子供と一緒に読みたい本、だけど
途中で泣けて読めなくなる本

声を出して読むと
黙読するよりもっと感動します。
こどもに読んでいると、どうしても泣けてしまって
最後まで読めない本ばかり集めました。

とくに、ベロ出しチョンマは悲しいです。
このページを書くために読み返してみたけど
やっぱり泣けました。
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ごんぎつね
きつねとぶどう
泣いた赤おに
むくどりのゆめ
ベロ出しチョンマ
チロヌップのきつね
いつでも会える








ごんぎつね  新美南吉

こぎつねのごんは、村で評判のいたずらぎつね。
今日も、兵十が一生懸命になってとっている魚やうなぎを 逃がしたりします。
だけどそのうなぎや魚は、兵十が病気のおっかさんに食べさせるつもりのものだったみたい。 兵十がおっかさんの葬式を出していたから、やっとごんは自分のしたことが どんなに悪かったかわかったのでした。
そこで罪滅ぼしのつもりで、ごんは兵十にいわしをプレゼントします。 でもそのいわしは、ごんが魚屋から盗んだもの。 おかげで兵十はいわれもない罪をかぶって、魚屋になぐられてしまいました。 あざを見て、ごんはまたまた反省します。
そこで今度は、山の栗やマツタケを兵十にあげることにしました。 これなら誰にも怒られたりしません。
毎日のようにいつのまにかうちの中においてある栗やマツタケを見て 兵十はほんとに不思議。 神様にお礼を言ったりします。ごんは、それを聞いて、なんとなくつまらない思いをするのでした。 ごんが栗やマツタケをあげているのに、お礼を神様にいうなんて。。
さてあるひ、おなじように兵十のうちに栗やマツタケを 持っていったごんは、兵十に見つかってしまいました。
兵十は、またごんぎつねが悪さをしにきたと思い込んで火縄銃でごんを撃ちます。 ばたりと倒れたごんのそばに散らばる栗やマツタケを見て 兵十は本当の事を知り、「ごん、おまえだったのか。。」とつぶやくのでした。
自分の書いたこのあらすじを、読んでるだけでも なけてしまう。。。。(笑)ごんがかわいそうだ。。。 どうしても、子供に最後まで読むことができない!!





きつねとぶどう  坪田譲治

「まっておいで、おいしいものをとってきてあげるから」
といいのこして、かあさんぎつねはおなかをすかせたこぎつねのために ぶどうをとりに行きました。三つの山を越えて、大きなぶどうを一房くわえて 、走って戻る母さんぎつね。
巣の近くまで戻ると、こぎつねがおなかをすかせてなく声が聞こえます。 こぎつねが無事に待っていると思うと安心して、疲れを急に感じたので かあさんぎつねは大きな木の下にぶどうを置いて休むことにしました。
そのとき、犬のほえる声が!猟師が犬を連れてきているのです! 母さんぎつねは大声で、こぎつねに呼びかけました。 「こーん!あぶない。にげなさい!」
こぎつねはその声を聞くと、驚き逃げました。
それからながい年月が経ちました。かあさんぎつねは戻ってこなかったのです。
ある日、昔母さんと住んでいた巣の近くまできたきつねは、大きな木に ぶどうが巻きつき実っているのを見つけました。
甘いそのぶどうを食べたとき、母さんの声が思い出されました。 「待っておいで、おいしいものをとってきてあげるから」 こぎつねはそこにぶどうが成っているわけに気づくと母さんに感謝するのでした。




泣いた赤鬼  濱田広介

山奥に住む赤鬼は、人間と仲良くなりたくて仕方ありません。
でも、人間は赤鬼が怖くてたまりません。
仲良しの青鬼に相談したら、青鬼は 「自分が悪者になって暴れるから、君は僕をやっつけて 人間を助けなさい。そうすればきっと、みんな君と仲良くなるよ」 と、アドバイスをします。
そして赤鬼は念願どうり人間と仲良くなりました。
ある日赤鬼はずっと気になっていた青鬼のことを思い 会いに行きます。でも、青鬼はいなくなっていました。 家の戸には張り紙が。。。そこにはこう書いてありました。
「赤鬼君、人間たちと仲良く暮らしてください。 自分は旅に出ます。僕と仲良くしているところを 人間たちに見られたら、きっとみんな君を疑ったり怖がったりするでしょう。 だから、僕はしばらく旅に出ることにしました。 体を大事に、人間たちと仲良くしてください。 いつまでも君の友達 青鬼」
それを読んで、赤鬼はしくしくとなくのでした。
なんか、私のあらすじからは青鬼が嫌味でやってるようにしか感じられないなぁ。 (笑)赤鬼がしくしく泣く時、一緒に泣いてしまうんだよね。濱田広介の原文は 優しさにあふれてて、感動的なんだけど。。。






むくどりのゆめ  濱田広介

幼いむくどりはおとうさんとふたりで、大きな栗の木のほらの中にすんでいます。
お母さんはいません。むくどりがちいさいときに死んでしまったのです。 でも、むくどりは知らずに、「おかあさんはどこ?」 ときいて、おとうさんを困らせたりします。
ある夜、かすかな音で目を覚ましたむくどりの子は、母さん鳥が帰ってきたと思いました。 でもそれは風が木の枝の枯葉を鳴らす音だったのです。 その葉の音が、むくどりの子にはかあさんの羽音のように、そして、ささやきのように 感じるのでした。
たった一枚残ったその葉を、むくどりの子は 馬の尾の毛で、結わえ付けました。 風に飛ばされて遠くに行ってしまわないように。。。。。。
その夜むくどりの子は夢を見ました。 真っ白な鳥がどこからか、ほらの中に入ってきて、むくどりの子を見つめているのです。 「おかあさん」と呼びかけてみますが、ただ黙って見つめ返すだけ。 そしてふっと消えてしまいました。
翌朝むくどりの子は枯葉に雪が積もっているのを見つけます。夢の鳥は この葉だったのか、と思いそっと雪を払ってやるのでした。
幼いむくどりの子が、かあさんを一生懸命待ってる様子に心を打たれます。 友達が「いもとようこさんの挿絵がよかった」と言ってたけど、まだ見てないので ぜひ探してみるつもり。うちの図書館にはないんだよね。






べろだしチョンマ  斎藤隆介

千葉のほうの民芸品にまつわるお話。
チョンマっていうのは長松がなまったものだそうで。
長松は12歳。妹のウメはまだみっつ。しもやけがひどくて、膿んだりしています。 お湯につけたり布を巻いたりしてやるのは、長松の仕事。
何とかウメが泣かないように、長松はとびきりおかしい顔をしてやります。 眉毛を、かたっと下げてべろをぺろっと出す。 ウメが笑っているうちに、布をひっぱがすのです。
しもやけを手当てしてもらったウメは気持ちよく寝付くのですが、 長松は眠れません。この地方が米が取れないのに、年貢の取立てはすごく厳しいから 大人たちが困っているからです。
うちこわし、ちょうさん(よその国へ逃げること)、ごうそ、じきそ、などと言う 怖い言葉がささやかれています。
ある日、長松のとうちゃんは将軍に直訴に行ったため、殿様の怒りをかって 一家ははりつけ竹槍の刑に処せられることになってしまいました。
とうちゃん、かあちゃん、長松、ウメ。。順番に はりつけにされていきます。
ウメは怖がって、泣き叫んでいます。
ウメの胸の前で槍の穂先が光り、ウメが「おっかねー!!」と叫んだとき 長松は「ウメ!こわくねえぞ!アンちゃんを見ろ!」と叫んで、眉毛をかたっと下げて べろをぺろっと出しました。
見ていた村人たちは、泣きながら笑い、笑いながら泣きました。
長松は、べろを出したまま槍で突かれて死にました。
斎藤隆介の童話は、ほかにも泣けるのが多くありますよ。 身を犠牲にして、山火事を防ごうとする「三コ」や、海が荒れるのを止めようとする 「八郎」など。。。昔、みんなが貧しくて、貧しいゆえに悲しい思いをしなければならなかったこと がよくわかると、今がどんなに恵まれている時代なのか考えるきっかけにもなります。






チロヌップのきつね  高橋宏幸 金の星社

北の海にチロヌップという小さな島がありました。
戦争のころそこに、きつねの親子が仲良く幸せに暮らしていました。 元気な坊やぎつねと、甘えん坊のちびこぎつね。
ちびこぎつねは、家族とはなれてしまい、夏の間だけ島に漁にきている老夫婦に可愛がられます。 その老夫婦が帰ってしまうと、また家族での暮らしが始まりました。
ある日、小川で鮭を取ろうとしていると、ダーンダーンと音がして 坊やぎつねがばたりと倒れました。 かあさん、とうさん、ちびこは森に逃げましたが、坊やはそれきり帰りません。
そしてちびこも、人間の仕掛けたわなに足をはさまれてしまいました。 とうさんはちびこをかばおうとして、わざと人間のほうに走っていきました。 鉄砲の音がして、とうさんも帰ってきませんでした。
かあさんはちびこのためにせっせとえさを運びます。 でも、かあさんもまた鉄砲で怪我をしていたために雪が降り出すころには 力が尽きてしまいます。
二匹は寄り添うように死んでいきます。
その時ちびこの目には、舞い落ちる雪がまるできつねざくらの花のように見えるのでした。
戦争が終わり何年かたち、老夫婦が島にやってきます。 ふたりはそこに、きつねざくらがまるで親子が寄り添うような形となってかたまって咲いているのを 見つけたのでした。
戦争の悲惨さ、人間の尊大さ、傲慢さが現れていて本当に泣けてしまいます。 3部作になっていて、文庫本ででてるのもありますが、お勧めは絵本のほうです。 鉛筆の優しいタッチが生きている絵を見ただけで泣けるような素晴らしい絵本です。 ぜひぜひ一度読んでみてください。






いつでも会える  菊田まりこ  Gakken

ぼくはシロ。みきちゃんのイヌ。ぼくはいつも楽しくて、うれしくて、しあわせだった。みきちゃんが だいすきだった。ずっといっしょにいられると思った。どうしてかな。なんでかな。 みきちゃんがいなくなった。ぼくはいつもさみしくて、かなしくて、ふこうだった。みきちゃんにあいたかった。 とっても会いたかった。どこ?どこ?どこ?どこ?どこ?どこにいるの? しろってよんであたまをなでて。。。。。。。。。。
シロの買主みきちゃんが死んでしまい、探し回るシロが健気でかわいくて 涙、涙、涙、、、でも、目を閉じるといつでもみきちゃんと会えると気づく シロの姿はきっと皆さんの胸を打つでしょう。