おばあちゃんの家
韓国映画です。

すべてのおばあちゃんに捧げると言う献辞がついているとおり、ほんとうに自分のおばあちゃんのような気持ちで見てしまった。
そして、ここに出てくる孫のサンウは自分だ。
おばあちゃん、ありがとう
ありがとうね
そしてごめんなさい。
ひどい事をして、ひどい事を言って。
まだ、子供だったんです。本当にごめんなさい。
と、言いたい。
おばあちゃんは言うだろう。
いいんだよ、そんなこと、全然構わないよ。
わたしはおまえと暮らす事が出来て 、とっても嬉しかったんだよ。
わたしこそ、ありがとう。
と・・・。

長くなるけど、ストーリーを書いたので、映画を見ることはないだろうけど、内容を知りたい、と思う人は読んでね。
おばあちゃんの優しさとサンウとの心の交流に号泣しました。
二度と見ることは出来ないと思う。
ラストを知っていれば、冒頭から泣けるのは分かっているので、見られない。
でも、一度見ただけでも心に焼きつくほど、まるで自分の思い出のように胸に刻まれた映画だった。
↓start
幼い子供にとっては、年寄りと言うのは醜くて汚くて臭くて、ひょっとしたら怖いような存在だろう。
身近に老人と触れる機会がなければなおの事だ。
主人公のサンウは、年の頃5歳から6歳ぐらいだろうが、ある時母親の都合でそんな汚い老人のおばあちゃんに預けられる事になった。
はじめてそのおばあちゃんを見たときサンウは驚いただろう。
あまりの汚さに。腰も曲がり、真っ白な髪にシミと皺でいっぱいの黒い顔、着ている物もボロ布のようだ。
おまけに、耳も聞こえず口もきけない。
おかあさんは、そんなおばあちゃんにサンウを預けて自分だけは大都会のソウルに帰っていった。
おばあちゃんの家は山の中にあり、水道もガスもない。おまけに今にも潰れそうなボロ家だ。
サンウは自分の置かれた状況を受け入れられずおばあちゃんにぶつける。
汚い、触るな、あっちへ行け!!…思い切り罵倒する。
このおばあちゃんはとってもとっても貧乏で、その日の暮らしにも困っていそうなんだけど、ありったけの愛情で孫に接する。それがほんとうに一生懸命で、心が広いのだ。
何をされても言われても全然怒らない。
自分ににできるだけのことはしてやろうと言うのが伝わってくる。
ケンタッキー・チキンが食べたいと言えば,雨の中を持って帰ったニワトリを丸ごとボイル。こんなのケンタッキー・チキンじゃない!と、またまた癇癪を起こすサンウ。
市場でカボチャを売ってサンウに靴を買ってやり、美味しい物を食べさせ、自分は一晩かけて歩いて帰っても、サンウだけはバスに乗せてやる。
お金なんてないはずなのに、ゲームの電池のお金をくれる。
そんな愛情がサンウに伝わらないわけはない。
サンウだって本当はふつうの良い子なんだ。
ただ、お母さんとはなれてこんな山奥の、ゲームも出来ないようなところで暮らす事の理不尽さと戸惑いを持て余して、おばあちゃんに当たらないではやっていられなかったのだ。
最初は、馬鹿にしたり蔑んだりと、とってもひどい態度しか取れなかったサンウだけど、おばあちゃんが自分に、ほんとうに尽くしてくれていると言うのがわかってくる。
やっとおばあちゃんの愛情がこの子にも見えてきたとき、お母さんから手紙が。
迎えにくると言うのだ。
サンウは別れを前にして、おばあちゃんに字を教えようとする。
教えようとする言葉は二つ。
「会いたい」「体がいたい」
「手紙を書いてよ。体が痛いって書いたら、僕すぐに来るからね」と。
「こんな簡単な字も書けないの?」と、またしてもバカにしたような口をきくサンウだけど、その口調には初めのころにはなかった愛情の響きがある。
手紙をくれなかったら、からだが痛くて寝ていても来てやる事ができない事を心配しているのだ。
叱られながらもおばあちゃんも別れが寂しく泣いてしまう。
サンウも泣いてしまう。
字を練習しながら、2人は最後の夜を泣いて過ごしたのだった。
バスがやってきて、いよいよ別れの場面。
サンウには上手におばあちゃんに言葉もかけられない。
おかあさんが「サンウ、ありがとうは?」と言っても仏頂面でだんまりだ。
やっとのことで、だまって絵葉書をわたすだけ。
それは、サンウの宝物で、大好きなロボットの写真絵葉書だった。
バスに乗り込んだとき、おばあちゃんは窓の外で曲がった腰を伸ばして立ち上がり、窓をたたく。コンコン。サンウの顔を見せて欲しいのだ。でも、サンウには出来ない。
バスはそのまま発車した。
サンウは、バスの最後尾の窓まで走った。
そして、おばあちゃんの方を向いて、手のひらで丸く自分の胸をさすった。それはおばあちゃんの手振りで「ごめんね」の意味なのだ。
おばあちゃんに見えたのだろうか?
バス停からまた、ひとりで遠い道のりを杖突ながら歩いて帰るおばあちゃん。
家に着いて、サンウがくれた葉書の裏を見てみると、そこにはサンウの絵と文字が。
布団に寝ている絵には「体が痛い」と言う字。
涙を流している絵には「会いたい」と言う字。
それは、字のかけないおばあちゃんに代わってサンウがかいた絵葉書だったのだ。
この子が、おばあちゃんが自分にしてくれた事、自分へ注いでくれた愛情に本当の意味で気付くのは、いつだろうか…。
そして、そのとき同時に、自分がおばあちゃんにした仕打ちのひどさに気付くだろう。そして、後悔するだろう。きっと、後悔してもしてもし足りないほど後悔するだろう。
「おばあちゃん、あの時はごめんね」と、胸が痛むに違いない
だけど、おばあちゃんは笑って許してくれる。
そもそも、怒ってなんかいないのだ。
世界中のおばあちゃんの愛情を全て集めたような、大きな大きなおばあちゃんの愛情の物語。

オススメ度=★★★★★
SIN  凶気の果て
ゲイリー・オールドマンのクライムサスペンスと言う事で借りてみた。
ゲイリーの役どころは、怪しげなポルノビデオの製造元、しかしてその実態は…!!という、…の部分が追々に判明してくると言うサスペンスなんだけど、怪しげなビデオを作ってるというのが、いかにも、似合いそうでいて、これが私は不満だった。
ゲイリーが演じるにはあまりにも「ふつー」すぎる。
「トゥルー・ロマンス」のドレクセルとか、「レオン」の悪徳刑事とか「告発」の悪徳所長とか「ドラキュラ」のドラキュラとか!「ハンニバル」のメイスンとかに比べたら全然「普通」!!すぎて、ちょっとな-って感じ。
ストーリーも、誰を中心に見たら胸がすくのか分からないまま、見終えた後もやりきれない思いだけ残る。

でも、あれはヅラでしょ?ゲイリー。だって「ザ・コンテンダー」の時よりも3倍増しになってるぞ。

オススメ度=★★★
トロイ
でかい画面で見たら迫力があるだろうと、劇場に行かねば!と思って行った。
ご存知「トロイの木馬」ウィルスの名前にも使われる古代の戦争テクニック。
ギリシャ神話フリークなら誰でも知ってるこの「トロイ戦争」なんだけど、神話とはちょっと違う。
この映画で重要な役どころというと、ギリシャの英雄アキレス(ブラピ)同じくギリシャのオデッセウス(ボロミアのシーン・ビーン)トロイの王子、兄ヘクトル(エリック・バナ)弟パレス(レゴラスのオリー君)この4人だね。
で、誰が一番良かったかというと、さすが主人公だけあってブラピがよかった。
マッチョだったし(笑)
最初はただ強いのがとりえの傲慢な男だったのが、愛を知ることで変わっていく。
それがなかなか訴える物があり感動した!
最初から良い男だったのが、トロイの兄ヘクトル!彼はよかったぞ、最初から最後まで。
それから、パレス。
こいつは…!!
そもそも、すべての根源はおまえの横恋慕のせいじゃ!!
トロイの人たちもよく我慢してるよ。と思ったね。
神話だとこの辺もうすこし、神様たちが出てきて複雑な話なんだけど、まるきりただの「不倫」になっていたな!
そして、今回の目玉のシーン・ビーン。「LOTR」のボロミアの早々のリタイアで、涙をのんだ彼のファンたちにとっては彼こそが、今回の目玉だと睨んでるのだがどうだろうか。
たしかに、彼は良かった。良い人過ぎた。
本来オデッセウスというのはずる賢い司令官なのだ。でも、この映画では良い人過ぎたために、ギリシャ軍の残酷さとミスマッチであったように思う。
ブラピとボロミアのファンには嬉しい映画、そして、レゴラスファンには舌打ちしたくなるような映画ではないかと思った。
いい男指数=ピーター・オトゥールのトロイ王に85%!
息子を思う父王の涙にやられました!
オリー君はこの映画で評判落としたと思う!(多分…役が悪いよ)

オススメ度=★★★☆
チョコレート
ハル・ベリーがアカデミー賞を取った映画ということで前から興味があり見た。
主演は、ビリー・ボブ・トーンソン(「バーバー」など)その他の出演者にヒース・レッジャーなど。
アカデミーと言うだけあってハル・ベリーの演技は体当たり。というか、激しいベッドシーンが体当たりだったような。というか、ベッドシーンと言う言い方最近しないか(爆)

白人至上主義者の父の元で育った主人公が、黒人女性と知り合いそして、恋愛関係に落ちる。
その中には、死刑、人種差別、虐待、摂食障害、家族の死と老いなどなど、重いテーマがてんこもり。
そういう父親に育てられただけの事はあって、主人公も差別主義者。
それが、結局は、黒人のハル・ベリーに恋してしまって、変わってゆく。
が!!!・・・
ここからネタばれand辛口感想
だいたい、この主人公の男が好きになれないんだなー!!
第一の怒り!!隣の黒人家族への対応がひどい!!
自分ちの庭に入ったというだけでライフル銃をぶっ放して威嚇するんだぞ!!
「あんたの息子が呼んだんだ」と弁解しても(息子は優しい)容赦ナッシング。
第2の怒り!!息子に冷たく厳しすぎ!!
刑務官の親子なのだが、死刑執行のときに失敗したからといって息子をなじる事なじる事。
そのせいで自信をなくしたヒース演じる息子は自殺する。
そのとき、父親に「俺が嫌いだろう?」と問うのだがそれに答えて「ああ、ずっと嫌いだった」などと言うのだ〜〜。ぐおお〜〜!!売り言葉に買い言葉とは言え、たとえ口だけとは言え、それは言っちゃいけないだろう〜!!ぐおお〜〜!!そして、その答えに息子は「俺はずっと愛していた」と、一言残してその場で拳銃自殺。ぐおお。ヒース・レッジャー哀れすぎる〜〜(涙)
その後偶然だけど、死刑執行したばかりの男の妻レティシア(これがハル・ベリー)と知り合い、お付き合いが始まるんだけど、急に良い人になっちゃって、隣の黒人親子にも普通に接しようとはじめる。
ま、それはいいのだが、父親は相変わらずの差別主義。突然尋ねてきたレティシアに黒人と言う事でひどい言葉を投げつけるのだ。考え方ってなかなか変わらないよね。それも、まぁとりあえず横に置いといて。
ここで第3の怒り!!その後主人公は、父親をさっさと、施設に入れちゃうのだ。父親が「こんな所で死ぬのは嫌だ」と半泣きなのに、さっさと、おいて帰っちゃう。そして、晴れてレティシアと暮らし始める。めでたしめでたしってか?
たしかに、見る側にとっては「悪役」の父親だよ。でも、だからと言って施設に入れてそれで完結…というのはどうなのか?
こんな主人公で良いのか?
この主人公の変化が映画の見どころなのかもしれないけど…ちょっとおばさん、納得できなかったな〜。
しかも、レティシアのことほんとに、ずっと大事にするのか?
なんかとっても怪しいんですけど!!
(レシティアの行動は、納得できる)
テーマから言って、こないだ見た「ビューティフル・マインド」みたいな感動作を期待しただけに…。

オススメ度=★★
デビルズ・ゾーン
全部早送りで見たので内容はあんまりわからない。
人形に襲われる話。
一応書いておく。

オススメ度=…
折り梅
愛知県が舞台の実話を元にした痴呆老人の介護の話で、東海地方ではミニシアター系でちょっと前に話題になったよね。
テレビ放映の機会に見ることが出来た。
主人公のともえ=原田美枝子、その夫トミーズ雅。母親に吉行和子。

つまり、引き取った夫の母(吉行=まさこ)はボケを抱えており、それによって家族が混乱してあわや家族崩壊の危機となる。が、それを乗り越えて行く…そして、まさこに思わぬ才能がありそれを開花させて行く…という内容。

「嫁」と言う立場のともえが主人公で、彼女が姑にたいしての接し方がだんだんと変わっていくのが感動を呼ぶのだが、どう乗り越えて行くか、この映画ではそのきっかけは「話をする」と言うことではなかっただろうか?
落ち着いて何でも無い昔話などしてみたら、自分にはない苦労の歴史があったり、その中で夫を育て上げたのだと思ったとき、なにかがともえの中で変わったと思う。

話をすると言う行為は一種のスキンシップだと思う。
話を聞くことで、相手への理解が深まり、心を開く事ができる。心を開けばまた心からの会話も出来るというものだ。そしてまた相手への理解に繋がる。
「言わなきゃわからない」「言葉にしなきゃ伝わらない」ってことも、あるもの。っていうか、その方が多いんじゃないの?日本人は肉体的にもそうだけど、言葉でもスキンシップが苦手なんだよね。

「相手を変えようと思ったらまず、自分が変わらなきゃ」と、ともえは後に言うのだが、「否定せず」「誉めて」「認める」と、まるで子育てのそのままのことをこなして行くことでおのずと義母に対して尊敬の念が生まれたと思う。だから、義母のまさこもともえに心を開いてゆくのだ。そして夫も変わってゆく。
認められたいという思いは、ボケた方のまさこだけではなく、ともえにも強くある感情で、それが満たされていくと肉体的に少々きつくても優しさを失わないでいられるのではないだろうか。

最初はボケて訳のわからない事を言うまさこに「何訳のわからない事を言ってるの!」と、ヒステリックに怒鳴りまくるともえ、そしてそれにまさこの方も狂ったように抵抗して…修羅場である。
でも、映画の終わりの方では「ここは自分の家ではない。自分の家に帰る」とボケて言うまさこに、決して声を荒げる事もなく、上手に話を合わせて「いまからじゃそんな遠いところには帰れませんわ、だったらうちに泊まってくださいよ。お茶でも出しますから」なんて、他人の振りをして言うんである。

なかなか、自分がこの立場に立ったらうまく出来そうもないし、よしんば出来たとしても相手が思うように反応してくれなかったら、予定と違う〜!と、またまたヒスを起こしそうな自分だが(だいたい、子育てそのものが下手なので)、この映画は介護している人にとっては「あなたの努力はちゃんと認められているんだよ。だから頑張ってね」という、優しいエールとなっていると思うのだ。
いつか必ず来る親の老い。
そして、また自分もいつかは…。
そのとき、この映画を思い出したいものだ。
音楽も優しく効果的に流れてきて、グッド。おすすめの一本です!

オススメ度=★★★★
紳士協定
1947年のアカデミー作品・監督(エリア・カザン)・助演女優賞(セレステ・ホルム)受賞。
主演はグレゴリー・ペックです。むちゃカッコイイ♪

あるジャーナリストが「反ユダヤ主義」についての連載を引き受けたのだが、より斬新な内容にするために、自分がユダヤ人だと周りに嘘のカミングアウトをして、ユダヤ人に成りすまし、そこで実際にユダヤ人の逢っている差別や偏見を肌で感じる。それがまた、陰湿でいやらしいこと!!怒りが込み上げる。
しかし、真実を知っている恋人と、その事でギクシャクしてしまう。

50年以上前の作品だけど、全然、今見ても違和感はない。
たしかに、差別そのものは表立った物はなくなってきているだろう。
だけど、それは「臭い物にふた」をしただけで、殆ど内面は同じだと思う。
主人公の恋人は「自分は反ユダヤではない。それどころか、ユダヤを差別する人を嫌悪する。だからわたしは『よい人』なのだ」と、自分の事を思ってる。
この恋人の姿が、一般の人びとの姿の投影となってると思う。

「わたしは人を差別する」と、公言する人は滅多にいない。
誰もが「わたしは差別などしていない。する気もない」
と、言うだろうし、本当にそう思ってるだろう。

でも、たとえば、公衆の面前で辱められている人を見たときに、立ち上がって、その人の味方をして辱めた方の人を糾弾できるのだろうか?
主人公の恋人は「心の中では大声で糾弾したかったが、でも何もせずにただ軽蔑しただけ」と言うのだが、これが一般の人の偽らざる姿だろう。
でも、それで問題は解決しないのだ。
差別される側から見たら、黙ってみている人も差別している人と何ら変わりはないのだ。
むしろ、黙ってみている人こそが差別する人の行動を助長していると言っても良いだろう。

この恋人は、ついには自分も差別する側だということが分かり、それを知らしめた主人公を憎む。
知らなければ自分は「よい人」のままでいられたのに。
でも、ここでこの映画が言いたい事は、恋人の言動を通して「もっと、自分の中の差別する心を認めて、差別と向き合ってください。そこから何かが始まるのです」という事だと思うのだ。

主人公はここでは偽者ではない「反差別主義者」になっている。
そのあまりにも堂々とした「正義」はそれだけで人を傷つける事もあるのだ。
そして、主人公は無意識に恋人を差別する。
「ぼくは差別しない人。だけど、君は差別する人」と。
どこにでも、どうしても、差別は生まれるということも、この映画は物語っていると思う。
差別は存在する。
なくならない。
でも、それを認めるところから何かが始まるのだ。

汚い物に蓋…それは、この主人公の雇い主の編集長の言葉だが、人間ってほんとうに情けない生き物だと思う。
でも、それだけでもない。自分の中の差別を認めた主人公の恋人とのラストに救いがある。

ペックの息子役も、ゴールデン・グローブ賞の子役賞を取るぐらい名演技。私もほろっとしました。

いい男指数  グレゴリー・ペック=98%

オススメ度=★★★★☆
マクダレンの祈り
マーガレットは、親族の結婚式で、従兄弟に暴行されてしまう。
そしてその事はその日のうちにみんなに知れ渡り(最初はマーガレット自身が他の親族に訴えたのだが、人から人へと伝言ゲームのように伝わった)、マーガレットは程なく、マクダレン修道院に収容されてしまう。
そこには、「男を引きつける魅力があるから」と言うだけの理由で収容されたバーナデッドや、未婚で出産して子供と引き裂かれたローズなどもいた。
1996年まで続いたマクダレン修道院の真実の姿を、宗教の名の下にゆがめられた少女たちの青春と、宗教と人道のあり方を通して描く問題作。

原作は前に読んだけど(こちら→ click)「働く側」から見た原作とは違い、映画では原作を原案として、入所者側からマクダレンを描いている。
どちらの方が衝撃的かというと、やはり、映画だろうか。
原作では、著者のジレンマとか苦脳とか罪悪感などが中心に描かれていたが、映画はひたすら入所者たちの受ける虐待や非人道的な扱いを、カトリックの修道院で行われると言う矛盾が描かれている。
そんな中でも外に出ることを諦めずに反抗している主人公たちの姿が、痛々しく印象的だ。
この時代のアイルランドでは、ケッコン前の女性が性的な行動を取る事がとっても「罪」な事とされた。罪!なんである。不道徳、とかじゃなくて!それも、殺人級の罪なのだ。
もしも、そういう噂でもたとうものなら、家族はあわてて娘をマクダレン修道院に押し込めた。
帰ろうとしても「恥」として、受け入れず、見捨ててしまうと言う事も本当にあったらしい。
命よりも大切なのは、カトリックの教義であり、一族に恥をもたらさない事、だったようだ。
特典映像として、本当にマクダレン修道院で、青春時代をすごして人生をゆがめられた4人の女性が登場して、当時の様子を語る映像があり、本編よりも迫力があったくらい。
その中の1人は、どうしても、自分の生んだ子供と会いたいのにかなわず、何十年も秘密にして苦しんできた事を涙ながらに語るし、また別の女性は神父に性的虐待を受けて男性と触れ合う事も出来なく、結婚生活もままならなかったことを告白。
衝撃の問題作だった。

オススメ度=★★★★☆
ハードロック・ハイジャック
1994年作品。
「ハムナプトラ」のブレンダン・フレイザー
名脇役のスティーブ・ブジェミ
「ウォーター・ボーイ」などのアダム・サンドラー
さて、この3人がハードロックバンドを組んでると言ったら、どう思う?
なんか、イメージが違って見えるのでは?
ブレンダンは金髪の超ロン毛で、皮ジャンで、アメリカンタイプのバイクをバババ・・と、乗り回す。結構似合っていました?
さて、どうしてもメジャーになりたい3人はラジオ局を乗っ取り、強制的に曲をかけさせようという短絡にして乱暴な。
最初のうちはその発想もおかしくて、ちょっとワクワクしたけど、途中からだれた。
もうとっくに、警察に蜂の巣にされてるよ…。
しかも、待たせるだけ待たせて、期待をあおって置いて、結局3人のバンドのナンバーって…。
でも、お馬鹿映画と思ってみたら、結構面白いかもよ。
特にブジェミおじさん、こんな役で出てるなんて。

ローン・レンジャーは、単数だ。複数形にはならないのだ!!(爆)

いい男指数、ブジェミのギタリスト=80%
   知ってる偉大なギタリストに酷似してるんだもん(爆)

ちなみに、「はな家」の管理人さん(はなちゃん)に聞いたところ、ひところ、とんねるずもマネをしたり、テレビでも取りざたされたり、ヘビメタ好きには有名な映画だとか。
知らないでわたしははなちゃんに「こんな映画があってね」と、薀蓄垂れちゃったよ(恥)

オススメ度=★★★☆
21g
とある事故を接点にした3人の男女が、人生に絶望と哀しみだけを抱いて、最後にたどり着くところはどこなのだろう?

物語はパズルのように3人の過去と現在を行きつ戻りつしながら、全然接点のない3人が出会い、そして 『決着』をつけるまでを描く。

知人から、この映画だけは最初にちょっとだけ、予備知識を入れたほうがわかりやすいよ、と言われていたので、見た人のレビューなどを参考にしてから見に行った。で、正解。これが、最初から何もわからずに見ていたらきっと、混乱しただろう。それほど、最初の方は訳がわかりにくいと思う。

物語のなかで、私が一番印象に残ったのはやはりクリスティーネの悲しみだ。
残酷なまでの悲しみに打ちひしがれる姿は演技とは言え、見ているわたしを圧倒した。
そして、ほかの2人の悲しみと絶望もひしひしと伝わった。
心臓移植を待ちながら、他人の死の上でのみ可能な自分の「生」について納得できないポール。
とうに破綻しているのにどうしても、ポールとの間に子供が欲しい妻。
そして、信仰の力を借りてきちんと、更生しかけていたジャックに冷たい世間の風。
それぞれの人生があまりにも哀しい。
これは、決して人ごとではない。
いつ、わが身に降りかかるかわからない悲しみ。
あまりに、辛くて、映画を見た後もずっと涙が止まらなかった。
前向きになれない…見た後の気持ちは、どこまでも落ち込んで哀しい印象だけが残るけど、人生にはそういう部分もあるのだ…ということ。
ジグソーパズルのピースがだんだんと、埋め込まれていくような、そんな展開で、ラストのすとんと腑に落ちた感じは構成力を見せ付けられた感じ。単純な展開になりがちなストーリーを見応えあるものにしていたと思う。
ひさしぶりに、泣かされました(劇場で)

オススメ度=★★★★★
ムーラン
ディズニーアニメです。
はっきり言ってもいいでしょうか?
主人公のムーラン、うちの長女に良く似ています!!(爆)
ぽっちゃりしたほっぺた、下がり気味の太目の眉毛
細い目のまなこ
ということで、がぜん親近感が(爆)
ストーリーは、時代はいつの事か分からないんだけど、フン族の侵攻を防ぐために、皇帝は各家庭から1人ずつ、徴兵する。
ムーランの家で男は父親1人だったのだが、体を壊している。
それでも闘おうとする父親に成り代わり、男装してムーランは戦地に赴く。
そこにいた隊長に鍛えられ、女でありながらも、兵士として完成していく。
そして、同じ部隊のむさくるしい男どもとも、いつしか友情が生まれ…

なかなか、よかった!
絵柄が子供たちも好きじゃなくて敬遠していたが、見たら喜んで何度も見ちゃったよ。
特にムーランの守り神として登場する赤い小さな龍が、山ちゃんこと山寺宏一さんだったので、この人の第一声が聞こえた途端、みんなで「やまちゃ〜〜〜ん♪」と叫んでしまった。
山ちゃんが出てると映画が盛り上がるよね!

ラブストーリーではないけど、ムーランが男女の区別を超えて成長していく姿に感じる所は多い。
脇キャラも相変わらず良いです♪
借りてまで見たくない〜と、思う方ももしもテレビで放映の折には是非とも見てね^^
モンブランに似てるのよ(爆)

いい男指数=もちろん、山ちゃん90%!

オススメ度=★★★☆
きっと忘れない
1994年作品
「ハードロック・ハイジャック」のブレンダン続きで借りてみました。
しかも、「21g」の、ショーン・ペンが出てるし…と、思ったらジョー・ペシだった。紛らわしくない?わたしだけ?

ストーリーは、ブレンダン演じるハーバード大のエリート学生モンティ。卒論の製作中だ。教授からも期待されて未来は明るい。
でも、ふとしたことで書きかけの卒論をルンペン・サイモンに奪われてしまう。
このルンペンがジョー・ペシだ。
ルンペンは寝るところとご飯を提供してくれたら、一日に一枚ずつ返すという。
そして、奇妙な同居生活が始まった。

このルンペン、さすがジョー・ペシ。ぴったりはまってるし、結構学があってモンティも次第に心を開いて行く。
かたやブレンダンだけど、こういう役も似合う〜♪
良く見ると結構正統派のハンサムだね^^
とても甘めの友情物語だけど、こういう分かりきった展開もわたしは好き。
モンティとサイモンの友情のほかにも、シェアメイトたちとのやり取りも面白かった。
ラストはじわーんと、してしまった。

いい男指数=ブレンダン80%

オススメ度=★★★★
ファニーゲーム
1997年、オーストリア作品。
監督のミヒャエル・ハネケ氏は「ピアニスト」で、カンヌ映画祭のグランプリを取っている。
こっちも相当な問題作らしいが(わたしは未見)本作「ファニーゲーム」の感想をどういえば良いのか…正直戸惑ってしまう。
ありていに言えば「えぐい〜〜!」
「えげつない〜〜!!」
と言う感じだろうか。
映画としては、私が夜、チューハイを飲みながら見たにも関わらず、眠気なんかいっさい訪れずノンストップで終わりまで…身じろぎもせずに見た!って感じ。
これは映画として「みせる」って事だと思うのだ。
でも、内容があまりにも不条理でやり切れず怒りの矛先もなくもちろん救いもない。
怖い
怖い
怖い映画だった。人間の『悪意』の全てを凝縮した感じの…。
自分としては「見てよかった」んだけど、誰にもオススメはできないよな〜・・こんな映画。
監督はナニが言いたかったんだろうね。

ネタばれでストーリー↓ドラッグしてどうぞ
ある一家がバカンスで別荘にやってきた。
そこへ隣の別荘から来たといって入り込んできた若者2人がはじめた「ファニーゲーム」。まず、犬を殺し、主人公の膝をゴルフバットで殴って壊し、妻を裸にし、挙句の果てに息子も…。
これが息をもつかせぬノンストップ恐怖なのだ。
こんなに怖い映画は初めてだった。
犯人の正体も動機も一切わからないのだ。
わたしのすきな「天網恢恢」を待ち望むのだけど、それがなかなかどうしてなかなか…。
だいたい、アメリカ映画だと「子供が真っ先に殺される」ということがありえないと思うのだ。
しかも、逃げるチャンスがあり、このまま逃げて助けが来るのだな…という、期待なんてモノの見事に裏切られる。
そういう意味で言えばまったく予期しない展開で、こうなって欲しい…という見る側の期待をことごとく裏切る映画だった。
誰も見なくていいよ、こんな胸糞の悪くなる映画…
と、思うけど誰か見た人と「怖かったね!!」と語り合いたい。
むむむ、人間とは怖いものよのう…

オススメ度=☆??
マイ・ドッグ・スキップ
2000年 アメリカ作品
戦争中のアメリカの片田舎で育つ少年ウィリーは心優しく本の好きなおとこの子だが、イジメられっ子。
唯一の友達である、隣に住む青年ディンクが出征してしまったあとでは、 9才の誕生日に家に来てくれる友達もいないのだ。
そんなウィリーに母親(ダイアン・レイン)は一匹の犬をプレゼントする。
しかし、父親(ケビン・ベーコン)はまだ時期が早いと言って犬を飼うことを許してくれない。
嘆くウィリーのために母親は父親に意見する。そして…。

これはある作家の自叙伝的小説を映画にしたものらしい。
少年が犬との出会いによって、強さ、友達、GF、父親への理解などなど、いろいろと学び取って成長していく姿が描かれている。
ストーリーとしてはとってもストレートで、捻りとかはあんまりなくてその点盛り上がりに欠けると言うか、結構地味目。
でも、犬はと〜〜ってもかわいいし(この犬見るだけでも価値ありだと)犬と少年の間にある愛情は見ていて癒されるし、何よりも両親の愛情と、両親を演じたケビン・ベーコンとダイアン・レインの名演がよかった。
ほかの方々の感想をチラッと見たら「犬の演技がわざとらしい」と言う意見もあった。本当に犬を飼っていらっしゃる方には鼻に付く部分もあるのかもしれないけど、わたしは面白く見た。
最後は犬を通じて少年が得たいろいろな物に感動して涙が出た。
結構オススメ♪…と思う。

オススメ度=★★★★
ローズ
ジャニス・ジョプリンの人生を映画化したものだそうです。
1979年作品、ベッド・ミドラー主演。

冒頭とっても熱いローズのライブステージの映像。
ライブの映像は映画全編に満遍なくちりばめられていて、それを見ているだけでも楽しいし、またその歌唱力にも圧倒される。
しかし、歌を離れたローズの孤独。
仕事を休みたい…でも、歌うことでしか自分の存在意義を見出せない。
孤独で寂しくてわがままで酒乱でジャンキー…
大スターのローズは、いつも人に取り囲まれて楽しそう。でも、その中の一体何人が彼女を本当に理解しているというのだろう。楽しそうなローズの仮面をはげば、いつもそこには涙に濡れた顔があり、見る側に伝わってくるのは痛々しさだけ。
やっと出合った愛する男性とも、結局は…。
だれか、ローズを助けてあげて、愛してあげてください。
そう願いながら見ていた。
歌声やライブステージが見事なだけに、その裏の哀しさにやられてしまった。
エンディングテーマの美しく切なく優しいメロディに涙が止まらなくなる。そんな映画でした。オススメ。

いい男指数、ローズの恋人役のひと、好み♪80%

オススメ度=★★★★☆
ケミカル51
2002年作品。出演はサミュエル・L・ジャクソン、ロバート・カーライル

内容:サミュエル演じるエルモは天才薬剤師。POS51という究極のドラッグを開発する。
そのドラッグをめぐって、アメリカ、イギリスのその筋の人たちが大立ち回り…
と言う感じ。

なんか、暴力的な映画なので、暴力が好きじゃない人は好まないかも。
殺し合いのシーンも多いし、汚い場面もあるし。死体を必要以上に痛めつけてしまったり。
求めてる物が「究極のドラッグ」だし。

なんといっても、サミュエルがなぜかスカートをはいてるんだよね。
それがまた、異様なんだが似合ってる?
ちょっとセクシーだったぞ(笑)
ロバート・カーライルは、エルモの護衛として雇われたチンピラでサッカーが命のイギリス人。
そこに送り込まれた殺し屋、若くて美人のカッコイイ女。
実はふたりは元恋人同士だったのだ。

ストーリーはまずまず面白かったけどね。
役者さんのファンだったらオススメ。
わたしは両方の俳優さん結構好きなので楽しめました。

いい男指数 ロバート=80%
       サミュエル=85%

オススメ度=★★★☆