王妃の紋章★★★
北京五輪の華々しいオープニングそのままのイメージ、豪華絢爛と言う言葉以外に出てこない、壮大なスケールの豪華さのある映画でした。 ストーリーは宮殿の中で繰り広げられる、骨肉の権力争いってところで、庶民は「そんなに毒を飲むのがイヤなら逃げればいいのに」と思ってしまうけど、高貴な人々には選択肢がなく、死ぬのが分かっていても運命の流れに身をゆだねねばならないと言う部分が分かりにくいというか、まだるっこしいと言うか。 長男の役を演じた俳優のおどおどした演技がとても印象に残っている。 宮廷の中で、とても孤独な王妃の姿も。 そして、ジェイ・チョウはとても良い役だった。観てよかった♪
ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場 ★★★★
クリント・イーストウッドの主演、監督作品。
「グラン・トリノ」の頑固爺さん、ウォルターの原型がここにいる!と言う感じの、がちがちのアメリカ的?軍人を描いてあります。
そうなれば、私の好みではないかも・・・と思いながら観たんだけど、どうしてなかなか面白い。 クセ者ぞろいの海兵隊部隊に古参の鬼軍曹が帰って来た。それが、イーストウッド。 上部からは時代錯誤の古い軍曹と煙たがられ、兵士たちにはバカにされ、最初は敵意むき出しの拒否反応。だけど、そんなクセ者たちを力で抑え込んで、有無を言わさず厳しい訓練を続けます。 段々と、それが単なる「チカラづく」ではないというのが兵士たちに伝わり・・・。 タイトルには「戦場」とありますが、戦争映画ではなく、軍隊の内部の様子を描いた明るい軍隊モノ。訓練の様子、反発しあう上官と兵士たちが段々と近寄っていく様子、そして強く逞しい「兵隊」になっていく様子が、感動の押し付けとか、友情とか、国家を守るとか、平和やとかという七面倒な大義や御託抜きで、明るく描かれていてとても楽しめました。 後半には実践に出向きますが、そこには戦争映画にあるべき緊迫感などもきちんとあって、その場面も含めて面白かった。
男らしい、クリント・イーストウッド。さすがです。
ボーダータウン 報道されない殺人者 ★★★☆
実話に基づいた話のようで、衝撃的な内容でビックリした。
こんなことがあるんだという、事実を知ることができただけでも映画を見た価値があったと思う。
メキシコのファレスと言う街では、アメリカ向けに様々な工業製品を作っているらしい。日本で言えば、何でもかんでもメイドインチャイナ、みたいに、アメリカではメイドインファレスって言う印象を受けた。中国でも賃金がとても低く、それが一般的に商品の値段が安くて済んでいる理由だろうが、このファレスと言う街の工場で働く女性たちも、驚くほどに低賃金。日当で5ドルだそうな。
それだけではなく、彼女たちの環境の悪さが問題。常にレイプ殺人の危険と隣り合わせの毎日。いつも常にどこかで誰かが死んでいる。すでに5000人の女性が人知れず殺されていて、誰もるというのだから、驚きだ。そんなことってあってもいいの?
この問題が公になり難いのは、自由貿易協定と言うもののためらしい。問題を暴いてしまうと、アメリカの国としても都合が悪い、メキシコも都合が悪い。なんといっても大事なのは権力を持つ人たちの「お金儲け」だから。
このことを知ったからと言って私たちに何ができるということはなく、自分もやはり高いものより安いものを買い求めてしまう。だけど、その行為の意味をもっと真剣に考えるべきだと思う。
ブロードウェイ♪ブロードウェイ ★★★★
「コーラスライン」と言うミュージカルに出演する為に3000人がオーディションを受けます。
そこから、8ヶ月にわたり、第一次から第二次第三次と、最終選考までの模様と、かつての「コーラスライン」の出演者たちの肉声によるこぼれ話や、思い出話などをまとめたノンフィクション。
私はあんまり「シカゴ」や「ムーラン・ルージュ」が好きではないので(見ているときはそれなりに面白く感じるんだけど、後でもう一度見たいと思えないし、見てよかったとも思えない)映画になった「コーラスライン」も、見ておりません。
が、オーディションの風景などをまとめたこの作品は、とても面白く見ることが出来ました。 厳選され、淘汰されていく役者たちの演技やダンスは、やはりとても見応えがあります。 受かるか、受からないか・・・天国か地獄か・・・とは言え、受からなかった役者たちもそれでもまた次に希望を託して、未来を夢見る表情からは、元気のパワーが伝わるようで、とても清々しかったです。 特に、オーディションの最中に、審査員たちを泣かせた役者さんがいたんだけど、彼の演技は圧巻で、見ていて「これが『演技する』っていうことなんだ」と、胸を打たれました。あの場面だけでも必見です。思い出しても泣けるほど。
イーグル・アイ ★★★
平凡なコピー会社に勤めるジェリーの双子の兄が死んだ。その後なぜか、ジェリーの元へ大量の銃器や爆弾の原材料などが運び込まれる。それがなぜかFBIに分かっていて、今から逮捕されると言う謎の予告電話が入る。一旦は逮捕されるも、その「謎の声」に従って(従わざるを得なくなり)謎だらけのまま、シングルマザーのレイチェルと行動を共にするジェリー。二人は何をさせられようと言うのか・・。
う〜〜ん、そこまで面白いとも思えなかったけど、緊迫感はあり、飽きずに見られた。 電波を発するもの全てが、「誰か」に掌握されていて、自由に操られているとしたら、というこの先実際に起きそうな感じが怖かったけど、イマイチ現実的に臨場感がなかったような・・。
マルタのやさしい刺繍 ★★★★☆
旦那さんに先立たれて気落ちしている主人公のマルタ。友だちはなんとか元気付けようとするんだけど、一向に元気が出ない。もう80歳だし、亡くなった夫のところへ行きたいと願ってしまう。 ある日、村の旗の修繕を頼まれて、街に材料を買いに手芸洋品店に行きます。そこで、きれいな布やレースを見て、かつての「夢」を思い出し、後押しする友だちにも助けられ、マルタは「夢」を実現させていきます。 その夢とは・・・・マルタの若かりしころからの夢とは・・ランジェリーのお店を持つことだったのです。

おばあさんが80歳になって、いまさら夢を追う? しかも、レースたっぷり、スケスケのエッチなランジェリー?なんて恥知らずな!! ・・・なんて、とても保守的な村の人々からは総すかんを食らったり(友だちでさえも理解してくれない)、牧師である息子からもやめるように言われてしまう。 おばあさんが夢を追い求めたらいけないのか、ランジェリーってエッチなのか! 見ている私は憤慨しながら、マルタを応援していました。 店を出す事に反対するだけじゃなく、運転免許を取るな、介護の必要のある親はさっさと施設に入れろ、家から出て行け・・・・とまぁみんな勝手な事を言い放題。子どもは自分が一人で大きくなったとでも思っているのか・・・と、泣けるやら腹立たしいやら悲しいやら・・・と言う気持ちになったのは、私もそれだけ年を取ったからなのでしょうね(笑)。 そんな中で、めげないマルタの姿に、とても感動しました。

おばあさんが登場して、印象的な映画って言うとまずは先日見た「ラヴェンダーの咲く庭で」があります。韓国映画の「おばあちゃんの家」は、思い出しただけでも涙、涙の名作。 「ドライビング・missデイジー」も元気で頑固なおばあさんが面白く感動的でした。「フライドグリーン・トマト」も、面白かったです。「8月の鯨」も、地味だけどしみじみした映画でした。 「カレンダー・ガールズ」は実話ベースで、老女のヌードを出す物語で、これも印象に残っていますね。 自分の行く末、老いた先に、こんな姿が待っているとしたら、老いることも全然悪くない・・・って思える映画ばかりです。
ジェイ・チョウを探して ★★★☆
「ジェイ・チョウ」ってタイトルに付いてるから、とりあえず観る!!みたいな・・・(笑)。 でも、肝心のジェイはそんなに・・というか、ほとんど出て来なかったですけどね。 主人公のポポは彼氏に振られて、彼氏との思い出を風化させないために、思い出の曲を探しに町に出てきます。思い出の曲と言うのが、ジェイの歌。ただ、どの CDに入っているなんと言うタイトルの歌なのかわからない。中古CDショップに行って、店主に歌って見せてやっとその曲がわかるんだけど、隠しトラックという特殊な歌なので(CDが終わってから何分後かに現れる歌らしい)知名度も低いらしい。店主のつてから、めぐりめぐって色んな人たちのもとを、その曲を探しに行くうちに、新しい恋を見つける・・・という、案外他愛のないドラマです。

でも、見せ方がとても面白く、ポポのチャーミングな魅力や、全編にポップで可愛いセンスが生かされていて、楽しめる作品。ちょっと「恋愛睡眠のすすめ」を思い出したなぁ。 中古CDショップの店主、ショーン・ユーの気弱そうな、犬好き加減がとても好感が持てました(笑)。 ジェイは最後にチラッと、ファンサービス??みたいな登場のしかた。そりゃそうでしょう。このタイトルで、ジェイ本人が全然出てなかったら、ちょっとアレですよね・・・(笑)。
言えない秘密 ★★★★☆
とある音楽学校に転校してきたジェイ(英語字幕による)は、卒業式のあとには取り壊される予定の旧校舎から流れるピアノの旋律に誘われて、レインと言う女子生徒に出会う。 出会いから二人は急速に近付き、惹かれあっていく。しかし、レインはどこかミステリアスだった。 そのわけは・・・・。

最初は他愛のない恋愛ドラマで、よく出来たジェイのプロモーション映像のような映画だなぁと思ってました。やることがいちいちニクイ!指でほっぺたツン!とか、自転車の二人乗りとか、言葉の真似っことか・・・二人でピアノを弾くシーンなんかも、悶絶しちゃうほどの胸キュン感! 恋人未満の二人って、確かにこんな感じ!甘酸っぱい小ッ恥ずかしい感じの、もう、見ていられない〜〜!・・っつうね。

ジェイはこりゃ、少女漫画読みの心のくすぐり方をよく知っていますね。少女漫画世代には絶対にハマること間違いなしです。 ピアノを弾く場面もね〜・・・もっと観ていたいと思うぐらい素敵でした。ジェイの本領発揮ですね。 で、こんな風に甘酸っぱいまま終わるのか、それともレインが「喘息」と分かった時点で「ある愛の詩」現代アジア版か?と思ってました。 が!!その後の展開の意表をつく成り行きに、心底ビックリしました。あとで見直してみれば、結構その手の伏線があるんですよね。アイスを食べたときにレインが言うセリフとか。 これは侮れない、侮ってないけど、思った以上にストーリー展開でも充分魅せてくれました。 ジェイってやっぱり天才だ。
ターミネーター4 ★★★☆
クリスチャン・ベイルがジョン・コナーを演じ、過去の作品であれだけ執拗に守ろうとしたそのジョン・コナーだったこともあり、すごく期待されたんだけど、蓋を開けてみれば主役はジョン・コナーではなく、ましてやカイル・リースでもなく、マーカスと言う謎の男でした。 ジョン・コナーに関しては、今までの作品から、ものすごいカリスマ性のある圧倒的な存在感のある男だと思い込んでいたので、結構フツーの男だなぁと拍子抜けするぐらいでした。 懐の大きさを感じさせないのはいただけません。 そのぶん、マーカスが映画のいいところをさらっていった感じ。 まぁ、こんなもんじゃないですか? スカイネットとの戦いはいつまで続くのか? そのたび、こんなことがあって・・・同じ事を繰り返すだけになるのか。 過去と未来を行き来して、歴史を変えていく話になると、合わせ鏡で覗いた景色のように延々と続く物語が現れる気がします。 ま、面白かったです。
レスラー ★★★★★
監督  ダーレン・アロノフスキー
音楽  クリント・マンセル
脚本  ロバート・シーゲル
主演  ミッキー・ローク (ランディ・ロビンソン)
出演  マリサ・トメイ (キャシディ)
     エヴァン・レイチェル・ウッド (ステファニー)

ランディと言うひとりのプロレスラーの「いきざま」を、ありのままに描いてあり、ものすごく感情移入してしまいました。思いの外に人間関係が温かくて「義理人情」の世界っていうのもツボでした。
たしかに、家庭的にはいい父親でも、きっといい夫でもなかったんでしょう。けれど、若いレスラーに尊敬され、同世代のレスラーたちとはごくごく普通に仲良くやっているのを見ると、この人の生きる世界は家庭ではなく「ここ」にあったんだろうと思えます。
多分全盛期のとき以外は、ファイトマネーもそんなに大きくなくて、裕福とかセレブとかとは縁のない生活だったんだろうなぁ。だけど、ランディは自分がプロレスラーであることに自信とプライドを持って、選手生活を続けていたんだろうな。
プロレスはショーである。試合はやらせである。そんなことを聞いて「なーんだ」と思ったこともある。だけど、この映画を見ると、やらせでもショーでも、彼らはその試合にとても真摯に打ち込み、真剣で、観客に「見せる」ことを一番にしている、流血さえもサービスであり、プロとしてそのショーにまさに「命」をかけている・・・ということが伝わってきました。
ランディはその世界が好きだったんだろうな。何を捨ててもそこで生きたかったんだろうな。
その結果として、家庭も、幸せで安穏な生活も、何も残ってなくても、彼は後悔していないんだろうと思えます。
試合のときの演説には滂沱の涙。
ちょっとカッコ悪くて、だけど、とってもカッコイイ男の生き様に、しびれました。
ストリッパーのキャシディを演じたマリサ・トメイにも拍手喝采を送りたいです。
宮廷画家ゴヤは見た ★★★★
面白かったです!

「ベルサイユのばら」で、フランス革命はよく知っているけれど、(いや、実際は「よく」は知らないんだけど)同じ時代、スペインでもやはりこんなに激動の時代があったのだと、まるで目からうろこが落ちるように感じました。そうだ、この時代は激動の時代だったのだ、と改めて実感しました。 魔女狩りと呼ばれる、異端審問。徹底的に弾圧される「魔女」たち。その犠牲者となったのは、ナタリー・ポートマン演じる、裕福な商家の娘、イネスでした。イネスへの残酷な拷問からは、この時代のカトリックがもつ傲慢さが窺えます。 カトリック、絶対王政、民主化、ナポレオン・・・善と悪の間を行きつ戻りつして、権力や勢力のあり方がコロコロと目まぐるしく変わった時代を垣間見て、とても感慨深かったです。 ゴヤ自身は、イネスを見守ると言う立場であり、この時代の趨勢を見守ると言う立場で、まさに「見た」人なのですね。ゴヤがその時代の活版印刷をするシーンがあるんだけど、印刷物が出来上がる手間暇の掛かった過程を見るも、とても面白かったです。
女工哀歌 ★★★★
今まで何も考えず、何も知らずジーパンをはいていたのが、申し訳なくなるようなドキュメンタリーです。 主人公のジャスミンは、四川省の農村から、丸2日かけて工場のある町に出てきます。
そこで朝の8時から働き、残業は夜の7時から、遅いときは2時3時まで働いてもらう・・と、言われます。彼女は17歳ですが、一緒に働いている少女は14歳。
ジーンズの山に埋もれて働くジャスミン、段々と疲労の色が濃くなっていくのが分かります。
とくに、納期前になると、徹夜の連続。
中国には労働基準法みたいなものはないのか?と思いますが、あるんだそうです。それを無視しているようですね。そんな工場の経営者は元警察署長。でも、少女たちを違法に働かせコキ使います。
タイトルの「女工哀歌」は、かつて「野麦峠」で知られる「女工哀史」を彷彿とさせますが、まさにそんな感じなんです。

そして「女工哀史」と同じく、それほどに一生懸命働いても、工場で働く少女たちが手にする賃金はごく僅か。ごくごくごくごく僅か。こちらの理解の範囲を超える低さです。
中国の女性はおとなしく、従順なので、無理を言っても聞く。だからこう言う工場では主に少女たちを雇うと言うのです。
見ていると、工場長が憎く見えてくるんですが、その工場長とて、ジーンズのブランド会社から、買値を叩かれています。
私たちが買っているジーンズの値段とのあまりの違いに、一体その差額はどこに行くんだろう?と疑問に思いますが、ほとんどがメーカー側が儲けにしているんですと。なんとがめつい。
映画を見ている間中、あまりの過酷な労働と低賃金に憤りを覚えずにいられないのですが、自分がどの立場にいるのかと考えると、居心地が悪くて仕方がない。
低賃金→低所得→安いものしか買えない→安いものしか売れない→コストダウン→賃金を下げる→低所得→安いものしか・・・と言う悪循環の発端はどこにあるのか。

「わたしたちが作ったジーンズは、誰が買うの。同じ世代の子が買うのかな。その子たちは働かなくても良いの?なんて運がいいんだろう。」という少女たちの呟きが胸に痛かったです。
そして、映画の終わりにジャスミンは「ジーパンに手紙をしのばせたい」と思いつきます。
いつか、私が買うジーパンにもジャスミンが書いた手紙が入っているかも。
入っていなくても、彼女たちが作ったかもしれないジーパンを、大事にはこうと思いました。
すごく稚拙な発想だけど、それしか、自分に出来ることがないから。

特典の監督インタビューがまた見応えあり。なんとこの1本撮るのに4年かかったと言うのです。逮捕されたり、没収されたり、退去勧告を受けたりで、すごく困難な撮影だったそう。 是非とも皆さんにも見ていただきたい一本でした。
ネバー・バックダウン ★★★

たまたま、現代版「ベスト・キッド」と言う言葉が私のアンテナに引っかかって借りてみた。(とくに「ベスト・キッド」のファンと言うわけでもないけど・・。)

転校先の高校で格闘技に目覚め、強くなっていく主人公を描いた青春物です。私はこういう、いかにも狙ったような引いたり寄ったりが乱用(?)されてる手振れ映像が大嫌いなので、最初はちょっと敬遠してしまったけど、見ているうちに内容に引き込まれました。 父親の死を自分の責任だと感じ、母にも責められているように感じてしまっている主人公、彼が格闘技の師匠に出会う事で、肉体的にも精神的にも大人になっていく過程がちゃんと描かれていて、なかなかの掘り出し物かと思いました。
画家と庭師とカンパーニュ ★★★
パリからふるさとに帰ってきた画家のところに、庭師としてやってきたのは、かつて学校で友だちだった元、国鉄職員。二人は旧交を温めながら互いを「ジャルダン」「キャンバス」と呼び合うように・・。 田舎で暮らし、「ジャルダン」の家族思いの素朴な人柄に触れることで、段々と身勝手だった「キャンバス」の内面にも変化が現れる。しかし、やがて二人にも別れのときが・・・。

とてもきれいな田園地帯で織り成す、いい年のオジサンたちの友情物語。世間的に評判はよいけど、物語に起伏があまりにもないので、私は正直言えば退屈に感じてしまった。最後まで見たら、お互いの友情の深さにストレートに感動したけど・・・。
ヤング@ハート ★★★★
平均年齢80歳のお年寄りたちのコーラス隊を追ったドキュメンタリー。 「おじいちゃん、おばあちゃんになってもこう言う趣味を持って楽しむのは、とってもいいことだ。歳を取ってなお頑張る姿には感動を覚える」と言う、そんな感想を抱くのではないかと・・我知らず予想していたような気がしますが、映画を見て打ちのめされました。

平均80と言っても、その歌唱力たるや、とてもとても歌の下手な私なんぞとは比較にならず、力強い発声、しっかりとした音程、リズム感、どこをとっても「ちゃんとした」コーラスなのです。 コーチもなかなか厳しく、妥協をしない。 「おじいちゃんだから、この辺で仕方がない」とか、そんなことは(全然ない、とは言えないと思いますが)ほとんどなさそうです。 そして、92歳のお嬢さんを筆頭に、みなさんお元気なこと。やっぱり歌を歌うことで色んな部分が刺激されたり鍛えられたりしてるのが、目に見えて分かる! しかし、病気で具合が悪くなる人も中にはいて、亡くなってしまう仲間もいます。 仲間を失うって、どんな年齢でも同じように悲しいと思うけど、高齢になればなるほど「次は自分か」と言う気持ちが大きくなったり、付き合いが長い分切なさが増したりするんだろうと思います。 でも、歌うことで悲しみを乗り越えていくんですね。 その姿を見てまた、こちらが元気をもらう・・・ありきたりだけど、そんな感じ。

こんな老後なら楽しいぞ、自分もこんな風に歳を取りたい、と思わせられます。 映画の取り方と言うか見せ方もスタイリッシュでカッコよくって、色んな曲が挿入されてて(もちろん、ヤング@ハートのナンバー)「ステイン・アライブ」のときなんて、そこに込められたユーモアにノックアウトです(笑)。 胸を打たれるって、こう言う映画ですよね。
いつか読書する日 ★★★★

映画は、田中裕子主演。何が面白いんだろう?と、他人から思われているような人生を送っています。早朝は牛乳配達、昼間はスーパーのレジ。贅沢せず慎ましい暮らし、判で押したような日常、恋人はなく趣味もなく、ただ本をたくさん買うには買うけど夜はいつも早々に寝てしまうので読む時間もない。でも、新聞の本の広告欄はチェックして、面白そうな本の広告は切り抜いて取っている。

そんな彼女が、岸辺一徳演じる市役所職員との間に、実は絶ちがたい思いを抱いていると言うのが追々分かってきて、これは大人のラブストーリーなんだと気がつきました。 親の都合で分かれさせられたような二人が、その後も実は長い年月思い合っているというのが、徐々に分かってきてすごく切ないというか、複雑な気分にさせられました。 岸辺いっとくが朝目覚め、田中裕子の部屋の蔵書を見て絶句するシーンが印象的でした。 なんというか、あのラストは・・・。振り返ってみれば色々と伏線があって唸ってしまったんですが、「そんなぁ・・」と思う気持ちと「もういいんだね」と言う気持ちと半々。

この主人公の田中裕子の人生をまさに「何が面白くて生きているんだろう」と憐憫の気持ちを含めて見守ってる女性作家がいます。 映画を見ている人間のおおかたは、この女性作家のような感想を持って、主人公の人生を見てしまうと思うけど、中にはこの主人公の姿に「開放感」を感じる人もいると思うな。 作家のほうは、だんなさんが認知症になってしまって、これからの介護が大変そう。だけど、一人で暮らしている主人公にその苦労はないもん。 不幸とか、幸福とかははたから見て他人が決めるものじゃなく、本人が決めることだと思うし。彼女は満足しているんじゃないだろうか。一度の逢瀬を胸に抱き、一生を思い出と共に送る。老後の人生が寂しそうにも感じるけど、あるいはそこには自由があるようにも感じる。 地味ですが、忘れられない映画になりそうです。 長崎の町の景色が独特でよかったです。 坂が多くて大変そうだけど。 病人が寝ている大きな窓から見える風景や、その部屋、作家たちの住む部屋、主人公の本棚なども見応えありました。
カッコーの巣の上で ★★★☆
物語は、主人公のマクマーフィーが、刑務所の重労働がイヤで逃れる為に精神病を装い、精神病院に入院してきた所から始まります。特に大きな精神障害を持っていない彼は、たちまち院内のリーダーシップを握ります。患者たちには宿敵でもある、婦長の理不尽な拘束や差別を目の当たりにして、マクマーフィーは院内でちょっとした「反乱」を起こします。勝手に外に出て行ったり、仲間を連れ出したり・・、野球(ワールドシリーズ)を見せろといったり、何かと婦長にたてつくのです。

しかし、そうした反抗的な行為は、マクマーフィーにとって「退院」出来なくなることだったので、それを知った彼はこのままでは一生ここにいなければならないと思い、逃げ出す決意をします。 ところが、あまりにもトンマなことに、逃げ出す際に監視の職員をごまかすためにもうけたバカ騒ぎのお酒が過ぎて・・・・。

++++++++

うーん・・・・なんとも悲しい物語でした。

精神病院の人権侵害が、思ったよりも酷く描かれてはおらず、ちょっと拍子抜けしたのと、ニコルソン演じるマクマーフィーが、労役をサボりたいが為にこの病院にやってきたことから全ては始まったので、結局のところは「自分がまいた種では」と思ってしまいます。そもそも、犯罪を犯して刑に服していたんだろうし・・・。 ただ、マックがやってきたことで、院内のほかの患者たちが楽しそうに生き生きとしていたのは、印象的でした。特に、最後に死んでしまう若い患者の彼は、マックを慕っておりそこに芽生えた友情は感動的だったので、マックが逃げると言った時の別れのシーンは胸打たれました。 彼が最後に自殺してしまったときの、マックの怒りなんかも、胸が詰まりました。 今ではロボトミーの手術はないようだし、若い人は知らないのかもしれませんが、実際に行われていた事で、とても恐ろしいです。すごくショッキングでした。 結局、口が利けないと思っていたネイティブ・アメリカンの青年チーフが、マックの代わりに病院を脱出。その前に彼がしたこともまた、かなりショッキングで、逃げたチーフの後姿が開放感と明るい未来を象徴しているにしても、物悲しい虚しさの残る作品でした。
向かいの窓 ★★★☆
甲斐性のない夫との生活、パティシエになりたいと言う夢を持ちながらも、食肉工場で漫然と働く主人公。あるとき迷子の老人を拾います。記憶喪失らしいその老人を家に引き取り、老人の身元を探るうちに、それまで口も利いたことがない向かいのアパートに住む若い男と、懇意になっていく主人公・・・。そんな時、老人の身元が判明して・・・・。

つまるところは「不倫もの」なのかもしれませんが、なんだか胸に残る映画でした。 思い描いている理想の生活ではない、毎日をただ、仕事や子どもや夫の世話に追われ過ごす日々。そんな生活から抜け出すきっかけが、もしもあったら・・。 主人公にとって、その「きっかけ」がふたつ、同時に現れたようなものです。 ひとつは、今の家族と一緒にかなえられる夢、そして、もうひとつは今の家族を捨てなければかなえられない夢・・・。揺れる主人公の気持ちにとても共感できました。(そんな経験はないにしろ(笑)) しかし、誰かが自分の知らない所で、自分を想っていてくれる・・・って、半分はとってもロマンティックですよね。(わ、ロマンティックだって、死語?(笑)) 半分は、ストーカーか?と、気持ち悪いけどね(笑)。相手によりますよね。この映画ではめっちゃ若くてイケメンだから、よろめく主人公の気持ちは大いに分かる(笑)。 よろめきながらも結局もとのさやに収まるあたりは、ちょっと「マディソン群の橋」を思い出したし、拾ったおじいさんに親切にしたら果報があったとは、昔話のようでした。
その土曜日、7時58分 ★★★☆
兄弟して親の宝石店に強盗に入って、金品をせしめて借金返済にあてる・・・・。 と言う計画だったけれど、失敗して、家族全員どん底に落ちていくという物語。

時系列が各視点からバラバラに進行するので、不思議な感じだけど、だから一時に見えなかったことが徐々に見えてきてそのつど「そうだったのか」と思いながら見た。その分緊迫感が増したように思う。 内容はあまりにも救いがたい。この兄弟の浅慮なコトと言ったら唖然としてしまう。 その馬鹿さかげんに逆に見入って、ぐいぐいと引っ張られた感じだけど、そのうちに浮かび上がる兄の弟に対するコンプレックスと愛情の入り混じった複雑な感情に、胸が締め付けられました。 感想と言っても、言葉もなくただ虚しい気持ちにさせられたのだけど、見応えがある作品でした。
アストロノーツ・ファーマー ★★★
ロケットを自分で作り、自分の力で宇宙へ行き、地球の姿を見ると言う夢を持つ男が、その夢をかなえんとする物語。 感動作(?そこまで私は感動しなかったけど)なんだけど、見ている間は面白いんだけど・・・でも、どう考えても民間人が自分だけの財力や技術でロケットを作り、宇宙へ行く事ができるのか?NASAのように最先端のそのまた最先端技術を持ってしても、打ち上げに失敗してしまう事があるというのに・・・、その場合は悲惨なことに乗組員が一挙に全員死んでしまうこともあるというのに・・・。 やろうとすることが無謀だし、ムリがあると思えました。どうやってあんな「小屋」で、あんな精密機械を作るんだろう?????とハテナがいっぱい。 100歩譲って、いや、千歩譲ってそれを「映画だから」「ファンタジーだから」と思って見てみれば、そこそこ楽しめる映画なのかも・・・・・。 ただそれでも、この奥さんのように、こんな無謀なチャレンジを無条件に応援したりサポートしたり出来ない。有り得ないです。生活はどうするんだ。一瞬奥さんも目が覚めるんですけどね、でも、また今度は以前より以上に旦那さんを応援してサポートして、そのうえ「子どものためにも夢をかなえて」って、まったくそんなアホな・・・ですわ。上手い具合に、借金返済の目処まで立ててね・・・。 繰り返すけど、映画としてはそこそこ見られますが、後からよくよく考えてみると、ちょっとバカバカしい感じだったかなぁ・・・。そう感じるのは私が「夢」を理解しない女だからなのかなぁ。
ハリー・ポッターと謎のプリンス★★★☆
今回は6作目? ヴォルデモードの魔の手がどんどん近付いてきて、いよいよ最終決戦が近くなっています。 が、そんななかでも、フォグワーツの中では、愛だ恋だ、キスだパーティーだ、と、結構のんき。 私がハリーポッターの一連の中で好きじゃないのは、映画の中で沢山のエピソードが細切れのように詰まっていて、だからと言ってそのエピソードがつながってないというところ。 色んなエピソードの羅列がハリポタの魅力なのだろうけど、私はそれがスマートに感じられず「さっきのアレはナンだったの?」となってしまうのです。 今回も、ヴォルデモードが迫っていると言う割りにのんきな学園生活が繰り広げられ、違和感がありました。 文句言ってる割りに、毎回必ず映画館で見る。 次回も見ますよ。

さんまのからくりTVで、番組がオーディションをして一人の女子高生をレポーターとして送ってましたね。あれは面白かった。彼女、とってもいいキャラでした(^ω^)。 そこで登場した、ロンやハリーはすごくフレンドリーで楽しい感じでした。(レポーターの彼女がハリーに送ったプレゼントが笑えた。なんと「判子」です。「わお、誰の判子?」とハリーに聞かれて「私の」と答えてておかしかった!人選、すごいですね) ハリー、段々オッサン臭くなってきていやだなぁと思ってたけど、あの「からくりテレビ」で見たハリーは、普通に少年ぽくって爽やかで良かったです。 映画でも前回よりも却って若返ってた感じがしましたね。 ハーマイオニーが健気で泣けました。ロンはバカだな(笑)。
彼が二度愛したS ★★★
ある会計士が、一人の弁護士に出会ったときに、それまでひたすら地味だった彼の生活が、すごく刺激的になっていく。極めつけは、弁護士が入っていたらしい謎のクラブに出入りするようになった事。そのクラブとは、セレブな男女が後腐れなく一晩共に過ごす事ができるクラブ。 そのクラブでのアバンチュール(って今言わないですか?)にのめりこんでいくうちに、一人の女性を本気で愛してしまう。ある夜その女性が忽然と姿を消し・・・。 弁護士の正体は?目的は??女性はどこに?

と言うサスペンスなのですが、もう言っちゃ悪いけど、ヒュー・ジャックマンガ最初っから悪いヤツにしか見えない胡散臭さプンプンなのです。会社内での同僚たちと喋ってる場面だって、「みえみえ」なんですよ。ユアンはいかにも「カモ」にされてるぞ、と言うイメージ丸出しだし、白けるぐらい「ありがち」な設定だと思いました。 何から何まで想像の範疇。初めてこう言う作品を観る人なら楽しめると思うけど、ちょっとでも観て来た人にはそんなに目新しくも面白くもないと思います。 つまらん!って言うほどではなく、見てる間はそれなりに面白く感じたんだけど。 ごくごく、フツーって言う感じでした。期待した分、ガッカリしたかも。
やわらかい手 ★★★★
こんなに内容紹介するのに困る作品だとは見る前には思いませんでした。 ともかく、孫の大病でお金が必要な初老のおばさんが、働き口を探すもなかなか見つからず、たどり着いた就職口は、男性を手で満足させると言う風俗業だった、しかし、意外にもその持ち前の「やわらかい手」が業種にマッチし、みるみる顧客の心をつかみ、連日行列が出来るほどの人気ぶりになってしまうという物語。 このオバサンが亭主に先立たれ、「そういうこと」は数年「なし」であるとか、この年代の女性はそういう人が多いのかもしれないけど(宗教の関係もありか)とても初心で、その店のオーナーとの会話がなかなか通じなかったりするシーンとか、いやいや始めた慣れない仕事に、段々と慣れて行き馴染んでいく感じとか、人気が出て給料も上がり、財布が大きくなるところとか、特殊な腱鞘炎とか、行列をなす男たちの姿とか、ブラックながらもほのぼのとした笑いのツボもあって、面白かったです。

孫の為にやってることだけど、そりゃ家族にしたら冷静ではいられないですよね。特に息子は神聖な自分の母親がそんな仕事をしていると言うことは、受け入れられない。自分の息子に売春婦と大声で罵倒される気持ちとは・・・彼の息子のためにしていることなのに(ひいては彼の為にでもある)・・・・「ありがとう」の一言もなく・・・わが身の出来事のようにとても悲しい気持ちになりましたよ。私だったら怒鳴りつけてると思うな〜。

この辺の主人公マギーの気持ちは、息子には分からなくてもきっと息子の妻には分かってもらえるのじゃないかと思ってました。そりの合わない息子の妻だけど、このマギーの「覚悟」が分からないようならダメだ・・・・と思いましたね。やっぱり女の気持ちは女にしか分からないのかな。

マギーのおすましの友だちの反応も面白かったです。 マギーの死んだ亭主も、死に際に余計な告白をしていったもんだ・・と思ったんだけど(だって、死んでいくほうはそれで気がラクになるのかもしれないけど、言われたほうは、責める相手はこの世にいないし、一人悶々と苦しまねばならないと思う)この際は、本当のことを知っていたからこそ、おすましの友だちに逆襲できたんだから、結果オーライだった部分はあるのかも。 そのほか仕事の「センパイ」の女性とかも印象的。色んなタイプの女が登場して面白かった。 ニコもね・・・! よく見てみれば、ジャケット写真がグー!(笑) とても気に入りました。この映画。
永遠のこどもたち ★★★★☆
子どもの頃孤児院で育ったラウラは、結婚し、夫妻に養子を迎えて再び孤児院として使われていた家に戻ってきた。自らも孤児院を立ち上げ、子どもたちと暮らすために。 しかし、その家では不思議な出来事が・・。息子のシモンが空想の友だちを作り、その影がそこかしこにいるようだ。いよいよ、孤児院の歓迎パーティーのとき、シモンが忽然と姿を消してしまう。 どんなに探してもシモンの姿はなく、やがて月日がたち・・・。

「パンズ・ラビリンス」のデル・トロ監督製作だけあり、耽美的でどこか物悲しい映像に、どっぷりと浸りました。最初から、なんとなく怖い感じ。子どもにだけ見えて、自分には見えない「友達」がいたりとか古典的な怖さなんだけど、やられてしまう。 子どもがいなくなり、必死に探すうちに夢なのか現なのか分からない感じになって(その辺りが怖い)結局最後まで見ても、それは分からない・・・最後の最後に「ああ、そうだったのか」という驚きと悲しさがあるのが、今まで見たこの監督(この映画では製作ですが)に共通するこだわりというか、オチと言うか。ちょっと打ちのめされてしまいます。 同じ監督の「デビルズ・バックボーン」もそうだけど、「子ども」を使うのがすきなんですね。

グッと心をつかまれる、悲しく美しく愛情深い物語。オススメ。
スノー・バディーズ 小さな5匹の大冒険 ★★★
別々の家庭で幸せに暮らしていた5匹のきょうだいワンちゃんたち、あるときアラスカに運ばれてしまい、そこで犬ぞりレースに出ることになった・・・・という だけの話。 何のひねりもなく、ただ、予想の通りに進んでいく。こんな話でいいのか??と思うほどあっけないストーリー展開。 ただ、犬は可愛いです。 それだけ。。。。!
ワイルド・バレット ★★★★
【ストーリー】 イタリアン・マフィアの組織に所属するジョーイの仕事は「殺し」に使用された銃の後始末。今回はボスの息子トミーが、麻薬取引の現場に乱入してきた警察官を射殺した拳銃の始末を任される。しかし始末したはずの拳銃が、ジョーイの隣家の発砲事件で使用されてしまう。発砲したのはジョーイの息子ニッキーの親友オレグ。虐待されていたオレグが養父に銃を向けたのだった。なぜ始末したはずの拳銃が? オレグと共に消えた拳銃を探して、ジョーイは夜の街へと走り出すが…。(Amazon)

ポールの演じるジョーイって、言葉は悪いし素行もがさつで下品だし、いいところがない!!と思って見ていたが、やっぱり段々とカッコよく見えてくるから不思議ですね。拳銃を盗んだ、自分の息子の友だち(これがまた、可愛くない子で、笑わないし無表情・・その理由はちゃんとあるのだが)を、殺すために探しているんだと、こっちは思っていた。だから「こいつ、サイテーやな」と言うのが感想。 それだけで終わっては映画はつまらないから、たった一晩の物語なのに、あれもあり、これもありとてんこ盛りの内容。スリルとサスペンスの一夜です。だけど、「24」シリーズみたいにゲップが出たりはしない。ずっと画面に釘付けになってました。途中、へんてこりんな感じの部分もあったけど・・・(オルグが迷い込んだ夫婦の部分)。

悪くみえて、段々とカッコよくアップしていくと、もともとのカッコよさよりも2割〜3割り増しでカッコよく見えるから、見終わったときのポール・ウォーカーのカッコよさと言ったら、ちょっと感動モノ。ちょっとカッコよすぎて、ずるいぐらいかも。 いやいや、見直しました。 オススメ!
ファニーゲームU.S.A. ★★★
バカンス先の別荘で、これからワクワクするような楽しい時間を過ごすはずのある家族が、見知らぬ闖入者によって意味も分からないまま恐怖のどん底に落とされていく・・・・。 と言う、オーストリア映画「ファニーゲーム」の監督、ミヒャエル・ハネケ監督による、アメリカ版セルフリメイク作品がこちら。

ともかく気味が悪く気分の悪い映画なんです。有り得ないほどに観客の気持ちを、徹底的に悉く裏切っていく展開には、見ているこちらはストレスがたまる一方。 事実は小説より・・・・というごとく、実際の事件にはそれはそれは残酷で恐ろしく正視に耐えないものがたくさんある。観客を嫌な気分にさせる素材と言うのはいくらでもあるのです。 しかし、この映画は多分、そういう直接的なシーンや描写を使わずに、まったくのフィクションで、どれだけ観客を嫌な気持ちにさせるか・・ということに敢えて挑戦している映画のように見えます。 ともかく、観客をバカにしているのか・・と思う場面もあり、ムカムカの連続なのです。 もちろん、ドキドキハラハラ・・・怖い!と言うのもある。 私が今までに見た映画の中でダントツに怖くて嫌な気分になる映画。 ・・・・のリメイク作品なので(しかも同監督のセルフリメイク)見たのですが・・・。 こう言う映画はインパクト第一なので、オリジナルを見たときの、あのえもいわれぬ衝撃や、気味悪さなどはやっぱり前回ほどには感じられませんでした。 忘れっぽい私だけど、オリジナルを観たときのストーリー展開もおおよそ覚えてたし(それだけ印象深い映画だって事です)新鮮味がなかったと言うのは一番大きなマイナス。 なんでリメイク作品を作ったのかな〜と思います。でも、説明して欲しくない。映画の中の犯人たちが説明しないのと同じように、監督も寡黙に・・・。

一家の息子にデヴォン・ギアハード(Devon Gearhart)。チェンジリングに出てたそうで。いわれて見れば、あの役の子かな?確かな演技に釣り込まれました。
マンデラの名もなき看守 ★★★★
ネルソン・マンデラ氏は南アフリカ共和国の、黒人として初の大統領となった人物。 アパルトヘイト政策がなくなるまで、27年もの間、投獄されていたのです。 この映画はマンデラ氏の投獄された監獄の看守となった男が主人公。 男は、幼いころにマンデラの部族の近くに住んでいて、彼と同じ言葉を話す友だちを持っており、彼らの言葉が分かる為に、政府の「スパイ」的な役割を背負って看守となり、その任務を行ううちに出世していきます。 最初は、主人公はアパルトヘイトに対して疑問もなく、黒人は差別されて当然の存在だと思って、自分の昇進が一番の関心で、妻や子どもにいい暮らしをさせたいと思っている。 でも、マンデラの精神に触れ、段々と感化されていく。そんな主人公にマンデラ氏も心を開き、やがて二人の間には友情とも呼べる感情が芽生えていく・・・と言う物語です。 だから、最初のうちはこの主人公、イヤ〜な感じのヤツだったのですが、段々と変わっていくところにグッと心を引かれました。それが、急激に変化するのじゃなく、長い年月をかけて・・・というあたりが、リアリティを感じさせます。理想的な行動は、思うよりも難しいに違いない。上司や家族と、マンデラの間で苦しむ主人公にとても同情したし、また好感が持てました。奥さんにも変化が現れるんですね。とても印象的です。静かな感動と余韻を呼ぶ作品でした。

マンデラ氏が日本に来たときのことは、覚えてはいるのですが、それ以前にこんな過酷な投獄生活(27年も!その間に息子を喪ったりもしている)をしていたとは、全然知りませんでした。 映画でも「遠い夜明け」など、アパルトヘイトを扱ったものを多少は見たことはあるけれど、どれほどの差別が行われていたかと言う事はほとんど知らず、これを機に調べてみたくもなりました。 アパルトヘイトがなくなったからと言って簡単に社会が上手く行くわけでもないらしく、今でも難しい政情のようです。
ファーゴ ★★★★☆
「ノーカントリー」のコーエン兄弟による、実際の事件を忠実に再現したらしい映画。 こちらのほうが製作は前になるけれど、BGMなどの盛り上げる感じもなく、淡々と、酷い事件が起きていくのが、とても「ノーカントリー」に似た雰囲気。 だけど、断然こちらのほうが面白い。 主人公は、なぜなのか分からないけどお金に困り、自分の妻を狂言誘拐して、義父から身代金をせしめようとします。しかし、頼んだ相手が悪かった。とんでもない男たちに頼んでしまったせいで、どんどんと窮地に追い詰められていく主人公。そして、事態は思わぬ方向に転がっていってしまい、誰にも止めようがない。。。どうしたらいいのか、まさかこんな結末が待っているとは。。。 ノンストップサスペンスコメディ。

・・・・しかし、私にはとても「コメディ」には思えなかった。実際にあった事件で、しかも忠実に再現したと言うのは、映画の冒頭にテロップで出されるので、あまりにもひどい成り行きに驚くほかないのです。これがもし全くのフィクションだったら「ちょっと中途半端」とか、思っていたかもしれないけど、実際にあった事件なのだから(しつこい)恐ろしいやら情けないやら。 そう、主人公のあまりにも浅はかさに、情けないのです。アホか、アンタは。こんな事態を引き起こしてどうするつもりだ。と言う気持ちも沸いてくる。 先日見た「その土曜日、7時58分」という映画にも、事件の持つ雰囲気がとても似ていた。安易にお金を奪おうとしては、どツボにはまってる。情けない。両方の映画とも、男どもがなぜそんなにお金がほしいのか、どうやってそんなに借金をしたのかっていうことは描かれてなかった。きっと同情にも値しない理由で借金をこさえたんだろう。ほんと、バカ。 人間の愚かさを描いたとても面白い作品でした。満足。しかし、実際にあった事件と思うと、「面白い」とは、なくなった方々に失礼だと言う気もしますが・・・。
ダウト ~あるカトリック学校で ★★★☆
感想
再会の街で ★★★☆
歯科医として成功を収めているアラン(ドン・チードル)は、ある日大学時代のルームメイトのチャーリー・ファイマン(アダム・サンドラー)を見かける。久しぶりに再会した彼は、9.11で家族を亡くしたことで、自分の殻に閉じこもりまともな社会生活からは、はみ出していた。なんとかチャーリーの心を癒そうとするアランだったが・・・・。

9・11で家族を亡くしたチャーリーの姿には、とても胸が痛む。妻の両親から憎まれているチャーリーだけど(憎まれる原因はチャーリー自身にあるが)、両親のチャーリーへの感情のなかには、「お前だけが全てを忘れて刹那的な生き方をしているのはずるい。自分たちは毎日毎晩娘や孫たちのことを思い出して悲嘆に暮れてしまうのに」と言う気持ちがあったのではないかと思えた。 ただ、家族を一度に亡くしたら誰もがやはり、大きな苦しみを抱えるので、9.11によって・・・と言う設定には、どこまで意味があるのか?と思えましたが。 友達思いなのは分かるけれど、はたしてアランのしたことは「正しい」のか?正しい事と正解はかならずしも一致しないのではないか・・・とても疑問に思う。放って置いてやることは間違っているのだろうか・・・。本人の安らぎがそこにあるのならそれはそれでいいのではないか?と言うのが素朴な疑問。
アルティメット ★★★☆
内容(「Oricon」データベースより) リュック・ベッソン製作&脚本、CG・スタント・ワイヤー一切なしのノンストップリアルアクション。近未来2010年、パリ郊外の無法地帯バンリュー13に時限爆弾が持ち込まれた。ダミアンは国を守るため、レイトは妹を救うため、無法地帯に潜入する。タイムリミットは24時間。己の肉体のみを武器に2人の男の最後の戦いが今始まる…。

これは100%アクションを楽しむための映画。感想とか・・あんまりないですね。 冒頭に見られる「パルクール」と言う競技を使ったアクションがとにもかくにも最高にエキサイティング。 アクションだけの映画なのに、全然飽きずに見られるのはすごいと思う。 主人公のレイト役の俳優さん、あの刺青はホンモノでしょうか・・・・・。
ノエル ★★★
クリスマスの夜を寂しく過ごす3人の男女に訪れる、ささやかな奇跡の物語。 もちろん、ポール目当てに見たのですが、意外にも心温もるなかなか素敵な群像劇でした。 ポールが演じているのは、恋人との結婚を間近に控えた警察官。これまたハマっておりました。でも、この彼がものすごく嫉妬深く、恋人に近寄る男性は何人たりとも許せない。これには恋人も困ってしまっているのだけど、案の定クリスマスイブにもケンカをしてしまう。。。。 そのうえ見知らぬ老人に「妻の生まれ変わり」と勘違いされるし、散々なクリスマスイブの夜。 その恋人役を、ペネロペ・クルスが演じているのだけど、この人のイメージが私はトム・クルーズの恋人だったときのイメージに固定されていて、「ブロウ」くらいしか見たことがなかったんだけど、印象には薄かったのです。でも、今回、彼女のメヂカラに驚きました。あんな瞳で見つめられたら男性はイチコロでしょうね・・・。 もう一人の主人公、スーザン・サランドン。自分のこともわからないアルツハイマーの母親の介護を続けて10年、夫とは別れ子どももなくひとりきりの生活。同僚と恋人への一線を越えられるかと思いきや、どうしても自分を解放できず、寂しいクリスマスイブ。そんな時、母の入院する病院で隣の病室にお見舞いに来ていた男性(ロビン・ウィリアムズ)と一晩一緒に過ごす羽目に。 そんな寂しい思いをした人々に、ガラスの天使がちょっとした「奇跡」を与えます。 まぁクリスマスをテーマにした作品ですから、後味のいい作品になってますね。 ポールも良いけど、ペネロペやスーザン・サランドンが存在感ありました。 しかし、「君は妻の生まれ変わりなんだ」とか言い寄られたら困るわね。。。(^_^;)
ワイルド・スピード ×2 ★★★☆
数年前にこのシリーズの第一作を見たときは、どちらかと言うとヴィン・ディーゼルにインパクトがあり、ポール・ウォーカーには全然食指が動かなかったんだけど、なぜか今急に唐突にハマってしまっている。なぜでしょう・・(笑)。シリーズ第一作が2001年作品、この×2が2003年作品。見ようとも思わなかったものです。 そんな私なので第一作の話は忘れてます。大体のところ(ポールの仕事など)は覚えてるけど。 でも、そんな感じで×2を見ても大丈夫、充分楽しめました。 今回の相棒は、ブライアンの幼馴染。逮捕歴が在るけれど、それは警官になったブライアンのせいだと思い込んで逆恨みをしている。。けれども、結局いっしょに過去と同じような仕事をするという話。 みどころは相変わらずカーアクション。クルマの事はよくわからないけど、GTRとかランエボなどの日本車も登場してるみたいで、ポールの乗ってた車はスカイラインでしたかね。違ってたらごめんなさい。。。 ともかく、かなり楽しんでみることが出来ました。ストーリーとしてはどうなんでしょう。普通かな。
イントゥ・ザ・ブルー ★★★☆
ダイバーのジャレットと恋人のサムは仲間たちと海中で、財宝を積んでいると噂される伝説の沈没船を発見した。お宝発見とばかりに、船を引き上げようとしたが、同時に麻薬密輸機も見つけてしまう。そして、その麻薬密輸機の行方を追うギャングたちに遭遇…。(Amazonより引用)

ポール・ウォーカーの細マッチョも見応えあるけど、同じ女性ながらジェシカ・アルバの肉体美にも目を奪われる。話自体はよくある話のようだけど、とても楽しめた。ともかく海がきれいで、水の中を泳ぎ回る主人公たちの姿に見飽きない。自由奔放で開放感の感じられる人生。そのうえにお宝とは・・・うらやましい限りです(笑)。
南極物語 ★★★
この映画はご存知、高倉健主演の「南極物語」のアメリカ版リメイク。 ポール・ウォーカーが出てなかったら観てないと思うけど、出ているので観る事に。 日本版も観たはずですが、あんまり、覚えてなくて・・・(^_^;) アマゾンのカスタマーレビューには「日本の映画にあるような悲愴感がなくなっている」というのがありましたが、そうかも・・。 でも、犬たちが良く訓練されていて、撮りかたもうまく、本当に犬が演技をしていると言うか迫真の演技なのですね。かわいいことかわいいこと。 ポールと犬を観る価値はあると思いますね。
サマーウォーズ ★★★★☆
感想
ワイルド・スピードMAX ★★★
感想
私の中のあなた★★★★
うーん、泣ける!と聞いて出掛けましたが、やっぱり泣けました。(この場合、泣けるというのは、可能動詞じゃなく自発動詞で・・) ★★★★ アナは、白血病の姉、ケイトのドナーとなる為に遺伝子操作で人工授精して生まれた子ども。11歳になるまで、臍帯血移植に始まり、自身も感染症にかかるほど過酷な治療を受けてきたが、いよいよ腎臓移植と言う段階に来て、拒否する為に親を訴える。 と言う物語。で、本当に具合の悪くなったケイトの回想シーンを含め、ともかく14歳で過酷な病気と闘っている少女の姿に涙涙。自分にも同じ年頃の娘がいて余計に。 自分だったらどうするだろうなー、と考えながら見ました。親として、姉妹として、ドナーとして、レシピエントとして・・・色んな立場から考えさせられましたが、やっぱり母と娘の関係にぐっと来た。 と言っても、母親に共感できたわけではありませんが。。。。共感できなかったからと言って反感を持ったのかというと、そうは単純な話ではなく、想像の範囲外でしかないのだから共感も反感もないと言うか気軽に言えない感じです。 その中で一番考えさせられたのは妹の立場。 姉への臓器移植を強要される、断っても後悔し、受けても後悔しそう。どちらにしても幸せになりそうにない・・生まれてくる以前にそういうことが決められているなんて・・・断わろうが受けようが残酷な選択ではないのだろうか。。と思って、グルグルとこの妹の気持ちを考えていました。 ちょっと帚木さんの「エンブリオ」を思い出したんだけど・・。やっぱり今後は救命第一ということで、こういった治療も一般化していくのでは?と思ってしまいます。技術があるのなら、そして、命が助かるのなら・・ひとはきっとどこまでもやると思う。果たしてそれは正しいのか否か。自分には答えが出せないとても深く難しい問題。 だから、この映画はどんな結果で終わるんだろう?と、ものすごく期待した。自分に出せない答えを出してくれるんだろうか?と。 しかし、上手くはぐらかされてしまいました。 でも、映画だからこれでいいんだろうなと言うことで。
THIS IS IT★★★★★
余計な言葉は要らない。 カッコいいの一言、それだけあれば感想に足りる。 ★★★★★ とは言え、言いたいことがたくさん。 それでも一言で言うなら(笑)、迫力に圧倒されました。 スリラーとかビリー・ジーンとか、有名な歌は私も知ってるけど、特にマイケルジャクソンのファンじゃなく、どちらかと言うと「奇矯(エキセントリック)」と言うイメージを持っていました。今回の突然の死亡も「ひょっとして自殺?」と思ったほど。 でも、この映画を見たらほんと、すごい人だったんだなぁ・・と。 ダンスはyoutubeで見てましたが、改めて大画面で見ると迫力が違う〜。 頭の頂上から一本の糸か棒が出て、宙からその糸か棒で支えられているように、軸のぶれないダンス。何気ない一挙一動が「ピシ!」「パキ!」とすべてキマっている・・・・と、きっと改めて書かなくてもいいんだろうけど。声、ダンスとも、その美しさに泣けてくるほどでした。 また周囲のダンサーやミュージシャンたちの中でのマイケルの圧倒的な存在感、カリスマ性も垣間見られて、人をこんなに惹き付けるその人物の大きさや魅力を改めて再認識。奇矯・・などと言ってゴメンね(^^ゞ リハーサルの中でもとことん細部にこだわり、妥協しない様子からは、ステージに掛ける意気込みやファンへのサービス精神も見えました。 「怒ってるんじゃないよ、これは愛なんだ」と言っていました。スタッフなど周囲の、マイケルへの気の遣いかたは半端じゃなく、腫れ物に触るように「こっちの言うことを聞いてくれてありがとう」連発だったので、いつ怒り出すのか?ちょっとしたことで、へそ曲げちゃうのか?と言う感じはしましたけど、実際にへそ曲げてるところは見えず、怒る場面はほとんどなくて、寛大な感じにも見受けました。 コンサート、あそこまで舞台装置や映像やダンサーたちとのリハーサルも出来ていて、それなのにその直前で死んでしまったんですね。改めて、気の毒でたまりませんでした。すごく無念だったろうな〜。キャストや周囲の人たちの落胆も想像に余りありましょう。 あそこまでかかったお金も半端じゃなかっただろうに・・と下世話なことまで考えてしまう。費用は回収できるの?と余計なお世話ですが本気で心配になりました。映画を見てそのお代金が微々たりとも一部になるんでしょうか?(~_~;)。うまいこと出来ていて私なんぞが心配しなくても良いんでしょうけど、チラッと思えてしまいました。 ともかく感動的。 「ブロードウェイ・ブロードウェイ」と言う「コーラスライン」のオーディションから練習風景を扱ったドキュメンタリーがあるのですが、他の人も言ってるけど髣髴としました。見てよかったです。もう一度見たいぐらい素晴らしかった。。。
Disney'sクリスマス・キャロル★★★
有名な物語を、ディズニーが映画にした。。予告も面白そうだったし、ぜひとも3Dで見ましょう!!と、娘たちと一緒に見に行きました。 3Dは吹き替えだったのですが、ウチラ親子は山寺宏一さんの大ファン。喜び勇んで見ました。(他には安原義人さん、森川智之さんなど出演) 冷酷非情で金の亡者である金貸しのスクルージ。社員のボブにも安い賃金しか支払わず休みも滅多にやらず、暖房費もケチり、クリスマスと言うのに甥っ子の誘いも断り、寄付もせず、ともかく強欲でイジワルな老人です。そんなスクルージのもとに現れた3人の精霊たち。彼らによって自分の、「過去」「現在」「未来」を見せられたスクルージは・・・ という、誰もが知っている古典の名作です。 物語は分かっているので、ディズニーがどう料理するか・・っていうことが見ものです。 でもまぁ思ったよりも「フツー」だったかな。ストレートに、そのまんま。いや、原作をきちんと読んだ事はないんだけど、真っ当な感じに見受けました。 私たちは3D映像で見たので、迫力があったしすごい臨場感で楽しかったんだけど、ある意味では3Dだったから楽しめたのでは?と言う気もします。
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程★★★★
子どもの頃のニュース映像をなんとなく覚えている程度の知識。ときどき、特番「昭和の大事件を振り返る」みたいな番組でも目にした事があるので、自分の記憶だけではないですが。。。 ものすごく恐ろしい映画で、衝撃を受けました。ホラーもスプラッタも平気で、ばっちこい!の私ですが、その私が怖かったって言うんだから、本当に怖かったんですよ。(と、ヘンな自信) まず、実録映像を交えて、1960年の安保闘争から、世の中が騒然としている中で、ブント、革命左派、赤軍がアメーバのように融合分裂をくりかえして、ついには「連合赤軍」が出来上がっていく様子が描かれます。 そして、逃亡の末に山岳ベースを基点に潜伏を図る、その山岳ベースで「総括」という名目での、リンチ殺人が続発するようす。そして、ついにはメンバーのなかで最後まで残ったものが、あさま山荘に立てこもり逮捕されるまで。という、全体の様子がよく分かるような、ドキュメンタリー仕立ての映画です。登場人物たちの名前も、被害者も犯人も実在の人物の名前です。 特に怖かったのは、なんといっても山岳ベースで起きたリンチ殺人。もともとは本人たちは崇高な理念を持って活動していたはずなんですが、一体なぜこんな事態になってしまったのか。リーダーの森恒夫や永田洋子の考え方に反論を持つ人たちがいても、それを口に出せないであまつさえ、殺人に加担してしまうという、暗い心理。マインドコントロールと言う側面もあっただろうし、ひとたびリンチに手を染めれば、その罪によって身動きが出来なくなり、罪に罪を重ねてしまうという悪のスパイラルにハマってしまったのか・・・。本当に怖いことです。 リンチ殺人の被害者、遠山という女性に対する仕打ちなどは、目を背けたくなるほどで(その割りにこのシーンを何度も見てしまいました)残酷この上なかったです。それを坂井真紀さんが熱演してて、ほんとうに彼女がリンチされているような悲愴感でした。自分で自分の顔を殴れ・・と言ってですね、ぼこぼこにしておきながら、永田はその顔を鏡で確認させるんです。全編通して、このシーンが一番印象的で残りました。女の怖さがこれでもか!っていうほどに感じられました。坂井真紀さんのほかに、登場人物の誰もが、リアルでした。永田洋子の冷たく睨みつける氷のまなざし、森恒夫の相手を震え上がらせるほどの恫喝の声、迫真でした。 例のあさま山荘のシーンでも、管理人の奥さんの受難には言葉もありません。あれは奥さんの身の安全をちゃんと考慮しての突撃だったのか・・・。山荘をメチャクチャに破壊され、自身の身の安全も危うくさせられては、もしも私だったら助けられたとしても人間不信になってしまいます。 PTSDなんかも大きかったのではないでしょうか?今のように「心のケア」などと言わなかった時代なのでは・・と思うと、その後の奥さんの心身が心配になってしまいました。 子ども時代、確かに「連合赤軍」メンバーを指名手配するポスターがあちこちに貼られていて、ニュースでもよく聞いたものです。いつの間にか遠い記憶の底に沈んでいたけど、ああそうだったなぁと思い出した次第です。
ベルサイユの子★★★☆
フランスのとある、母と幼い子の二人連れ。仕事がなく住む所もなく途方に暮れた挙句に、福祉の世話になることに。働き口を見つけそうになった母は、ベルサイユの森の中で偶然に、そこで暮らす浮浪者に出会う。子どもをその男に託し、母は働きに・・・。残された子どもは、その浮浪者に育てられる事になります。 母親もその浮浪者も、社会からはみ出した人間たちで、どんな先進国でもそういう人たちはいるんだろうな〜と思いながら暗い気分になって見ました。男なんかは、実際自分の家があり働こうと思えば働く事も出来る。自ら社会からはみ出している感じ。そういうふうにしか生きられない人もいると言うことかな、と思いました。それでも、その子の母親が押し付けて行った幼子を、自分の息子同様に可愛がり(男なりに)育て、二人の間には確たる絆が出来上がっていく。それが悲しくも温かいのです。でも、唐突にその絆は断ち切られます。子どもにとって、何がいいのか・・。私には良くわかりませんでした。自分がこの母親だったら・・・また、捨てられた子どもだったら・・・そして、森に住む男だったら・・・また、その男の家族だったら・・・。立場が違えば感じ方も違う。だけど、どの立場の人間も子の映画の中では、自分に出来る最大限のことをしてきたように感じました。 主演のギョーム・ドパルデューの遺作だそうです。(父親は、ジェラール・ドパルデュー。
SWEET SIXTEEN★★★☆
タイトルからしてとても甘い物語なのかと思ったら、とんでもない。甘くもない・・どころか、辛い辛い16歳の少年の物語です。刑務所に入っている母親に面会に行く場面から物語が始まります。一緒に行くのは、どうやら父親ではなく母親の恋人らしい。なにやら、悪い企みがあるようで、主人公リアムは協力させられそうになり断り、結果殴られると言う、寒々しいスタートを切る作品。 母親の恋人はヤクの売人で、まもなく出所する母親とその男との縁を切らせたいリアム。そのために、なんとか自分たちの家を持ち、母と幸せに平穏に暮らしたいと思う。その一心で、法に背く仕事に手を染めていく姿を描きます。 本末転倒・・・・だけど、リアムにはそれしかない。結局どんどん、ホンモノの「悪」に染まっていくリアム。 あまりにも切ない物語ですが、これが世界の現実なんでしょうね。 やるせないし、救いがない。悲しい物語です。
ラースとその彼女★★★★
ラースは内気で信心深い独身男。本家に兄夫婦が住んでいるので、自分はガレージに住んでいます。引きこもりがちになってきている生活を心配し、義姉が世話を焼こうとしたり、職場や教会の人たちが好意を見せても、頑なに心を閉ざしてます。そんなラースが「恋人」にしたのは、ネットで自由に自分の好みにカスタマイズできる「リアル(ラブ)ドール」と言う、いわば「オトナのおもちゃ」の等身大の人形。 だけど、ラースはいたってマジメ。周囲の戸惑いや驚き心配をよそに、その彼女、ビアンカとプラトニックな愛情を育み真剣交際するのですが・・・・。 アブナイ男の物語か?と、一瞬思うのだけど、ビアンカに優しく話しかけるラースの姿を見ているうちに、だんだんとラースの心の痛みや悲しみ、寂しさが伝わってきて、とても切なくなります。 ビアンカの言葉は、すべてラースが代弁しているのだけど、その「代弁」を通して実はラースが本心を語っていることが分かってきます。それほどお喋りじゃないし、語ることは沢山はないけれど、見ているものには不思議なほど、ラースの気持ちが伝わってくる。切なくて泣かされました。 最初は奇人を見るように接している、ラースの兄夫婦や町の人たちが、次第にラースとその彼女を受け入れていく。それがとても可笑しいんだけど、温かくてほろりとさせられます。私はとくに、ラースとの今までの関わり方をじっくりと考えてみる兄の姿に、感じるところがありました。自分の過ちを認めること、それがオトナだという兄。 自分が孤独だと感じていたに違いないラースの気持ちが変わっていく、その具体的な決定的なシーンはほとんどない。説明的な部分はほとんどないのにこちらにわかってくると言うのが、この映画のとてもいいところだと思いました。 じんわりじんわりと、優しさとか温かさと言うものが胸に沁みてくるような、そんな映画。 オススメです。 女医を演じた女優さんは、「エイプリルの七面鳥」の母親の人です。今回も素敵でした
チェイサー★★★★★
うーーーん、すごく面白い!! こう言う映画は私の一番好きなタイプの映画です。 並べてみるなら、「殺人の追憶」「オールドボーイ」のような感じ。 韓国の映画は良く出来ている!と思わずにいられない作品。 実際にあった事件を元にしているようで、こんな猟奇事件があったら、韓国は大きな騒動だったろうな、と驚きを感じます。主人公ジュンホは、元刑事なんだけど、今は女の子を斡旋する売春業者に転落しています。たびたび、女の子が消えてしまうので、きっと「売られてしまう」んだと思っていたのが、実はそうではなく・・・と言う話。 とてもとても怖いです。犯人があっさりと捕まって自白してしまうと、そこで話が「惰性」になるのかと思ったら、全然そうじゃなくて、これでもかー!みたいな怖さが付いてくる。 捕らえられた「女の子」には、小さな娘がいて、彼女が無事に帰ってくるのを待っています。ジュンホはその娘のためにも必死に、母親の行方を探すんだけど・・。嫌な性格で、誰からも嫌われているジュンホの真剣な姿や、韓国のメディアに対する警察の腰砕けの様子など、色んな要素が詰まっていてスピーディーで飽きさせない。 衝撃のラストは忘れられません。万人向けじゃないけれど、オススメです。
パブリック・エネミーズ★★★★☆
ジョンデリンジャーという、実在の義賊みたいな銀行強盗と、それを追うFBIのメルヴィン・パーヴィス捜査官などの攻防を描く作品。ともかくジョニーがカッコいい!銀行強盗だけど、貧しいものからは奪わないっていうポリシーがあったようで大衆にも人気があったらしい。そして、銀行のカウンターをひらりと飛び越えるのが、彼の行動パターンとしてお馴染みだったそうだけど、それをジョニーがやったらもうカッコいいの100倍ぐらいカッコよかった。 実際のジョン・デリンジャーがどう言う人物だったのか、それにも興味が湧いたけど、映画の中のジョンは、彼女をとても愛して、危険を冒しても彼女に会いに行ったり・・・ジョニーが演じたからだろうと思うけど、たいへんに女心をくすぐりました。。。 そして、FBIに追い詰められてどんどん窮地にハマりこんでいくのが、見ていて切ない。ジョニーの孤独感がとてもヒシヒシと胸に迫りました。そんな中で彼女と未来について語らうシーンは涙なくして見られず。 追うものと追われるものの映画って言うと「逃亡者」が大好きなんですが、ちょっと残念なことに「逃亡者」のトミー・リー・ジョーンズほどクリスチャン・ベイルが印象に強く残らなかったかな。 この人たちの本当の人生はどうだったのか、とても興味が湧きました。
タイトル
感想
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