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あるいは裏切りという名の犬 ★★★
銀行強盗の派手なシーンから始まるのでもっとアクションの強いドラマなのかと思ったらなかなか、男同士の対決や警察内部の確執をじっくり見せるタイプのドラマで満足!雰囲気としては「インファナル・アフェア」っていう感じですが、違いますかね?

権力を手に入れたい、そのためには何でもする男、クラン(ジェラール・ドパルデュー)。彼のあくどさがストーリーを引っ張るのですが、ヤツは本当に憎たらしくて思う存分憎めるタイプのキャラクターで、非常によかったです。
対する正義の警察官、ダニエル・オートィユ演じるレオがどこまでも清々しい。対比がいいですね。彼の部下のティティもよかったー。

ストーリーも練れていて、あの伏線がここで!みたいな、全体的に巧くエピソードが絡み合ってて脚本の妙って言う感じが味わえた。主人公が何年も連れ添ってるはずの妻に対して、あそこまで情熱的な抱擁するシーンにはちょっと違和感があったけど、それも話の流れのなかでは必要なシーンだったのね(^^ゞ。

最後に、なぜここまでドニがレオを目の仇にするのかが明らかになるのだけど(まぁ途中で大体は分かるんですが)ちょっと切なかった。一体何があったんだろう。でも、やっぱり「そう」なったのは必然だったんだろうなぁ。わたしだってレオのほうに軍配をあげると思うもん。だって。。みなまでは言いませんが(笑)
デビルズ・バックボーン ★★★★
「パンズ・ラビリンス」に打ちのめされたので、同じデル・トロ監督のこの作品を見ました。たしかに、よく似てる〜〜!映画の雰囲気全体が同じ感じなので、きっと監督はこの映画を踏み台にしてやっと本当に作りたかった「パンズ・ラビリンス」を作ったのではないだろうかと、わたしは感じました。
この「デビルズ・バックボーン」は「パンズ・ラビリンス」と同じく独裁政権下のスペインの孤児院が舞台。そこにある日いきなり連れてこられた少年が、孤児院の暮らしの中でユーレイに遭遇すると言うゴシック・ホラーです。
わたしはゴシック・ホラー自体はあんまり好きじゃないし、怖くもなんともないんですが、この映画はホラーと言う事よりも戦争に翻弄される幼い子どもの姿を描いていると言う点で、「パンズ・ラビリンス」同様心に残る映画になりました。
ホラーとしてはオチも結末もそれほどインパクトはないんだけど、あのユーレイがどうしてあんな風に見えるのか、分かった時は「なるほどね!」と感心しました。
やっぱり容赦のない残酷さが作品を支配していて(何気にいやらしい雰囲気も。。淫靡って感じ?)好きなタイプの作品。
なによりも、子どもたちがみんないいです。かわいい子はかわいいし、憎たらしい子もやっぱり愛しい。
この監督、子どもの「使い方」巧いなと思います。
一応、ホラーのカテゴリーに入れておくけど怖くないので戦争モノとして是非一度見ていただきたい秀作です。

デート・ウィズ・ドリュー ★★★★
10歳の頃からドリューのものすごいファンの男(コネもない仕事もない一般人)が、クイズ番組で賞金1100ドルをゲットした。クイズの答えが「ドリュー・バリモア」だったことから、これは運命だと感じた彼は、カメラを手にいれ、カメラの返却可能期間の30日間で、ドリューとデートするまでを撮影しようとする。はたして彼、ブライアンはドリューに近付く事ができるのか??

+++++++++++

この映画、ドキュメンタリーっぽい作りにした映画だろうと思ってたけど、本当にドキュメンタリーだった!
で、面白かった〜。コメディタッチで書いてあるのかと思ったら、あらら結構シリアス。カテゴリー、「シリアス」に入れてもよかったかな?という感じ。
ブライアンは見ているこっちがハラハラするほど、ドリューに近づけない。また、外見も悪くはないけどハンサムでもないから、きっとドリューに会う事が出来ても相手にされないのでは?とも心配になる。
けど、全体に前向きでひたむきなブライアンの姿がを見ているうちに、なんかしら胸が熱くなるんですよね!
自然と応援したくなってくる!
ドリューの知り合いの知り合いの知り合いの知り合いに会える!とか、そんなまどろっこしいような「関係者」に会えたり会えなかったりでも、一喜一憂する素直な彼の表情がいいです。
すかしたところも気取った感じもない。
こっちも一緒になって喜んだりがっかりしたり泣いたり、彼の感情に巻き込まれました。
なんといっても「30日」という期限があることで、緊張感が増しているんです。
協力的な周囲の友だちもいいです!
あんまり外見イケてないブライアン、プロの美容師やらなんやらに磨いてもらうんですが、雑誌の多分、多分ね、コリン・ファレルを参考にしていたのが笑えた!だって、コリン・ファレルの多毛な感じや濃くて下がり気味の眉毛がよく似ているんだもん。なるほど!!で、コリン風にしたら結構イケてましたよ。

で、肝心のドリューですが、ブライアンの母親なんか結構ドリューの事辛らつに言うんですよ。「あばずれ」とかなんとか。それでもこの映画にOKしたのなら、彼女、いい人ですね。
最後まで見たら、彼女がきっと好きになります。

ブライアンやこの映画作りに協力した友達は、みんな映像関係の仕事をしているらしいので、撮影も仕上げも素人離れしてます。当然だけど。なので、一般人といっても映像に関してはプロです。
エンドクレジットなんかもすごく「カワイイ」感じに仕上がってて、良かった。上手く出来てました。面白かった!!

★★★★


案山子男 ★★
これ、シリーズ化しているんですよね。シリーズになるほど面白いのかなと思って借りてみたんだけど、うーん、ビミョー。
とどのつまりは、いじめられ虐げられた主人公が、不幸な死に方をして、死の時に案山子の呪い?とか、魔のパワー?みたいなもんにとりつかれて案山子としてよみがえり、生前自分をいじめたヤツラに復讐するという話。
見所は、案山子の残忍な殺し方ですが、あんまり大したことがない。なんというか「あ、痛い!!」「痛い痛い、やめてー!」と、目を背けたくなるようなエグさに欠けています。

シリーズといえば、X−JAPAN(表記はこれで合っているのでしょうか)復活で話題の「ソウ4」!!そこまで行くのか??XJAPANの復活とかそれ以前にわたしは「ソウ」に4が出るのがビックリ。で、ジグゾー結構元気そうだったけど。Earlydayの物語かなんかかしらん。映画館には行かんけど、レンタルで見ちゃうだろうなぁ。(上映もしていないのに、もうレンタルの話!)

ホラーのシリーズって言うのは、あんまり期待しない方が身の為ですね。

★★
題名のない子守唄 ★★★★
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽 エンニオ・モリコーネ
出演 クセニア・ラパポルト 、ミケーレ・プラチド 、クラウディア・ジェリーニ 、ピエラ・デッリ・エスポスティ 、アレッサンドロ・ヘイベル 、クララ・ドッセーナ 、アンヘラ・モリーナ 、マルゲリータ・ブイ 、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ


主人公のイリーナはウクライナからイタリアのある町にやってきます。
ぼろくて条件が悪いのに、あるアパートを借りて、そして管理人に割の合わない袖の下を渡しても、とあるビルの掃除婦として働き始めます。
そのマンションに住む、ある家族に近付くのが目的のイリーナ。
執念にも近いしつこさで、なんとかその家庭の家政婦になることに成功します。
イリーナの目的は一体なんなのか!

+++++++++++

時々挿入されるイリーナの過去らしい映像が、ものすごくショッキングなのです。見ているほうはイリーナの目的が何か、一体誰に何の用があるのかサッパリ分からない。この過去の映像になんらかの関係があるんだろうと思わせられる。そこまでして、その家族に近付く理由は何?一体過去に何があったの?と。その家庭に入り込むまでに、かなり驚きの行為をやってのけたり、入り込んだその家庭のなかでスパイもどきの行動を取ったり、ともかく、目が離せず見ている間中心臓バクバクの緊迫感!ものすごく集中させられてしまう。

途中で作品の方向性が変わってしまったのがちょっと残念。ものすごいミステリーを期待していたので、その点は肩透かしでした。
あまりにもドキドキ、ハラハラさせられすぎたかな?
でも、それはそれで大変面白かったので、満足です。

結末は結末でとっても感動!

↓ネタバレ感想です。ドラッグしてね。


黒かびが生きていて、イリーナを襲ってきたのはビックリ。
あんな状態で生きているとは、黒かび恐るべし!
なによりも、あの子どもがイリーナの子ではないというのが、この映画の一番印象に残る所。イリーナも気絶してしまうんですよね。あの時はわたしも「そんなことが…!」と絶句しました。絶対に子どもだと思っていたので。
思わせぶりに髪型なんかも似ていましたのでね。信じ切ってしまったわ(~_~;)
そして、ラスト出所したイリーナを迎える大きくなったテアの姿。血のつながりがないのに、ああ言うラストを迎えたことが本当に感動。
人の中にある「優しさ」と言うモノがしみじみ心を打つ名作でした。



パンズ・ラビリンス ★★★★★

監督 ギレルモ・デル・トロ
脚本 ギレルモ・デル・トロ
音楽 ハビエル・ナバレテ
出演 イバナ・バケロ 、セルジ・ロペス 、マリベル・ベルドゥ 、ダグ・ジョーンズ 、アリアドナ・ヒル 、アレックス・アングロ 、エウセビオ・ラサロ 、パコ・ビダル 、フェデリコ・ルッピ


主人公のオフェリアは母親の再婚でその時代の独裁政権の軍大尉のところに行くんです。その途中で不思議な石像を見つけ、そこから出てきた不思議な虫を見る。その夜その虫に導かれて「パンズ・ラビリンス」に行きます。そこで、オフィリアは地下の国の女王であると、告げられます。もう一度、地下の女王になるためにあることをしなければならないと「試練」を与えられます。オフィリアはその試練を果たせるのか?



ともかく、全編釣り込まれます。美しい映像もさりながら、かたやオフィリアの出会うファンタジー世界、かと思うとかたや残酷でえげつない大尉の仕打ちやそれに抵抗するゲリラたちの活動。どこをとってもドキドキハラハラで目が離せない。
「こんな物語だったのか!」という驚きと切なさに打ちのめされてしまいました。
実際、ファンタジー要素よりも社会派というか、戦争やファシズムの無慈悲さを訴える部分のほうがはるかに大きく衝撃的でもある。
拷問のシーンは「麦の穂を揺らす風」も思い出すし、直接拷問のシーンがないのに、あの道具を見せるだけで震え上がらせられます。実際に傷つけられるシーンもあるんだけど、それよりも、怖かった。

内容をあんまり話すのは止めておいて、ちょっと映像の事で。
少女が出会う妖精たちが、不気味なんですよね。妖精って言うとティンカーベルとかエルフとか、ラムダスさん(だっけ、ナルニアの)とかみたいに、滑稽だったりキレイだったりでしょうが。ここに登場する妖精たちの、みょーに気味悪い不気味さも見ものでした。
ちょっと千と千尋を思い出すシーンがいくつかありましたね。

うーん、結末にも触れずにコメントするのは難しい。
ともかく、オススメです。で、ここからネタバレ感想。↓ドラッグしてね。

わたしは、ファンタジー世界がオフェリアの空想の世界だとは思わずに見ていました。本好きで空想好きな少女が、現実から逃避するために作り上げた虚構の世界…。切ないです。大尉が独り言を言うオフェリアを見つけ、そこで初めて「オフェリアの作り上げた世界だったのだ」と気付いたのです。ああ、そうだったのかという驚きと切なさ。(それまでそんなことをちっとも思わなかった)ほんとうに、「ああ…!!」と思いました。絶句!
最初にオフェリアの瀕死の場面からスタートするのですが、途中物語にのめりこみ、一瞬結末を忘れていました。でも、大尉がオフェリアと最後に対峙した時「助からないんだな」とハッと最初のシーンを思い出すのです。あまりに残酷な結末。子どもは絶対に死なないアメリカ映画にはない容赦のなさ。でも、だからこそ戦争のなかでの狂気や酷さがきっちり描かれ、あの衝撃があり、忘れられない作品になったのです。オフェリアが最後に見たのは、幸せそうに微笑むお母さんやお父さん。自分の輝ける地位(王女)と引き換えに弟を守ったことが「正しい選択だった」と。あの誇らしげで幸せそうなオフェリアの顔が忘れられません。

結局このラストは「夢オチ」といわれる手法といっても良いと思いますが、キアヌ・リーブスの「ディアボロス」を見たときのような「夢オチかーい!!」という怒りや虚脱感はまったくない、それどころか、夢落ちだからこそ、訴えるものが胸に迫るということではないでしょうか。
それが、映画ならではという感動を与えてくれます。上手く言えないけど。

それと、ゲリラたち。わたしは足を切られた人が、切る前にちょっと待ってくれといって無言で足を束の間見つめていたシーンが印象的。泣けました。

セリフを多用するのではなく、しぐさや表情で感情を表していた、全体的にそんな感じがしてこの映画の素晴らしいなと感じるところのひとつです。
アパートの鍵貸します ★★★★
古い映画だけど、とっても面白い映画です。テンポもいいしそれでいて古きよき時代の雰囲気は味わえるし、音楽も上品だし。
しかし、ともかくシャーリー・マクレーンがカワイイ!!!!
おっさんのシリ掴んだり、減らず口を利いたりする憎たらしいおばーちゃんからは想像もできません!!

ストーリー+++
主人公のバクスターは上司たちにアパートを秘密のデート用に貸して、取り入って(多分成り行き上でしょうけど)結果的に昇進をもくろむ、しがない保健会社の平社員。ちょっと良いなと思ってるエレベーターガールとデートの約束をするけどすっぽかされてしまう。彼女は、そのデートで不倫相手の上司とバクスターのアパートでデートなのだった。
上司に恩を売ったバクスターは、飛び級で昇進するが、ひょんなことから彼女が、部長の不倫相手と知ってしまい・・・・。
クリスマスの夜にやけ酒を飲むバクスターですが、アパートではとんでもない事がおきていた。それは一体・・・?

++++
アパートを貸して恩を売り昇進を狙うとは、狡いヤツ!のはずですがこの人が憎めない。場面場面で、彼の気の良さや優しさが伝わる設定です。アパートの住人たちから(特に隣のお医者さん夫婦)すごくプレイボーイで悪い男に見られてしまうのに、彼女のためを思って自分が悪者になっている所など、いったい彼女はどうして彼のよさに気付かないの?と思うぐらい。彼女が部長の相手だと、バクスターが分かるシーンがあるけど、これは今見るとそんなに新鮮な感じはないけど、やっぱりハッとさせられる印象的なシーン。お酒に入ってる(アレは何?オリーブかなんかを楊枝に刺してるのか?)チェリーみたいなのを、並べるシーンでもあれだけで、どんな深酒をしたかがわかるし、そういう細かい所の見せ方がうまいと思いました。そして全編ジャック・レモンの演技が光っていたと思う。ひょうきんな彼、打ちのめされる彼、優しい彼、いろんな場面のバクスターがすごく自然な感じで、よかったです。
本当に古き時代の良い映画、という感じ。またこう言う映画を見てみようと思います。


フラガール ★★★★
ストレートで悪く言えばひねりがないというか、よく言えば素直に感動したい作品で、わたしは素直なので(え??)とっても感動しましたよ。(笑)こう言うので「よかったぁ〜♪」と思うとちょっとホッとしますな(笑)。
まず、松雪さんのダンスシーンが美しかった。体が柔らかくって、手の動きや姿勢、腰の動きなどすごくきれいでまず魅入ってしまう。
蒼井優ちゃんは若手女優のなかでは一番好きな人なので言うに及ばず。
イギリスの同じ炭坑モノ「ブラス!」と似ているなぁと思いましたが、こっちは女同士のお話なんで、ドロドロの恐ろしいセリフもあり。そこまで言っちゃダメでしょう!って言う感じ。(ひどい事を言った後は謝りましょうか?)
ワタシが特に印象に残っているのは、途中でリタイヤした蒼井優の友達のこと。まず、幼いきょうだいの面倒を見るために、高校に行ってない。それだけで、彼女の事が気になって仕方がない。父親が炭坑をクビになり今度は夕張に行くという。夕張…とっても寒いのに。紀美子が「あんただけこっちに残れば?」って言うんだけど、「妹たちの面倒見ないとダメだからムリ」って言うのですよね。そして紀美子に「これからはアンタがプロのダンサーになって活躍するのが、わたしの夢になる」という事を言う。ここんとこ、一番ツボでした。どうもね、家族のために犠牲になる長子という設定に弱い。号泣。「じゃーなー!!」って言う別れのシーンや、まどか先生がサングラスをはめて涙を隠しているシーンとか、とってもよかったです。「今まで生きてきた中で一番楽しかった」って言う、せりふなんか泣かせます!!
自分としてはラストのダンスシーンがちょっと長すぎたかな。「ウォーターボーイズ」なんかは長すぎたとは思わなかったけど、なぜなんでしょうね。それから、しずちゃんは一人だけ帰ればよかったのでは?親の死に目に会わないなんて、一生後悔しそうです。
しかし、そういうところを差っぴいても感動の映画でした。
輝ける女たち ★★★☆
タイトルのとおり、女性たちの個性が光り、女性の強さを見せ付けられるような映画・・・とはいえ主人公の冴えない中年芸人はじめともかく色んな人たちが登場して賑やかな、だけどどこか寂しい感じもする映画でした。

主人公のニッキーは売れない(かつては売れていたらしい)マジシャン、義理の父親が経営する「青いオウム」というキャバレーでショーをしています。突然、このオーナーでもある義父ガブリエルが死に、その死をきっかけに久しぶりに家族が集まる。しかし、これがみな曲者なのが面白い。
まず、死んだオーナー自体実はドラァグクィーンで女装が大好き、死に装束も女装なんです。派手なステージ衣装。ニッキーは別れた妻が二人いて、最初の妻との間には長男ニノ(このひとがゲイで若い恋人がいるんです)、二番目の妻との間に(この妻は、かつて、義父ガブリエルとニッキーと一緒にマジックショーをしていた)長女マリアンヌ(彼女は自分の子どもを生みたくない、不妊症と嘘をついてロシアから養子を迎えるつもりで夫と話し合い中)、それぞれイワクやらなんやらややこしい背景を持ちながら、一同に会するのです。
ニッキーに相続されると思ったキャバレー「青いオウム」はなんと、子どもたちに相続されてしまい、経営状態が思わしくないという事で子どもたち(ニノとマリアンヌ)は店を売却の方向で話し合う。
一見ばらばらの家族、いや家族とは言えないか。日を追うごとに、ガブリエルの知らなかった事情がわかってきて、そのことでまた揉めたり。展開としては、いつか家族の絆を取り戻し感動の大団円、、、とならないで、とってもクールな展開がよかった。お涙頂戴もない、どこかシニカルでそこはかとなくユーモラス。面白かったです。
ラッキーナンバー7 ★★★★
これは面白かったですよ。
ジョシュ君が出てたので、それが一番よかったけど、それを差し引いてもなかなか楽しめるサスペンスでした。
映画の中にも登場するけど「北北西に進路を取れ」みたいな感じ。どこかユーモラスな感じと言い。
主人公の青年、スレヴンは不幸続き。仕事を失い、彼女も失い、友達を頼ってきたらその途中で強盗に合い免許証などをとられ、友だちの家に着いたら友だちはおらず、代わりに友だちと間違われ、借金のかたにとんでもない仕事を押し付けられてしまう。
そこまでの展開がスピーディーでテンポもよくって、すっごくヘヴィな展開なのに、どこか他人事のようにユーモラスに展開するのが面白いんです。ルーシー・リューが友だちのアパートの隣の住人として登場し、彼の話を聞いて協力しようとするのですが、初めて彼女の事可愛いと思いました。
ジョシュ君は登場からしばらく、なぜか洋服を着ることができず、ずっと裸で腰にバスタオル巻いただけの姿なんだけど、これが眼福♪楽しい映画でした!(笑)
謎の殺し屋グッドキャットとの関係や、結局ボスやラビたちに言われたとおりにやるのかやらんのか、という辺りもすごくビックリさせられて(その辺は、最初に「ひょっとして」と思っていたんだけど、その頃には最初の疑惑はすっかり忘れてしまってて、まんまとビックリしてしまった)。ラストに至るまで好みの面白い映画でした。
ドリームガールズ ★★★
これを悪く言う人はいないでしょ?
だからとても勇気が要るけど、わたしはそれほど面白いと思わなかった。たしかに歌のシーンとかステージとか、見応えはありました。私が好きだったのはエディ・マーフィのステージ。後ろで黒人ダンサーたちがキレのいいダンスを迫力満点で見せてくれて、ああ言うのはハリウッドならではの魅力にあふれていると思うし、ビヨンセですか?知らないんですけど、すごくキレイでよかった。話も、一種のサクセスストーリーで、好みだと思って見ていたんだけど・・・。
主人公は誰?
ジェイミー・フォックス?
ビヨンセ?
エディ・マーフィ?
ジェニファー・ハドソン?
誰の視点で見てればいいのかちょっとよく分からなくなってしまった。わたしは実はエフィの視点で見ていました。彼女のサクセスストーリーなのかなと思っていたので。だって、ちまたの評判で(テレビでも)彼女がすごく取り上げられていたでしょ。彼女が主人公なのかなと思っていた、実際すごく目立ってたし。
なので、彼女が干されてしまう場面はすごく嫌な気分になったのです。8年間一緒にやってきた「ファミリー」のような仲間たちに、あんな風に締め出されるなんて、あまりにも酷いと思ってしまったのです。特に、C.Cは実の兄でしょ。実の妹にあんなにひどい事がよく言えるなぁと思って。そこまでひどい事をエフィがしたか?したとしても、映画を見ている限りではそんな風には伝わらなかったと思う。
それに、いつの間にカーティスとそんな仲になっていたんだろう。びっくり。ただのエフィの片思いにしか見えなかったよー。カーティスがディーナを好きなんだって言うことは見てて分かったけど、エフィと本当にそんな関係になっているとはわたしには分かりませんでしたわ。わたしが鈍かったのかと思うけど。。。
ラストにしても、カーティスのやった事って許されない事なのに、きれいに終わりすぎた気がする。ディーナが最後のステージでカーティスに微笑みかける、それを受けてカーティスも微笑む(苦笑か?)そんな別れ方ではなかったはず。
エフィにしてもみんな、エフィにあんなに酷い仕打ちをしておきながら、特ににーちゃん、よくもおめおめと…って感じですよ。実の兄にそれはないだろう、とかなんとか言っていたけど、それってエフィが言いたいことだったんじゃないの?
とは言え、エフィがそこまで好きなキャラかと聞かれたら、そうでもないんですよね〜。
なんというか、自分でもよく分からないけどモヤモヤっとしたものが残る映画でした。ひねくれてますかね。やっぱ期待しすぎるとダメってことか知らん。
オール・ザ・キングスメン ★★☆
元来、不正を糾弾しようとして役人の仕事からはずされてしまったような正義漢の主人公が、知事選の「当て馬」として担ぎ出されるんだけど、貧民層の支持を得て知事に当選。その主人公をショーン・ペン、新聞記者として取材するうちに、彼の政治を支持して、会社としては他の候補者を応援していたため新聞社をクビになり、知事の秘書として働くようになった青年を、ジュード・ロウが演じています。 うーん・・。 この映画はいったい
キサラギ ★★★
アイドル歌手が焼身自殺、熱烈なファンがインターネットの掲示板を通じて命日の2月4日(関係ないけど管理人の誕生日です)に特設会場に集結。発起人の「家元」はただ亡きアイドル歌手を偲び、思い出やお宝コレクションを見て盛り上がるつもりだったのだが、終結した4人のうちオダユージという男が「ミキは殺されたのだ」と言い出し、そこからミキの死の真相に迫ってゆく事になる。。。。

奇をてらった発想の映画で注目を集めた作品です。上手いシナリオ、出演者たちの個性が光り、ぶつかり合い、見応えのあるドラマとなっていました。特にネッターとして見逃せないのは、オフ会で初めて集う人たちの「出会い」の瞬間など。そうそう!そんな感じ!分かる〜!というおかしみがあり、冒頭は非常に面白かった。小栗旬の演じる家元が、ひときわミキに入れ込んでいる感じも、各種反応がイチイチ面白かった。
でも、いかんせん、都合よすぎる展開に飽きてしまった。最初のうちは意外な展開で「え?そうだったの?」と言う驚きが新鮮だったけど、次々明らかになる「事実」に「そんな都合よく、その人たちがここに集まるなんて」と言うありえなさに、ちょっとがっかり。

最後のみんなで「盛り上がってる」シーンは楽しかったけどね。

ミキは幸せだった、と言う結論にみんなが納得していたけど、それも私はどうかと思った。若くしてあんな死に方をしたらやっぱり不幸だと思う。事故なら尚の事。
ミス・ポター ★★★★★
たくさんの筆が入った筆立てから一本の筆を選ぶ
水に濡らす
水を入れたびんに筆が当たるコンコンと言うリズミカルな音
筆をパレットの絵の具につける
白いパレットの上で色を混ぜあわせる
筆を洗う
透明の水があっという間に青に染まる
画用紙に色を置いて見る
何度も何度も置いて見る
白い画用紙を青く塗る、塗りつぶしてゆく・・・

この冒頭から釣り込まれて、絵を描く喜びが見ているものに伝わり、早くも胸が熱くなる。
ポターが絵本を持ち込んだ出版社で、会社が「採用」「不採用」のどちらを言い渡すか、まな板の上の鯉状態で待っている時の緊張感、採用された時の喜びなど主人公の気持ちが手に取るように伝わるし、ともかくそういう場面の一つ一つに感動して、やっぱり胸が熱くなり、早くも涙が。。。
その後編集者のユアン・マクレガー演じるノーマンとの出会いと恋。いいトシした男女の初々しすぎる恋模様が、非常にいじらしくほほえましいし、ポターの家族とのやり取りも良かった。いっつもくっついてくる監視役の女中さん?とかね(笑)。
ポターが絵を描く場面が好きで、もっと見せて欲しかった。ところどころ絵のピーターたちが動き出すのも可愛いし(違和感がない!)印刷工場の様子も興味深かった。手作業だもん。工具の一つ一つが骨董品のようで、見ているだけでも楽しかった。
何よりも良いのは、イギリス湖水地方の美しい風景。「カレンダーガール」を見たときも思ったけど、イギリスの自然の風景は本当に美しいのだな、と思い魅入ってしまいます。この風景を見るだけでも癒し効果が望めます。それにロンドンの町の風景とか建物や調度品や衣装なんかも凝っていて見応えあった。

チョっとだけネタバレ→順風満帆なだけのポターの人生ではなかったようだけど、どんな悲しみからも立ち直ったこと、そしてそれを長年にわたって待っていてくれる人がいたことが、最後にホッとさせてくれます。一瞬、なんだよ、生涯ノーマンを思って生きたのじゃないのかとがっかりしそうになったけど、8年ですって。8年と言う長さを考えたら、この二人を温かい目で見ることが出来ます。何様?ですが。←終わり

絵を描くのが好きで、絵を描くよろこび、絵本を、物語を作り出す喜び、人を愛する喜び、人を思う喜び、思われる、愛される喜び・・・自然に包まれる喜び、それを守ることが出来る喜び・・・悲しみもあるけれど喜びにあふれた物語で、こう言う映画こそ「幸せな気分になる映画」と言えるかも知れない。わたしはともかく、最初から最後までずっと泣いていた。
他の人も何人もパンフレットを求めていました。
オススメです!!!
ビルとテッドの大冒険 ★★★★
うわさの「ビルとテッドの大冒険」をやっと見ました。長かった。最初にこの作品のことを知ったのは、耕野裕子さん(漫画家)がぶ〜け連載の「CLEAR」だったと思うけど、登場人物に語らせていたんですよね、たしか。思い違いだったらゴメンナサイね。どんな映画だろうとずっと気になっていました。

で、見てみたら1988年ごろの映画。長女が生まれた年です。主人公はキアヌ・リーブス。マトリックスなどの彼からは想像もできないほど若くって可愛い!そしてお茶目です(笑)。ムダに明るいです。やたらエアギターです。動きが変です(笑)。
主人公、ビルとテッドはロックバンドを組んでロックに夢中。勉強をしていないので歴史の単位を落としそう。単位を落としたら留年だし、留年を許さないビルの父親にアラスカの軍隊に入れられてしまう、でも、明日発表の歴史の人物に関するレポートを「ナポレオン」すら知らない二人が書けるわけも無く、、、絶体絶命の絶望に沈む二人。
ところが600年の未来から、二人を救うために男がタイムマシンでやってきます。そのタイムマシンを使って、二人は歴史のレポートを完成させようとするのですが・・・!!
過去に行き、また過去に行き、行く先々でおばかな騒ぎを起こしながら、調子よく歴史上の有名人物に会いそして、みんなを「現代」に連れてきちゃうふたり。つれてこられた人物たちもやっぱり「現代」でおばかな騒動を起こしてしまったりして、全編バカらしい笑いが満載でテンションが高い!!。
ばからしいんだけど、でも面白いからいいや!みたいなノリで、結構楽しめます。特に最後のレポート発表の時のスカッと気分の良い笑いが良いです。

最後にふたりが、過去の偉人に出会った事で自分たちに喝を入れるところとか、未来の男が明かす二人の未来とか、だから男がたかが高校生の単位取得にここまで協力的だったのかとわかるオチがよく効いてたと思います。結構好き!「ビルとテッドの地獄旅行」も見なくては!!


ところで、この作品、今までレンタル店では見かけなかったので、Yahooのぽすれんでスポットレンタルしてみました。登録していなくても単品で借りる事ができるので良いかなと思って。でも、到着までに時間がかかったな〜。13日に「発送通知」がメールで届き、現物が家に着いたのは18日。でスポットレンタルに関しては返却期限があり、それが22日ぽすれん側に必着なのです。こっちに来るのにそれだけかかったと言う事は、こっちから戻すのにもひょっとしてそれだけ時間がかかるのか?なので、見てすぐの19日にポスト投函。たった1泊しか借りられなかったことに。
あまりにもレンタルのタイトルが少ない行きつけのレンタル店。今どうしても見たい作品も全然なかったりするので、もう一度ネットのレンタルに申し込もうかと思っているんだけど、うーん、どうしたもんか。
田舎だとほんと、レンタルの数が少なくてイヤになりますね。。。
2番目のキス ★★★★
ドリューのキスシリーズ第3弾。(1、2弾は「25年目のキス」「50回目のファーストキス」順位をつけるとしたら・・1:50回目、2:2番目、3:25年目と言う所です)
今回ドリューが演じるのは、やり手のキャリアウーマン、リンジー。仕事に熱中していて彼氏とは長続きしません。あるとき会社見学に子どもをつれて来た学校教師のベンと、付き合うことになります。今までと違うタイプの男と付き合ってみるのも良いという、友達からの勧めもあり。最初は乗り気じゃないんだけど、付き合ううちにベンのユーモアや明るい人柄に段々と本気で惹かれていくリンジー。だけど、実はベンは熱狂的なレッド・ソックスファンだったのだ。

と言う話ですが。

ストーリーの流れは予想の範疇。ああなってこうなって最後はハッピーエンドでしょ?みたいな。
でも、面白かったけど。主役二人の演技とか脚本とか、上手かったと思う。飽きずに、ラブロマンスだけどサッパリ系で、首がかゆくなったりせずに、ニマニマと笑いながら見ていられたので。特にベンを演じたジミー・ファロンがよかったなぁ。顔としてはユアン・マクレガーをくどくした感じ。トータス松本系?
最後は爽やかな印象もあって、充分楽しめましたですよ。

印象に残ったシーンは・・・
試合を見ていて「ファウルってなに?」というリンジー。まるで黒柳徹子さんなみの野球音痴なのねと思ってしまったが、そんな野球のやの字も知らないリンジーが、ベンの影響で自身も熱烈なソックスファンになっていく。そんな彼女に友人の一人が言うのです。「侵略されている」と。「文明先進国が後進国を侵略してきたように、アナタは彼に侵略され自分らしさを失いつつある」だったかな?なんかそんなことを言われるシーンがあった。うーん、それが「イヤ」なことじゃなく「喜び」になるっていうのが、恋のなせる業なんですよね。でも大概の場合「侵略される」のは女性だと言う気がするんだけどなぁ。
ビルはビルで、愛とソックスを天秤ばかりに乗せてみる。一応はリンジーが勝つかも知れない。だけど、無理しているからなんかの拍子にハカリがガクッとソックスに重みをつける。自分でも自分の気持ちを操れないから、怒りの矛先はリンジーに向かうんですね。
傷つくリンジー。いくらあとでベンが謝っても許すんじゃない!と思ってしまう。今さら遅いんだよ。こぼれた水は元には戻らないのですよ。
でも、許しちゃうのがラブコメの定めなのね〜。

最近、ラブコメなんて(ラブコメに限らず、ラブストーリー全体)がミョーに苦手です。なのに、見てしまったのは…まぁ魔が差したかな(笑)。でも、面白かったですよ!レッドソックスに掛けるファンたちの熱意とか情熱とかを見ているだけでも笑える。いいじゃん、いっそ恋人なんか作らなくても結婚しなくても、アアタたちはソックスがあれば満足なんでしょうから(笑)。
こう言う人と結婚したら、我慢する事が多くって奥さんは大変かもね。
鉄コン筋クリート ★★★
アニメと言ったらジブリ、で、ジブリじゃなくてもジブリっぽい雰囲気のアニメが多いと思うけど(「ブレイブ・ストーリー」とか「時をかける少女」とか?)このアニメは全然違う雰囲気、それでいてかなり洗練された完成度の高いアニメで、絵を見ているだけでも眼福モノ。
近未来なのか、パラレルなのか今の現日本とは全然ちがう日本が舞台。舞台となったこの町、近未来の整然とした美しい近代的先進的な都会の中に一画だけ置いてけぼりを食ったような町なのだ。でも、決して「暖かい」感じのする町じゃなく退廃的であり世紀末的な風景に諦めたような切なさが漂っている。その町で生き、その町を「オレの町」と言う主人公のクロは少し年下の少年シロと、野良猫のように寄り添いながら生きている。
町を開発しようとするヤクザとの抗争などがあり、争いがあるからには勝敗もあるんだろうと思ってみていたんだけど、予想とは違う方向に進んでその点はイマイチわからないところがあった。
クロとシロの内面を追うだけでもの凄く切ない気持ちになる作品。ともかく絵がきれい。でも声が。娘は良いと言っていたけどわたしはダメ。
印象に残るシーンは、最初の方だけど、シロが学校の運動場をフェンス越しに見ているシーン。それと、蜘蛛の糸もないのに、屋根から屋根を高々と飛び回るシーン。気持ち良さそうだった。
それでもボクはやってない ★★★★
うん、おもしろかった!淡々とした地味な映画だけど、眠くもならずつりこまれて一気に見た。
今さら説明の必要もないでしょうが、痴漢行為をしたと間違われ、冤罪により裁判で闘う主人公の話。
まず、ブタ箱っていうのか、拘置所(留置所?)に入れられて、そこで刑事に取調べを受けたり、副検事に取調べを受けたり、また、身内のものが彼のおかれた状況を知るまでとか、差し入れのこととか、そういった一連の流れなどが上手くストーリーに絡んできて興味深い。特に留置所の場面などは、今まで見たことのない場面で、それだけでも一見の価値あり。へぇ〜ほぉ〜の連続。母親役のもたいまさこの演技もすごくリアルでよかったのだけど、母なのに事件のことは何も警察からは知らされないもんなのか。ストーリーとは別に、そういうウンチクみたいな部分で大きく釣り込まれた。
弁護士側は、最初に接見して「やってなくても認めたほうが得」と、とんでもないことを言う当番弁護士、主人公の側にたち、真摯に事実を追及して裁判に臨もうとする役所広司、女性だからこそ痴漢行為を憎み被害者の立場に立ってしまうその弟子?の瀬戸朝香、と各種様々な立場の弁護士がいた。裁判官もだけど弁護士も色々で、当たりはずれってあるんじゃないかと思った。
疑わしきは被告人の利益に・・・というのはまったくのタテマエでしかないのね。ともかく、「やってない」と言い張る主人公が「やってない」と言い張れば言い張るほど、つまり事実を訴えるほどコトが硬化して行くのです。本当のことを言っているのになぜ?ところが「やってなくても、やったと認めればすぐに釈放」というのが。あるいは本当に痴漢をして捕まっても、認めればすぐに釈放(犯罪歴はつくにしろ)という事は・・・下手したら、痴漢は釈放、無実は拘束・・・という本末転倒な事態になってるという事ですよね。
裁判は最後にどう判決が出るのか、それはタイトルからみて想像できましょう。ご都合主義のラストにしなかった所もグッド。
それにしても主人公にはいい友達がいるなと思いました。たとえばウチの息子がこんな目に合ったら誰かこんな風にともに戦ってくれる友達はいるんだろうかと、思ったりした。

ギャングスター・ナンバー1 ★★★
街のチンピラだった主人公が、突然その町の「キング」フレディに認められ幹部になり、のし上がってゆく物語です。
不思議な事に主人公、名前が明らかになってない。最後まで名前はわからないのです。フレディの「影」でしか、所詮はなかったということなのかなと思ったんだけど。
物語は「フレディの出所」の時からのフラッシュバック。なぜフレディが「服役」していたか、それまでと、そのあとの主人公の物語なのですが、まーこの主人公、イってしまってます。かなり酷い。キングであるフレディの方が断然紳士に見える。フレディ役の人はリーマス先生なのですが、高級スーツを見事に着こなすかなり上等の紳士なのです。彼に憧れて、彼のようになりたいと願ううちに、主人公の願望は別の方向にそれてしまう。主人公の気持ちの変化が手に取るようにわかって、スリリングな展開になります。
命を狙われ瀕死の状態から生還し数十年にわたって服役して、人生180度変わってしまった・・成長したフレディと、いつまでもそこにしがみつく主人公の対比が興味深い物語でした。でも、世間的な評判ほどはわたしは面白くなかったかも。ただ飽きずには見られたけど。あまりにもイタイ性格の主人公に引いてしまったか。ホラーやスプラッタでの「血ドバ」とはちょっとタイプが違うので。

でも、フレディは若いときも老いてからも同じリーマス先生が演じたのに、なんで主人公は違う人間になっているのか。身長さえも違うじゃないの?ベタニー様がそのまま演じればよかったのにと思うのは素人なんでしょうか。
ベタニーはやっぱりカッコよかったけどね。
背高!足長!スタイル良!!
男前じゃわぁ。眼福♪

っつーか、リーマス先生って、「太陽と月に背いて」のヴェルレーヌだったのね。今気付きました(~_~;)
ブラック・ブック ★★★★☆
第二次世界大戦当時、ユダヤ人の主人公ラヘルは家族をナチに全員目の前で殺されてしまうが、自分は危うい所で助かる。その後地下組織に命を救われ、そのレジスタンス運動に加担してゆく。髪の毛をブロンドに染めて、ナチス将校のムンツェの愛人になるのです。そこで、彼女は自分の家族を殺された時に、その場にいた軍人を見つけるのだが。


めっちゃおもしろかった!!
洗濯物を取り込みそびれたほどに。
最初から最後まで目が離せず、ずっと引っ張られた。
久しぶりにこんなに面白いサスペンス映画を見た!!
満足満足!!

この手のスパイ映画は、ちょっと油断すると物語が分からなくなり、巻き戻してみたりうとうとしたりを繰り返して、「やっと面白くなってきた」って言うパタンが多いけど、これは違うよ。最初から最後まで面白かった。ドキドキハラハラ。緩急きちんとついているので、飽きない。

もちろん戦争モノ、ユダヤ人の虐殺などがあって、戦争は怖いとかナチスの残虐非道振りとかが描いてあって、社会派的な要素を含むと言うか・・・恋愛部分も出てきてそれなりに楽しめるし、二人の間にある愛情には感動もしたけれど・・・しかし、それよりともかく一切の面白みはただただ「サスペンス」な部分。
主人公が、ナチス軍部に入り込んでどう言う仕事をするのか、それは上手くいくのか、誰が裏切って誰が味方なのか・・・。
わたしとしては意外な展開の連続で、先が見えずに、本当に画面から目が離せなかったのです。

サスペンス映画としては出色のできばえ。すくなくともわたしにはかなり面白く感じた。オススメ。誰か見て下さい!
理由なき反抗 ★★★☆
分かってくれない大人たちへの不信感を内面に溜め込んで、大人になりきれなくて自分をもてあまし、エネルギーのやり場に困りながら迷走する高校生たちの一夜の物語。

ジムは何不自由ない暮らしをする普通の高校生なのだけど、父親が家庭内で権威がなかったり母親が威張っていたりするので気に入らず、非行に走ってるのです。そのあたりで「甘えとる!!」と思うけど(虐待されているのでもないし、一見かなり愛されて育っている)親の愛情の表現の仕方が間違ってるのが問題と言うか。ジムが問題を起こすたびに引っ越しすることで解決を図ろうとしている。今回もそうやって越してきたばかりの日のこと。
隣のジュディ(ナタリー・ウッド←ウェスト細い〜〜!!!しかし16歳には全然見えない〜〜〜!!!)のほうがどっちかと言うと親の愛情に飢えてる感が大きい。と言ってもこっちもちょっと甘えん坊過ぎると思う。友達になったプラトンのほうがかわいそう。親とは一緒に住んでおらず、お金だけは十分あるんだけど、孤独感が大きい。

でも、若者たちが迷走してしまったこの夜の物語は、それだけで充分説得力も訴えるものもあり感動的。チキンレースによって相手を死なせてしまうジムは警察に行こうとするのだけど、なんと親が止めたりして。保身に走った親を見てジムはがっかりしたし軽蔑もしただろう。それでも自ら警察に出向こうとしたジムがカッコよいというか、説得力があるのです。若者よ、悪い事をしたら隠そうとせずに警察に行き罪を認めよう!と言うメッセージ??
あと、ジムがプラトンに寄せる包容力が大きく魅力的があった。ジムは自分が拗ねているだけの若者だったんだけど、孤独な可愛そうなプラトンを守ろうとする事で大きく成長した感じ。でも悲劇だったけど。

昔見た時のことを思い出してみれば、「エデンの東」よりも「理由なき反抗」のほうが印象に残ってて、チキンレースとか最後の銃撃戦(??)とか覚えてたなぁ。

「エデン」にしろ「反抗」にしろ、ジェームズ・ディーンって本当に母性本能をくすぐる、暗く拗ねた瞳が。わたしにとってそれは多分レオナルド・ディカプリオにも感じるもの。
若くてハンサムな寂しがり屋には、「オレ様」と同じくらい弱いわたしでございます。(笑)
ボビー BOBBY ★★★★☆
むちゃくちゃ感動した。
最後に本当に涙がだ〜だ〜だった。


ベトナム戦争の最中に大統領に立候補したロバート・F・ケネディ。彼がやってくる予定のアンバサダー・ホテルでの16時間を描いた群像劇で(だから、このひと!と言った主人公はいないんですが)ともかく、いろんな人のドラマが描いてある。
選挙事務所の人たちが先にこのホテルに待機しているんですが(一時事務所になってるのかも)そこでケネディのために寝ずに働く若い人たち、(その中には抜け出してLSDでハイになる輩もいたりするが)でもみんながケネディを心底支持している。
かたやホテルの従業員たち。
野球の試合に行きたくても行けない下働きのコック、嫌味で人種差別主義のマネージャー(これがわたしの好きなクリスチャン・スレーター、ティモンズ)不法就労者たちにも選挙に行かせろと人権派に見えるが無理を言う支配人、その妻はそのホテルで美容師をしていて、そこにはもうすぐ結婚式を挙げる若い女の子が来て、ホテルの歌手は飲んだくれで・・・と、色んな人たちの目線で物語が進む。
でも、それが決して「うるさく」はなかった。
随所にバランスよく埋め込まれた当時のフィルム、そこからにじみ出る「ボビー」の人柄が大変すばらしく、このような圧倒的な支持を得るのもうなづける。
また人間模様にしても「老」あり「人種差別」あり「不倫」あり「ベトナム戦争」ありと、いろんな問題がそこここにあった。人間の悩みや問題っていつの時代も大して変わらないのかもと思えた。
ボビーは選挙に圧倒的な強さで勝つか・・・と思われたそのとき、凶行に倒れてしまう。喜びから一転、阿鼻叫喚、悲しみと混乱に包まれるホテル。

その中で、しずかにボビーの演説が流れます。
この演説が本当に素晴らしい。
わたしが泣けたのはひとえにこの演説に対して。

ボビーが呼びかけたのは「暴力はいけない」と言う単純な事。
「暴力は人の命や、積み上げてきた大切なものを奪い、国家の品格を貶めるもの。暴力は人間性や文明社会を無視して、幸せに豊かに生きたいという人の願いを奪うもの。暴力は暴力を生む。抑圧は報復を生む。しかし、暴力を抑えるのは法律などではない。一人ひとりが、ともに暮らす人々はみな同胞だと思い出すことが唯一の方法なのだ」という、(←さわりのみ)この切々とした呼びかけが感動以外の何ものでもない!
世界中の人たちがこの演説を「今」聞くべき。政治家たちだけじゃなく、アメリカ人だけじゃなく、世界中の人たちが。

映画が良かったのか、演説が良かったのかと言われたら、モチロン演説が良かったと言いましょう。でも、そこに持ってくるまでの群像劇をこんな形でつなげて、退屈させずに見せたのは、監督お見事と思う。

前評判はそんなに良くなかったようなので、期待しないで見たのですが、ここまで感動するとは思わなかった。

とにもかくにも出演陣が豪華で豪華で。
ビッグネームが次々登場するので、ストーリーよりもそっちが気になってしまったほど。30分ぐらい見て、ヘザー・グラハムやリンゼイ・ローハンが出てきた時はこれでもう終わりか、と思ったのに、まだまだ!その後からでもイライジャ・ウッドにデミ・ムーア・・・本とにビックリの豪華さでした。
個人的にスキなのはもちろんクリスチャン・スレーターで、彼目当てで見たのだけど。アシュトン・カッチャーも出てきてお得でした。変な役だったけど、変な役でもやっぱりハンサムだったし。
ただ、美容師の女性がシャロン・ストーンとは、エンドロールを見るまで分からずじまい。(~_~;)
監督のエミリオ・エステベスは親子共演、アシュトンとデミは夫婦共演でしたね。すごいね。


出演者の事ばかり書いてるけど、↑に書いたように、映画そのものもたいへん面白かったです。オススメ!!
007 カジノ・ロワイヤル ★★★
かなり評判のよい新、007。
最初は体を張ったアクションに魅入ってしまいました(逃げるほうも凄かった、というかボンドよりも逃げる黒人のほうが凄かったね)。
スーツもばっちり着こなしてカッコイイと思ったけど、ストーリーがよく分かりませんでした。国家のお金を取り返すのに、なんで賭け事で勝たないとダメなのか・・・もっと他のやり方で取り返すということは出来なかったんだっけ?その点、見ててよく分からんかったなぁ。中だるみもあったと思う、途中で意識喪失、その間に大事なエピソードが入ってきてそれを見てなかったから分からなかったのだろうか。長いよ。まだ終わらないの?と思ってしまったもん。
ただ最後はちょっとウルルンっとしたけどもね。

ところで、わたしが物心ついたときは、ボンドと言えばロジャー・ムーアだったのですよ。ショーン・コネリーはアンタッチャブル以降は大好きだけど、それまでのあの人はなんか油ギッシュな感じで(ボンド⇒女たらしのイメージが大きい)な〜んかスキじゃなかったのですよ。
ロジャー・ムーアのときのボンドって、派手な装備をしたド派手な車だのコンコルドだのでアクション全開で、見た後は残るものは何もないけども、見ているときは退屈する暇もないというイメージ。
スキだったかそうじゃなかったかと言われると「嫌いじゃないけど大して好きなシリーズでもない」と答えますが(~_~;)

今回のボンドも評判ほどにはわたしは面白くなかった。ズバリそういうことでしょう。
世界最速のインディアン ★★★★★
すっごくよかったー!
見ている最中も、見終えてからも、とっても気持ちのよい映画!
ニュージーランドに住むバート(アンソニー・ポプキンズ)と言う老人が、25年来の念願を果たし、あるレースに出るまでを描くロードムービーです。
このレースに出るために、バイクを改造したり、お金を工面したりして、ついには地球の裏側に当たるアメリカのネバダまで行くのですが、隣に住む少年トムとの友情や、近所の人たちのバートへの気持ちがまず素敵です。トムの親は結構いろいろ迷惑しているんですが(笑)バートがアメリカに出発する時には「コレクトコールで電話して様子を教えて」とトムに言わせたりするし、町中みんながこの老いぼれ爺さんのドリームを応援しているのがいい。誰も本気でこの爺さんと老いぼれバイクがレースに優勝するなんて思ってないんです。でも、それでもバカにせずに送り出している。
道中も、レース会場についてからも色々トラブルがあるのですがそのたびに、袖摺り合う人々とのご縁によって助けられたりして、やっぱり気持ちがいい。それはやっぱり、バートの人柄がそうさせているからなのでしょう。助けてくれた人たち、一人ひとりが印象的ですが、やっぱりモーテルの彼女が良いかな!
他の人たちもみんな、惜しみなくこの老人を見守り後押しする、その気持ちがほほえましくって、それでいてジーンとしまくり。随所で笑ったり泣かされました。

一番気持ちが良いのが、主人公の明るさ。こんな明るい人になれたらなぁ。家族はいないようですが、子どもたちも独立して離れて住んでると思うのだけど、飄々とした暮らしぶりがいいなぁ。自由なんですよね。しがらみもなくて。縛られてない。それが年齢から来るものだとしたら、トシを取るのも悪くない。むしろこんな老後を送れたら最高ではないですか。

ともかく、こう言うのは大好き!!
オススメです!!
ラッシュアワー3 ★★☆
前回同様見終わった後思い出せないくらい、どうでもいい感じのストーリー。そもそもムダなエピソードが多すぎるとおもう。(空手の道場での乱闘とか、病院での乱闘もそうだけど、ムリにそういうシーンを作りすぎ。議員の娘がやたらジャッキーに抱きついたのもわざとらしかった。)まぁこのシリーズはそういうもんだと割り切る必要があるでしょうが。
それでも、今まではジャッキーのアクションが楽しみだったのだけど、今回はさすがにトシを感じたかも。キレも派手さもなくって残念だった。(クリスタッカーは前回に比べてかなり成長したね?肉体が)
代わりに、我らがジャパンアクション(?)、真田広之に楽しませてもらいました。この人が出ているのは知っていたんだけど、忘れてて(-_-;)いきなりあんなシーンで登場したので、ビックリしました。だってもっと若い人を想像していたのに、振り返ればもうすぐ50男(失礼か)の真田広之!!すごいわ。あのアクション。(走ってるところは本人かどうか知らないけど)英語も堪能で今後海外で是非とも活躍できると良いね。
久藤夕貴も(きっとアクションシーンは吹き替えだと思うけど)結構活躍していて、英語も堪能で以下同文。
クライマックスのエッフェル塔のシーンは面白かったけどね。ラストはどうかっちゅう話。わたしは「なんじゃそりゃー!」と思ったけどね。
せめて、主人公二人の「兄弟」って言う所がもうちょっと、観客の共感を得たり感動させてくれたりしたら良いのになぁ。「ビバリーヒルズコップ」みたいに。
でも、今後もジャッキーには頑張って欲しいと切に願います。

それにしても、パリ・・・いちど行ってみたいな。こう言う映画を見ると、行った事ない場所の景色が見られるのがいいですね。と言いつつ、実際に行ってみたいなと思いながら見てました(~_~;)
es ★★★★
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