エミリー・ローズ ★★★
監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー 、トム・ウィルキンソン 、キャンベル・スコット 、ジェニファー・カーペンター 、コルム・フィオール 、ジョシュア・クローズ


エミリー・ローズが死に、その死因に不審な点があるとして警察が介入。その結果、カトリックの神父が裁判にかけられます。 エミリー・ローズは医療を必要とするなんらかの病気であったのに、それを「悪魔つき」として医療行為を拒み、適切な処置を施すことを拒否したことで、訴えられたのです。 映画は、その裁判の様子をとおして、神父のエミリーに対する誠意ある対応、そして、エミリーが神に身をゆだねるまでに至った感情の起伏を描いてあります。 ホラーというよりは裁判、法廷ものとして楽しめる作品。 ですが! これと同じことが日本でもありますよね。 信仰による医療行為拒否で肉親などを死なせてしまうケースが。 日本ですと糾弾されこそすれ、誰もその信仰に身をゆだねて「死」に至るまでの決意に対して「感動」「共感」は受けないと思うんですが。 これがカトリックの場合だと違うのですね。 ホラーな場面もあるけど、そう言うのは全然怖くない。 ただひたすら、ビックリしてしまった。
生きてこそ ★★★★☆
製作年度:1993年
上映時間:126分
監督:フランク・マーシャル
出演:イーサン・ホーク 、ヴィンセント・スパーノ 、ジョシュ・ハミルトン 、ブルース・ラムゼイ 、ジョン・ハイムズ・ニュートン 、デヴィッド・クリーゲル


1972年、アンデス上空で消息を絶った旅客機の乗客が72日後に奇跡的な生還を遂げた“アンデスの奇跡”を映画化した、感動の人間ドラマ。 (Amazonより)

少し前に見た「運命を分けたザイル」を思い出した。 「運命」のほうが若い作品で、どうしてあのようにドキュメンタリータッチにしたんだろう、どうして普通の映画にしなかったんだろうと思ったけど、やっぱ、こう言う作品が先にあったからかもと思った。 すごい壮絶な迫力で、ただ、身じろぎせず息を詰めて見た。 見ている間中寒かった…。毛布に包まってみていましたよ。

まず、飛行機事故のシーンがすごかった。後部がバシーっと飛んでゆくとか、そのとき一緒にひとも飛ばされるとか。 そう言う事故のシーンが生々しくおそろしい。 助かったら助かったでそこからが大変! みんな協力的だったらいいけど、そうじゃないのもいるしうっとおしいほど後ろ向きのやつもいる。 みんなをまとめようとしても、そっぽを向くやつもいるし。 助けは来ない。 絶望の中での若者たちの様子がリアルに描かれていた。

実話ということに驚かされますね。 どんな風になっても希望を失わず、前を見て行く主人公をイーサン・ホークが熱演。彼の代表作というとこのタイトルが上がるのも納得です。 ラストはともかく感動した。 人間って生きる力があるんだなぁ。 一見のどかな風景、真っ白な雪と真っ青な空の二色が作る美しい風景、その美しさとは裏腹に生死を握るアンデスのギリギリの緊張感の中で、やたらのんびり日を浴びる(それしかやることがない)学生たちの姿が印象的です。
評決のとき ★★★★
監督:ジョエル・シューマカー
出演: マシュー・マコノヒー 、サンドラ・ブロック 、サミュエル・L・ジャクソン 、ケヴィン・スペイシー 、オリヴァー・プラット 、チャールズ・ダットン


法廷ものというよりも、もっと深い人種差別が根子にあり、とっても難しい問題提起をしてある作品です。こう言うのは日本人には本当の意味では分からないのではないかと思いました。 事件は、10歳の娘を白人のならず者2人に強姦された(それも、ものすごく酷いやり方で)父親(サミュエル・L・ジャクソン)が、犯人たちを銃殺してしまいます。そこは南部地方ということもあるのでしょうか、白人がたとえ酷い罪を犯しても、有罪になることが殆どないと知っているから。娘の敵は私刑によってしか晴らされないと考えたのです。 で、その弁護をするのが、マユー・マコノヒー演じる正義派の若手弁護士ジェイク。対する検事側は、こんどこそ、ラッセル・クロウと区別がついた!ケビン・スペイシー。 犯行当時の心神喪失を主張することで、勝ちを得ようとする弁護士側ですが、やり手の検事たちはそう簡単にさせない。 その攻防を描いてあるのかと思いきや! 法廷でやりとりされる内容は正直言えば、たいしたことはなかったです。 ラストはあっけなく…。 じゃ、今まで綿密に調べたことはどう役に立ってるの? というかんじで。 法廷サスペンスらしいやりとりを求めて見たら、ちょっと拍子抜けするかも。 だけど、この作品が描いているのは、そこにある「黒人差別」だと思うのです。 K・K・K…クー・クルックス・クランという白人至上主義者の集まりが、その裁判で公に復活し、「リー(サミュエル)を殺せ」とシュプレヒコール。 そして対する黒人たちの集会は「リーを放せ」とコールする。 この街にひそかに根付いてきたK・K・Kはついにはっきりと正体をあらわし牙を剥き出し、とても法治国家とは思えないような野蛮な行動を繰り返す。 その中で、弁護士ジェイクは、リーの弁護を止めるように何度も敵から脅され、ついには味方からさえも、それを求められる。 でも、ジェイクが弁護を止めてしまったら、リーはどうなる…正義はどこにあるのか。 苦しみながらも、わが道を進むジェイクの姿に胸打たれる作品でした。 事務所のおばさんの「私たちが裁判に勝ったとしても、負け戦なのよ」と言う言葉が印象的です。 でも、でも! です。 やっぱり、私刑はいけないと思うのです。 それをさせる社会に問題があるとはわかるけど、社会に問題があるからといって、殺人を犯しても良いのか。ちょっと違うのでは…。決して犯人を自分の手で殺すことを、認めてはいけないのでは。 わたしは、この父親、リーの気持ちは尊重する。自分でも同じように思うし、したいと思うかもしれない。 でも、それをそのまま支援するのはどこかが違うと思う。 本当の正義って、そんなもん? リーは、犯人たちをやるのなら、自分の命と引き換えにやるべきだったと思う。いくら残された家族のためとは言え、自分だけは助かりたいという気持ちは、映画を見ていて冷たいようだけど辟易してしまった。 ラストは確かに感動したけどね。 キャストは豪華でした。驚くほどに。 今をときめく、ジャック・バウアーことキーファー・サザーランドと、その父ドナルド・サザーランド。マシューの奥さんにはアシュレイ・ジャド。あわや不倫か?と思った助手にサンドラ・ブロック。クリス・クーパーとかね。
カーズ ★★★★★
監督:ジョン・ラセター
声の出演:オーウェン・ウィルソン 、ポール・ニューマン 、ボニー・ハント 、ラリー・ザ・ケイブル・ガイ 、チーチ・マリン 、トニー・シャルーブ


ディズニーのピクサー作品です。 めっちゃ面白かった!! こんなことなら劇場に見に行けばよかったー!と悔やみました。 最近はピクサーもイマイチ劇場に行くほどでも・・・と言う感じだったので、見送ったんだけど、これはよかったー。自身の中でピクサー作品としては、トイストーリー(ピクサーのマイベスト)に匹敵します。 あ〜〜〜大画面で見たかった。 DVD購入検討中です!マジで。 いつも、人間以外のキャラクターをうまく擬人化するピクサーだけど、今回は「クルマ」、クルマの世界です。 どこもかしこもクルマだらけ。空飛ぶハエすらクルマ。 主人公のライトニング・マックィーンは新人レーサー。 レース中のピットクルーも要らなければ、タイヤの交換も必要ないとばかりの傲慢な態度だけど、それも若さゆえの夢を持ってのこと。 ピストンカップのチャンピオンになりたい!! が、決勝レースの舞台、カリフォルニアに向かう途中で、アクシデントに襲われてなんと、道に迷ってしまう。 迷い込んだ街は、高速道路が開通してからは、世間から忘れ去られた町、ルート66沿いのラジエーター・スプリングスだった。 ある理由で、その町に足止めを食ってしまうマックィーン。 最初は、レースのためにカリフォルニアに行くことで頭がいっぱいのマックィーンだったが、次第にラジエーター・スプリングスの住民たちと打ち解け、「友達」になってゆく。 と言う話ですが、冒頭、カーレースのシーンがあるんだけど、すごい迫力で楽しい!なんせ、走る車もクルマなら(当たり前だけど…)カメラさんもクルマでフラッグを振るのもクルマ、ピットクルーたちもクルマ、観客の一人残らずにすべてがクルマ!!ファンがコスプレするんだけど、それもクルマ(笑)。 そこで、ぎゅっと鷲づかみにされたままぜんぜん飽きさせず、ずっと画面に引き付けられ、ラストまで一気に運ばれた感じ。 話はべたな展開と言えば言えるかもしれないけど、先を予想する暇もないぐらい物語に引き込まれた。 傲慢で、それゆえ友達もなかったマックィーン。 レースと言う「速さ」の世界で生きてきたマックィーンにとって、ラジエーター・スプリングスののんびり流れる時間の中で得たものは、友達だけではなくもっと大事な何か…。 ポルシェのサリーとドライブする様子なんて、景色の美しさと楽しそうな二人の様子に涙が出そうになるほど。 街から出てゆくときの彼が、この街に来たときとはぜんぜん違うのがとってもよかった。 これは、子供向けアニメだと思ったら大間違い。大人も確実に楽しめる名作です。クルマが好きなら特に、そうじゃなくても、大人も子供も、女も男も楽しめますよ! おススメ!見てよかった!!! 以下ネタばれ感想なのでドラッグしてどうぞ。 自分の中でつぼなのは、おんぼろトラックのメーターとの友情。 メーター、いい味出していました! 出てゆくことになる日、町のみんなの店に行ってお客さんになってあげるところとか、町に点灯してにぎやかだったころを再現させるところとか。もうこのあたりから、最高に好きな運び方! メーターの「おれ、さよなら言えなかったよ」と言う寂しいつぶやきに、思わず涙。 最後のレースでマックィーンがやる気が出ない、でもそこにドク・ハドソンたちが来てくれて、その姿を見たとたんやる気が出まくったのもジーンとするし、ハドソンの教えのとおりにコーナリングをしたのとかも、また、エースの背中を押しながら3位でゴールしたのも感動ものだった。何よりも、さび取りクリームの仲間と一緒にやっていくと言う決意とか、でもヘリコプターにはメーターを乗せてやるところとか、ルイジの店にフェラーリを呼ぶのとか、泣けてしまったよ。人が人を思いやる気持ちって、やっぱり感動するよね。
クルマがクルマを思う気持ちでも(笑)。
わたしは吹き替えで見たんだけど、主人公のマックィーン役に土田大さん。メーター役に山口智充さん、ぐっさんです。ぐっさん、やっぱり何をやらせてもウマいですね。今回もよかったよ。 でも、あのエンドクレジットの扱いはないよね。 主人公役でもないんだから。 たしかに、主人公以外に大物声優が演じている場合、その他大勢扱いされてて気の毒な気はしていたけどね。 著名度で言うなら八奈見乗児さんとか、戸田恵子さんなんか筆頭にもって来るべき、とかも思っちゃうね。
グローリー・ロード ★★★★☆
監督:ジェームズ・ガートナー
出演:ジョシュ・ルーカス 、デレク・ルーク 、ジョン・ヴォイト 、メカッド・ブルックス 、タチアナ・アリ 、エミリー・デシャネル


これまたディズニー作品。 感動的でした! 実話を元にして作られた映画。 バスケットの試合も迫力満点で、バスケ好きにははずせない映画でしょう!わたしとしては「コーチ・カーター」よりも良かったです。 1960年代にテキサスの大学から招聘を受けた、バスケットコーチのドン・ハスキンズは、型破りのチーム編成をやってのける。それはチームの半数以上が黒人と言う、当時のバスケット界の常識を破ったものだった。チーム・テキサス・ウェスタン・マイナーズが、世間の非難や差別や嫌がらせを受けながらも、リーグ優勝を果たすまでを描く。 最初のうちは、黒人選手をスカウトする場面が中心。 主人公も最初は白人選手のスカウトを考えていたが、なんせ予算はないし弱小チームだし、強い選手には眼も向けてもらえない。 そこで、ふと目をとめたのが実力はあるのに起用されずベンチで腐る黒人選手。バスケットがうまければ、黒人でも白人でもなんでもいい、とハスキンズはどんどん黒人選手たちを大学に迎える。 当然、学校でも、チームの貢献者にもチームメイトにも歓迎されないんです。せっかく苦労して迎え入れた選手たちなのに、監督の言うことも聞かないでやんちゃするし・・・。 最初はどうなることかと思いました。 でも、いつの間にか選手たちの気持ちはひとつになって、と、ここのところはさらっと流れすぎて「いつの間に仲良くなったの」みたいな気持ちが無くもなかったけど。 でも、後半のバスケットの試合シーンの迫力は満点! 本当に、試合を見ているようで魅せられた!! 試合に勝ち進んで有名になっても、選手たちは持ち上げられるどころか逆に嫌がらせがひどくなるばかり。 このひどい嫌がらせに、チームのメンバーたちの心はすさみ、チームメイトたちの間にも不信感が広がってしまったりします。 それを恐れたりめげたりしながらも、やがて克服して勝利をつかんでゆくメンバーたちの姿が感動的。 おまけ映像を見てわかるけど、この映画の「その後」も、もっと嫌がらせは大きくなる一方だったとか。本当にびっくりしてしまうことばかり。そう言うことが「本人たち」の口から語られる特典映像は、本編に負けず劣らず感動的。生の声だから余計に、そう思う。 この年のこのリーグの、この優勝が世間にもたらした影響とは! スポーツってすばらしい!と、思える作品でした!! 主役はえくぼの印象的な正統派のイケメン俳優、ジョシュ・ルーカス。「ポセイドン」に続き、いい男を演じていたよ。ちょっと腹は出てたけど・・・。実際のハスキンズは「熊」って呼ばれてたらしいけど、ちょっと雰囲気が違うような気がしないでもなかったけど、それでもかっこよかった! ジョン・ボイドの存在感もなかなか。監督シーンは、本物の監督みたいだった。 ボビー・ジョー・ヒル役のデレク・ルークは「エイプリルの七面鳥」の彼氏の人ですね! 試合後に選手のハリー(だったよね?)が客席の母親のところへ行き「ママありがとう」と抱きつくシーンに涙がだ〜〜!! 仕事があるから大学にはいけないというハリーを無理やり大学に入れたのは、母親だったもんね。そのエピソードのつながりが良かった! これ、劇場未公開なんですって。いい作品なのにね。 思うに最近、洋画の公開が少ないようなきがします。 いま、近所のシネコンも12〜3ある劇場中の、洋画は半分以下だもんね。邦画の勢いがあるのは結構だけど、洋画がこんなに少ないのは寂しい限り。「父親たちの星条旗」「トゥモローワールド」「プラダを着た悪魔」「ワールドトレードセンター」の4本しか上映していないんですよ。ほかにこれといった作品もないのでしょうかね。劇場に行きたいなぁ!って言う気持ちが最近萎えてしまったのもこれが原因かも?
ロード・オブ・ウォー ★★★★☆
監督:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ
  イーサン・ホーク
  ブリジット・モイナハン
  ジャレッド・レトー
  イアン・ホルム
  ドナルド・サザーランド

要は、武器商人の生活と言うか人生を描いたものです。
これが結構安易と言うか軽いノリでその商売に手を染める主人公。 ニコラス・ケイジが演じるのは「死の商人」と呼ばれる武器商人のユーリー・オルロフ。
父親は堅実なレストランのシェフで、ユーリーもそんな風に人生を過ごす選択肢もあっただろうが、あるとき、別のレストランで銃撃戦に出くわしたことから「これは商売になる」と思い立ち、弟とふたりで武器の密売(しかし、違法でもない、グレーゾーンで合法がモットー)に手を染め始める。
そこから、妙にその手の商才があり、あれよあれよと言う間に「その道」では第一人者にのし上がる。
全編、基本的にユーモラスな感じで、ほんとに軽い感じで描いてあるんです。イーサン・ホーク演じるバレンタインは追いかけてくるインターポールの刑事。だけど、ユーリーはなかなか尻尾を出さず逮捕に至らない。真剣なバレンタインに比べてユーリーはどこか真剣味に欠けた、のらりくらりとした感じ。 でも、やってることは人殺しの道具を売ってるんですよね。
目の前で銃を発砲されても、怖がるどころか「これでこの銃は中古だ」とか「商品」の心配をしたりして、なかなか感覚の違いが面白い男だし、ひょうひょうとしてるのが面白いと言うか・・・。

しかし、圧巻なのはラスト。 物語の持つメッセージとか皮肉とか、この世の中の現実とか・・・そりゃもう、わずか数分の場面で頭をがつーん!!と思いっきり殴られたようなショックを受けました。
誰でもバレンタインのような気持ちで、このユーリーを見ていると思うんですよね。武器を密売するなんて非人道的だ、正義にもとる、やめろそんなことは!って言う感じで。
だけど、そんな似非正義感みたいなのは、この「死の商人」ユーリーが最後にバレンタインに言うせりふで粉々に砕けます。
バレンタイン同様に、観客も打ちのめされます。
自分たちが「平和」と信じているものの姿の正体が垣間見えたようで、非常に心に残る映画になりました。
ぜひとも一度ごらん下さい。

「今世界には5億5千万丁の銃がある。ざっと12人に1丁の計算だ。残る課題は一人1丁の世界」「私が一年で売った武器の量は、合衆国の一日の輸出量」「常任理事国5カ国が最大の武器輸出国」
ブロークバック・マウンテン ★★★★☆
監督:アン・リー
出演:ヒース・レジャー
  ジェイク・ギレンホール
  ミシェル・ウィリアムズ
  アン・ハサウェイ
  ランディ・クエイド
  リンダ・カーデリーニ
何度も何度も予告を見て、そのたびに正視できないような気分になり「絶対にこれは見ない」と思ってて、 と言うのも、ボーイズラブは決して見ないということはなく、漫画なんかもちょっとは読むし、「モーリス」とかも見たし、何が何でもダメってことはないんですが、どうも、本能的に「見ないほうがいい」って言う気分にさせられたと言うか。
だけど、やっぱり心底では興味があったのでしょうな。 というか、男女のラブロマンスを見る気分になれず、それならいっそ男女じゃなく男男のラブロマンスを見てみようと思い立ったのです。
しかし、見てみれば。 結構ハマります。 結局全編気持ちを逸らされることなく見入ってしまった。

冒頭、ブロークバックという山で羊の番をするバイトを一緒にする二人。羊ってほほえましい生き物だけどあんなに大量に集まると、ちょっと引きますね!(笑)でも、羊といっしょに山を移動するときとか、風景の美しさにまず目を奪われて、そこから画面に釘付け。
内容はある程度わかっている、というか男同士の愛を描いてあると言うのは知っているので、出会いの瞬間から主人公の目つきに意味深なものがあるのかしらとか、邪推しながら見るのも楽しい。(笑)
暴れ馬を乗りこなすのを見て「お♪」と思ったのか?とかね。
でも、結構唐突ですけどね。 ふたりが「そういう関係」になるまでの逡巡とか、葛藤とか「抱きしめたいのに行動に移せない」という苦しさや切なさがもっと欲しかったかな?
とは思うものの、そこはすっ飛ばしても、ふたりが「その」後をどう生きたのか、なかなかよく描けていたと思う。
わたしが特に好きだったのは、ブロークバック山を降りて二人はそれぞれの生活に戻り、結婚したりごく普通の生活を送り・・・ だけど、一通のはがきがその状況を破る。
「そっちに行く。返事をくれ」とジャックから手紙が来て喜ぶイニスの様子。これが泣かせる!
当日はいそいそと。窓から目を離さず。恋しいダーリンの到着を今か今かと待ちわびるイニスのいじらしさに胸がジーンとしてしまった。
予告では嫌悪感があったけど、覚悟が出来ていたからか映画本編では嫌悪感も全然なくて、すんなり見ることが出来ました。
心に残る映画だと思う。
ユナイテッド93 ★★★★☆
監督 ポール・グリーングラス
出演:ハリド・アブダラ
  ポリー・アダムス[女優]
  オパル・アラディン
  ルイス・アルサマリ
  デヴィッド・アラン・ブッシェ
  リチャード・ベキンス

9.11テロのとき、一機だけ離れた所に落ちた飛行機があったけど、それはこういうことだったんだと改めて分かった。 映画と言う感じではなく、本当にその場にいるような臨場感。 テロリストもある意味で、「人間らしく」描けていて心に残る。 最後の最後まであきらめないで戦う乗客たちを見ていて、結末は分かってるのに事実と違う結末を強く願ってしまった。 作品中に、そこにいた人々の「存在」をリアルに感じて、見終えた後はひたすら哀しかった。 真っ黒になった画面。 それが「最後」だったのだと思うと、ただやり切れない。
変態村 ★★★☆
ベルギー/フランス/ルクセンブルグ
監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
出演:ローラン・リュカ
   ジャッキー・ベロワイエ
   フィリップ・ナオン


すごいタイトルでしょ。 子どもに見られたくなかったのに見つけられてしまい「変態村〜〜???」と叫ばれてしまいました。たはは。 不条理ホラーと言うのかな。 なぜ自分がこんな目にあうのか?と言うヤツです。 歌手のマルコは老人ホームの慰問のあと、そこを発って次の仕事先に行く途中で道に迷うのです。 迷い込んだペンションの主人は一見親切なのだけど・・・。 みなまで書かずともわかるよね? と言う感じの展開ですが、不気味さは結構出てたかなと思います。 でも、わたしの中で一番の不条理ホラーは「ファニーゲーム」なのです。 あれに比べたら、まだまだって感じかな。 でも、結構「不条理」を体感できました。
ディセント ★★★
監督: ニール・マーシャル
出演: シャウナ・マクドナルド
ナタリー・メンドーサ
アレックス・リード
サスキア・マルダー
マイアンナ・バリング
ノラ=ジェーン・ヌーン
オリヴァー・ミルバーン


ぐふふ・・・ なかなかエグい映画で好みでした。

始まりの場面は急流下り。 女性3人でメリル・ストリープの「激流」よろしく、急流くだりをしている。 それが終わって、主人公のサラは、見学していた夫と娘と3人で家路に付きますが、その途中で事故にあい、サラは娘を失います。 一年後、サラを元気付けるために仲間が集まり、冒険に出ます。 その冒険とは「洞窟探検」。 しかし、その「洞窟」は、みんなの予想を裏切り前人未到の洞窟だった。 メンバーたちは、洞窟が予定していた洞窟ではないため不安に陥り仲間割れを始めたり、またその洞窟が落石があったり、深い谷間が行く手をさえぎっていたりと、予想以上の手ごわさ。

このあたりまではわたしも、「わけの分からん洞窟に入るなんて自殺行為だろう。有毒ガスが噴出しているかもしれないし、明かりは届かないし、道に迷ったら死ぬしかないのに」と、呆れる気持ちが先にたち、映画そのものを楽しむと言う気持ちにはなれなかったんだけど、次第にその恐ろしさに引き込まれてしまった。
この洞窟に「何かがいる」というあたりから、映画のカラーがちょっと変わりおもしろくなってきて、怖さも増した。
その「何か」が姿を現したからとて、おもしろさが半減するような事はなく、それからもドキドキはらはら感は増すばかり。 そこに、女性たちの仲間同士の確執や何やらが絡まり、あきさせなかった。

今夜洋画劇場で「バイオハザード」をやっていますが、まさにこの「デシェンド」は「バイオハザード」地底版って言う感じ。 かなりえぐいシーンもあり、15禁になっています。 さもありなんと言う感じのエグさ。 しかし、そういう場面が要所要所で使われてるから、それほど見ていていやになる事はないのでは?

ヒロインたちが襲われているうちに、だんだんと強く、そしてカッコよくなっていくのも見ごたえの一つ。 血まみれになりながら白い目を光らせるヒロインはド迫力ですよ! ラストのなんとも言えない終わり方もね、グッドです! あんまり面白かったんで2回見たよ。

サバイバルホラーとしてはかなりおもしろい部類だったなぁ。 「ドーン・オブ・ザ・デッド」はおもしろかったので、その次々に出る「・・・オブ・ザ・デッド」シリーズ(と言っていいのか?)何作品か見たけどことごとく期待はずれだったけど、今回はビンゴ! 「変態村」と言い、最近ホラーが「あたり」で嬉しい。ぐふふ。
ダ・ヴィンチ・コード ★★★★
監督 ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス
  オドレイ・トトゥ
  イアン・マッケラン
  アルフレッド・モリナ
  ジャン・レノ
  ポール・ベタニー

原作は読んだのですが、あんまり覚えていません。^^;
映画を見てて「ああそうだった」などと思いながら少しずつ思い出して行った感じ。
映画は映画なりのよさがあったと思う。美術品をビジュアルで見せられるのと、想像だけで考えるのとでは全然違う。「最後の晩餐」にしても、あのようにコンピューターで目の前に処理して見せ付けられると「おお!!」と思ったりもした。
でも、やっぱり原作を読んだときも思ったんだけど、これはキリスト教を理解していないと、肌や感覚で分からないのだと思う。

ま、わたしの好きなベタニー様が出ていたのでよかった・・・と言いたいけど、あの役はちょっとビミョーですね^^;
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