壬生義士伝
浅田次郎の同名原作を映画化したもの。
子どもや家族を食べさせるために、お金のために脱藩して新撰組に入った吉村貫一郎の半生を描いた作品。

原作が素晴らしすぎて、映画はイマイチだったような気がする。
映画化した文芸作品の中では確かに、成功の部類かも。
でも、描ききれてなさすぎなんだよね-って言うのは否めない所。
中江貴一の「おもさげながんす」と言う時の顔も、あんなにへらへらしていたのか?イメージが違った。
何よりも、貧困に喘ぐ南部藩のようすと、嘉一郎(息子)が、父を慕う様子が映画ではうまく描けてない!
「原作はここで、こうだったよね」と思って、ラストは泣けませんでした。
ただ、斎藤一はお喋りに描かれていないと言う点では、映画は結構よかった。

オススメ度=★★★
アイデンティティー
2003年アメリカ映画
監督は監督は「17歳のカルテ」「ニューヨークの恋人」のジェームズ・マンゴールド
ストーリー
連続殺人で死刑の確定している囚人を、死刑の前夜に再審理すると言う。
その夜、大雨のためにあるモーテルに缶詰になった10人の男女。
なんらかの因果関係がそれぞれにあり、偶然にも同じモーテルに集った。
中には護送中の囚人が…。
そして、そのモーテルで血の惨劇が始まった。

最初は、「13金」みたいな感じなのか?と思っていたら、ホラー色も出てきて「オカルトか?」と思ったり…。そして、その実態は!!
最後まで見たら唸ります。タイトルも良いですね!
サイコサスペンスが好きな人にはオススメしたいです。
私は面白かった。久しぶりにゾクっと来た!

だいたい、レイ・リオッタが出てるから最初からこの人を睨んでいたのだ。
あの囚人役の人も怖い顔だよね。
雨の中でどこにも行けず、電話なんかも通じなくていわゆる密室状態。
なんでそんなことになってるかと言うのが分かった時…普通だったら「なんだぁ、そんな落ちか」って思うときもあるんだけど、この作品は見せ方がうまかったのか、やられた〜って感じでした。

オススメ度=★★★★☆
山の郵便配達
99年中国映画です。
フォ・ジェンチイ監督
トゥン・ルジュン、リィウ・イェ、ジャオ・シィウリ、ゴォン・イェハン 出演

タイトルから私はのどかなイメージを持ってしまったのだけれど、これは、交通手段はなく、山から山へ里から里へと舗装もしていない険しい道を、重い郵便物を背中に担いで、ただひたすら歩くという過酷な仕事を任された父と子の物語だった。
父親は、長年の勤めで足を悪くしてしまい引退することになり、その後を引き継ぐのが息子である。
その、息子の「郵便配達デビュー」の日、結局心配な父親は一人で発たせる事が出来ず、自分もついていくことに。
戸惑いを隠せない息子。なぜなら、このようにいつも郵便配達で家にはいなかった父親と、こんなにも長い間一緒にいることも口をきくこともなかったのだ。
最初のうちは、心を閉ざす息子だったが、郵便を届けるだけではなく、その先々でのなじみの村人たちとの交流を目の当たりにして、だんだんと父親に対する気持ちが変わっていく。「配達」だけではなく「ひと」として他人に優しさを見せたりしながら、郵便配達と言う仕事に誇りと責任を持って全うしてきた父親に尊敬の念を抱くようになっていくのだった。

うう〜〜!
ツボでした!!泣けた!!
淡々と、郵便を運ぶ親子を映像にしただけなのに、その中にどれほどたくさんの「ツボ」があったことか!はい、単純な私。
実際に歩いたら「雄大で荘厳な風景」なんて言ってられないだろうが、この中を時には黙々と、時には語り合いながら歩く二人の様子がとても美しいのだ。
一回の配達で2泊3日。 実はこの息子は父親を「父さん」と呼んだ事がなかったのだ。それほどに父親はいつも留守で、息子は父親に「嫌われている」と思い込んでいた。その誤解が、自分たちがこの2泊3日を一緒に過ごす事で緩やかに溶けていく。
父親は寡黙に、態度で子どもを導く。
子どもはその父親の背中を見て、責任と誇りを自ら学んでいく。
多分、人よりも涙もろいと思うけど、何度も何度も涙がでる場面がありました。
オススメです!!

息子、キュートです♪いい男指数95%^^

オススメ度=★★★★★
ヴァン・ヘルシング
2004年アメリカ映画
監督スティーヴン・ソマーズ
ヒュー・ジャックマン主演

いやいや、中々面白かった!!
ドラキュラと思ってみているのに、フランケンはでてくるし、ジキルとハイドは出てくるし、狼男は出てくるし、あまりにも渾然としていてオーソドックス感がなく、ドラキュラ好きとしては「???」と、思ったのだ。
途中でよっぽど止めようかと思った。正直な話。
しかし!我慢して見続けた甲斐があった!面白かった♪まずなんと言っても全編に駆使されたCGが凄い!!
特にドラキュラの3人の妻たちが変身する姿がめっちゃ好き!!血を吸うときに口が「がぁー!!」ってあいたり(顎が外れてるよ)あのコウモリ?姿が良かったなぁ♪
この子供たちが「繭」の状態でぶら下がってるんだけど、これもまた見ているだけで吐きそうなエグさが良かったし(苦笑)。匂いまで漂ってきそうだった!
ストーリー的には、なんと言ってもフランケン・シュタインが良い〜!!
自由を渇望するフランケンがとってもいじらしくて切なかった!!
自分の一族のために最後まで命を賭して戦うヒロインのエマもかっこよかった!
このエマ役はケイト・ベッキンセール、「パール・ハーバー」の女優さん。ちょっと見違えてしまった。ヘルシングに付いてくる半俗半僧のカールも「ロード」のファラミアだった!ついでに「ムーラン・ルージュ」にも出てたんだね。今さらビックリ。

と言うわけで、いい男は
ヒュー・ジャックマン=95%
フランケンシュタイン=80%
ってところでしょうか。

オススメ度=★★★★
ハウルの動く城
「何が言いたいのかよくわからない」と言う評価を良く聞きます。
でも、
主人公のソフィーはやさしい働き者だし、
イキナリ登場したハウルはさすがにとーってもカッコいいし
マルコムはかわいいし!!
カルシファーは憎めない奴だし
カブはいい味出してるし
動く城は、そりゃーそりゃー面白くって良く描いてあるな〜って感心するし…
どうして、「よく分からない」っていう評価があるのか、それこそ良く分からないくらい、私は楽しめました!!!!
でも、逆にいうと「悪い奴」が、はっきりしなくて、それが「何が言いたいのか…」と言う評価に繋がるんだろうな〜って思う。
わたしも確かに、「敵」が、明確でなかった「もののけ姫」はあんまり好きではないのだ。
つまり、この「ハウルの動く城」は、私にとっては素敵な恋愛映画だったのだ。
ジブリの描いた恋愛と言うと言わずもがな「耳をすませば」を上げたいのだけど、この映画を単純に「恋愛」として楽しめる人なら「ハウル」も、きっと楽しめると思う。

うちの娘も見たんだけど、女子高校生にとってはハウルの「半ケツ」が、一番の話題だったそうで(爆)まだまだオボコのうちの娘とその友達。「おかあさん、半ケツはどうやった?」と、感想を求められても、そんなもん、おばさんには「屁」でもないわね!…あ。下品でごめんなさい(苦笑)
以下ネタばれ↓
予告では主人公がおばあちゃんだとばかり思っていたので、冒頭の「若い」ソフィーを見たときちょっとビックリした。そっか、呪いがかけられて老婆になってしまったんだね。
のろいを解くことが、メインかと思ったらそうでもないところも、「よくわからん」と言う評価になったと思う。
でも、呪いは結局最後まで解けなかったんだよね?
ソフィーがハウルを愛していると言う自覚、これがおのずと呪いの力を弱まらせる。
つまり「愛は勝つ」と言う事でしょうか。
ハウルが最初は、メッチャカッコいいけど、ただカッコいいだけで気が小さい怖がりの少年だと分かってくる。でも、それも愛の力で強くたくましくなって行くんだよね。
「守りたいものが出来た」と言う台詞は、感動的だった!
マルコムの「どこにも行かないで」には泣けたし、カルシファーの「みんなと一緒にいたい」も、ジーンと来た。復活した城にもワクワクした!!
私には全てがとっても良かった!!
つまらん…と思う人は出て来い!!
なんちって(苦笑)

オススメ度=★★★★★
レディー・キラーズ
2004年アメリカ映画
監督: イーサン・コーエン・ ジョエル・コーエン
出演: トム・ハンクス、 イルマ・P・ホール、ライアン・ハースト、J・K・シモンズ、 ツィ・マー、マーロン・ウェイアンズ

とある黒人の一人暮らしの老婦人の ところに、教養のありそうな紳士が下宿する事になった。
なにやらいわくありそうなその人物は、地下室でバンドの練習をするという。
集まった4人の男たちは皆一癖ありそうな人物たちだった…??

これ…
トムさまでなければならなかったんですかね?
役者の筆頭に名前が書いてあるけど、主役はトムさまじゃなくて老婦人だよね??
で、トムの演じる教授はもっと他の人のほうが良かったんでないかい?
悪人にしても善人にしてもあまりにも中途半端すぎて…
トム様を主人公として見ていたので、楽しみにしていたオチがあれでは!!(あの教授が「脇役扱い」だったら良かったのかもしれない)

いい男、トム様の仲間の黒人のおにいちゃんに80%(おまけ)

オススメ度=★★★
マッハ!
2003年タイ映画
監督: プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演: トニー・ジャー

タイの田舎ののどかな村で、仏像の首が盗まれた。
もうすぐ出家する主人公のティンは、ムエタイのツワモノだったために村の期待を背負って仏像の首を取り返しにバンコクに行く事に…。

ストーリーはどうってことないんです。
たしかに、主人公の青年がとっても純真無垢で可愛いけど使い古された展開で新しさはないし。
でも!!!
トニー・ジャー!!
こんな肉体とムエタイの妙技!見たことない!
これを見なくっちゃもったいないよ!ってくらい、凄いアクション!
《公開時コピー》
一、CGを使いません
二、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイを使います
これは、本当に見応えがあった〜!
★5つはひとえにトニー・ジャーの凄さに対して。
何度も何度も格闘シーンと市場で逃げ回るシーンを見ました。
特にすきなのは、「鉄条網」と「ガラス」と、最後の戦いの「二人連続跳び蹴り」。
良いもの見ました♪

いい男指数、トニージャーに100%♪

オススメ度=★★★★
アイ,ロボット
監督: アレックス・プロヤス
出演: ウィル・スミス
ブリジット・モイナハン

2035年、シカゴ。家庭用のロボットが普及してどこの家庭にも見られるようになっていた。しかし、主人公のスプナー刑事は何故かロボット嫌い。ロボットが引ったくりをしたと追いかけてみれば、単に主人のお遣いをしているだけ…。ロボットには「ロボット3原則」があり、人間にたいして危害を加えることはないというのが定説になっていた。
そんなある日、ロボット社会の生みの親でもあるラニング教授が自殺してしまう。スプナーは自殺に対して納得できないのだが…。

これは、大画面で楽しむ映画でしょう。
CGがものすごい!
テレビで見ても映像はかなり楽しめたのだけれど、やっぱ、迫力不足の観は否めない。
ストーリー的にも私としてはイマイチだったかなって感じです。
ウィル・スミス演じるスプナー刑事はよかったけど。
そして第2の主人公とも言えるロボットのサニーなんだけど、これが段々と愛着が湧いてくるから不思議(笑)
ただ、この映画の時代設定は今から30年後なんだけど、はたして30年後にココまで世界はハイテク化してるのか?もしもそうならナントカしてそれまで生きていてこの目で見てみたいと思います!

いい男指数 ウィル・スミスのマッチョに90%
サニーの人間臭さに85%

オススメ度=★★★
フォーチュン・クッキー
監督: マーク・S・ウォーターズ
出演: ジェイミー・リー・カーティス
リンゼイ・ローハン

口うるさい堅物の母を持つアンナは、家でも学校でも問題児。すぐに教師に呼び出されたり反省室に入れられたり。でも、自分の組んでいるロックバンドに対する情熱は本物で、仲間と本物のステージに立つことを夢見ている。そんなアンナの情熱を母親は理解しない。たとえ大きなチャンスが巡ってきても・・。そんな険悪な状態のふたりは中華レストランで「おみくじクッキー」を渡された。すると二人に異変が…。

すっごく面白かったです!!
母と娘って衝突したらとことん衝突してしまうのではないでしょうか。心の中ではその愛情を確信しているんだけれど、どうしても素直になれないこととか、親子だからこその甘えからか相手に求める事も多いし、わがままになってしまう。
そんな二人のそれぞれの気持ちがとってもよく描かれていた。親子の役者さん二人が熱演していて、見応えがあった。ジェイミー・リー・カーティスはもちろん、リンゼイ・ローハンがまた、可愛かったです♪
あ、弟も…(作文のところはちょっと泣けてしまった(笑))

結構ありふれた展開と言うか、オチはわかってしまうのだけれどそれでも、そこまで至る過程がうまく描かれていてわかってるのにハラハラさせられる。なによりも笑えるし飽きない。見てて楽しい作品だった。
お互いが本当に理解するにはどうすればよいのか。 視点を少し変えただけで、今まで自分に見えなかったものが見えてくる。そこには見ようとしなかった…気付こうとしなかった大事なものもあったり。というストレートで純な作品。私のツボです。面白かったし泣けた!
弟、よかった!いい男指数80%♪

オススメ度=★★★★
バイオハザード II アポカリプス
監督: アレクサンダー・ウィット
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ, シエンナ・ギロリー

ま…ったく、つまらなかった。
感染した人たちに襲われる冒頭の緊迫感のなさ!先日見た「ドーン・オブ・ザ・デッド」に比べたら全然ダメでした。
エイリアンみたいなのがでてきたり、ターミネーターみたいなのがでてきたり、色んな映画の切り貼りみたいな気もしたし。
前作は楽しめた私だけれど、今回はもう、最後まで見たのが奇特なぐらいつまらなかった。
ひとえに、主演の女優二人のかっこ良さがなければ途中で止めていたでしょ…。

オススメ度=★★
NY式 ハッピー・セラピー
監督 ピーター・シーガル
出演:アダム・サンドラー、ジャック・ニコルソン、マリサ・トメイ他

ん〜〜。なんと言いましょうか、2回見たら楽しいかもしれない。

ストーリー
デイブ(サンドラー)は子供のころのイジメられっ子のトラウマから、恋人に人前でキスは出来ないわ、自分の仕事の手柄を上司に奪われても何も言えない、気の弱い男。
そんな彼が出張の際に乗った飛行機で、信じられない事に、あれよあれよと言ううちに凶悪な暴行犯にされてしまい、裁判に掛けられ、「怒り抑制セラピー」を受ける事を義務付けられた。
そのセラピスト、バディ(ニコルソン)とは二度目の再会だったわけだが、このバディ、本当にセラピストなの?と言うぐらい、挙動にモンダイありの人物だったのだ…。

言いたいことも言えない気の弱い男を、アダム・サンドラーが好演。
でも、正直言って途中の場面が耐えがたかった。あまりにもアダム演じるデイブが不甲斐ないというのもあるが、アダムを社会全体が「いじめ」てるように見えて。イライラしてしまって、もう途中で止めようと思った。
まぁ、最後まで見たことは正解だったのだけれど、でも、絶対に途中で止める人がたくさんいると思う。そう言う意味では映画の作り方として間違ってるのではないだろうか…。
オチはたしかに、「えー!!!」と思ったし、面白いと思うけれど、途中が私はダメだったなー。

マリサ・トメイを見たのは久しぶりだったのでちょっと得した気分だったのと、カメオ出演と言われるおまけが豪華だったのが救いかも。

いい男指数 ジャックニコルソン=逆的100%?

オススメ度=★★★
タイタンズを忘れない
監督: ボアズ・イエーキン
出演: デンゼル・ワシントン, ウィル・パットン, キップ・パルデュー他

いやー。久しぶりに大感動!
高校生のアメフトチームをきっかけに、町全体が人種差別を克服していく様子が感動的に描かれた実話をもとにした作品。オススメです!!!

ストーリー
1971年バージニア州の保守的な街では、当時も黒人差別が色濃く残っていた。黒人と白人の学校も別れていたのだが、州の「学校統合プログラム」によって指定校になった当校では、黒人と白人が机を並べる事に。もちろん、伝統あるアメフト部にも黒人選手が入ってくる。それどころか、ヘッドコーチは黒人のブーン(D・ワシントン)。今までのコーチであるヨースト(ウィル・パットン)はサブコーチに降格だ。白人たちの反発は底知れず、とうてい同じチームでやっていかれるわけがない。前途多難に思えたが…。

タイトルからして、「泣かせてやるー!」って感じが見えて、ひねくれものの私はちょっと敬遠していた作品だった。
でも、これ「実話」なんだよね。この「実話」って言葉がとっても効いている。
もしも、実話でなくフィクションであったら「こんな美しい話があるわけないヤン!」と、またまたうそ臭く見えてしまうに違いない。それほど、「出来すぎ!」な物語なのだ。

ところが、「事実は小説よりも奇なり」と言うよりも「事実は小説以上に美しい」ということが、この世の中にはあるのだ!
そう思うと、映画の発する前向きなメッセージに胸を打たれて、心地よい感動を覚える。

デンゼルワシントンが良いのはまぁ、いつもの事として(笑)特筆すべきはウィル・パットン!この人、いやーな役が多かったよね。特に「悪人!」って感じじゃないんだけれどどうも、虫が好かんと言うか、嫌われ者!と言うイメージの役者さん。それが今回180度変わり、とっても素敵な役者さんになった。今後嫌な役をしても私には「味のある演技だなー」ってなるんだろうな(笑)



いい男指数=D・ワシントンに90%
     ウィル・パットン80%

オススメ度=★★★★★
グッバイ、レーニン!
ドイツが統一する前、1970年代の終わりに、少年の父親は西側へ失踪。母は傷つき、社会主義に命を捧げるほどの愛国者になっていく。しかし時代は移ろっていく。いつしか少年も反体制に。そして、反体制のデモに参加している姿を母は見て、ショックで倒れてしまい何年も意識不明になってしまった。その間東西ドイツは統合。しかし、8ヵ月後、母親は意識を取り戻す。が、医師は「ショックは体に障る。ショックを与えてはいけない」という。

何が面白いといって、母親にショックをあたえないように、母親の部屋に旧東ドイツを再現しようとする息子の奮闘!なんという、努力、なんというコマメさ!ちょっとはうちの息子にも見習わせたい(苦笑)。
統一にともなうカルチャーショックに見舞われるアレックスの描き方も、明るくユーモラスでくすくす笑えた。
でもただ明るいだけの映画ではない。
母親があまりにも熱心な社会主義者だったので、反発して反体制派になったと思われる。でも、念願の統一を果たしたところで暮らしは思ったように良い方向へばかりは変わらない。息子はがっかりし、ますます、母親の部屋を社会主義で固める事に躍起になった…。それは母親のためといいながら自分のため、そして、自分の理想の国家のあり方を母親の部屋で作り上げていく。
息子の気持ちに、胸がジーンと熱くなる。真実を知りながら、息子の気持ちを大事にする母親にも。

でも、片方で、父親の失踪に関する母親の告白が痛かった。どうしようもなかった事と言え、家族が引き裂かれるなんて、あまりにも悲しいことが…。

明るい中にも切なくて寂しくて…。ニュースでドイツの統一を見ていただけの私たち。その当事者たちには当然ながらひと言では言い尽くせない色々な…ほんとうに色々なことがあったんだろう。
そんな当たり前の事に、すこしでも思いをはせる事が出来てよかったのかもしれない。

いい男指数=献身的な息子に85%

オススメ度=★★★★
28日後...
監督: ダニー・ボイル
  出演: キリアン・マーフィ
    ナオミ・ハリス
  クリストファー・エクルストン

怒りウィルス?のようなウィルスが実験中のサルから人間に感染…。感染すると即座に、ものすごく凶暴になり人と見るや襲いかかり噛み付く。噛み付かれたり、血が粘膜に入り込んだら感染…。事故による昏睡から目覚めたジムは世間が一変しているのを見た。人はみなウィルスに感染していて自分にも襲い掛かる。そんな中で、感染していない人々と出会い…。そして、軍隊の救援のラジオ放送を受信するのだが。

「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「バイオハザード」みたいな感じもする。
「ゾンビ」系の人間が襲ってくると言うだけなら、やっぱり「ドーン・オブ…」のほうが一枚上。パニック率はという意味だけど。
でも、この「28日後」で恐いのは、ゾンビたちじゃないのですよ。
本当に恐いのは人間なんです。
極限の中でどれだけ、「人間らしさ」を保てるか?という。
クライマックスは、他のゾンビモノに比べたらある意味別格で、美しくも哀しいメロディとともにちょっと忘れ難いインパクトを持ってる。
B級ホラー的な「ゾンビ」を期待したらつまらなく感じるかもしれないけれど、ある意味本当の「恐さ」を描いてると思う。 

いい男…誰かいましたか?

オススメ度=★★★★
ロスト・イン・トランスレーション
監督: ソフィア・コッポラ
出演: ビル・マーレイ
     スカーレット・ヨハンソン

CMの撮影でアメリカから東京にやってきた俳優のボブ(ビル・マーレー)が、東京に馴染めずに戸惑いを募らせていくなかで、同じようにアメリカから夫の仕事に同伴してきた若妻シャーロットと、心を通じ合わせていく。

「コメディ」って書いてあったけど、そんな感じは全然しませんでした。たしかに、ボブの目から見た東京は変な街で、戸惑うボブはこっけいと言えば言えるかもしれないけれど、どっちかと言うと笑い物にされてるのは東京(日本)では?日本人である私が見ても、ボブが痛々しくて少なくともこの映画を見る限り東京(日本)を好きになれない。
異国の地でココロを通わせてく二人のしっとりとした関係はたしかに見ていて暖かくなるものがあったけど、ラブストーリーとして見るなら、私としてはもうちょっと「分かりやすい」作品のほうが好みかな?と思います。
決してつまらないと言うわけでもなく、淡々としたストーリーなのに眠くもならずに見ることが出来て、それは脚本が良いのか、ビル・マーレーが良いのか…。しかし、思ったほど「良い!」とも言えませんでした。好みの問題ですね。

いい男指数=ビル・マーレー85%渋い!

オススメ度=★★★
ソウ
感想 監督: ジェームズ・ワン
出演:ケイリー・エルウィズ
   ダニー・グローヴァー
   モニカ・ポッター
   リー・ワネル

いきなり、理由もわからずに真っ暗なバスルームに、足に鎖をつけられて収容されている自分。対角に別の男が同じ状態で繋がれている。そして、床の上には頭を打ち抜かれた男の死体が転がっている。なぜ?ここはどこ?一体誰が何のために?
全編、手に汗握る緊迫感の中で、ヤツが怪しいと言う疑心暗鬼に振り回されながら、それでもだんだんと事件の輪郭が見えてくるような気がするのだが、真実は、さていかに…。

おもしろかったです!私の好きな映画ですね。こう言うのが。
唐突に不条理のなかに立たされているのは「キューブ」なんかも、こんな風だったと思うんだけど、こちらの方がストーリー的に見応えがあった。
二人のつながれた男のほかに、外ではダニー・グローヴァー扮する刑事が連続猟奇殺人犯を追っていた。その名は「ジグゾウ」。「リーサル・ウェポン」の印象が強いダニー・グローヴァーだけど今回渋いところを見せてくれます。
まさに、スリルとサスペンス!残酷なまでに恐ろしい作品。好きな人は好き、嫌いな人はとことん嫌いだと思うのでご注意を。

いい男指数=アダムに80%(脚本も手がけてるらしい、なんでもやる人なのね)
ゴードン先生=70%
ダニー・グローヴァーに85%、渋いね!

オススメ度=★★★★☆
タイトル
感想
タイトル
感想