北の零年 ★★
監督 行定勲
出演 吉永小百合 、渡辺謙 、豊川悦司 、柳葉敏郎 、石田ゆり子 、香川照之


テレビ放映があったので、録画しておいたのをようやく見てみることに。
すっごく意表をつくストーリー展開でした。こんな物語とは思わなかった。ちょっとびっくりしました。 どんな物語を想像していたのかと言うと、全然予想とかはしていなかったんだけどね。
まずね、吉永小百合は確かに綺麗だけども、渡辺謙と夫婦って言うのは無理があるのではないですか?あの夫婦の娘の女の子、テレビでも大活躍の子役の(「ちびまる子ちゃん」のたまちゃんですよね)子どもとは年齢的にはお婆さんと孫です。どうして、吉永さんでなければいけなかったのか、もっと他に適役ならいくらでもいたのでは?
(以下、ネタバレを含む上に辛口なので、読みたい人だけ読んでください。)
と、冒頭から「??」と言う感じだったので、あんまり感情移入も出来ず、感動を受ける事もなかったなぁ。
明治の維新で、この映画の「藩」のように不遇に泣いた藩や侍たちは数多かっただろうと思うと、痛ましいと言う気持ちは沸いてくるものの、どちらかと言うと侍たちの生活力のなさに唖然とするだけ。 で、主人公の夫の渡辺謙演じる小松原殿が、家老の命を受けて札幌に稲の買い付けに行ったまま行方知れずになってしまうのです。 物語前半は、そのあとの藩の人たちから裏切り者呼ばわりされての、つらい仕打ちに耐える吉永小百合親子のけなげさを描いているのですが、そこから立ち直るシーンが5年分飛ばされていて、そこは見るものの想像に任せると言うか「だいたい分かるでしょ?」って言う感じなのかもしれないけど、いきなり裕福で立派な農園主になってる主人公の姿に「何があったの?」「なぜ?」と言う疑問が沸いてしまい、置き去りにされた感じです。
実はこここそが一番見たい場面だったのです。
どうやって北の凍る大地を開拓したのか。寒さに倒れる人もあったろうに。
そして、わたしの少女マンガで培われた感性では、渡辺謙は「記憶喪失」になったと思ったんだけど(笑)そうではなくて、さっぱり妻子を切り捨てていた所に憤りが。
この村がようやく作物も取れて軌道に乗り始めたときに、イナゴの大群の被害にあうんですね。しかし、その上に戊辰戦争の勃発で、政府は馬を軍用に差し出すか、あるいは兵隊として村人を徴兵しようとする。 北海道のその村に軍馬の徴用にやってきたのが、かつての小松原殿=渡辺謙であった!!
予想に反して、記憶喪失でもなければ、かつての同志たちに温情をかけに来たわけでもなく、冷徹に政府の意向を遂げにやってきたのです。 よくもまあおめおめと帰ってこれたというか・・・、政府の要人??馬を徴用に来ただと?どの面下げてお前は!!みたいなね。
そこで、「吉永小百合がんばれー!!」みたいな気持ちがわいてくる。 吉永小百合は最初は抵抗するのだけど、結局は「馬をお持ちなさい。それがあなたのお仕事なのでしょう」みたいな。笑顔で。それが一番の「復讐」だよねぇと思いました。笑顔で言われるのが一番堪えるのじゃないでしょうかね??
いやしかし、今をときめく渡辺謙がこんな嫌な役どころだとは思いもしなかったよ。前半の、家庭人としても藩の重鎮としても頼もしく愛情あふれたカラーからは想像できませんでした。
ま、その後の民衆の「蜂起」にはちょっと感動したのだけど。せっかくの感動もラストの大団円的なシーンが。。。こう言っちゃなんですが、、陳腐で、台無し。
実際に寒い所でがんばって映画を撮ったのでしょうし、見ているだけの人間がここまでこき下ろすのは言語道断とは思いつつ、思わず書かずにいられませんでした。ゴメンナサイ。
マインド・ハンター ★★★☆

監督 レニー・ハーリン
出演 LL・クール・J 、ジョニー・リー・ミラー 、キャスリン・モリス 、ヴァル・キルマー 、クリスチャン・スレイター 、パトリシア・ヴェラスケス


はぁ〜・・・B級っぽい・・・と思いながらも、愛するクリスチャン・スレーターの出ている作品なのでとりあえず観る!! ジャケット写真からは、絶対にクリスチャンが主人公だと思っていたのに〜!!(号泣)

以下 さっそくネタバレです。
「スコーピオン」に続いて、出番が短かった〜!!!。 そう、あっという間に死んでしまいました〜。えーん! 彼が死んだとき、仲間の一人が「冗談だろう?」と言うせりふを吐くのですが、まさにわたしも同時に「嘘やろ〜!」と叫んでしまった。 だって、しつこいけど主人公だとばかり思ってたんだもん!!! チャプターで言うと3くらいで死んだのですぞ! これが愕然とせずにいられますかっての。 しかもね、その死に方が!!!! これは「ウィンドトーカーズ」以上の衝撃的な死に様でして。 スレーターファンとしてこれはどうなの??と、思わずにいられませんでしたが、まぁやっぱり見て悔いはないかな(どっちやねん) こんな死に方をするなんて、やっぱりスレーターは素敵♪・・・と言う事にしておこう。でないと、立ち直れません。えーん。
映画の内容は、これが結構怖がらせて(楽しませて)もらえました。 FBIの分析官を目指すグループが、とある無人島でプロファイリングの研修を受けるために、事件のシミュレーションを行うと言う設定で出向いた無人島で、シミュレーションのはずが本当に、その仲間が次々に死んでゆくと言う物語。 「そして誰もいなくなった」っぽい? いったい誰が犯人なのか? 考えられるのは、まず、メンバー内(8人)の中にいる。 メンバー以外にひとり、FBI捜査官がついてきたが、彼の目的もはっきりせず、なんだか怪しいがこいつかも。 そして、一番怪しいのは、メンバーをここに連れてきて一人ヘリで帰っていった「教官」。 誰が何のために仕掛けたかまったく分からない罠で、ひとりまたひとりと死んでゆくのです。(最初に死んだのがわたしのクリスチャン) ま、いつ来るか?というドキドキもあるけど、死に方がなかなかにグロい。グロ好きには楽しめる作品じゃないかと思いました。観てても怖かった。 犯人も結末も結構意外でしたよ。 一応、こっちも「ヤツが犯人では」と言う目星を付けて見ていたのだけど、裏切られて・・・誰が犯人なのか分からない不気味さは、かなり良く出てた。 なんにしろ、わたしにとってはスレーターが死んでから無意味も同然。 観るのを止めようか知らん・・・と思ったのに、内容に引っ張られて最後まで見て、そして「ああよかった、最後まで見て。割とおもしろかったなぁ」と思えましたので。 ちょっとお得な感じの一作でした。
ハイテンション ★★★☆
監督 アレクサンドル・アジャ
出演 セシル・ドゥ・フランス    マイウェン    フィリップ・ナオン    フランク・カルフン    アンドレイ・フィンティ

血みどろスプラッターです。 すみません、こう言うのも時々見たいのです。
マリー(主人公の少女)が、友達アレックスの家に勉強するために身を寄せようとしたその夜、悲劇は起きた。 トウモロコシ畑の中で性的異常者の猟奇殺人があり(それは見ているわれわれにだけ明かされる)、アレックスの家にその男のトラックがやってくるのだ。 殺人者はベルを鳴らし、対応に出たアレックスの父親を・・・。

要するに異常者による猟奇殺人が繰り広げられ、マリーとアレックスは助かるのだろうか?という物語です。 こう言うのはストーリー性を求めてはいけないのかもしれない。 ひたすら残酷なスプラッターを楽しめる人だけが見ればよい。
近年では「テキサスチェーンソー」(ビギニングは見ておりません。その前のヤツ)のほうが怖かったかなと言う感じ。
こちらはサイコホラーとしても見られるようになっているんだけど、
以下ネタバレ
結局、殺しているのは主人公のマリーだったと言うオチなんですが そうなると、冒頭の首切り殺人鬼は誰? とか 同じ場面で二人のマリーがいる事になるんだけど それは「二重人格」ということで片付けるのでしょうか? とか、色々と疑問が。 マリーは殺人鬼を鉄条網を巻きつけた杭で殺すのだけど それはいったい誰が誰を殺しているの? 妄想? 妄想で片をつけられてはたまりません。 一気に萎えてしまった瞬間です。 んーということで、まぁまぁ途中は怖かったので★★★
ファイナル・デッドコースター★★★☆
監督 ジェームズ・ウォン
出演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド ライアン・メリマン クリスタル・ロウ シャーラン・シモンズ  クリス・レムシュ サム・イーストン


高校生の卒業記念にみんなで訪れた遊園地。主人公のウェンディは、ジェットコースターの発進間際に、そのジェットコースターが脱線して大事故を起こすと言う予告映像を自分の頭の中だけで見る。パニックになったウェンディと一緒に何人かはジェットコースターを降りるが、ウェンディの彼氏と友達は乗ったままコースターは発進。そして、ウェンディの予告映像は現実のものとなり、コースターに乗った友達はすべて死んでしまった。しかし、悪夢はそれだけでは終わらない。そのとき一緒に降りたケヴィンが、生き残ったものも順次死んでゆくと言うのだ。果たして一人また一人と残酷な死に方で死んでゆく。なんとかその死を防ごうとするウェンディとケヴィンだが・・・。
これは死に方がすごくグロくて、その部分を楽しめばいいかなと思います。順を追って死が近づいてくるのでその恐怖はあるけど、それよりもともかくその死に方がすごく色々とバラエティに富んでいて、しかも、どれもものすごく痛そう!!! で、お次はどんな死に方?と、思わず楽しみにしてしまう。ゴメンナサイ。
3作目ということで、どうやら2作品目が面白いらしいので今度レンタルで物色してみるつもりです。ほんとゴメンナサイ、こう言うのが好きで・・・^^;
マイアミ・バイス ★★★
監督 マイケル・マン
出演 コリン・ファレル ジェイミー・フォックス コン・リー ナオミ・ハリス エリザベス・ロドリゲス ジョン・オーティス
案外評判がよくないようだけど、わたしは「コラテラル」が大好きでした。すごく引き込まれるように観たんだけど、それに比べて今回の「マイアミ・バイス」はちょっと退屈で、途中ちょっと意識を失ってしまった。(まぁ結構良くある事ですが)

要は潜入捜査の目的で犯罪組織に乗り込んだ主役二人の活躍を描いたものですが、ラブロマンスの要素が大きくてその点興ざめしてしまった。 ベッドシーンや裸での絡みも中途半端な感じでサービスしてくれなくてもいいですって感じ。なんであんなシーンを入れるのか。だいたい、あの東洋系の女ってそんなに良い女なのかな〜〜。なぞめいてる所がいいのかな。挑戦的なところとか。やたらせりふが硬いような気がしたのだけど。
ジェイミー・フォックスの出番は思ったよりも少なくて、コリン・ファレルのための映画みたいな感じだったね。とは言え、観ているうちにだんだんと面白くはなっていったのでほっとしました。
しかし、このカメラワークはどうなん?懲りすぎていてわたしは好きでない。酔いそう。ハンディカメラっぽいカメラワークの撲滅運動を起こしたいぐらいだ。
しかし、機密漏えいの元を突き止めるために潜入したのだと思っていたのに、結局黒幕は誰だったかとかそういうオチではなかったの?私が見逃しただけ?ラストはちょっと悲しかったなぁ。付いて行くのかと思ったのに・・・。
スーパーマン リターンズ ★★★★☆


監督 ブライアン・シンガー
出演 ブランドン・ラウス ケヴィン・スペイシー ケイト・ボスワース ジェームズ・マースデン フランク・ランジェラ サム・ハンティントン


実はあんまり期待していなかったのだけど、よかった! ともかく、新スーパーマンの目がいい。優しい瞳だ〜。
で、 わたしはただのリメイクかと思っていたけど、違った。 「スーパーマンが失踪してから5年後」という設定。 スーパーマンって失踪してたのだっけ?? 前作のスーパーマンが4まで出ていて、1は面白かったけどシリーズものの常で、最後のほうは面白くなかったような? で、その結末も覚えていなかったのですが。 しかし、冒頭から釣り込まれました。 淀川長治さんが「スーパーマンの空を飛ぶ姿の美しさに涙が出る」と言っていたのを思い出す。当時のスーパーマンも美しかったけど、今回はCG技術が進んでいる分楽しみが増えている感じ。やっぱり劇場で見ればよかったなぁ。
まず、かつての恋人が空の上で危機に陥りそれを救う所から物語りは展開してゆくのですが、「もうだめだー・・・!」と思ったとき、颯爽と現れて危機から救ってくれる・・・。こんなおいしいシチュエーションが他にあろうか?助けてくれたら好きにならずにいられませんってば。まるで自分が救われたように、一気にスーパーマンの優しい瞳のとりこに・・・。決してマッチョはタイプではないのだけどねぇ。
今回ともかく、5年間と言うウラシマ状態に戸惑うスーパーマンの姿が切ない。自分がいない間に起きたルイスの変化、レックス・ルーサーの裁判の行方などなど。
特に恋人と思っていたルイスがまさか(結婚して子どもまで生んでるとは!!)そりゃショックだろうに。
だけど、けっして相手を責める事もない!優しい男ださすがスーパーマンだ。しかも、女が「また会える?」と訊けば「いつでも」と応える。その優しさにわたしもメロメロ。そして切なさに泣けた!!
たしかに、リチャード(ルイスの現夫)は良い人だと思うけど、どうも顔が好みではないため肩入れしにくい。もうちょっとハンサムを使ってほしかったなぁ、ってこれはわたしの勝手な願望ですからスルーしてください^^; 続編がありそうなラストでした。また期待したいけど、シリーズものの常で・・・とならないように願いたい。
まったく、理想の男ですね。彼は。
いつも優しく見守っていてくれて、自分が何をしようと一切口出ししない。
たとえ「他の男と結婚しようが子どもを生もうが、はたまた、彼の子どもを生んでもそれを内緒にしていても、他の男の子どものように育てていても、」一切、怒りもせず文句すら言わない。
こんなに好き勝手しててもちゃんと、愛してくれててそして、困ったときはちゃんと助けに来てくれる。
まったく、こんなにも理想の男ってないわ。いいなぁ。
マリー・アントワネット ★★★


*監督 ソフィア・コッポラ
*製作総指揮 フランシス・フォード・コッポラ 、ポール・ラッサム 、フレッド・ルース 、マシュー・トルマック
*出演 キルステン・ダンスト 、ジェイソン・シュワルツマン 、リップ・トーン 、ジュディ・デイヴィス 、アーシア・アルジェント 、マリアンヌ・フェイスフル 、ローズ・バーン 、モリー・シャノン 、シャーリー・ヘンダーソン 、ダニー・ヒューストン 、スティーヴ・クーガン 、ジェイミー・ドーナン 、クレメンティーヌ・ポワダッツ 、オーロール・クレマン 、メアリー・ナイ 、アル・ウィーヴァー 、ギョーム・ガリアンヌ

「ベルばら」世代としてはとっても気になる映画なので、ハリウッドで映画化と聞いたときから見る気マンマンでしたが、上映開始後から聞こえてくるのは芳しくない感想ばかり。 それでも、なんとか見る方向に・・・。 そういうわけだったのでもう、ぜんっぜん、本当にぜんっぜん!!期待していなかったのです。 その覚悟がしっかりと出来ていたからだと思うけど(いいことなのか?)わたしは充分楽しめました。 マリア・テレジアがアントワネットに託した使命「オーストリア人であるように」とか、ルイ16世の性的不能が治るのに、実に7年間も要したこととか、宮廷の中の権力争いとか、首飾り事件とか・・・ 色々と描けていない、描けてなさ過ぎる!!! という不満は多々あれど、それもみなさんの感想レビューを見て覚悟のうえだったので、大丈夫でした!。
豪華な衣装、絢爛たる宮廷、ベルサイユの変な習慣など(・・・衆目の中でのベッドインや朝ごはん、そして出産・・・など)を映像化して(大きな画面の劇場で上映していたし)観られたので、それだけでも満足。
でも、一番言いたいのは、この映画によると、アントワネットとフェルセンの恋があまりにも一時の火遊びのようで、軽すぎるということかな。
あと、いきなり市民がパリに押し寄せた場面に持って行っても唐突な感じ。もっと合間に市民の生活の苦しみをはさんで置いてもらわないと。
一言言うなら、自分の知っているアントワネットの生涯に関する知識を、映画を見ている間中フル稼動して、自分なりに補充して映画を観なければ楽しくないと言う事だけは確か。 アントワネットの事を良く知らない人が見たら、全然本当のアントワネットに近づけないと思いました。

褒めているのかけなしているのか分からない感想になってしまった・・・。
ディパーテッド ★★★★


*監督  マーティン・スコセッシ
*出演  レオナルド・ディカプリオ 、マット・デイモン 、ジャック・ニコルソン 、マーク・ウォールバーグ 、マーティン・シーン 、レイ・ウィンストン


韓国映画の「インファナル・アフェア」のリメイクと言う事で、実はそれほど期待せずに観ました。 オリジナル映画がすごく良かったので、きっとそれ以上にはならないだろうと思ったので。 でも、見ている最中は内容を知っているにもかかわらず(と言ってもわたしのことだから、忘れている部分も多いけどね!)すごく面白く引き込まれてしまった。 マフィアのコステロ(ニコルソン)に育てられたコリン・サリバン(マット・デイモン)が警官になり、コステロの手先として警察内部でスパイ行為をする。それとは入れ替わるように、レオナルド・ディカプリオ演じるビリー・コスティガンが潜入捜査をするためにコステロの元に派遣されるのです。 功を奏してマフィアを一網打尽に出来るのか? と言う感じですね。 マーク・ウォールバーグ、嫌なやつでしたな。なんでこんな人物がいるのだろうと思ったら。思ったら! でも、オリジナルに比べればマットデイモンが軽すぎたような気がする。アンディ・ラウがこの役をやっていたんだけど、もっとこう・・・かたぎの生活に切々と憧れる心理を描いてほしかったかな・・。マット・デイモンは野心の塊のように描いていましたね。魂の深い所で苦しんでいるって言うのが見られなかったような気がしました。 逆にレオはよかったな。この映画ではトニー・レオンしかりレオしかり、マフィアに潜入するこの刑事の苦悩が見所の一つです。トニーは善人顔なので、そのギャップが良かったのだけどね。「ディパーテッド」は15禁になっているように暴力シーンが多いのだけど、これがまたレオの苦悩を迫真のものにしていたと思う。でも、上司・・こっちで言うとシーン父との心の交流と言うか、それが描けてない。ちょっと残念。 話を知っているから当然、どうなるの?と言うドキドキは一切ないのだけど、その点は承知で観ているわけだからOKだったけど・・・それを差し引いても、「モールス信号」のシーンで感じたような、めまいがするほどの緊迫感はなかったね。 でも、やはりそれほど期待せずに観たせいか?わたしは充分楽しめました。 「オリジナルとまったく同じと言うわけではない」、と言うコトだけ、言っても良いかなと思う。念のために伏字にするけど。
ザスーラ ★★★
B000EDWVOGザスーラ&ジュマンジ パック (初回限定生産)
ジョン・ファブロー ジョー・ジョンストン ジョシュ・ハッチャーソン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-04-16

by G-Tools
監督 ジョン・ファヴロー
出演 ジョシュ・ハッチャーソン 、ジョナ・ボボ 、ダックス・シェパード 、クリステン・スチュワート 、ティム・ロビンス 、フランク・オズ


予告を見たときから「ジュマンジ」のパクリ?と言う感じだったけど、音声解説では「ジュマンジの続編」みたいなことを言っていた。パクリじゃなく続編っていうことですね。 まったく「ジュマンジ」を宇宙に持って言ったという感じで、それを分かって見てみるなら、それなりに楽しめる映画です。 取り立てて言う事はないけれど、かと言って特にがっかりするような映画ではない。子ども向けだからと言って馬鹿にするほどの映画でもないと思います。「ジュマンジ」が大好きな、うちの子どもは喜んでみていました。 離婚した両親の間を週の半分ずつ行ったり来たりして過ごしている、二人の兄弟がけんかをしたりしながら、「ザスーラ」ゲームをするうちに兄弟愛が芽生えてくる・・・。家が宇宙に飛んでゆき、そりゃもう酷い状態になるのですが、状況としては「ジュマンジ」よりも楽しそう。なんせ宇宙に行けるんだからね。その点がわくわくしたし、CGも綺麗だったし、子どもと一緒に気楽に楽しむのならお勧めできると思います。 少なくとも「Sボーイ&Mガール」よりはよっぽど面白い!!
グエムル-漢江の怪物 ★★★
監督 ポン・ジュノ
出演 ソン・ガンホ 、ピョン・ヒボン 、パク・ヘイル 、ペ・ドゥナ 、コ・アソン 、イ・ジェウン


「殺人の追憶」は大好きな映画です。 イケメンではないけど、ガン・ソンホも好き。 なので、これを見たんだけど・・・・

人間の垂れ流す薬品汚染によって、魚か何かが突然変異して「怪物」が誕生する。ある日、いきなり人に襲い掛かる。 主人公の娘が怪物に殺され、主人公たちは怪物に「汚染」されたとして隔離されてしまう。 パニック状態の中で、娘を亡くした悲しみに暮れる主人公一家。 しかし、死んだはずの娘からケータイに連絡が入る。 娘が生きている! 彼女を探すために、家族は隔離されている病院を抜け出すが・・・。

ん〜〜〜正直言えば、「面白い!!」と言うにはビミョーかな。 怪獣が出てくると言うパニック映画なのだけど、それにしては怪獣が迫力不足だと思う。怪獣そのものは迫力があっても、暴れ方が生ぬるいのではないのかなぁ。あれでは「公害」のひどいものの一種ぐらいにしか、感じないのでは。しばらくしたら「また出た」ぐらいにしか思わなくなりそう。 何よりも(ちょっとネタバレ)「最後があっけなさすぎ!!」 それならば、怪獣を相手に戦う家族愛、にポイントを置いて見る。しかし家族愛を描いてあるにしても、さらわれた娘を思う父親、祖父、叔父、叔母の気持ちは同じように真剣で、それは良かったのだけど、横のつながりが・・・イマイチ感じられなくて。

かと言って、決してつまらないって言うわけではなく、見ている間は面白かったんだけど・・・。 うーん、やっぱりビミョーだったと思う。
親切なクムジャさん ★★☆
監督 パク・チャヌク
出演 イ・ヨンエ 、チェ・ミンシク 、クォン・イェヨン 、オ・ダルス 、キム・シフ 、イ・スンシン


「オールド・ボーイ」が面白かったので、その一連の「復讐3部作、第3部」と言われるこの「クムジャさん」を見て見ましたが・・・。 思ったよりも、ビミョーだったかな。

あらすじとしては、幼児誘拐殺人犯として逮捕、服役したクムジャさん、塀の中で人脈を築き上げ、その人脈を使い、塀を出た暁にある行動を起こします。 その行動こそ「復讐」。 クムジャさんは、冤罪で投獄されていたのです。 その冤罪に陥れた相手に対し「復讐」に至るまでを描いた作品なのだけど・・・。

「オールド・ボーイ」に比べたらどうもパンチが弱いと言うか。全体にテンポが悪い、いや、良すぎて感情移入できなかった。あまりにもポンポンとシーンが切り替わり着いてゆけなかったかな。 クムジャさんが自分の子どもと再会を果たす場面や、子どもをソウルにつれてくるのは、余計だったのじゃないかと思うのだけど。意味がよく分からなかったし、その分ストーリーの流れが中断されたようで、興味をそがれてしまった。 「親切」というコートを着て「復讐」を果たす。それが主人公の狙いなのだろうけど、そのたくらみに乗っかってしまった遺族たちの心境は、分かるんだけど受け入れたくない。 なんだか、気分の悪い映画だったな。
変態男 ★★★☆
監督 ヴィンセント・ラノー
出演 カルロ・フェランテ 、クリスティーン・グルロワ 、ステファン・リベルスキー 、オリヴィエ・グルメ


映画自体はなかなか面白かったのだけどタイトルが良くない。 「変態男」ではないと思う。普通の男が思わず犯してしまった犯行に、ずるずる引き込まれて身動きできなくなったと言う感じ。 もっと別のタイトルにすればよかったのに・・・。

家具店を経営する主人公は、妻とは冷めた関係で冴えない毎日。その中で(多分)魔がさして、あるアベックを襲撃して男を殺し、女性を誘拐監禁する羽目に。 しかし、「変態男」とは名ばかりで、やっている事は確かに変態チックでも、実際には案外まともな男。なので、自分のしていることに嫌気がさしたり、恐れをなしたり、自己嫌悪に陥ったり・・・。その葛藤も面白いが、タイトルからして期待しているものとは違う面白さなので、人によっては期待はずれといえるかもしれない。
しかし、よく見てみれば、妻と警官との関係や、アベックの行方を調べる刑事たちの関係など、意外性のある展開に何度も「え?」と、驚かされて楽しめた。 決着のつき方も意外でびっくり。また上手い具合につじつまがあってて、なるほどそう来たか〜と、ある意味感心した。
普通の男がどうしてここまでの事をやってしまったのか、その辺はまったく謎のままだし、 かなり大雑把な結末なのだけど、流れから言えばこんな感じかなと納得させられてしまう。
オチだけはなんとなく読めたけど。 案外楽しめたけど、うーん「変態男」じゃないよね。しつこいけど。
一番キたのは誘拐した女に対して、声が出なくなるようにするんだけど、そのシーンはさすがに「ぐえっ!!」ってなった。思い出すと食欲がうせると言うか。
やはり、普通の男とはいえませんね?
日本沈没 ★★
監督 樋口真嗣
出演 草なぎ剛 、柴咲コウ 、豊川悦司 、大地真央 、及川光博 、福田麻由子


今を去ること、んー十年、いたいけな子どもだったわたしは、この映画のオリジナルのほうを見て、心底震え上がり泣けて泣けてたまらなかった。ほんとにこんな事があったらどうしようという怖さだった。
しかし、今回のこのニューバージョンは・・・ うーん、残念ながらイマイチでした。 全然怖さや緊迫感切迫感が伝わってこないのだもん。 ともかく前半冗長じゃないでしょうか。眠くなってしまった。
どうもリアリティに欠けたと思う。 子どものときに感じた「ほんとにこんな事があったらどうしようという怖さ」どころか「まさか、こんな事があるわけないわ」・・・と言う思いしかなかった。せめて「ひょっとすると、あるかもしれない」と、思わせてくれたらよかったんだけどね・・・。 スペクタクルはやはりハリウッドにはかなわないね、と再確認しただけでした。 ラストも、まさか「アルマゲドン」や「インデペンデンス・デイ」や「スペース・カウボーイ」みたいな展開にはならないだろうね?と思ってたらまさに、それ。 使い古されているでしょう、その手は。
しかも、草gくんの書いた手紙に物申す。 「ら抜き言葉」があって萎えてしまった。 「君と一緒に、いれて、よかった」とかなんとか。 字幕もそうなっていましたから間違いないと思います。 「君と一緒に、いられて、よかった」あるいは 「君と一緒にいることが出来てよかった」でしょ。 ま、誤字脱字表現間違いのオンパレードのわたしが 言う事じゃないかもしれないけどさ。 あっちは「プロ」だからね。
はぁ〜。辛口になってしまってごめんなさい。 スルーしてね。
SAW2 ★★★☆
監督 ダーレン・リン・バウズマン
出演 ドニー・ウォールバーグ 、ショウニー・スミス 、トビン・ベル 、フランキー・G 、グレン・プラマー 、ディナ・メイヤー


「ソウ」がものすごく意表をつく展開で面白かったので、2が出たと聞いたとき、全然見る気がしなかったんだけど(往々にして『2』はつまらん事が多いので)この「ソウ2」に関しては評判もよかったので、見て見ました。
今回はしかし、前回で「いったい誰がこんなことを?」と思ってた「犯人」であるジグソーが最初から登場しており、前回のような不条理感がかなり薄れていたと思う。その点やはり前作に劣る。 登場人物が増えた、そして閉じ込められている空間が大きくなった、と言う「バージョンアップ」も、「アップ」の意味を果たさず、なんだかごく普通の不条理ホラーになってしまったのが残念。 多分、「ソウ」のようなものは一度見てしまったら終わりなんですね。

しかし、だからつまらなかったのかと言うとそうでもない。 痛さやグロさは充分堪能できた。 でも、「3」は多分見ないと思う。
イノセント・ボイス
重い・・・重い重い映画です。
後からじわじわ来る感じで、思い出されてまた涙があふれてくるような・・・。
1980年、中米の小国エルサルバドルは、農民層を中心に組織された反政府ゲリラと政府軍の内戦が勃発。
そして主人公チャバ11歳が住むクスカタンシンゴという村は、両軍が対峙する中間点であったため、日夜銃弾戦におびえる暮らし。 チャドの家にも容赦ない銃弾が打ち込まれます。泣き叫ぶ幼い弟や姉を守るのがチャバの役目。なぜなら父親は家族を捨てて出て行ってしまったから。

物語はそんなチャバが戦争のさなかにも子どもらしい楽しみや、初恋を戦火におびえながらも明るさを失わないで経験していく日常を描いているのですが、わたしたちが思う「日常」とはかけ離れた生活がそこにあるのです。
子どもが楽しそうに遊んでいるのはごく普通の光景。だけど、チャバたちの生活では「うー!」というサイレンが唸ると、その後が「外出禁止時間帯」。その時刻が来るとアラームのように銃撃が始まるのだ。 ある日あるとき、突然に学校に政府軍がやってくる。子どもたちを徴兵するために・・・。なんと、驚くことに12歳になると政府軍が徴兵に来るのです。時には10歳の子どもさえ政府軍にとられてしまう。 往来を歩く女性がおそらく慰安婦にするためだろうと思うけど、政府軍に連れて行かれる。かばう牧師でさえ殴り倒して平気だったり。 健やかに眠れない夜が続き、家は日に日にぼろになり、チャバの12歳の誕生日は近づく・・・。

ゲリラも政府軍もいったい結局何のために戦っているのだろう?兵士たちはそれをわかっているのだろうか? どうして政府軍に国民が命を奪われないといけないのか。どうして、たった12歳の子どもが銃を持たされて、昨日まで隣人だった人間を殺さなくてはならないのか。どうして夜安らかに眠れないのか・・・。
アメリカ政府が、この政府軍に多額の軍事援助をしているとのこと。びっくりした。 人間が「そこ」に「そのひと」として生まれるというのは、奇跡のような確率なのです。自分がチャバであったかもしれないのです。 映画を見終えた後、テーブルを見て、そこに静かに置かれているマグカップを見て、金魚の水槽の水音を聞いて、いったいこの世界とチャバの世界の違いは・・・同じ人間でありながら、なぜ?と思うとまた涙が流れるのでした。
アローン・イン・ザ・ダーク
監督 ウーヴェ・ボル
出演 クリスチャン・スレイター 、タラ・リード 、スティーヴン・ドーフ 、フランク・C・ターナー 、マシュー・ウォーカー 、ウィル・サンダーソン 、マーク・アッチェソン
うーん。わたしのクリスチャン・スレーター様、もうこんな映画にしか出られないの?と思うぐらいつまらんかった。 クリスチャンは、超常現象の調査屋とかいう怪しい設定だったのだけど、とくにそれらしい活動をしている場面もなく、ただ単にある古代遺跡のかけら?のようなものを持っていたことから、誰かに襲われてしまう。襲ったほうが、実はクリスチャンたちのかつての組織の上部の人で、それに対抗する組織がまた、元をただせば同じ組織から出てると言うか。あらすじ自体全然意味が分からず、?の連続。まったく訳のわからない映画だった。 超常現象とエイリアンと古代ミステリーとバイオホラーをミックスしようとしてそのどれもはずれたかんじ。 クリスチャン自身も「なぜこんな映画に出演を」と思ったけどまさかスチーブン・ドーフまで出ているとは。
ま、わたしはクリスチャン・スレーターが好きなのでどんなつまらない映画でも見られますが、ファンじゃなければ見る価値ないです。 とは言え、どんな映画でも彼が出ていたらオッケーなのです。 次は「ボビー」これはチョイ役だろうな。主演は「インビジブル2」…ああ、またB級のにおいがぷんぷん。まいいけど。
隠し剣・鬼の爪 ★★☆
「たそがれ清兵衛」がすごくよかったので期待したのですが、わたし的には…まぁふつー。物語は面白かったし、ストーリーもよかったのだけど、どうも主人公が喋りすぎ。喋らない事には、見ているものにもストーリーが伝わらないので当たり前なんですが、当時の武士たちはそんなにもベラベラ喋るもんじゃない、と思いまして。自分の気持ちを恋人に伝えるにも、そんなストレートに現代風に告白したんだろうか?デートとかしたんだろうか?なんかストーリーとは関係ないかもしれないけど、そういうディティールにちょっと「違うのでは」と思ってしまって、あんまり感動もなかった。松たかこもちょっとブリっこしすぎじゃないですか??(言いすぎ?)二人とも方言は上手かったと思うけどね。 ただ!!隠し剣鬼の爪の正体が分かったときは、ぞくぞくするカッコよさを覚えました。 でも、最初は緒方賢が大石蔵之助に見えたけど(峠の群像)似ても似つかぬイヤなやつだったな。
キリング・フィールド
カンボジア内戦の悲劇を描いた作品。内戦の悲劇そのものも、ほとんど知らなかった事柄だけに衝撃的でしたが、その中で結ばれたアメリカ人ジャーナリストと現地ジャーナリストの友情がすばらしい。 特に現地記者のディス・プランという記者が、アメリカ記者のために命張って尽くした姿、そして捕虜となってからのスリリングな体験がこの映画の醍醐味でしょう。 Amazonのレビューの中にこのディスが、役柄そのものの体験の持ち主だと言う事が書いてありました。戦争そのものは本当に悲惨ですが、内戦になると余計に辛いような気がしますね…。
ブラザーズ・グリム ★★☆
ファンタジー好きの娘は面白がっていましたが、わたしは何だかついてゆけなかったなぁ。テリー・ギリアムってなにが描きたいの?と、思ってしまうのです。彼は観客の目よりも、自分のこだわりに添って映画を作る事が第一優先なのか。自分が楽しければいいと思って作ってるような気がする・・・と、私が言うのは僭越か。 でも、「ロスト・イン・ラマンチャ」の事もあるし、応援していきたいの。応援と言っても、レンタルで映画を見ることぐらいですが。 次の「ローズ・イン・タイドランド」も見るよ! 
16ブロック ★★★☆
すんげーくたびれた刑事ジャック(またもやジャック!)を、ブルース・ウィリスが。 裁判の証人の護送をする16ブロックの間に、証人を奪おうとする「悪いやつら」が出てきて、その「悪いやつら」と戦う刑事ジャック。 もう、ヘロヘロのヨレヨレのジャックがかわいそうなぐらいだったけど、ストーリーは面白く釣り込まれました。 いつまで見ていてもちっとも主人公側に好転しない事態にはらはらさせられっぱなし。ほんとに手に汗握った感じ。 証人、おしゃべりで夢見がちなチンピラなんだけど、彼がいい味だったので。 DVDはもう一つのエンディングがついるんだけど、わたしは本編のラストが好きだな