エニグマ ★★★★
監督 マイケル・アプテッド
出演 ダグレー・スコット 、ケイト・ウィンスレット 、サフロン・バロウズ 、ジェレミー・ノーサム 、ニコライ・コスター=ワルドー 、トム・ホランダー

先の世界大戦で、ドイツ軍がエニグマという暗号機を使っていたらしいです。 エニグマを使って暗号を作って打ち、その暗号を受けたほうもエニグマを使って解読する。これがどの国にも解読不可能な暗号を生み出すと言うもので、大きさは小さなレジスターぐらい。これがたくさんあったのですと。ともかく、このエニグマのおかげで連合軍はドイツにやられっぱなしだったみたいです。
詳しいことを書いてあるサイトを見つけたので、興味がある人はこちらをクリックしてください。
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ま、私に分かるわけないわね…^^;

主人公はこの暗号機の解読を命じられてる数学者です。 でも、同じく解読の部署で働く女性に夢中になり、彼女に振られて「神経衰弱」になって一時戦線離脱。 物語は、この男がまた暗号解読の職場に復帰したところから始まります。 ようやく解読したのに、また暗号システムが変わってて、急遽呼び戻されたのです。 職場に復帰して、元彼女のことがさっそく気になるのだけど、その直前に彼女は姿をくらましていました。 彼女の行方を追ううちに、彼女が受信したドイツの暗号文を隠し持っていることが分かり、彼女の行方不明に俄然ただならぬものが感じられ、主人公が元彼女のルームメートといっしょに、その暗号の解読に乗り出し、元彼女の行方を探す。 一方、暗号解読のこのセンターにスパイがいる可能性が高まり。 そこで彼らがつかんだ真実は…!!

と言う話でして。結構エニグマ同様難しい中身で付いていけなかったけど、それなりに面白かった…です。 エニグマの解読にものすごい投資している様子が良く分かり、そう言うのを見てるだけでも「ほうほう〜」という感じで。 すごい装置を作ったりしているんですよね。 あと、爆撃を受けた戦艦から生還した将校?が出てくるんですが、彼の顔とか手とかケロイドが…。それが、結構効果的にアップになって、ドキドキさせられた。 歴史的な重大事件が背後にあるんですがその映像なんかもインパクトがありました。怖かった。その事件はゴルビーの時に正式に認めて謝罪したというから(「カチンの森の大虐殺」っていうらしい恥ずかしながら全然知りませんでした)結構最近の話ですよね。 賢い人たちが活躍した物語は好きなので、面白かったです。

しかし、主人公のダグレー・スコットってひとを全然知らない!! わたしが見た中では「MI2」と「エバー・アフター」に出てたというが。記憶になし。 ケイト・ウィンスレットがすごく地味なOL然とした女になってて、役者ですなぁあの人。変貌振りに驚いた。最初誰か分からなかったし。 多分ニコライ・コスター・・・が出てなかったら見なかったかもしれないけど、エニグマって何?と思ってる人には結構オススメですよ。
ミュンヘン ★★★★
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:エリック・バナ 、ダニエル・クレイグ 、キアラン・ハインズ 、マチュー・カソヴィッツ 、ハンス・ジシュラー 、ジェフリー・ラッシュ

あ〜…重かった〜。ぐったりです。

冒頭の、口元を真横から銃撃されてほっぺたから血がドバドバ出てる男の姿が目に焼き付いてる〜。あんな風になっても生きてるのだね…。うう、痛いよ怖いよ〜〜。
ミュンヘン五輪と言うと、アニメでも「ミュンヘンへの道」なんかやってて、アタックbPでもたしかこずえ達はミュンヘン五輪を目指してたと思うのだけど、当時はバレーも強かったし(森田とか猫田とか花輪とか田中幹保とか!)日本は浮かれてたのではないのかなぁ。1972年って、私はまだまだいたいけな子どもだったので、知らなくても当然かも知れないけど。 ただ、ひところ「パレスチナ難民」とか「PLO」などの言葉がしょっちゅうニュースで聞かれた記憶はありますが、オリンピックに浮かれながらも、こんな凄惨な事件があったとはぜんっぜん、露ほども知りませんでしてただ驚くばかり。スポーツこそは、そう言うこととは無縁であって欲しいと言うのに。 で、物語はその後のイスラエル人によるミュンヘン事件の首謀者たちへの「復讐」を描いたものなんですね。
しかも、政府が「殺せ」と!
さらにさらに、民間人たちにそれをやれと?
言われたほうもやるんですね。
それが愛国心?というか愛民心?
主人公のエリック・バナはもうすぐ子どもが生まれるプレ・パパである。 しかし、殺しの対象となるパレスチナ人も、やはり家庭人でありよき父親だったりする。 ごく普通の家庭生活を営んでいても、国家のためには人をも殺すと言うのか? うーん…凄まじい。
復讐は復讐を呼び連鎖は切れる事がない。 最初は復讐相手を、1人また1人と目標どおりに消していって、言っては悪いが「やったー!」みたいな達成感に包まれるも、段々と虚しさに包まれていく、その心理の変化が画面を通して伝わってきた。 一人目からやはり、気持ち良い殺人ではないので(気持ち良い殺人って言うのがあるとは言えないのだけど)見ているほうは、最初から重い。 自分も重いが、登場人物たちも次第次第に自分たちのしていることの重さにつぶされていくから、最後のほうでは何がなんやら分からないぐらい重かった! ただひたすら重かったとしか言えませんな。 と言うか、 理解力がないと言うか勉強不足というか(要はアタマ悪いんですね。いっつもこの手の映画を見たりニュースを聞いたりするとあまりにも理解できないので、ほとほと自分の頭悪さに情けなくなるんですが)あんまりパレスチナ問題って良く分かっておらんのですよ。かろうじて「PLO」=「パレスチナ解放機構」って言うのが言葉として知ってる程度。(と、言いつつ間違えていたら恥ずかしいからネットで確認してしまったよ) こないだ見たばかりの「ホテル・ルワンダ」にしても、民族間の抗争とかがちっとも理解が出来ないのです。(映画はこれより分かりやすかった) 暗殺の場面はスリリングな展開でドキドキするし、いったんこっちが狙われる場面になってもやはり、ドキドキする場面も多かったのだけど、そう言うことを感じて「あー怖かったー!」と言っていればいい映画なのか?と言うと多分違うでしょう。と言うことはやはり、本来の意味ではピンと来なかったと言うのが正直な感想。 同じユダヤ人をテーマにした(違う?)映画なら「シンドラーのリスト」のほうが分かりやすいと思いました。 ただ。やはり、ジョン・ウィリアムズの名曲に泣かされはしましたが。
逆境ナイン ★★
監督 羽住英一郎
出演 玉山鉄二 、堀北真希 、田中直樹 、藤岡弘、 、柴田将士 、出口哲也

うーーーーーむ。 何が面白いのか? さーーーーーーっぱり、分かりませんでした。 疲れるほどわからんかった。 どうしたらエエの〜〜ってくらい。 原作を読んでないとダメなのかな。 いかにも漫画をそのまま映画にした!!って言う雰囲気。 それは分かる気がしたけども、「それが何か?」と思ってしまう。 少林サッカーのもっと訳が分からん映画って言う感じ。 少林サッカーみたいなのは面白いと思うんですよ。わたしも。 原作を知らずにこの映画だけでも充分楽しめる!とは思いませんね。 あまりにもばかばかしくて、途中で止めようと思ったけど、何故最後まで見たかというと、地元の映画だから。 地元と言っても、県内ってだけで。うちから、伊勢市はちょっと離れてるけど、妹が伊勢在住でロケの様子も知っていたので、ぜひとも見たいと。見たいけれど地元伊勢市ではいつショップに行ってもレンタル中ばかりで、なかなか見られないと言うので、ならばこっちで一緒に見ようと言うことになったのですけどね。 ふたりとも交互に寝ちゃったよ。 宇治山田高校がロケに使われてて、伊勢市のなんとかというアーケード街が出てきたり、伊勢市のあちこちがたまに出てきて、妹はその瞬間目を見開いていたけども。 わたしには、そんな身近でもないし。 比較的近い四日市の県営球場が使われてたぐらいが、地元を実感できる瞬間だったかな。 せめて、方言使ってくれたらよかったのに。 うちらバリバリの方言ですからね。 あんな綺麗な標準語で喋られてもピンと来んわ。 玉山鉄治くんね、イケメンとはおもうけどねぇ…。 イケメンだったら誰でも良いのかって言うとそんなこともないんですね。
イン・ハー・シューズ ★★★★☆

監督 カーティス・ハンソン
出演 キャメロン・ディアス 、トニ・コレット 、シャーリー・マクレーン 、マーク・フォイアスタイン 、ブルック・スミス 、アンソン・マウント

容姿には全く自信がないけど、頭がよく弁護士としてバリバリ仕事をしているキャリアウーマンのローズには、顔ヨシスタイルヨシ男にモテまくりの妹マギーがいる。でも、マギーは見事に頭が空っぽで誰とでも寝ちゃうようなだらしがない女。実家からも見放された彼女は、ローズの家に転がり込むが、性格が正反対の二人は衝突を繰り返し、あるとき二人ともがどん底に落ちるような出来事が起きる。憎いのか…。でも、家族としての愛情は深く。二つの気持ちに揺れながら、二人が辿り着く結末は…。

+++++++++

気持ちの良い映画でした。実際に妹をふたりも持つ身としては、まぁ照れ臭い部分はあるけど、別物!別物!!たしかに、「兄」「弟」ものに比べれば、若干冷静さを欠いて見てしまったような気がしなくもないですね。若干ね。でも、別物!!(笑) ただ、じっさい姉の立場として、このローズの気持ちはよく分かる〜。いや、わたしの妹たちがマギーみたいではないんですけど。もうね〜肩を叩き合って「わかるよ!わかる!!」と、励ましてあげたいぐらいでした(笑)。 どうしよーーもない妹。もっとしっかりしよう!勉強もしなさいよ、だらしないことはしなさんな。わたしがいなくても、ちゃんとした生活が送れるだけのものを身につけて、幸せになってよ!と、じれったい気持ち。 決して憎いだけじゃない。妹で可愛いからほうって置けないし、厳しくもなるのだ。親とは違う距離感がよく出てた。サイモンとの関係を通してローズの妹への本心が明らかになるくだりなんかもよかった!

マギーの転機は、祖母のエラのところに行ってから。 エラやエラの周囲の老人たちとの交流で、自分の中の何か足りない部分が埋められて再生してゆくマギー。 エラがただ優しいだけの「おばあちゃん」じゃないところがミソ。 マギーに必要なのはただ優しいだけでもなく、ただ厳しいだけでもない。特に教授上がりの老人とのくだりなんかにそれが集約されてたような気がする。誰かに気にかけてもらう、誰かに必要とされる、誰かに感謝される…些細なようでいて、それこそが生きてゆく上で必要不可欠な温かみなのだ、ということが自然に描かれていたと思う。 それぞれの人間関係が丁寧に描かれていたから、すごく自然でストーリーそのものの流れも自然で無駄がなく、見応えのあるドラマになっていた。

配役で言うとまず、シャーリー・マクレーンはああいう辛口のおばあちゃんがよく似合う! 日本の嫁姑にあたる関係が、あちらでは夫と母親だってのはサマンサの時代から知られてることで、ここでも出てましたね。 じつは、このおばあちゃんのエピソードは「トラベリングパンツ」のセカンドサマーでそっくりなくだりが出てきます。あまりにも似すぎていて、どちらかが真似したとしか思えません。でも、それも、夫と妻の母親は仲良くないという前提で見れば、ありがちなエピソードなのかな?とも思えるけど。 ローズを演じたトニ・コレットは、わたしは「アバウト・ア・ボーイ」と「チェンジング・レーン」を見ただけだけど、映画によってころっと印象が変わる人!この映画の中でももっさりとした自信のない暗いブサイクさんから、花開くように生き生きと美しい女になる。すごい役者さんなんだ〜と、感心したよ。 キャメロン・ディアス、相変わらずスタイルが良いねー。ほんとうに綺麗な足。役が似合ってて良かった。 あと「24」から。ブルック・スミスは大きな役だが、マイロがめっちゃ端役で出ていました。チェックしたぞ。イケメンなんだし今後に期待する♪ 製作陣も豪華!! トニー、リドリーのスコット兄弟が製作してるし。
ヒストリー・オブ・バイオレンス ★★★
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
出演 ヴィゴ・モーテンセン 、マリア・ベロ 、エド・ハリス 、ウィリアム・ハート 、アシュトン・ホームズ 、ハイディ・ヘイズ

ダイナーを営むごく普通の中年男、トム。美しい妻とは今でもラブラブ。 あるとき、ダイナーに殺人犯がやってきて、店内を恐怖とパニックの坩堝に陥れる。が、そのとき瞬時にトムのからだが反応して、賊を倒してしまう。 一躍ヒーローとなり取材が大勢押し寄せる。 が、トムを「ジョーイ」と呼び、トムの過去を知っていると静かに敵意を見せて、一家に付きまとうのだが…。

+++++++++++

エロシーンがエロ過ぎた。これから見る人はお子さんと見ないように気をつけてください。子どもと見る映画ではないけど、念のため。 クローネンバーグ監督が好きなので(最近はあんまり見てないけど)借りてきたのだけど、イマイチだったかな。 ひとつの暴力事件に関わることで、今まで秘密にされてきた男の過去が明らかになっていき、それを知った家族までもが「バイオレンス」に巻き込まれてゆく物語なのだけど。 家族に秘密にしてきた過去から、どういう経緯で今の生活をするに至ったかというのが分からなくて、男の変化があまりに唐突な気がして納得できなかった。そんなにも人間は都合よく変われるものか? 作品はそれよりも、夫婦間や親子間の感情の機微の変化を描きたかったのかも知れないと思うけど、それに焦点を当てるにはちょっと残酷なシーンが際立ちすぎているのじゃないかと思う。 ラストも、あっけない。 でも、あの幕の閉じ方は良かった。あのあと、家族が主人公をどうしたのか…。後味のこの悪さは、やっぱりクローネンバーグ監督かなと思った。
男たちの大和 ★★★★
監督 佐藤純彌
出演 反町隆史 、中村獅童 、鈴木京香 、松山ケンイチ 、渡辺大 、内野謙太

まず、戦艦大和の再現!すごい!迫力でした。 戦闘シーンも、「プライベートライアン」とか「スターリングラード」とかあのあたりの映画を凌駕してるんじゃないかと思うほどすごかった。 これでもか!これでもか!!と、完膚なきまでに叩きのめされてる様子が、もう、もう痛くって。一瞬であたりに鮮血と肉片が散らばる様子とか…。傷ついた兵士たちの様子とか…。 またその兵士たちの、大部分は10代なかばの、言わばまだ子どもなんです。 憧れの戦艦大和に誇らしげに乗り込むけど、必要以上のシゴキや暴行を受けるシーンがあり、同じ年頃の子どもを持つ親としては、見ていられません。 結局大和は沈んでしまうけどなんとも虚しい…。 巨費を投じた戦艦が、7000人の命と共に、たちどころに海の藻屑。ひたすら虚しく感じました。、(そもそも後援部隊もない、燃料も片道分しかない。死を覚悟の大きな特攻隊だったわけですね) 15歳や16歳の子どもに、人を殺せと、人を殺して死ねと(与謝野晶子じゃないけど)国が命令する。作品のなかで息子に「死ぬな、生きて帰れ」と言うシーンがあったけど、そんなことを堂々と口に出したら非国民と憲兵が飛んできたと言う話も聞く。送るほうも「おめでとう」「ばんざい」と送らねばならなかったと…。 生きて帰っても「おめおめと…」と恨み言を言われる。 何もかもがおかしかったのです。 こんな風に人間が死んでいくのはもう二度とあってはならないと痛切に思いました。

映画は、大和の生き残りを父にもつ鈴木京香が、大和が沈んだ場所を訪ねたいと、仲代達也演じる老漁師に船を出すように頼むところからはじまる。助手として16歳の少年を乗せてゆくのだけど、この悲惨な戦争を若い世代に伝えると言うことが象徴的で、そして、少年の強い眼差しが確かにその意図を受け止めた決意に溢れていて、けっして風化させてはいけないとわたしたちに訴えていた。
ALWAYS 三丁目の夕日★★★★
監督 山崎貴
出演 吉岡秀隆 、堤真一 、小雪 、堀北真希 、三浦友和 、もたいまさこ

夫が、ビッグコミック・オリジナルをもう30年ぐらい読んでます。 わたしも夫と知り合った頃から読んでるので、20年以上になる。 読み始めたときからすでに連載されてた。ロングラン!! 連載は読みつづけるのが面倒になってきたので、あまり読まなくなったんだけど、「三丁目の夕日」はたまに読んでいます。 原作は連作短編漫画で、一話ずつ読みきりです。 これが一つの映画になるなんて、どういうストーリー展開になるんだろうと、すごく不思議な感じがしたし、ちまたの「感動した!」「泣いた!」と言う評判に、逆にちょっと腰が引けてたんだけど…。 原作のレギュラー陣が、映画の中で下町人情溢れるあったかい物語を展開してゆく。鈴木オートの一家3人、売れない作家の茶川と居候の淳之介、飲み屋の美人おかみサユリ。 ものはないけど、活気と明るさ、あたたかさだけは十分すぎるほどあった昭和のよき時代を見事に再現しています。 作りかけの東京タワー、都電が走る街にはまだまだ高層ビルの面影すらなくて、多摩川にかかる鉄橋のうえを煙はいて走るSL。 戦後の傷跡を覆い尽くして、これから発展するぞと言う活気に溢れた街、思えばこの映画の頃が日本人は一番幸福だったのかも知れませんね。

+++++

映画でよかった〜と思ったのは子どもたちが可愛かったこと。 鈴木オートの一平君もすごくかわいかったし、茶川さんにもらわれた淳之介くんも、健気で良かった。 とくにクリスマスにプレゼントをもらうくだりがすごく良かった。 そのまえに自分の希望を「何がほしい?」と訊かれ、すごく遠慮しがちに答えていたのだけど、実際にもらったプレゼントは淳之介の本当にほしいものだった!その時の輝く顔! 「どうしてぼくのほしい物がわかったんだろう」と、つぶやく淳之介に教えたかった。 「それをくれた人が、君のことを好きだからだよ。好きな人のことを知りたいと思うのは当然なんだよ」と。(←ちょっとくらもちさん入ってるんですけどね) もらったほう、あげたほう両方の気持ちにジワーンとしました。

++++++

泣くよ、泣くよと思っていたので逆に心構えが出来ていたのか、わたしとしたことが思ったほどには泣けなかったのは我ながら意外。 原作のほうが好きだと感じたからかな? それとも、わたしには物語が美しすぎて毒が足りなかったかな?(笑) でも、映画もとってもよかったです。オススメです。
ビッグ・フィッシュ★★★★☆
監督 ティム・バートン
出演 ユアン・マクレガー 、アルバート・フィニー 、ビリー・クラダップ 、ジェシカ・ラング 、ヘレナ・ボナム=カーター 、アリソン・ローマン

ほら吹き男爵のように荒唐無稽な作り話を堂々とみんなに聞かせ(しかも何度も同じ話を繰り返す)他人には受けが良いけど、自分の息子には疎ましがられている父親。その死に際に、息子は「本当のことを話して」と頼むのだけど、父親は相変わらず大法螺を吹くのをやめない。 でも、実はそれは大法螺なんかじゃなくて…。

父親が語る法螺話がすっごく楽しい。息子にとって父親の思い出って言うのが、父親が語る法螺話でしかないので、それを回想として見せてくれるのだが、このあたりがバートン!って言う感じで楽しい楽しい!ウンパルンパも出てくるしね!(笑)ミョ〜にデッサンの狂った顔の大男とかもいいねぇ! だけど、往々にしてこう言うのが「父親」だと息子としてはちょっと…。本とは「妻としてはちょっと」とも言いたいけど、話の中では妻は夫を受け入れてるので、すっごく美しい夫婦愛がサブテーマとして描かれえてて、気持ちがいいのだと思う。

「見るものによって違う姿になる」と言う魚。自分の過去の体験も、人の姿も、言わばその魚のようなもので、見る人によって全然違って感じるのだよね。お父さんには人生は確かに、こういうものだったのだよね。 それを理解できた時、息子は父親に大きなプレゼントをする。 「話が下手」と、言われてきた息子が一世一代の「法螺話」を。なんと言う暖かい法螺話だったか!!!泣けた泣けた…!!
ヴェロニカ・ゲリン★★★★
監督 ジョエル・シューマカー
出演 ケイト・ブランシェット 、ジェラルド・マクソーリー 、シアラン・ハインズ 、ブレンダ・フリッカー 、バリー・バーンズ 、サイモン・オドリスコール

麻薬撲滅のために、ペンの力で世間に訴えようとして、麻薬組織の内部を抉り出し、そのために暗殺されてしまった実在の女性記者の物語。

冒頭、主人公への銃撃事件からのフラッシュバック。 銃撃よりもショックなのは、子どもたち(幼児含む)にまで麻薬が蔓延している、そして大人たちが子どもたちを食い物にしてるのが当然の、タブリンって言う町のどうしようもない映像。1990年代ですよ? 取材しようとすると、ラリった調子で少年が「見返りに金をくれ」と言う。でも、お金を渡したら速攻で薬に化けるのが分かってる。 暗澹とする場面は続く。 地域の中には、マフィアたちを排除するための組織を作り、デモ行進をしたりと言う気骨ある人々もいる。でも、そのデモ行進に参加する人数の少ないこと!!衝撃を隠せないヴェロニカは、自分が記事を書くことでこの現状をなんとかしようと思うのだ。 その後の彼女の勇気ある数々の行動。女で、妻で、母でもある彼女がものすごく危険な取材をいくつも体当たりでこなしてゆくのだけど…。

普通なら引いてしまうし怖くてたまらない場所や人への突撃取材、書くことの情熱と記者魂を見せつける彼女に、ただひたすら圧倒されたんだけど…しかし、だんなさんはすごく寛容な人だったのね〜。家事も育児も放りっぱなしで、取材に飛び回る彼女に(少しキレかける場面はあるんだけど)おおむね好意的?それとも放置?だってね、普通の夫だったら、脅されようが殴られようが撃たれようが絶対に取材を止めない妻に、平気でいられたはずがないのだけど…。 仕事と家庭の両天秤、色々疑問は湧いたけどね。なんせ子どもがほんの3つぐらいだったので、かわいそうだったって言うのが正直な気持ち。 まさに、麻薬撲滅のために命をささげた女性ジャーナリストだったわけです。 彼女の死で皮肉にも世間は立ち上がる。司法も変わる。彼女の死が、決して無駄にはならなかったことが、救いではあるけど…。誰かが犠牲にならなければ動かない行政や世論に、すこしやりきれなさを覚える。 でもやっぱり感動してしまった。
メリー・ポピンズ ★★★★☆
製作年度:1964年
上映時間:140分
監督:ロバート・スティーヴンソン
出演:ジュリー・アンドリュース 、ディック・ヴァン・ダイク 、デヴィッド・トムリンソン 、グリニス・ジョンズ 、ハーマイアニ・バドリー 、ジェーン・ダーウェル

子どもたちが大好きで、何度も借りてみているけど、一度も英語版で見たことがない。吹き替え版ばかりです。DVDはまだレンタル店に入ってないようで…。見たいなぁ。オリジナル。

とは言え、吹き替え版も良いですよ。バートを山ちゃん、子どもたちのお父さんを永井一郎さん、ちょろっとだけ出てくる警官を、ユパさまこと銭形警部こと納谷悟朗氏が吹き替えしているしね。

ジュリー・アンドリュース若くて可愛いです! かの有名な「スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス」も「チムチム・チェリー」もモチロンいいんですけど、子どもが大好きなのはむしろ、それよりも「一杯の砂糖があるだけで」と言う歌です。それと「乳母の歌」と言うタイトルなのかどうか知らないけど。「ひまし油を飲ませないで」と言う歌詞があるけど、ひまし油ってドンなのだろうか。いつも気になります。「トム・ソーヤーの冒険」や「ピーターパン」にも出てくるよね。よほど不味いらしいけど…。 好きな場面は、バートと一緒に公園でバートの絵の中に入り込んで、アニメとの合成の世界で歌ったりおどったり。ペンギンと一緒にダンスするのがすごく楽しい。バートのダンスがキレがあって好き♪ 子どもたちのお母さんがファンキーで面白いのもグッド。
ポセイドン ★★★★
製作年度 :2006年
上映時間 :98分
監督: ウォルフガング・ペーターゼン
出演:カート・ラッセル 、ジョシュ・ルーカス 、ジャシンダ・バレット 、リチャード・ドレイファス 、ジミー・ベネット 、エミー・ロッサム

豪華客船が沈没するまでを描いたパニック巨編です。 30年前の「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク。 オリジナルのほうが断然いい!と言うコメントを目にしていたので、あんまり期待しないで見たのだけど、それが良かったのかわたしはすごく面白かった。思わず息を止めたり、苦しくなるような緊迫感があってなかなか真剣に見入ってしまった。劇場で見たかったな。

豪華客船、沈没、となるとどうしても「タイタニック」を思い出すけど、ただ沈むまでにジャックとローラの恋愛を描いた「タイタニック」と違い、こちらは沈没から逃れて生きようとするサバイバルな部分に面白みがあり。

まず、主人公がカート・ラッセルということだけど、わたしはディランを演じたジョシュ・ルーカスのほうが良かった。かれは「ステルス」のときよりも数段カッコよかったです。特に≪油が燃え盛る水面に、ホースを持って飛び込んだとき≫に、ハートを鷲づかみにされましたな。うん、カッコよかった。その後もいい役どころで、最初に出てきたときの胡散臭さは何の布石でもなかったのがちょっと拍子抜けするほど(笑)。 娘の彼氏もカッコよかったけど、ディランの前にはまだまだ!って感じ。 カート・ラッセルが≪娘たち恋人を残して、犠牲になるくだりはオリジナルも同じ設定なんだろうか…アルマゲドンに≫似ていました。 それと、≪子どものピンチ、あれはもう良いです。絶対に助かるのが分かってるから≫ハラハラしないんだよね。

感動も目新しさも特にはないけど、最近のパニック映画の中ではかなり面白かったと思う。
ニューヨーク東8番街の奇跡 ★★★☆
製作年度:1987年
上映時間:107分
監督:マシュー・ロビンス
出演:ジェシカ・タンディ 、ヒューム・クローニン 、フランク・マクレー 、エリザベス・ペーニャ 、マイケル・カーマイン 、デニス・ボウトシカリス

1987年の古い映画だけど、今見ても面白い。
ジェシカ・タンディは「ドライビングMissデイジー」や「フライド・グリーントマト」で印象深い女優さん。今回はボケてしまった老女を演じていて、その夫と一緒にダイナーを経営しながら、ダイナーがある同じビルに住んでいる。
(夫役のヒューム・クローニンとは「コクーン」でも競演してる、実生活も夫婦だった) このビルが取り壊しになるというので、住民たちは立ち退きを命じられているのだけど、どこにも行く当てもない彼らは断固として立ち退きに応じない。
そこに、宇宙から謎の生命体がやってきて、彼らに力を貸してくれるというハートウォーミングコメディ。
その謎の生命体は、ちいさな宇宙船のような生命体でこれがユニークで可愛い。なんと出産までしちゃう。力を貸してくれるといっても、壊れたものを直す程度。根本的な解決をしてくれるわけではないのだけどね。だから、地上げ屋の嫌がらせは映画が終る直前まで続く。
物語はその中で住民たちの人間模様を描いているのだけど、それが結構胸にひたひた迫るものがある。 老婆がどうしてボケてしまったのかと言うと、高齢というのもあるだろうが息子を事故でなくしたショックのせいもあるんだろう、地上げ屋の一人を息子と勘違いしてるんだけど、その気持ちを思うとかなりぐっときます。
父親である夫を責める場面など、責める妻責められる夫両方の気持ちに泣けてしまう。 奇跡が起きるラストは、ミエミエなんだけど、それでもオッケー。こう言うラストは心が温かくなるので大歓迎です。
ナニー・マクフィーの魔法のステッキ ★★★★
製作年度:2005年
上映時間:98分
監督:カーク・ジョーンズ
出演:エマ・トンプソン 、コリン・ファース 、ケリー・マクドナルド 、アンジェラ・ランズベリー 、セリア・イムリー 、デレク・ジャコビ

子供向けの映画でたいしたことがないとたかをくくって見たら、あらら、結構ステキな映画♪ 乳母モノなので、メリーポピンズを思い出しますね。

こちらは、母親を一年前に亡くした、ヤンチャでヤンチャで手ごわい子ども7人のお守りにやって来た不思議なナニー・マクフィー。大きな鼻に繋がった眉毛、1本だけ飛び出した大きな歯に毛が生えた大きなイボ。異様に醜い乳母。子どもたちは20人以上も乳母を追い出して自慢にしていたけど、今度ばかりはそうも行かず。ナニー・マクフィーが不思議なステッキをトン!と地面に打つと、不思議な力が作用する。
最初は抵抗していた子どもたちも、その魔法の力には抵抗しきれず、でも、マクフィーの心の温かさにが段々と心を開いて、マクフィーを頼みにしていく。「必要ならいてほしくないと思われてもここにいる。でも、必要でなくなれば、いてほしいと思われてもいなくなる」が信条。 マクフィーとの関わりを通じて、子どもたちや父親が変わって行くのが見所なのだ。そして、変わっていくのは子どもたちだけじゃなくて…?

ラストのなんともいえぬ幸福感は、子供向けの映画だからと敬遠してはもったいないと思わせるに充分。映像もきれい!(ラストね) 見てよかったなぁ♪ 子どもたちも可愛いし。オススメです。
ネクスト・ドア〜隣人をかたづけろ〜 ★★☆
監督:トニー・ビル
製作:ジェイ・ベンソン
脚本:バーニー・コーエン
出演:ジェームズ・ウッズ ケイト・キャプショー ランディ・クエイド ルシンダ・ジェニー マイルズ・フュールナー ビリー・L・サリヴァン

TVMらしいです。 1994年の作品。何気に豪華なキャスト? ジェームズ・ウッズが若い!でもTVMにも出てるんですね。 奥さん役はケイト・キャプショー、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の彼女。スピルバーグの奥さんみたいですね。 「隣人」の役はランディ・クエイドで、デニス・クエイドのお兄さんです。すっごいベテランですよね。最近では「ブロークバック・マウンテン」にも出演。 さて、内容は、隣り合った二つの家族が些細なことから対立して、おしまいには大喧嘩に発展してゆくさまを描いたブラックコメディです。 些細なことって言うのは、スプリンクラーなんですね。 ランディ・クエイド演じるレニーの家のスプリンクラーがのべつ幕なしに、水をまいてて。で、隣であるウッズ(こっちが主人公)演じるマット家の花壇の花をも枯らしてしまうんです。 マットは、大学教授だけど少々子どもっぽい部分があり、仕返しにレニー家のソファ(外で使ってるやつ)に水をまいて水浸しに。 そのまた仕返しに今度は、レニーがマットの車を水浸しに…。 もうやめようと思い立ったマットが休戦を申し込むが、その条件にレニーはソファの弁償を請求する。 弁償には応じたくないマットがレニーの家に直談判に行くとレニーが留守で、奥さんがマットを家に引き入れ、胸の刺青を見せる。 そのことをまた根に持ってレニーがマットに暴力を・・・。ついには警察を呼ぶはめに…!! こんな感じで段々とエスカレートしていく「大人のケンカ」を描いてます。 子どもたちは親友同志だったのに、このことがきっかけで絶交状態。 このケンカは収束に向かうのだろうか…??
ニック・オブ・タイム ★★★☆
製作年度:1995年
上映時間:89分
監督:ジョン・バダム
出演:ジョニー・デップ 、クリストファー・ウォーケン 、チャールズ・S・ダットン 、マーシャ・メイソン 、ピーター・ストラウス 、ロマ・マフィア

あらすじ+++++++

子連れ出張の途中で(というか、離婚した元妻の葬儀に出席してその帰り、父親のジョニーはそのまま仕事に行くつもりだったらしい)に、謎の男女に拉致されて、娘を人質に取られてある仕事を押し付けられる。その仕事とは、とある人物の暗殺だった。とある人物は誰か、そしてジョニーはそれを成し遂げるのか…。

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なんでまた、こんなフツーのサラリーマンのおっちゃんにこんな無謀な仕事をさせようとするのか…。 誰に「仕事」を押し付けようかと、ウォーケン様と相棒の女が駅で人を物色して、ジョニーに白羽の矢をあてるのだけど、それがなぜかというと…。
チラッと見た時にジョニーがチンピラを軽くあしらったのです。それを見て「適任だ」と即断。って、それはないで、そんなアホな!と、軽い突っ込みから映画が始まるので、全編違和感が付きまとうと言えば言えるのだけど、ジョニーが本当にその仕事をするのか、なかなか真に迫ってて見入ってしまう。 大体フツーの人がいきなり拳銃を握らされて「殺せ」って言われて、自分に縁も縁もない人を殺せるか?否!!いないないな!!自分だったらと考えると、たとえ娘を殺すと脅されても出来ないと思う。倫理的に出来ないと思うよりも先に、きっと人を殺すと言うこと自体に躊躇してしまうと思うのだけど? しかーし、この映画の場合その命令を出してる男が我らがウォーケン様で。ほんとに冷酷無比に、膝を拳銃でガッツンガッツン殴りつけては言うことを聞かせようとするウォーケン様、かれほどこう言う役が似合う男はいないと思う。ウォーケン様にこんな風に命令されたら誰でもビビって「はい!」と言うことを聞いてしまうでしょう。わかります。ビビリまくってオドオドしてるジョニーが気の毒で、気の毒で。
どうにかして、その命令を聞かないようにしようと画策するうちに、協力者にめぐり合い…。この協力者たちが結構いい味。
誰が味方で誰が黒幕か?見ていくうちに思い出してきたけど、それでも結構楽しめました。 ただ、ジョニーがオッサンくさいかな?ちょっと太目だし。あごのラインがちょっとね。でも、好き♪
タイトル
感想
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