経営してる37歳。
なんの問題もなく、一見幸せそうに見える二人は、それぞれ悩みを抱えていた。 片方は「不感症」もう片方は「味覚障害」。 そんな、何の接点も持たない二人が、とあるアングラサイトに出入りし始めたのをきっかけに、急接近して、そして、二人は実際に会うようになるのだけど…。

+++感想+++

物語は、アングラサイトにはまった二人の女の視点で進められていく。 特に、大きな事件や殺人が起きるわけでもないんだけども、「なんとなくミステリー」という感じです。
どっちかというと山本甲士さんの「とげ」「かび」「どろ」みたいな分野でしょうか。でも、山本さんの作品がどこか、爽快感があるのに対して、こっちは爽快感なんて全然ありません。かといって先日読んだ「砂漠の薔薇」みたいな忌まわしさが付きまとうわけでもない。
都合よすぎる展開にちょっと白けさせられたのと、サイトへの書き込みや受け応えの描写が長くて飽きたのとを除けば、結構面白かった。主人公たちへの感情移入とか、同情とかは全然感じられなくて、好感すら持てなかったんだけど、それでもなんかグイグイ読めた。 ということで、わたしはこの手の作品は、「どちらかといえば」好きです。
とりあえず「爽快、という言葉の対極にあるような読後感」とでも…。 Amazonさんの「インターネット社会の闇をえぐる、驚愕の書き下ろしサスペンス」ってのは、ちょっと大げさだよねぇ…。
ちょっとネタばれ↓
忌まわしさが残らないのは、「あんたら自分たちが悪いんじゃん」って、読者が思えるからかな。 やってることがね、みみっちくっていやらしいんですよねー。 そんなことやってるから、そんな目に合うんですよ。 天網恢恢ですよ! いやがらせのなかのひとつに、パソの変換の優先順位をいじる、と言うのがあるんだけど、彼女は、同僚のパソをイタズラして「文節変換」よりも「文字変換」を優先するように設定を変えたのだ。 自分のPCで文字入力したとき、変な変換が出たら気味が悪いしイラついてしまうから気持ちは分かるけど…。やることが、いやらしくってみみっちいのよ。くどいけど。そんな彼女たちにとても、好感は持てませんでした。 なんで、ある意味ラストは小気味がよいといえば言えるのかな・・・。 でも、小気味がいいとも思えない、なんちゅうか、いやらし〜〜〜い読後感でした。語彙力がなくってスミマセン^^;



バスジャック/三崎亜記★★★
集英社
三崎さんははじめて読みました。
すごく独特な発想をする作家さんですね!
その発想のおもしろさというか斬新さにビックリしました。
ちょっとでも、昔に読んだ筒井康隆の「おれに関する噂」とかを思い出しました。全然違うかもしれないけど、ありえない話なのに、日常に溶け込んでる感じが、そして主人公だけが違和感を抱いてるというところで、似てると思ったのだと思う。

表題作「バスジャック」のほかに
●二階扉をつけてください
●しあわせな光
●二人の記憶
●雨降る夜に
●動物園
●送りの夏
が収録されてます。

とくによかったのが「しあわせな光」と「二人の記憶」「雨降る夜に」の3本。どれも、すごく短い短編なのだけど、意外な発想とすとんと落ちるようなオチが効いていて読み応えがあり、インパクトが強かったです。
「二階扉」も、不思議な魅力があったなー。ちょっとぞっとするオチは、よく出来たショートショートを読んだときの衝撃に似た感じを受けました。うまい!と、唸りたくなるような読後感でした。

あさみさんにお借りしました。ありがとうございました♪



茶々と信長/秋山香乃★★★★
文芸社
秋山さん、お初でした。結構読みやすい文章を書かれる方で、最初からはまり込んで読むことが出来た。時代的にもこの時代は、わたしにとってもある程度人物相関が頭に入ってて、地理的にも近所であったり、身近に感じるところからも読みやすさは格段。
ただ、わたしはアンチ信長。戦国武将って誰もがどこかしら必ず残酷な部分を持ってるだろうけど、信長の残酷さは格別なのではないかと…。一揆衆などを降伏したにも関わらず騙すように何万人も虐殺したことはインパクトが大きいです。この人が「英雄」とされるのはどうにも納得がいきませんね。
かたや、茶々。後の淀君ですが、彼女に対してもいい印象はない。こう言う時に引っ張り出してくる本「歴史を騒がせた女たち(永井路子)」でも、ねね・北の政所のことは褒めちぎってあるけど、淀君のことは良く書いてない、影響されてるだけなんだけど、やはりそう言う風にインプットされたものはなかなか拭えない。
そんな二人の物語だったけど、信長暗殺までという茶々がまだ小さいときに絞ってあるため、後の淀君とは違う印象で読めました。戦国時代では珍しくないとは言え、父親が戦で死んだり、家を断絶させられたりと不幸の連続、そのために老成してしまいしっかりした少女となった於茶々。頼りない母を助け、長女として妹たちを護り、いつかは浅井家を復興するのだという決意を抱く姿が、健気で涙を誘った。
物語は、二度目の父親となった柴田勝家と母親於市の自害により、敵である秀吉に引き取られるところまでが描いてありますが、於市の方と一緒に過ごす最後の夜の描写など、泣けてしまって仕方がないほどだった。さぞかし、辛い思いをして来たんだなあと思うと、それまでどっちかというと「悪女」のイメージのあった淀君のことが、ちょっと違う目で見られる気がした。
タイトルは、茶々と信長の物語だけど、やはりこのこの時代はみなさん波乱万丈で、どの人とをとっても読み応えのある物語になるのだろうと思う。特にこの本でも、主人公二人と同じくらい於市の方と、秀吉のことが印象的だった。 また別の視点からも読みたいなと思わせられました。

ラムちゃんにお借りしました。ありがとう♪




桃色トワイライト/三浦しをん★★★★
太田出版
はぁ〜おもしろかった♪小説は合わないけど、エッセイは面白い!!すごく勢いのある文章で、一気読みさせられる。こっちもなんか妄想系で元気になれる気がする。
いつもながら出てくる(紹介されてる)漫画や映画なんて全部見たくなります。
今回特に気になったのが「仮面ライダー クウガ」。
しをりさん、このクウガのことをものすごく熱っぽく語り、友達にも普及してます。
仮面ライダーって、前から「暗い」と思っていたけど、しをんさんの解説でようやくその真理がわかりました。ライダーは、悪をやっつけつつも、やっつけるという行為が「悪」と同じであるための苦悩を抱えてるんですね。そのあたりことは、石の森章太郎センセイが乗り移ったのかというほどに克明に解説してくれててわかりやすかった!これによると、去年やってた「響鬼」のラストも頷ける!明日夢がどうして、響鬼の弟子を辞めたのか、やめさせられたのか、そしてやめたのに見守ってるのか、すっきりしないラストだなぁと思っていたけど、しをんの解説で納得がいきました。あの中途半端な感じこそがライダーのライダーたる所以なんですね!!

あと、同時に青木るえかの「主婦は一日にして成らず」と併読してたんだけど、るえちゃんが孤独な感じがするのに対して、しをんさんは友達がインパクトある。
るえちゃんが陰にこもった面白さなら、対照的に開放的な面白さがあるのがしをんさん。
そして、友達との間に繰り広げられる会話がまた魅力的なのだ。刺激的な会話してらっしゃるのよ。わたしも、家に閉じこもってばかりいてはダメだ!もっと友達と刺激的な会話をして、脳を活性化させねば!!と、思ったのでした。