カンフーパンダ ★★★
超メタボなしがないラーメン屋の息子(ラーメンの味は一流)のパンダが、ひょんな間違い?偶然?必然?で、憧れのカンフーマスターに選ばれてしまい、やがては人々の期待に沿うツワモノになり・・・。 カンフーマスターに選ばれたパンダが、とてもじゃないけどカンフーなど習得出来そうになく、諦めそうになるんだけど、実はある気持ちが極限に達した時類稀なる才能を発揮できると言う設定が面白かった。ただのメタボだと思っていたが、その実それがすごい「武器」であると言う設定も。だって普通ならこう言うタイプの主人公はロッキーのようにトレーニングを積み上げて筋肉粒々にシェイプしていくと思ってるので、そうじゃないところが意表をついていて面白かった。 絵もきれいだしアクションも良く出来ていて、ストーリーも面白い。見てソンはないという作品。でも、それほど心に迫るものはなかった。見る側も求めるもののラインが上がっていると思う。個人的には可もなく不可もなく
ラヴェンダーの咲く庭で ★★★★☆
イギリスの港町のはずれで、静かに暮らす二人の老姉妹。 あるとき嵐が来てその翌日、二人は浜辺に打ち上げられた青年を助ける。 青年は骨折しており老姉妹の家で養生させる事になるが、言葉を理解しない。 彼はかろうじてドイツ語を理解するポーランド人だった。 青年の登場で、静かな二人の生活にさざなみが・・・・。 姉妹を演じるのは妹アーシュラ役をジュディ・デンチ、姉ジャネットをマギー・スミス(マクゴナガル先生が定番に)。青年に次第に弾かれていく・・というか一目惚れをしてしまうアーシュラの姿に、熟女の年齢に達した自分も痛く感情移入してしまい(笑)大変共感を持ちながら見ました。 そして妹の、危なっかしさをちょっとイライラしながら見守る姉の姿にも、姉の立場として・・(笑)。 青年は結局このひなびた港町に打ち上げられて、ものすごくラッキーだったのです。彼がバイオリニストになると言う足がかりがここにあったのだから。 だけど、老姉妹の干渉にウンザリして開放感を求める気持ちなど、「わかるわかる」と。束縛したい立場と解放されたい(感謝もしてるけど)立場の両方の気持ちがよくわかって切なかったし、面白かった。笑うと言うほどでもないんだけどほのかなユーモアがあるのがいい。 いつもながらイギリスの郊外の風景は本当にきれいで、田園風景もいいけど海が見える風景もキレイだなぁと・・それだけでも必見です。 この映画に登場するテーマ曲「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」が流れてくる時、涙が流れて止まりません。終わり方も良かった。寂しいけど、清々しい。 いいラストでした。ジュディ・デンチがともかく切なく可愛い。老いらくの恋、しかも孫のような青年に対するとなれば余計に、一つ間違えば「気持ち悪い」となりそうだけど、全然気持ち悪くない。ジュディ・デンチの持つ雰囲気のたまものか。
アイリス ★★★★
イギリスでとても高名な作家であり知識人であるアイリス・マードック(私はこの人を知りませんが)が晩年アルツハイマーに侵されていく様を夫のジョンの立場から見守った作品。 若い頃のエピソードが交互に挿入され、老いていく(アルツハイマーに侵されて行く)現在との対比で切なさが倍増する設定です。若い頃があったのに、元気でハツラツとして、怖いものがなくて・・・でも時間は容赦なく流れ、人は変化してしまう。ときにはこうして「壊れて」行くのだと言う恐ろしさや悲しさ切なさ。自分がそうなっていくと言う恐ろしさと、最愛の伴侶がそうなっていくのを目の当たりにしなければならないのと、どっちが辛いのか。あまりにも聡明だったからこそ、ボケてしまったときとのギャップが辛い。 ジョンが「書け、書け、書くんだ、アイリス!!」となんとかの一つ覚えみたいに繰り返していたけど、分かる気がする。この物語で胸を打つのはジョンの献身的な愛情だ。誰もが自分たち自身に置き換え、思いを馳せるのじゃないだろうか? 若いときと現在と、アイリスとジョン、それぞれを4人で演じているのだけど、特にジョンを演じた二人はそっくりで最初は一人の役者さんが演じているのかと思うほど。アイリスはケイト・ウィンスレットとジュディ・デンチが演じているが、これも不思議なぐらい似ているのに驚く。
アビエイター ★★★★
レオナルド・ディカプリオ主演による実在の富豪、ハワード・ヒューズの人物伝。 突拍子もないほどの大富豪ぶりに最初のけぞる。 でも彼がすきなのはお金じゃなく「飛行機」だったんだと分かる。 長い映画だけど、彼の成功転落の山あり谷あり人生に面白く釣り込まれた。 見所はいくつかあるが、特にすきなのは公聴会での主人公の堂々とした態度。そして試運転の失敗による事故。心臓が左から右に動いたと・・・瀕死とはこう言うこと?それでも蘇ってくるなんて、不死鳥とはこう言うこと?と思う。凄いバイタリティーだと感心しきり。 一言で言えば「懲りない人」。 レオの熱演は言うに及ばず。面白かった。すっごい端役でジュード・ロウなど登場。
シッピングニュース ★★★
父親との関係が悪かったため、長じてからも対人関係や精神的に問題を抱える男が、曲がりなりにも結婚し子どもをもうけるが、その結婚生活の破綻と共にまたまた傷つき、しかし、祖先の土地に移り住み回復していくと言う物語。 気が弱く人がいいばかりの主人公クオイルをケビン・スペイシー、その結婚相手のあばずれ風女をケイト・ブランシェットが演じているけど、まずこのケイトブランシェットにビックリ。この人は本当に変幻自在で凄いです。クオイルをふるさとに連れて行く役割が、叔母と言う立場のジュディ・デンチ。地味な役どころだけどやっぱり光ってる。 面白かったのは、ふるさとの町で勤めることになった地元新聞社の面々。彼らとのやり取りは全然飽きなかった。 面白く見られるんだけど、ちょっと物足りなかったかな。ちょっと前に見た「アンフィニッシュライフ」と比べたら・・・。そして「ギルバート・グレイプ」を髣髴とさせるシーンがあって、それはとてもある種の開放感を得られるんだけど、前例があるとインパクトが弱まるので。
ギャングオブニューヨーク ★★★★☆
マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演。 南北戦争直後辺り?のアメリカ、ニューヨークはアイルランドからの移民が毎日何百人と詰めかけ、雑多に混沌としていた。タイトルの通りギャングが支配する町、ニューヨーク。警察も消防も政治家も私欲に走るのみ。一番強い「ネイティブズ」のボス、ブッチャーにこびへつらっている状態。 そんな中、アイルランド移民の牧師の息子であるアムステルダムが、幼いころ自分の父親を殺したブッチャーに、素性を隠して近寄る。 今まで敬遠していたのだけど、なぜ見なかったんだろう?と思うぐらい面白かった。「アビエイター」もスコセッシ監督、レオ主演。どちらも面白いが「ギャング・オブ・ニューヨーク」はギャング同士の構想のシーンなど血なまぐさいのだけど、その分男っぽく骨太な感じがして特に面白い。 ディカプリオの恋人役にキャメロン・ディアスですが、どちらかと言うとダニエル・デイ・ルイスに、憎しみと親しみと心中に複雑な気持ちを抱えた感じがよかった。 同性愛って言うんじゃないんだけど、どうも女優さんとの絡みより年上の男との絡みの方が萌えますなぁ・・レオって人は(笑)。
マッチポイント ★★★

ウッディ・アレン監督 ジョナサン・リース・マイヤース、スカーレット・ヨハンソン主演 落ちぶれたプロテニスプレイヤーがある金持ちの一家に巧みに入り込み富と地位を築き上げていく・・という、どうと言うことのない話なのだけど、なんかグイグイ見入ってしまった。 アマゾンのレビューにもあったけど「太陽がいっぱい」の現代版か?と思ったりしたけど、主人公の持つ野心というのが違う。こちらの主人公クリスは見た目ほどは野心家ではなく、ただその場の流れに乗っかっていくうちに、あれよあれよと「うまいこと」になってしまうのだ。目的地を知らずにふと乗った列車が、豪華で夢のような駅に連れて行ってくれた感じ。 その中で唯一線路を乱す存在がスカーレット・ヨハンソンの演じるノラ、義理の姉になる立場の女性だけど、飛び切りセクシーで小悪魔的な雰囲気で、クリスはいちころ。彼女もまた、クリスの人生を狂わせようなどとは思ってないんだけど、2人が出会った事で線路の分岐点が変更になってしまうのだ。 ふたりとも、見た目ほど、予想ほどには悪人ではなく、ちょっと拍子抜けしてしまったがそれでも、運命に翻弄される男女ということで面白く見た。
イースタン・プロミス★★★★★
デヴィッド・クローネンバグ監督
ヴィゴ・モーテンセン  ナオミ・ワッツ主演

ロンドンで暗躍するロシアン・マフィアの一家のボスの息子に雇われたヴィゴ演じるニコライ。かたや素性の分からない赤ん坊を取り上げた(母体は死亡)看護婦のナオミ・ワッツ演じるロシア系のアンナは死んだ赤ん坊の母親が残した日記を調べるうちに、ロシアン・マフィアに近付いてしまう。そんなアンナにニコライは「近付くな」と警告を発するが・・・。

このふたりのコンビの前作、ヒストリー・オブ・バイオレンスがちょっとイマイチだったので、どうなのだろうと思ってみたが・・・・。
ものすっごく見応えのある素晴らしいドラマだった!めちゃくちゃ面白かった。暴力シーンも凄く怖い映画なんだけど過剰な盛り上げ方はなくどちらかと言うと淡々としているのに、ドラマに釣り込まれてしまった。 メッキがはげると言う言葉があるが、この作品のヴィゴはその逆で、最初のうちはとんでもない男に見えるんだけど、段々とそのメッキがはげて逆に「地金」が覗くと言う感じだった。ともかく渋くてカッコイイ!スーツ姿も決まっているし、裸になってもカッコイイ(笑)。最初の『メッキ』の時も冷静な顔で死体の指を切ったりと、ひとつひとつがクールで素敵!ゾクゾクさせられた。ヴィゴの一世一代の代表作品になるのではないか?ロードのアラゴルンよりも印象的かもしれない。
ナオミ・ワッツから見たストーリー展開も充分面白い(素性不明の妊婦が出産して死に、残された日記書かれた事を探ろうとして危ない目にあう・・・その途中でヴィゴのような正体不明だけどとてもクールでカッコイイ男に出会う)のだけど、もう、ドラマ性から見てもヴィゴのニコライの物語が最高に素晴らしい。クールで野心を覗かせていても、時おり見せる優しい表情などに胸がきゅんきゅん鳴りまくった。アンナに見せる表情もだけど、ファミリー長男に見せる優しさなど、萌えてしまった。
ブラヴォー!ヴィゴ!そしてクローネンバーグ監督!

一言言うなら、アンナの故障したバイクをニコライが届けるシーンがある。勤務先の病院から外に出たアンナがそのバイクに寄りかかって自分を待つニコライに驚くという一場面。これがもう、最高に私のツボ!!予期せぬ時に予期しない形であんな風に誰かが(渋いイケメンが)私を待っていたら・・・と思うと思っただけで興奮して死にそう。(笑)
ウォーリー★★★★
今年最初の劇場鑑賞、「ウォーリー」です。 期待しすぎたからか、寝不足だったからか、実は最初眠くなってしまった。 なぜだろう?と考えたら、どうもセリフもなくただウォーリーの動きだけを見てるだけで、要するに「飽きる」と言うことだったと思う。たしかに冒頭からウォーリーの仕草や動く時の音などが可愛くて面白かったんだけど、セリフがない場面が長いと飽きてしまうのでした。これが正直な感想。 ずっと地球での場面なのかと思ったら、ウォーリーは宇宙に行きます。そこからは面白い。 私が気に入ったのは、後半に登場する「ちょっと壊れたロボットたち」。彼らとのいつの間にか芽生えてくる連帯感とか連係プレーとかがツボでした。 肝心の「イブ」との「ラブロマンス」は、いじらしく可愛いんだけど・・。 ウォーリーって、E・Tに似てる。そう思ったからか知らん色々比べてしまって、せっかく面白い映画だったのに、自分からちょっと損してしまった感じもしました。 地球の環境破壊とか、宇宙ゴミとかも、うーん、って言う感じ。 多分、DVDリリースされたらそれを見て、その時はもっと面白く感じると思う。 私の中では「カーズ」「モンスターズインク」「トイストーリー」には届かなかった。
007慰めの報酬★★★★
ダニエル・グレイク版ジェームズ・ボンドの第2作。アクション満載で私は楽しめました。前作「カジノロワイヤル」からの続きで、前作で自分を裏切ったために自分の手で殺した恋人を、未だに未練で引きずっているボンドのナイーブな所が印象的。アクションシーンがジェイソン・ボーンシリーズに酷似。
レボリューショナリーロード★★★★☆
1950年代、郊外のレボリューショナリーロードという場所に理想の家を見つけ住み着き、周囲の人たちには憧れの存在であった主人公夫婦。何不自由のない生活のはずが、ふと気付けば実はかりそめの幸せであると気付き、その虚しさから逃れるために、妻は突然夫に「フランスに行こう、パリで暮らそう。私が働くからアナタは自分のやりたいことを見つけて」と言う。夫婦はその夢に向かって共に手を取り合い着実に進んで行くのだった。。。。

見終えてから思ったのは、漠然と想像していたストーリーとは違うのでとても意表を衝かれてしまったということ。エンドロールが出てきて、唸ってしまいました。
後味はよくないけれど、でも、見ている間は見応えがあった。
妻は妻なりに夫の事を思い、妻らしく夫を支え愛そうとした結果思いついたのがこの計画だったのだろうと察します。はたから見ると非現実的でナンセンスなんだけど、それを真剣に実現させようとするあまり、段々とエキサイトして行く妻と、同調する事が義務のように思い込んで足並みをそろえる夫。映画の中でも周囲の人間が二人の計画を知り、皆一様に頭に「?」マークを付けていぶかしむ。いぶかしみながらも、どこかでうらやんだり僻んだりする。隣の家の夫婦なんかも振り回されてました。あの夫婦の気持ちのほうがどちらかと言うと共感できそうな気がしました。不動産屋を演じたキャシー・ベイツ(この人も「タイタニック」で共演していますね)のいやらしさと言い、人間の心の煩雑さみたいなのを垣間見た気がします。 ともかく、一番気の毒に感じた妻に振り回される夫フランクを、レオが熱演していました。これでオスカーノミネートもされないなんて、ちょっと不服に感じます。不動産屋の息子を演じたマイケル・シャノンは助演男優賞候補に上がったらしいけど。
グアンタナモ 僕達が見た真実★★★★☆
250人が収容されているグアンタナモ収容所。以前は不法入国者を収容していたらしいけれど、アフガニスタン紛争以後はアルカイダなどと関連のあるテロリストたちを拘束している、、とのことですが、現在250人ほどいる収容者のうち、正当な手続きや捜査を経て拘束した人間は20人ほどだとか。非正規に拘束されたものが殆どらしいです。

この映画(筋立てはノンフィクションのようだけど、映画そのものはフィクションの映像でした。本人たちのインタビューなどもあります。)は、イギリス在住のパキスタンの青年たちが、パキスタンで結婚式をあげようと現地に向かい、急遽ボランティア精神を発揮したがためにイギリス潜伏のテロリストと間違えられて、まるで大波に飲み込まれるように抗う術もなくグアンタナモ収容所に送られてしまう物語。 捕らえるほうは、自分たちが正義であると信じて疑わない。間違った正義感は傲慢で人の命を軽視し真実を見間違う。こう言うのが本当の「恐怖映画」です。
マンマ・ミーア!★★★★☆
予告が劇場でもテレビでもかなり流れて目に付いて、テンションが上がり、どうしても見に行きたい!と思わせられた映画。いちごも見に行くと言ったので、ふたりで出掛けました。
ABBAの曲の内容はあんなにへんてこりんな歌詞だったのねとびっくりしつつ、歌だけでもこう言う作品が一つ作れてしまうその多様性に感心した。
歌が多く(多すぎる!)中盤飽きてしまったけど、要するに「若き日の母親が同じ頃に3人の男性と『・・・』をしたために、その後生まれた子どもが誰の子なのかわからないまま成長し、結婚前夜に父親の候補者(つまり、母の『・・・』の相手だ、しかも3人)を結婚式によび、真実の父親を探して介添え人になってもらいたい」というのが作品の導入。
母親が言わずと知れたメリル・ストリープで、スコペロス島(Skopelos)という島(設定は架空の島、カロカイリ島)にて小さな観光ホテルを営みながら娘を一人で育て上げた。それなりのパワーが必要なだけあり、メリルも元気ハツラツなテンションの高いおばさんです。
この島の風景がきれいだし、そこで繰り広げられるダンスや歌が見所の一つ。それだけでも劇場に見に行った甲斐がある。ストーリーの筋立て自体はそれほど面白みと言うか新鮮味があるわけではないと思ったけど、見せる映画だった。
結局、父親が誰であったかと言うよりも、娘がここまで自分をたった一人で育て上げてくれた母親へ感謝の気持ちを表し・・それが心の底からって言うのが泣かせるいい場面があるんです。歌も効いていました。(スリッピングスルー・マイフィンガー)母は娘への愛情を再確認するという、「母と娘の愛情」がテーマの物語でした。
ハイスクール・ミュージカル・ザ・ムービー★★★★☆
これまたミュージカルですが、いちごが元来ハイスクールミュージカルの大ファンなので、一緒に見に行きました。こっちは「マンマ・ミーア!」よりも元気ハツラツあふれる若さが眩しく、歌もダンスもノリノリで楽しめる。自分が結構なトシになってくると、たしかに「マンマ・ミーア!」みたいなのを見て自分も元気を出そう!と、思わされるのも良いんだけど「ハイスクール〜」なんかは眼福。年取ってくると若い人を見てるだけでいい気分になる、美しいものを見ると心洗われるというアレですよ(笑)。
話の筋は、高校卒業を目前に控え、それぞれが進路を決めてバラバラになってしまう寂しさと、自分の進路に間違いがないのか不安になってしまう若者の揺れる心が・・・これまた眩しいのでした(笑)。
日本の中の「遠恋」っていうのと、アメリカのそれは距離からして全然違うから、やっぱり離れてしまうともうダメになってしまうんだろうな。そばにいたいけど、そのために相手の将来を別物にしたくない葛藤に揺れる主人公たちの瑞々しさが光ってた。
しかし、アメリカの高校生って・・・学校も派手だし化粧も派手。ビックリします。でも、ここに登場する生徒たちは派手は派手でも全然乱れた所がなく好感が持てるようになってます。ディズニーだもんね。
幻影師 アイゼンハイム ★★★★
19世紀末のウィーン。幻影師アイゼンハイムは一世を風靡していた。 幼馴染であり、引裂かれた恋人同士だったソフィーと、舞台上で再会を果たしたアイゼンハイム。 しかし、彼女は皇太子の婚約者となっていたのだった。

ウィーンが舞台なのに英語でしゃべるという、どの映画もそうなんですが、そこにちょっとした引っ掛かりを覚えるものの(ヒネクレ者ですか?)映画は面白かったです。 先ごろ見た「プレステージ」とダブるような気がするけど、上映された時期もよく似ていたと記憶しているし、「魔術」系がこのころ流行したのでしょうか。 ともかく、手品はネタを明かせないのと同じで、この物語もネタを割れませんが、アイゼンハイムの手際を堪能したい作品です。 警部さんに注目した。彼が良かったです。
でも、↓ネタバレ
恋人が死んだことにして、実は生きていた。と言うのは予想通り。やっぱりなぁと思う。 で、実際に殺人犯人に仕立て上げられた皇太子は・・そもそもの素行が悪いのは分かるけど、この件に関しては無実の罪を着せられただけで・・・。もっとこの皇太子が殺されてもしかるべき人間と言うことを、アピールしてほしかった。寝覚めが悪いです(笑)。 あと、あのイリュージョン(ホログラム)はどうやったんだろうか。
ジェイン・オースティンの読書会★★★★
ジェイン・オースティンの読書会と言うタイトルのそのまんま、6人の男女がジェイン・オースティンの作品について語り合う会を描いたものです。そもそも、愛犬を亡くして落ち込んでいる友達を励ますために開かれた会だったのだけど、開催直前にメンバーの一人が夫に離婚を言い渡されたため、そのメンバーに「男」をあてがおうと、ジェイン・オースティンを読んだ事がないSFマニアの男性もメンバーに取り込んだりして、多彩な顔ぶれになった読書会の行方は。。。

本が好きな人間なら、ある括りの中での本について(括らないと、本と言うのはとんでもない数のジャンルがあり、話が全然合わない!)思いっきり「語り合いたい」と言う欲求はあるはず。 だからこんな風に思っていることを忌憚のないところでぶつけ合えたらとても楽しいかもしれない。(あまりに解釈が違う人間と話しているとストレスがたまりまくるだろうけど・・・。事実この映画でも「それは違うのよ。ジェインはこうなのよ」と力説されて鼻白む場面もあった。日本人ではああ言うときは自分の意見を通すことは中々難しいのでは。) それぞれが自分の持つ「悩み」をそれなりに解決して行き、最後は丸く収まるところは、ご都合主義かもしれないけれど、やっぱり見ていて気持ちがよく胸暖まるものがある。 ただ、冒頭、離婚された女友達を慰める為に男をあてがおうと言う主人公の行動には疑問が。女友達にすれば余計なお世話だと思うし(自分で解決する問題だと思うし、離婚即他の男と言う発想があまりにも「他人事」と言う感じがした)あてがわれた男にすれば失礼千万。だけど、そのあてがわれた男を演じるヒュー・ダンシーがとても優しく人がよくて、そのうえお金持ちでそしてSFとは言え(失礼!(笑))読書好きとくれば、やっぱり理想の男ではあり、見ていてこの男をめぐるラブロマンスには胸がときめきました。顔も、「ルワンダの涙」のときも思ったけど、オーリーを「普通」にした感じなのね(笑)。なかなかハンサムさんです。 あと、フランス語教師、高慢さが鼻持ちならない女ですが、生徒との不倫に揺れる女心は良く分かった。だって、あんなにセクシーで可愛い18歳ぐらいの男の子に求められたら絶対に揺れるってば。 可愛い男の子、ケヴィン・ゼガーズはこの子 http://www.popcorn.co.uk/page.asp?partid=442 オーリーを「普通」にした感じの優しいヒュー・ダンシーはこちら http://us.imdb.com/name/nm0199215/ どっちもいい男で、眼福でした
シークレット・サンシャイン ★★★☆
タイトルのシークレット・サンシャインとは、密陽という街の名前のようです。 その街に首都ソウルから引っ越してきた主人公。夫を亡くし子供と二人、夫のふるさとであるこの街にやってきた。その主人公が不幸な事件によって子供を亡くし、その傷に苦しみもがく姿を描く物語。 キリスト教に入信する事で心の安寧を得たかに見える主人公ですが、あることがきっかけで神の存在に大きな疑問を持つことになります。 たしかに神は罪を犯したものも差別なく救い上げ、敵をも愛せよと説いている。 だけど、子供を殺された人間にそれがどんなにむなしく響く言葉なのか・・・宗教の役割と言うものをちょっと考えさせられました。 主人公の母親は大体が好感が持てる人間じゃない。計画性がなく見栄っ張り。そもそも子供を一人残してカラオケに興じると言う事が、信じられない。 それでも、子供を亡くした苦しみはいわゆる良い母親と同じである。その母親が子供を亡くした姿を描いてあると言う点で見応えのあるドラマでした。 主人公が家族との間に持つなんらかの軋轢みたいなものも、知りたかったし、ガン・ソンホがイマイチ「見守るだけ」の人であることが物足りなかったかもしれない。

しかし、なんか忘れられない映画ですね。
コールドマウンテン ★★★☆
南北戦争を舞台に、確たる約束もないままに別れ別れになった男女の愛を描いた壮大なラブロマンス。 ジュード・ロウとニコール・キッドマンのカップルは絵に描いたような美男美女で、見ているだけでため息が出ました。 南部の軍人でありながら、結局南軍にも追いかけられる主人公。 ともかく戦争は酷いということが描かれていて、そこにはヒューマニズムも自国愛も何もないと言うことを感じました。冒頭の爆破シーンからその後の敵味方入り乱れての惨殺シーンは迫力があって、戦争シーンと入れ違いに挿入される「過去」の南部アメリカの美しい農園地帯の描写との対比が上手く効いていたと思う。 それよりも、やっぱり農園に一人残された生活力皆無のエイダ(ニコール・キッドマン)が、ルビー(レニー・ゼルヴィガー)の登場で逞しく変わり、ルビーとの友情を育んでいくシーンが見応えあり。エイダに比べて、ルビーの生活力=生きるパワーにあふれて、なんと生き生きとして逞しく強く頼りがいのあることか、感動すら覚えた。 インマンがコールドマウンテンを目指し逃避行する途中で出会う戦争未亡人のナタリーポートマン、美しいんだけど、ああ言うエピソードがあるためちょっと冗長と言う感じがした。 それでも、2時間半、眠くならずに一気に見られました(^^ゞ
隠された記憶 ★★★
マニアの間で高い人気のハネケ監督の作品。「ファニーゲーム」が自身のリメイク作品で上映中なので、注目されています。と言うのは「ファニーゲーム」がものすごい問題作でして、わたしも見たことがあるんだけど、自分の中では「怖い映画」のザ・ベストです。これに比べたらどんな映画も怖くないのではと思うぐらい怖いんです。 それを踏まえてこの「隠された記憶」を見てみれば、気持ち悪さや不気味さはあるものの、インパクトに欠けるのは仕方がない事かもしれぬ・・。物語は、ある男の一家がなぜか盗撮されている、そのビデオテープがしょっちゅう届くのだけど誰にもその理由や犯人の見当が付かず・・・しかし、ビデオテープの内容が段々とある場所へ主人公を導き、過去のある記憶を呼び覚ます・・・という物語。 ある場面で「うっ!!」と言う驚愕はあるものの、全編に漂う不気味さはあるものの・・・やはり『ファニーゲーム」に比べて平坦すぎると感じた。これはその「平坦な不気味」を味わう作品と思う。
旅するジーンズと19歳の旅立ち ★★★★☆
もう、待ってましたの「旅するジーンズと16歳の夏」の続編。
彼女たちに会うのが楽しみで仕方がありませんでした!!
劇場公開の時、近所のシネコンには来なかったので諦めてしまった。やっとDVDで登場しました! 16歳だった彼女たちは19歳になり、悩み事も行動も大人に近付き今回もそれを乗り越えて成長していく姿が眩しいです。
4人のエピソードがそれぞれ短いセンテンスで入れ替わるので、目まぐるしいと言う感じもするし、またひとりひとりの物語を掘り下げる時間が少なく、駆け足で映画は進むことに物足りなくもあり、逆にそれがまたテンポよくもあり。
なんせ原作は「トラベリングパンツ」「セカンドサマー」「ラストサマー」「ジーンズフォーエバー」の4冊。 映画前作の「16歳の夏」は「トラベリングパンツ」の1冊分ですが、今回の「19歳の旅立ち」では、2〜4巻までの3冊分を詰め込んであるのだから。
そのわりにはまとまりもよく、ストーリーもきちんとそれなりに作り変えられていて、映画だけ見ていても充分面白い内容だと思うけど、やっぱり原作を読んでいるとその場面がもっと良く分かり、良かったです。 なので、原作もやっぱりオススメします。
ストーリーについては、原作本のほうで語っているので書きませんが、カルメンの舞台衣装やギリシャの風景など映像ならではの楽しみも満載。そして・・・なんだろう・・彼女たちの事、自分の娘のように感情移入してしまうんですよね。本当にひとりひとりが可愛くて大好きです。 映画(原作)のように、いつまでも4人が友情を保って欲しいし、いつまでも彼女たちの成長を見続けたい、そんな老婆心(笑)がヒシヒシと沸く作品です♪
また原作も読み返したくなりました。

ところで、ここにビーのおばあさんとして登場する女性、なんか見たことがあるなぁと思ったら、グウィネス・パルトローのお母さんですって。すごくタイプの似た美人でした。「ミーとザペアレンツ」や「姉のいた夏いない夏」などにも出演しているようです。
P2 ★★★☆
目新しいって言う感じはないんですが、全体的に飽きさせず2回目もちゃんと最初から最後まで楽しむことが出来た分、あれ?結構良くできたホラーなんじゃない?と思えました。 まずは、主人公の美しさにひきつけられます。金髪碧眼の美人、スタイル抜群、胸デカイ(あふれそう)、手足が長い!頭ちっちゃい!その彼女が美しいだけじゃなく体当たり迫真の演技で、恐怖心が伝わってきて良いと思う。定番的に、助かるチャンスがあってもそのチャンスがすぐそばを素通りしてしまうと言うじれったさも、上手く出来てます。2回目も見始めたら最後まで画面に釘付けにさせられるだけの作品でありました。 反対に、犯人のほうはともかく全編通して気持ち悪い。意思の通じない完全にずれた気持ち悪さと、濃い、、濃すぎる顔が、、かなりのインパクト。ともかく、この犯人に対して見ている我らは突っ込みのオンパレード。何を勝手な事を、お前が一番の元凶じゃ!と。そんなツッコミをふふんと笑うその笑顔がまた、キモイ〜〜!と言うところが一番楽しめた部分かも。 こう言うのを見ると、ほんと人目を引く美人じゃない事が自分の幸せの一つだと思えるから不思議。いやマジです。

ネタバレ含めて↓

で、犯人役の濃い男。 きっとこの人の事これから先気にしてしまうかも、と言う俳優さんでした。ウェス・ベントリーという人で、「ゴーストライダー」「サハラに舞う羽根」「エントランス」「めぐり逢う大地」「アメリカン・ビューティー」などに出演。他の作品も見てみたいかも!(って言うか「ビューティフルマインド」なんかは見ているんだけど記憶にない)
ハンティングパーティーCIAの陰謀 ★★★☆
リチャード・ギア演じるジャーナリスト(レポーター)はある戦争報道のときに、生放送でブチ切れてしまって、業界から干されてしまいます。その後、一緒に活躍していたカメラマンのほうがその功績を認められて地位を上げていくのですが、あるとき二人が再会して、ある大物を狙うと言う物語です。
見ているときはそこそこ面白かったけど、後で思い出してもちょっと印象に残るシーンが少ない。
告発のとき ★★★★
イラク戦争から帰還するはずの息子が行方不明になり、それを探す父親が知った真実とは。 自身が強いプライドを持つ軍人だったハンク(トミー・リー・ジョーンズ)は、息子の事も当然自分のような正義感あふれる兵士であり、イラク戦争はアメリカの正義を貫く戦争だと信じて疑わないが、段々と息子失踪の真実に触れていくうちに「そうではないんだ」という現実を突きつけられる。そこにあった「兵士」たちの「真実」に、薄ら寒い気分にさせられた。 印象に残ったけど、胸をえぐられるとか、慟哭するほど悲しいとか言うほどではなかったかな。息子への思いは、けして感情むき出しに表わさず押さえている父親。淡々とした父親の悲しみが印象的ではあったけど・・・。 息子の失踪を捜査する基地のある町の警察官に、シャーリーズ・セロン。地味だったけどやっぱりキレイだな。
チェンジリング ★★★★★
実話ベースの映画で、タイトルの「チェンジリング」とは「取替え子」の意味。ヨーロッパに伝わる民話で、妖精がさらった子どもの代わりにおいていく「にせもの」の子どもの事。タイトルのとおり、行方不明になった後に、我が子ではない子どもを「あなたの子どもだ」と強引に押し付けられてしまう悲劇の母親を主人公とした物語。 子どもがいなくなり、その後見つかり、しかし違う子どもで・・・という展開がとてもスピーディで、だけど、母親の喪失感、心配・・信じてもらえないもどかしさや苛立ちや、やっぱり子どもを思う気持ちを丁寧に描き出していてとても釣り込まれる物語になっていました。最初から最後まで一瞬も興味が削がれず、のめりこむように食い入るように見たので、2時間半あっという間でした。 私も自分で今ここに書いたような部分しか知らずに映画を見たので、その後の展開にはとてもビックリ。「えー、そういう事件だったのか」と言う驚きと・・・・。 母クリスティンの強さに、同じ女性として深く感銘を受けました。予告編で見た数々のシーンを覚えてて、ああ、こう言う場面だったのか・・・と納得しつつ(特にチラシ↓になってるシーンなど)やりきれない思いや感動を感じました。アンジーは迫真の演技で釣り込まれました。悪役たちはあくまで悪役で、もう、憎たらしい事この上ないヤツらばかりで。今後なんかの映画に出てきても絶対に「あのときの憎いヤツ!」と思ってしまいそうです。特にゴードン役の男、ブレンダン・フレイザーを崩したような男で(ブレンダン・フレイザーに悪いか??)「うなぎ」みたいな印象。(実際の事件の事はここに。)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/murder/text2/northcott.html
クリント・イーストウッド監督と言うと「ミリオンダラーベイビー」を思い出し、どうしても胸苦しくなってしまうのですが(「ミリオンダラー・・」は今までに見た映画の中で一番苦手かも。「ミスティックリバー」もラストに不満あり)今回の映画はとても良かった。やりきれない気持ちなのはやっぱり同じで、イーストウッド監督は見ている人をこう言う気分にさせるのが好きな人なのか・・と思ってしまうけど、実際におきた事件だっただけに、納得してしまう。でも、「おもしろい」とか「興味深い」と言う言葉で映画を楽しむのは申し訳ない気持ちです(・・って、私が言うなって感じですが)。
屋敷女 ★★★☆
もうホラーはいいわ、一生分見てしまいました・・・・と思っていたはずなのに、評価の高いホラーを見つけるとつい手が伸びてしまう・・・サガでしょうか。 今回のこの「屋敷女」は、フランス発不条理ホラーです。精神的にも怖く、スプラッター要素の血がドバドバと言う視覚的にも怖く、ホラー好きとしては満足のいく作品だったのでは。 冒頭、交通事故の場面。身ごもっていた主人公の、おなかの赤ちゃんが事故の衝撃を受けているシーンがとても印象的です。そして、その後。事故で夫を亡くして出産間際の主人公はひとりでクリスマスを過ごすのですが、その夜見知らぬ女が訪ねてきていきなり主人公を恐怖のどん底に突き落とす、恐怖の一夜が始まるのです。 なぜ主人公がそんな目に合わねばならないのか、一体それは誰なのか。ひゃー、きゃーと、テレビの前で騒ぎながら見てました。不条理にも思えるその理由が判明するとき、見ているものはキャッチコピーを思い出し愕然とするのです。 心臓の弱い方、妊娠中の方はご鑑賞をおやめ下さい、という注意書きの通り、見た目がかなり痛いです。ホラーの苦手な娘と一緒に見たのですが、娘は泣きそうになってました。慣れてるわたしも途中「ぅげー!」と思うシーンがあって、結構キます。 ホラーが好きな人は一度見てみて下さい。
レッスン! ★★★★
アントニオ・バンデラス主演の、高校生矯正プログラムものです。 「フリーダムライターズ」が書くことで立ち直っていく高校生たちを描いているなら、こちらは「踊る」ことで立ち直っていく、これも「フリーダムライターズ」同様、実話ベースの物語らしいです。 踊るといっても、ヒップホップダンスやストリートダンスじゃなく、完全にソシアルダンス。その教師役のバンデラスがとってもとってもハマり役!紳士でスマートでカッコイイので、見ていてとても気分が良かったです。 いわゆる底辺の見捨てられた高校生たちを、バンデラス演じるピエール・デュレインという社交ダンスの世界ではかなり名の知られたダンサーが、ちゃんと「ひと」として「紳士」「淑女」として扱い、生徒たちも次第にそれに答えていく物語。始まったときから、結末はこんなもんだろうと予測できる物語ですが、その途中がとても面白かったです。 ダンスを通じて、人として大事なことを学んでいくというベタといえばベタなストーリーですが、それこそが大事なこと。自分に自信を持てば愚かな行為に身を任せなくなるだろうと言う、ピエール・デュレインの「教育」に感銘を受けました。 ダンスのシーンも見応えがあり、なんといってもバンデラス!!カッコよかったです〜!ギトギトしたカンジが薄れていい感じになってきましたね、この人。よくあるようなメタボじゃなく、スタイルはいいし笑顔は優しそうだし、ときめきました!彼にあんな風に淑女然と扱われたらメロメロになりますね。 生徒たちの中に飛びぬけてスタイルがよく美人の子がいて注目。ヤヤ・ダコスタ。 あと、上手い!ヒロインのヤヤ・ダコスタよりも上手いと思った女生徒が「ステップ・アップ」のヒロインでした。上手いはず。ジェナ・ディーワン。 そして「小説家を見つけたら」と「コーチ・カーター」に出ていたロブ・ブラウン。彼はダンスは下手でした(笑)。
イントゥ・ザ・ワイルド ★★★
本当にあった話を元に映画化したらしいのですが、どう考えていいやらよくわからない物語でした。
主人公は、自分の両親への不満から、義務感で大学を卒業したあと、家族と一切縁を切って自由気ままな放浪生活に入ります。
過酷であり、自由であり・・・決して楽な生き方ではないんだろうけど、開放感に満ちた主人公は幸せそうに見えます。
そして、 行く先々でいろんな人と知り合い、そこで暖かい人間関係を築いていく主人公の姿には、心が温もるように感じました。でも逆に、捨てられた家族の気持ちには思い至らなかったんだと思うと、残念です。両親だけじゃなく、一緒に苦しみを分け合ってきた妹の存在まで無視していた(わけでもなさそうなんだけど結果的に連絡もしなかったのだから・・)のは、残念と言うほかない。
もちろん、分かるんですよ。
自由になりたい、一切の束縛を振り切って、過去も自分の何もかもを捨ててしまって、どこか全然知らない所に行って知らない自分になる・・・ある意味、それは誰もが持つ夢かもしれないと思います。
最後の主人公の表情からは、どうにもやりきれない思いが残ってしまったのですが・・・。
ワンス アンド フォーエバー ★★★
ベトナム戦争の話。いまさら取り立ててみる必要のある映画じゃないと思った。
帰らない日々 ★★★☆
息子をひき逃げ事故で死なせてしまった家族と、ひき逃げしてしまった家族のそれぞれの苦悩を描きます。
ひき逃げにあって、息子が突然死んでしまった一家の父親がホアキン・フェニックスで母親がジェニファー・コネリー。息子をなくした喪失感や、自分のせいだと責めてしまう妻と慰め切れない夫が生活の中で抱える重苦しさや、残った娘のためにも立ち直りたいのに、夫婦の歯車がうまくかみ合わず生活が荒んでいく様子など、すごく胸を締め付けられてしまいました。辛すぎる。
父親はなんとかして犯人を捜そうとするんだけど、警察のほうは手がかりが少なく見つからないと諦めている。そのとき自分が雇った弁護士が実はひき逃げ犯で・・・。
ひき逃げしたほうはしたほうで苦しんでいるんだと言うことがいいたい作品なのか?どう考えてもどんなに苦しんでいても、ひき逃げしたほうが悪く苦しんだとしても自業自得としか思えなかったのが・・作品的にはどうなのかな?と思った。
タロットカード殺人事件 ★★★
ウッディ・アレンとスカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマンのトリオの活躍がたのしいコメディタッチのサスペンス。ある連続猟奇殺人事件の記事を担当した新聞記者が死んでしまったが、三途の川を渡る船の上で、その殺人犯は自分の会社の御曹司だと言う秘書と同席する。その秘書は犯人である証拠を見つけた為に毒殺されたのだとう。そこで、そのトクダネを知ったまま死ぬことが出来ない新聞記者は、地上にゆうれいとなってよみがえり、あるジャーナリスト志望の女子大学生に事の顛末を語る。彼女は、その場に居合わせたマジシャンといっしょに御曹司に近付き事件の真相究明に乗り出す。
女子学生がスカーレット・ヨハンソンで、御曹司がヒュー・ジャックマンなら二人の間に何もないはずがなく、ラブロマンスあり、御曹司が本当に殺人犯かどうかミステリー部分あり、楽しめる作品。
しかし、そこまで面白い!と思うほどではなかったかな。数年経ったら忘れてるカンジの作品ですね。
ワルキューレ ★★★
監督ブライアン・シンガー (ユージュアル・サスペクツ/スーパーマンリターンズ/X−MEN) 主演、トム・クルーズによる、事実を元にした戦争アクション映画。

ヒトラー暗殺計画のひとつであり、最後の暗殺となった「ワルキューレ」作戦の全貌を描きます。
散々予告で見て期待感が高すぎたのか、思ったよりも面白く感じられなかった。
前半は作戦に突入していく「準備期間」、後半は作戦の実行と収束。
結末は分かりきっている物語なのだけど、後半の緊迫感は並々ならぬものがあり、大変見応えがあったと思いました。が、前半がどうにも印象が弱かった。
冒頭でこの、主人公の大佐が爆撃により大怪我を負い隻眼、隻手になってしまうシーンがあるのだけど、それがそこまで必要なシーンだったのか?と思いました。その分もっと作戦の準備にかかった水面下のやり取りを見せて欲しかったような気がします。何故と言うと、主人公のシュタウフェンベルク大佐をはじめ、関係者がこのミッションに関わろうとした過程が、あまりにもあっさりと描かれていて、拍子抜けしてしまったので。 反逆に関わると言う事は命をかけるということで、その決意は通常では想像できないほどの煩悶や逡巡があるはずなのだけど、その点が全然見えなかったのです。
そこが後半のハラハラ感を大きく削いでしまった気がして残念。
映画は史実にかなり忠実に基づいて作られているようだけど、⇒ネタバレか【そもそも「爆弾」がチャチすぎる!本当に暗殺する気なら、もっと大きな爆弾を仕込むべきだったと思うし、いっそ自分が犠牲になってもヒトラーを確実に殺そうとしないと無理なんじゃないかと思ってしまいました。自分が助かろうと思ってるようじゃ、そりゃ暗殺なんて成功しないのでは・・。世紀の暗殺事件の割りに関係者の気持ちがあまりにも甘い!と、感じてしまったんだけど・・。それは映画の問題じゃなく、史実の問題なのですが・・・。
なので、決してつまらないとは思わないけど。
それにしても、ヒトラーというひとは40回もの暗殺計画をくぐりぬけてきたとのこと。悪運が強いというか、非常に周到で厳戒なセキュリティに守られてたんだなぁと思う。人の心を掌握する術には長けていた事に驚かされます。 主人公のシュタウフェンベルクは祖国ではとても有名な英雄で、その名前の街ができたほどだそう。 奥さんは案外にも長生きされたそうで、そこもビックリしました。
イントゥ・ザ・ワイルド★★★
本当にあった話を元に映画化したらしいのですが、どう考えていいやらよくわからない物語でした。 主人公は、自分の両親への不満から、義務感で大学を卒業したあと、家族と一切縁を切って自由気ままな放浪生活に入ります。
過酷であり、自由であり・・・決して楽な生き方ではないんだろうけど、開放感に満ちた主人公は幸せそうに見えます。
そして、行く先々でいろんな人と知り合い、そこで暖かい人間関係を築いていく主人公の姿には、心が温もるように感じました。でも逆に、捨てられた家族の気持ちには思い至らなかったんだと思うと、残念です。両親だけじゃなく、一緒に苦しみを分け合ってきた妹の存在まで無視していた(わけでもなさそうなんだけど結果的に連絡もしなかったのだから・・)のは、無念と言うほかない。
そして、その旅の途中で出会った人たちの優しさも振り切るようにして、アラスカを目指すのですが、一体何が彼をそこまで駆り立てたのか。若かったから?
もちろん、分かるんですよ。
自由になりたい、一切の束縛を振り切って、財産も、過去も、名前さえも、自分の何もかもを捨ててしまって、どこか全然知らない所に行って全然違う自分になる・・・ある意味、それは誰もが持つ夢かもしれないと思います。
でも、実際に行動に移すかどうか。
ふっと「ギルバート・グレイプ」を思い出してしまった。どんなに自由に憧れていても、諦めて鬱々とした人生を小さな村の中で生きていく・・前向きじゃないし、それはあまりにもみじめに見える生活かもしれないけれど、そこに敢えて留まると言う選択をしているギルバート(ま、これは小説ですが)にこそ、共感をおぼえ感動を得る私です。
最後に主人公が悟った真実とは「人は一人では生きていけない」という事だったのじゃないかと思うんだけど、それに気付きながらも人生を仕舞えて行く姿や表情からは、どうにもやりきれない思いが残ってしまったのですが・・・。
アウェイ・フロム・ハー 君を想う★★★★
アルツハイマーになってしまい、夫を忘れていこうとする妻と、その妻を想う夫の物語です。 全体的に「アイリス」に似ていると思いました。でも、こちらのほうがよりリアルに身につまされた。 結婚して44年だか45年だかの、このふたりの結婚生活の終焉がすぐそばに見えている、ヒシヒシと伝わるその切なさに始終ウルウル・・。
病気に雄々しく立ち向かう妻は、行くなという夫の懇願を振り切り、自ら介護施設に入所するのだけど、入所してから最初の30日間は面会禁止という規則のため、その30日間で夫をすっかり忘れてしまう。そのうえ、恋人まで出来ている。それでも、夫はそんな妻を見守る・・・他の男に恋をして、かいがいしく世話を焼く妻を見て、嫉妬しつつもそれを受け入れる大きな度量に感心したし、また切なくもあって、大感動・・・。
と言う話だと思っていたら、どうも、夫の過去に何かがあったようで。夫の献身はどうやら一種の「贖罪」だったのじゃないかと思わせられてからは、ちょっと冷静になってしまいました・・。
そして、いつまでも「生々しい」夫に、ますます冷静になってしまいました。
「いい人生だった、と言うのは男だけで、女はそうは思ってないのじゃないか」と言うようなことを、介護師が言うんだけど、その辺がこの映画が訴えたい事なのかな?
いくつになっても男ってヤツは、と呆れ・・・。
結局ラストはどう言うことか・・。夫はこのあとどうするのか?この窮状なのか僥倖なのか分からないような状態は、自業自得なのじゃないかと私は思ったんだけど。
カンフー・ダンク!★★★★
ひゃ〜〜〜〜〜!! とっても気に入りました!! ストーリーは孤児の主人公が、カンフーの道場で育てられ、やがて知り合った胡散臭い男といっしょに、天才的な運動能力を使って「バスケ」をはじめ、初心者でありながらやがては主軸となって大学を勝利に導く・・というべたなストーリーです。
その中に恋あり、師弟愛?あり、友情あり・・と、ありがちながら普遍的に心に響く要素を盛り込んでいて、中々飽きさせず、カンフーを使ったケンカのシーンや、ワイヤー使いまくりのバスケのシーンなど、見応えのある面白い映画になっていまして、特に「少林系・格闘系+スポーツ」は「少林サッカー」こそ面白かったけど、そのあとはどうもイマイチのものが多く、今回も期待していなかったんですが、期待以上の面白さを味わいました。
話は凡庸でも見せ方やキャラクターの使い方で映画は面白いぞ!萌える対象があればなおよろし、と言う典型かも知れません。
ワイヤーやCGはバスケの迫力を出すには邪道かも知れませんが、いやいや、どうして中々巧く使ってあって試合のシーンも何度も見たくなるできばえでした!あり得ない跳躍力!滞空時間!!だけど、見入ってしまいました。カッコいー♪
なんといっても主人公のジェイ・チョウくんですか?この人は役者じゃなく、歌手だそうで、主題歌も自分で歌っているんだそうですが、これがとっても気分の盛り上がる印象的な歌で、すっごく耳に残るし気に入りました。
演技は全然巧そうに見えませんでしたが、その朴訥なカンジが却って役柄にマッチしていて、とっても可愛くて!!ちょっとイノッチに似てるかな?(笑)イノッチと江口洋介をミックスしたカンジを、もっと清潔に可愛くしたカンジかな・・。(少々間寛平ちゃんも)ともかくすっごく気に入りました♪ 試合、いわばクライマックスが済んでその後のシーンが割りと長めで、本来なら「長いよ」と文句を言いたい所ですが(クサイし・・(笑))でも、このジェイくんだからこそ、長くてもいい、むしろもっとその笑顔を見ていたいと思ってしまいました。

いや〜〜〜可愛かった〜!久しぶりに「萌え」たわぁ・・。 サントラ欲しい!! 息子に欲しい!!(笑)
1408号室★★☆
内容(「キネマ旬報社」データベースより) スティーヴン・キング原作のサスペンススリラー。宿泊した56人の客全員が1時間以内に死亡するというホテルの一室「1408号室」。オカルト作家のマイク・エンズリンは、真相を探るべく宿泊するのだが…。

と言う話ですが、うーん、イマイチでした。 何をやってもその部屋から抜け出せない、刻々と迫り来る死の恐怖と、死んでしまった娘への哀惜の感情が交差していて、物悲しくも恐ろしい・・・と感じればよかったんだろうけど、全然感じられず。 やたら長く疲れてしまった。 ラストの主人公の微笑みは一体ナンなのか。意味が分からん結末でした。
ルール6★☆
主人公のタマラを演じているのは最近見たばかりの、アントニオ・バンデラス主演の「レッスン!」と以前「ステップ・アップ」で見事なダンスを見せてくれたジェナ・ディーワン。 映画としては面白く感じませんでした。 が、ある意味、ツッコミどころ満載で逆に楽しめましたが・・。 地味でいじけた性格の主人公が、黒魔術をやってるところで全然「いい子」じゃなくなり、同情も共感が出来ないのが一番の原因・・だけど、ここが最初のツッコミどころのひとつでもあり。 実は彼女、仲間に殺されてしまうという可哀想な目に合います。が、ホラーですから、そして黒魔術ですから、その後の展開は予想されるとおり。 それからも、なんだか別の意味で結構面白い展開になり、ついつい見てしまいました。 私は子どもたちにホラー映画を見せて怖がらせるのが好きで、ついついホラーを借りては一緒に見るんですが(どんな親だ・・)、さすがにホラーにつき物のエロはゴメンこうむりたい。エロのないホラーを選んでいるつもりですが、今回失敗してこんな映画を娘たちと見てしまいました。 軽いけど、子どもたちと一緒に見たくなかった(^_^;)。
譜めくりの女★★★★☆
こう言う映画は、なんの予備知識もなく見たい。私は今回内容を全く知らずに見て、大変楽しみました。 淡々とした映画で、派手な出来事もなく、役者たちのせりふも表情も抑えるだけ抑えてある感じで、すごく地味と言えば地味・・・だけど、見ているものにはその人たちの感情や言いたいことがすごく良く伝わってきて、目が逸らされない作品でした。 部類はミステリーだろうか、、全然大仰な事件なんかは起きないんだけど、そこにこそ身近なリアリティを感じます。
余計なものは一切ない。コンパクトにまとまったスリルとサスペンスに満ち満ちた90分です。 オススメ!★★★★☆
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主人公の少女が、ピアノのテストを受ける。もしも不合格ならピアノはやめるつもりだと言う少女。 自信のあったテストだけど、審査員のひとりが、試験の最中に少女の気を逸らせるような事をします。それが何かと言うと・・・・

試験会場に入る前にその女性審査員はサインをねだられて「今はダメ」と、断ったのに、試験の審査の最中になぜかサインをするんです。それで少女の気が散り集中力が途切れピアノの出来は惨憺たるものに。少女は涙を流して試験会場を後にすると、自分のピアノに鍵を掛け、飾ってあった音楽家の石像を箱に仕舞います。 時は流れてその少女が大きくなって、ある事務所に入ってきます。そこで、事務所の上司の家にハウスキーパーとして臨時で雇われます。その上司の妻が、あのときの審査員だったのです。 少女はそこで、どう言う行動をとるのか。表に現さない胸の中の感情は・・・・。

と言う話ですが、女性審査員は、一旦廊下でサインを断っておきながら、試験の最中にサインを受け入れる。呆れた行為です。なぜ今サインをするのか・・。さっきはダメでなぜ今はいいのか。試験官にとっては、大勢の受験者のうちのたった一人かもしれませんが、少女にとってはとても大事なひと時だったのに。自分が思いがけないホンの小さな出来事が、あるとき大きな痛手となって自分に還って来る。ある意味、バタフライエフェクトと言えるのかもしれません。 少女が取った行動は悪く言えば逆恨みで、執念深過ぎると思います。自分だったらどうしただろうか?きっとそこまでのことは出来ないだろうと思う。だけど、逆に、自分には出来ないけど、この少女にはその「思い」を達成して欲しいと願ってしまう。 後味は悪いけれど、そこに奇妙な達成感や爽快感のある不思議な作品。 とても好きです。
頭文字[イニシャル]D★★★★
主人公が高校生で多分無免許?ながら、(生業が豆腐屋) 豆腐の配達を中学の頃からさせられて、その配達が走り屋の舞台である山の中、そこを毎日毎晩走ったことで培われた神業のドライブテクニックを駆使して、名の売れた走り屋や、プロのレーサーにまで勝つと言う、とんでもない物語(笑)。 日本が舞台、クルマも日本車、設定も何もかも日本なのに、なぜかジェイ・チョウ君をはじめとする、台湾香港のアジアンスターたちが役者をつとめ(かなり豪華なキャスト!)中国語で喋ってるということも、ビックリな。(上映は多分吹き替え。私はスーパーで見ました。) 日本のマンガ(しげの秀一、講談社「ヤングマガジン」連載中)が原作で、私は原作未読なので映画が原作に忠実かどうかは知らないんですが。 でも、設定はありえないながらも、レースのシーンなどはとても迫力があり、すごく面白かったです。 主人公拓海の恋愛ごっこのような、ほのかに可愛いデートシーンも観ていてにやけた場面。 手を繋いだり、腕を組んだり、何気ないワンシーンも印象に残りました。 私は乗り物酔いをするので(自分の運転でも酔うときがある)クルマって全然興味がない。F1のレースなんかも見ている分には飽きないし、映画のカーチェイスシーンも好きだけど、クルマの運転も助手席に乗ってドライブするのも全然好きじゃないです。 だけど、そんな私も楽しめる映画でした。(ジェイ君が出ているからかも知れませんが)
スラムドッグ$ミリオネア★★★★☆
ダニーボイル監督による2009年のアカデミー作品賞受賞作品。ほかにも監督賞、脚色賞など全部で11部門でアカデミーに輝きました。
舞台はインド、主人公のジャマールが拷問とも言える取調べを受ける。大人気のクイズ番組「クイズ・ミリオネア」に出場したジャマールが、あまりにも容易く全問正解したため、不正をしたとして取調べを受けていたのだ。ズルはしていない、と言うジャマールはVTRで問題の回答を反芻しながら、これまでの人生を振り返る・・・。

幼いころからスラムに生まれ育ち、イスラム教徒に対する暴動のときに母を死なせてからは兄と二人で寄り添いながら生きてきたジャマールのかなり過酷な人生をクイズと共に降り返ると言うのが、結構スリリングな設定で面白く釣り込まれました。
スラムで逞しく育つ子どもたちが生き生きしていてとても躍動感があって、なぜかワクワクしました。主人公の子ども時代が、可愛くて・・。兄弟ってどこでもそうだと思うけど、兄は威張っていて弟をこき使ったり、弟のものは俺のもの、俺のものは俺のものというジャイアンっぽさがある。だけど、それでも弟の事はしっかりと守るぞという逞しい兄貴像でよかったんだけど、次第にそうばっかりとは行かなくなってくるのが辛い所でした。
近代インドの持つ問題点がたくさん散りばめられていて(子どもをさらい、体を傷つけて物乞いさせる・・など)考えさせられる部分もたくさんあったけど、基本は観ていて「楽しく」、そしてワクワクはらはらさせられる映画と言うことじゃないだろうか?
音楽もとてもよくて、サントラが欲しくなり、その夜にはポチッと購入ボタンを押してしまったぐらい。この映画は子どもたちにも見せたいなと思います。
リリィ、はちみつ色の秘密★★★★
幼いころに自分の過失で、大好きだったママを殺してしまったリリィ。乱暴で思いやりの全く無い父親と暮らしている。身の回りの世話をしてくれるのはロザリンという黒人女性(年齢不詳)。時は1960年代、時の大統領ジョンソンが公民権法にサインをして黒人にも参政権が与えられたときの物語。

原作を今しがた読み終えたところ。映画はほぼ忠実に作ってあったんだとわかりました。 映画では見えない登場人物の・・リリィの気持ちが原作でとてもよく分かり、読んでよかったと思いました。かといって映画は映画で面白かったです。アメリカの田園風景もきれいだったし、ハチミツ作りの描写も良かったです。

背景にあるのは黒人への人種差別だろうけど、やっぱりリリィと言う少女が母親を慕い、人を慕う気持ちが切なくて、それに答えるようにリリィの気持ちを解きほぐして行くオーガストとの関係がいいです。オーガストはものすごい包容力と存在感。いつも静かに優しく微笑んでいて冷静で理知的で、でも楽しくてユーモアもあって素晴らしい女性。リリィは自分が、黒人に偏見がない(実際ロザリンのことを家族のように愛している)と思っていたんだけど、オーガストに会ってこんな黒人もいるんだと驚くとき、自分にも確かに偏見があったと気付きます。
聖母マリアの像が作品中に大きな意味を持っていて、リリィもマリアによって救われていくんだけど、私はマリア像よりもオーガストこそがリリィにとってマリアのような存在だと思った。
そして、メイ。3人姉妹の中で一番繊細なメイは世の中の苦しみを自分の気持ちにダイレクトに受け取ってしまう。つらい事を聞くと(それが虫の死でも)すぐに「おおスザンナ」をハミングし始め、自分ではどうしようもなくなるので、「嘆きの壁」に行く。そこはメイが自分で石を積んで作った壁があって、メモを書いてそこに差し込むと、しばらくして悲しみが薄れるという壁。
この映画は登場人物の誰もがとても印象的なのだけど、特にメイが私は心に残った。
原作では、リリィはそれほど器量が良くないとあるし、ザックはとてもハンサム(一目惚れしちゃうほどに)なんだそう。そこんとこが映画はちょっと反対だったような気がした(笑)。 ダコタちゃんはとてもキレイになってて、ちょっとだけ大人っぽくなっていて、今後がとても楽しみです。 パンフレットによると、映画の原作に惚れこんでキャストは全員出演料は取らなかったとか。原作を読んでその気持ちにも納得できる思いです。
グラントリノ★★★★☆
「チェンジリング」もとてもよかったけど、こちら「グラン・トリノ」も、とてもよかった。 偏屈で頑固だけどプライドの高い老人が、ふとしたきっかけでそれまで散々見下してきた中国少数民族の移民一家と仲良くなり、心を開いていく物語です。 隣に住んでいながら全然交流はなく、手入れの行き届いた芝生の中に足を踏み入れようものなら「芝生に入るな!」とすごい剣幕で追い返す。そんな相手だった隣の住人と仲良くなっていく(と言う言い方は陳腐かもしれないけど)過程が無理なく微笑ましくユーモア混じりに描かれてて面白いです。二人の間に友情が育っていくのがとても良かった。 予告で見たときから「そういう話だろう」と思ってて、まぁ「そういう話だった」のですが、だからと言って面白さが損なわれず、全編楽しく面白く観ました。 ここのところ、映画を見て泣くということがとても少なくなってて、今回久しぶりに気持ちよく「泣かされた」気がします。終わり方もすごく納得できたし、爽やかでした。ただ爽やか過ぎて物足りないと言えば、言える気もして。「ミリオンダラー・ベイビー」のとき、とても落ち込んで3日ぐらい引きずったことを思うと、あまりにもキレイにあっさり終わりすぎな気もしますが。 実は私は映画を見ていて、「アルプスの少女ハイジ」のおじいさんを思い出してました。 おじいさんがハイジによって心を開かされ、他人にも心を開き、社会人として世の中とのつながりを取り戻し、やがて信仰心も取り戻す。グラン・トリノのウォルトもよく似た感じがして、その点でとても分かり安い物語だったなと思うんだけど。
BOY A ★★★★
見た後人に語るとき、少年の「過去」について明らかにするな・・・という映画です。


冒頭で、少年院のような施設から出所する少年はまず新しい名前を自分で自分に与える。 「ジャックだ」「ぼくはジャックだ」と、新しい名前をジャックと決める。 新しい名前、新しい住まい、新しい職場。生まれ変わろうとする少年だけど、早々に新聞では「悪魔の少年が仮釈放された」と言う記事が出たりして、世間は簡単に自分を、自分の罪を許してくれないのだと言うことを思い知る。 この少年がどんな過去を持ち、何をやったのか、なぜ矯正施設に入っていたのかなどは追々にわかってくるんだけど、主人公の視点に立ちながらも全体的に客観性があるのが良かった。 どんなに悔いても、忘れたいと思っても、世間をごまかそうと思っても、「罪」から逃れられない・・と言う事かなと思った。 だけど、あまりにも主人公が可哀想で同情してしまう。 以前見た「シークレット・サンシャイン」なんかもそうだけど、映画として面白いとかよく出来ているとか言うよりも、作品の問いかけそのものに、ものすごく考えさせられる。重苦しい映画だけど、忘れられない作品になった。
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