アリス・イン・ワンダーランド ★★★★☆
公開してすぐに3Dで観たのですが、今日は2Dを観てきました!
3Dで字幕はしんどいので、3Dは吹き替え版。2Dは字幕版で観ました。
3Dも、迫力があって面白かったのだけど、2Dでも全然遜色なし。
スピード感も奥行きも感じられたし、ティム・バートンの世界を充分に堪能しました。
今まで見たティム・バートンの映画の、あれやこれやといっぱい思い出されて楽しかったです。
私は「ビッグ・フィッシュ」が(も)好きなのですが、最初のほうは「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「スリーピー・ホロウ」なんかに似ていましたが、観終えてみれば全体の雰囲気は、「ビッグ・フィッシュ」かなぁと思います。
「アリス」と言うと、もちろん子どものときに、「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」は読んだことがあるのですが、それよりも大人になってから、自分の子どもたちと散々暗記するほど観た、ディズニーアニメの「不思議の国のアリス」の印象が強いのです。子どもたちは大好きですが、私は意味が分からずに (笑)正直に言いますと、そんなに好きなほうではなかったのですが・・・。
今回、そのアリスが大人になって、またしても「不思議の国」に迷い込む。そこは赤の女王に支配されている、アンダーランド。予言の書オラキュラムによると、「フラブシャスの日」に、赤の女王の守護怪物ジャバウォッシャーを倒すのがアリスだと記されていたので、シロウサギたちによって招かれたのです。
しかしアリスは子どものころに、そこに迷い込んだことを覚えておらず、覚えてないアリスを、不思議の国の住人たちは皆「違うアリス」と言います。マッドハッターだけは、アリスをアリスと認めるのですが。。。。
さあ、アリスはジャバウォッシャーを倒せるのか?

マッドハッターのジョニー。
やっぱりカッコいいです!
予告編を観ただけのときは、メイクやいでたちが奇妙すぎて(アニメの「いかれ帽子屋」はもっと変ですが)せっかくのジョニーのカッコよさが台無しではないのか?と、心配していましたが、実際に見てみれば、ジョニー演じるマッドハッターのキュートなこと!
アリスを助け、守ろうとするジョニーの姿に、胸がキュンキュンとなりました。
ときどき見せる精悍で強い姿がまたカッコよかったです。
アリスはやがては自分の場所に戻るのですが、そのときのマッドハッターの「ここにいればいいのに」「僕のことは忘れてしまうさ」と寂しそうにする表情に、切なくなり泣けてきました。
私だったら、戻らないなぁ・・。一緒にいるなぁ、マッドハッターたちと。
他には、赤の女王がすごいインパクトでしたけど、やっぱりチシャネコがカッコよかった。
青い芋虫のアブソレムも・・・。
登場人物がみんな面白くて印象的で、わくわくして、ドキドキはらはらして、最後にほろっとして。
とてもとても楽しめました。
シャッターアイランド ★★★★
レオくんの演じる連邦捜査官が、シャッターアイランドという、精神病患者の犯罪者を専門に収容している孤島で、消えてしまった女性患者を探しに行くという、物語のスタート。
冒頭になにやら、「あなたはいくつ分かりますか?」みたいな、映画を観て謎解きをしようという、メッセージがありましたが、睡魔と闘うのが精一杯で、とても謎解きどころじゃありません。ただでさえ、謎解きって苦手なので、最初からそんなもの、挑戦する気はなかったんですけど・・。
見終えた今も、いったいどこが何だったの?よく分かってないと思うので、解説本でも読まなくっちゃ。そしてレンタルリリースになったら、もう一度観なくっちゃ・・・です。
まぁ最初に思ったのは、「たかが患者が一人行方不明になっただけで、大仰じゃないか?」ってことだったけど、ここにいる患者は「犯罪者」なので、余計に神経を尖らす必要がある、ということだったんだろうねぇ。
実のところ、あちこち見てて、この話の「オチ」は分かっていたので、それなりの期待感で観ました。「そう言うつもり」で観たら、最初のほうから疑う部分は、この私ですら分かりました。
オチを知らずに観たら、どう感じたんだろう?
えーー!オチはそれかよ!と思っただろうか?とも思いますが、そうだとしたら、オチを知って観たのは却って良かったんじゃないかなぁ。
ところがその上、「オチ」が分かっていても、「真実」「結末」には「そうだったのか!」という驚きが・・・(笑)←こんな間抜けは私ぐらいだろう・・・(^_^;)逆に言えば、間抜けだからこそ楽しめる映画もあるという・・・(笑)
最後のほうは眠気も吹っ飛んで、ぐいぐいと釣り込まれてました。
「真実」も衝撃・・・あまりにも残酷すぎて・・・ならば、「結末」も唖然。
なぜ、なぜなの〜〜・・!・・みたいな。わざと?そうだとしたら悲しすぎる。だけど、その真実と向き合って生きていくには、あまりにも真実は悲しすぎて、押しつぶされてしまうわいね。私だって、レオくんと同じ結末を選ぶと思うわ・・。悲しい話だったなぁ。
レオくん、役者だから。見ごたえがあるんだと思います。


でも、観るたびにちょっとずつがっかりする、あの体。お前に言われたくないと思うだろうけど(^_^;)
「レボリューショナリー・ロード」のときよりはやせたかなぁ・・。
せめて「ブラッドダイヤモンド」とか「トゥルーライズ」辺りの感じだと良いんですけど。
髪型のせいもあるよね。
まぁこの映画は近所のシネコンに来なかったので、劇場では観られないかな?と思ってたけど、観る事ができてよかったです。次の映画も観ますよ〜。頑張れ!レオくん!
母なる証明 ★★★★★
面白かったーーーーー!!
「殺人の追憶」と同じ監督です。
「殺人の追憶」は2004年に見たので、ずいぶん時間がたっているけど、今まで見た韓国の映画の中で、トップ3に入る面白さ。
・・・そんな、えらそうに言うほど韓国映画観てないんですけど(^_^;)

ちなみに、好きな韓国映画は「オールドボーイ」「チェイサー」そして「殺人の追憶」、系統が全然違うけど「おばあちゃんの家」もはずせない!
そこにこの「母なる証明」も食い込んできました!(・・・とえらそうに言うほど以下同)


主演は、知らない女優さん(キム・ベジャ)と、こっちは知っているウォン・ビン。
余談ですが、前からウォン・ビンはキムタクに似てると思ってたけど、年を経てますます似てきた感じです。

逮捕されてしまった息子のトジュン(ウォン・ビン)は、軽い知的障害者。そのとき母は息子の無実を証明しようと行動を起こす・・・・
というか、ね、母ならこうなってしまうだろう、拘置所から出してやろう、刑務所に行かなくて済むように、なんとかしてやろう・・・と、
親心です。ごく普通に、それが当然の親心で、この母が特別ということはないと思います。
が、そのお母さんを演じている女優さんの演技がすばらしかったです。
表情の一つ一つに胸を打たれたというか、心を揺り動かされたというか・・・私が言うとくさい言い方だけど(^_^;)


激しく内容に触れますが、ゴメンナサイ。
忘れないうちに書きたいので!(^^ゞ  ↓白文字です。
事件当夜の記憶があいまいな息子、思い出させようとする母。
しかし、ひょんなことから、息子は、自分が5歳のときに母親が自分を心中の道連れにしようとしたことも、思い出してしまう部分が印象的。
「母さんは僕を殺そうとした」
と・・・。
そのときのお母さんの演技がもう、すごかった・・。
たとえば、息子に「あの時僕を殴ったよね」とか「あの時僕に酷い事を言ったよね」などと言われてしまうと(言われたことはないけど)、それは「殺そうとしたよね」に比べれば、もっと小さいかもしれないけど、それでも、自分のしたことの重さというか、大きさに、押しつぶされて粉々になりそうな・・・消えてしまいたいような・・・上手くいえないけど・・。
あまつさえ「殺そうとしたよね、母さん」・・・なんて言われたら、どうなってしまうか・・・っていうと、こうなるんだろうなぁ・・というリアルな演技でした。
結末がまた、皮肉で・・・悲しすぎる。そして、すごすぎる。
要するに冤罪になるわけですが、こらがまた知的障害者の男性。
「親はいるのか」と、面会室で聞く母に「いない」と答える、その男性。
母は号泣します。あの号泣の意味は??
この哀れな男の子に罪をなすりつけようとしている、自分の更なる罪の深さに号泣したのかな・・・
と思ったけど、実はほっとしたのでは。
もしも、この子に母が居たら、自分と同じように心を砕く母が居たら・・その母のためにも
真実を打ち明けようと思っていたんじゃないかな?
でも、居ないと知って、真実を打ち明けるのをやめた・・・息子と引き離されなくて済む
自分たちの今の生活を失わなくて済むという、その安心に、号泣してしまったのかな・・・
と、思ったんですけど。
だけど、それだって一時しのぎなのかも。
きっといつかは思い出すと思う。
そのときどうするつもりなのか。
いや、母のしたことを分かっているトジュンは、本当は自分のしたことも分かっているのかもしれません。
それでも母はハリを打ち、忘れ去ろうとする。そんなこと、人間として許されるわけないのに。
でも母として、自分はソレを選ぶのです。いいのか、いいのか?
スッキリしないエンドです。モヤモヤが残りまくります。
そのモヤモヤを含めて、この結末に納得してしまいました。
「殺人の追憶」のときもそうだったけど、そのあたりが上手いなぁと思います。


↑白文字ここまで


ともかく、あの女優さんの演技に尽きる気がするけど、脚本もすばらしいですな。深く満足の一本でした。
ダレン・シャン ★★☆
このお話は、海外児童向けのダークファンタジーの映画化です。
私にしては珍しく、全12巻読み終えております。
主人公、ダレン・シャンはもともと蜘蛛が好きな少年だった。
小さい目のタランチュラを飼っていたことがあるぐらい。
ダレンがある日「シルク・ド・フリーク」という、フリークショーに行く事になった。
そこには世にも奇妙な人びとが見世物として出演していたが、中でもダレンの気を引いたのは大きな「マダム・オクタ」という名前の蜘蛛だった。
どうしても、欲しくなったダレンがとった行動は・・・
そして、その結果ダレンの行く末は・・・??
実はこれは「バンパイヤもの」。
どう言うわけか、吸血鬼にならざるを得なかったダレンが、その後をどう生きていくか。
吸血鬼になる事は、自分の世界を捨てきる事。友達も家族も。
その圧倒的な孤独の中で、自分をこの状況にいたらしめた憎いはずの「マダム・オクタ」の飼い主クレプスリーとの関係や、新しい生活、新しい友達との出会いと別れ。
ダレンの苦しみや哀しみが胸に迫る。

と言う内容なのですが、どうも映画はつまらなかったなー。
本を読んで感じた主人公の「悲哀」みたいなのは、ほとんど感じられなくて・・・。
ジョン・C・ライリーは好きな俳優さんですが、ちょっとクレプスリーのイメージには合ってないかな。
ヘアスタイルにファンたちはかなりこだわりがあると思うんだけど、なぜそれを無視したのかなぁ。
原作はあんなに面白いのに、なぜ映画はつまらなかったのか。
退屈でした・・。

ただ、声優オタクの娘と吹き替え版で見たのだけど(こちらは吹き替え版しか上映がなかったのですが)大好きな高橋広樹さんが出てて、狂喜乱舞してたのだけが、よかったかな。。。
第9地区 ★★★☆
滑り込みで見て来ました。
南アフリカ共和国の首都、ヨハネスブルクの上空に、巨大宇宙船が飛来して28年後・・・と言う設定です。
当初宇宙人たちを保護した地球側でしたが、宇宙人たちとの共存は難しく・・・・。
今までに見た「エイリアン」ものというと、結構エイリアンが姿を現すまでが最大の山場・・と言う感じだったと思いますが、この映画ではド初っ端から宇宙人が「居ます」。
言葉も分からない、文化も常識も生活もまるで違う宇宙人との共存は、とても難しく、第9地区はもう彼らを収容しきれないために、第10地区への移動を命じます。
(きっと第9地区に来る前にも、第1地区から順番にやってきたんでしょう)
普段この世界では、人間同士の中で、区別したり差別したり排除しようとしたりと言う出来事があるのですが(南アフリカ共和国が舞台というのも・・・)、その対象が「宇宙人」になってるというだけでも、かなり突飛な発想で面白かったです。

「堅牢な円盤内の生理的な造形、甲殻生物の臓物、人体の変異、あるいは国家の中のスラム化した特区。それは秩序という硬い甲羅の下で抑圧された無秩序が露わになる文明批判に他ならない。そんな構造を突き破り、なんとクライマックスではロボットアニメ魂を披露し、さらにはハートウォーミング路線へとなだれ込むという超絶技巧。カナダ育ちのブロムカンプは、クローネンバーグの内臓を備えながらスピルバーグの精神を併せもつハイブリッドであることを高らかに宣言する。(清水節)(eiga.com)」


ただねー。私は手振れ映像が苦手。冒頭のインタビュー場面がかなり苦痛でした。結構長かったし。
ラストは怒涛の展開でその苦痛を忘れさせてくれたので、良しとします。(上から目線で失礼)
JSA ★★★★★
南北分断の朝鮮半島、その中間点に「JSA」=「ジョイント・セキュリティー・エリア」と言うのがあります。
両国がお互いけん制しあい、一触即発の緊張感が解けることないそのエリアで、あるとき謎の銃殺事件が起きます。軍人二人が死亡、一人が怪我。
韓国側の主張は、韓国兵士が、北朝鮮の兵士たちに拉致され、そこから逃げ出す際に兵士たちを銃撃したと・・。北朝鮮の主張は、韓国側のテロだ軍事介入だと・・・。言い分が真っ向から対立。
その事件を検証し、事件の真相に迫るべく、中立同盟国のスイスから捜査官として派遣された女性少佐(イ・ソンエ)。
銃痕の数など、すっきりと分からないことが多いこの事件の真相に、彼女はどこまで迫れるのか・・・。
と言う話。

実は最初は何が何やら?と言う状態でしたが、(以前も確かそんな感じで挫折したんだったなぁ)
物語が進むにつれ、どんどん引き込まれてゆきました。
韓国兵士イ・スヒョク(イ・ビョンホン)は、或るとき地雷を踏み、それを北朝鮮兵士のオ・ギョンピル中士(ソン・ガンホ)に助けてもらったことがきっかけで、やがて彼らは兄弟のように付き合い始めるのです。
お互い、きっと相手の「国」を憎んでいるのでしょう。でも、個人で付き合えば、こうして仲良くなれる。
人目を忍び、まるでロミオとジュリエットのように(笑)無邪気に童心に戻ったように、付き合う彼らの姿は、ちょっとだけこっけいでもあり、そしてほのぼのとしてもいました。
しかし、いつまでもこんなことが続くわけはなく・・・。唐突に訪れる、蜜月の終わり。
別れたくないのに、お互い好きなのに別れなければならない恋人たちのように、やっぱり彼らの別れは悲しかったです。。。が、本当の悲劇はこの後に。
あんなに仲良く出来たのに、あんなにお互い理解しあえたのに・・・どうして?
やっぱり結局憎み合い、銃を向け合い、それまでの敵であったとき以上の敵になってしまう。一度心を許したから余計に憎しみも増してしまう。憎みたくないのに、憎んでしまう。銃なんて向けたくないのに、向けてしまう・・そして・・・。
誰が悪いのでもなく、ただ、そうなってしまったということが、たまらなく悲しかったです。
事件の真相には、とても重い衝撃を受けて、打ちのめされてしまった。
なんで、どうして・・と言う気持ちが止みません。
涙涙・・・でした。

あの女少佐に真実を言い当てられなければ、彼はあのような行動に出なかったんだろうか。
でも、そうじゃなくても、結局あの結末を選んだような気がする。
胸に抱いて生きていくには、辛すぎて悲しすぎるから。
次は女少佐が、この事実を胸に抱いて一生生きていかなくてはならないのですよね。
自分の「罪」を抱いて。
グッド・バッド・ウィアード ★★★☆
キムチウェスタンと言うらしいけど、韓国版の西部劇です。
オリジナルの西部劇に思い入れがあると楽しめないかもしれませんが、私はそうじゃないので、何も考えずに楽しみました。アクションも派手で見ごたえありました。
時は日本が朝鮮半島を統治していた戦争のころ、一枚の「宝の地図」をめぐって奪い合いーの、それを狙う賞金稼ぎやらまで三者三様入り乱れーの、・・という、お決まりのパターン。
グッド(いいやつ)→賞金稼ぎのチョン・ウソン演じるパク・トウォン、
バッド(悪いヤツ)→馬賊のドン、イ・ビョンホン演じるパク・チャンイ
ウィアード(変なヤツ)→列車強盗の、ソン・ガンホ演じるユン・テグ
追いつ追われつ、満州の広大な大平原を舞台に、雄大な風景の中、ノンストップのアクション快作となってます。
目当てのソン・ガンホはひょうきんな性格の中に、ちらりと垣間見せる「怖い」顔がカッコいいです。
が、今回はやっぱり、チョン・ウソンが光っていたかな。役柄的に美味しいところですよ。アクションがカッコいいです。3人ともとても、腕の立つスナイパーなんですけど、パク・トウォンが特に凄腕に見えたかな〜と。
闇市での銃撃戦、あるいは、終わり間際の大平原での騎乗からの撃ち合い、ファンでなくても見とれてしまいます。
イ・ビョンホンは、まぁ、かっこつけですね(笑)。
すっごいマッチョを披露していて、あとで解説音声付の特典映像を見てたら、「息を止めて力を入れていた」って言ってましたが、CGか?と思うほど見事〜〜なマッチョでした。
で、冷酷ですごく残酷な「いたぶり」を見せてくれますが、あの場面はすごく好き。似合ってたと思います、イ・ビョンホン。
ま、私はやっぱりソン・ガンホに笑わせてもらって満足。
これなら劇場で観たらもっと楽しかっただろうな!
エスター ★★★★☆
まぁともかく、ちょっとでも興味があったら、何も知らない状態で観てください。
先入観は無いほうが良いです。


で、それでも、内容を知りたい人は・・↓

主人公のケイトは3人目の子どもを死産したトラウマに苦しんだ末、孤児院から女の子をひとり、引き取り養子として迎え入れます。引き取った女の子はエスター。優雅な身のこなしやたたずまいは、9歳の女の子とは思えない。家族はみんな惹き付けられました。(年頃の長男以外は)
エスターも、まだ幼い聾唖の妹マックスのことも可愛がり、家にはすっとなじんだと思ったのだけど・・・。

という話。

内容に触れずに感想を書くのはとても難しいので、これから映画を見る人は絶対に見ないでね。↓







最初は、よくある話かな?と思ってました。
末っ子のマックスがエスターにいいように利用されていて、それが不憫で、ちょっと見ていられないなぁ・・と嫌気が差しそうになったんですが(本当はそれぐらいで嫌気がさす私ではない)もうぐいぐいと引っ張られてしまいました。
サイドストーリーとして、母親の再生というテーマがあると思うんですけど、この母親に最初は好感が持てません。
かわいそうな出来事があり、同情はしますが・・・。
でも、そのうち段々と応援したくなってきました。
特にあまりにも途方にくれて、お酒を飲もうとしてしまう(死産の後かなり色々とこの家族には起きたようです。そのうちのひとつが、母親ケイトのアル中)時のこと。
飲んでないと言っても、夫は信じてくれない。夫は「離婚だ」とまで言う。。。なんと、そんな簡単に離婚って思うものなの?と、アメリカの家庭ならではなのかも知れないけど、それまでにもそりゃ、あったんだろうけど、ここで離婚とクチにするか?と、夫ジョンに対して怒りがムラムラ〜。。。と沸いたのは、私が「妻」の立場だからでしょうね。
そして、「子どものために我慢した」というケイトの言葉に大いに説得力を感じたのも。子どものために・・・それが一番の抑止力になります。何にしろね。

ともかく、この物語は、エスターの演技力に尽きると思います。すごかった。
あれって、本当に子どもが演じているの?末恐ろしい気がしますね。
冷たい目つき、恐ろしい形相、雰囲気があって惹き付けられました!

ピーター・サーズガードのお父さんも「あほやなー」って感じで、良く感じが出てました。
おしまいには、電話だけで真実が解るのかとか、いまいち真実の背景がわからないぞ、とか、警察何やってるんだ!とか、色々思ったけど、差っぴいても面白かったです。
マックスは、絶対に無事だろうと思って心配しなかったよ。あの子がどうこうなっていたら、すごいんだけどね。後味が悪すぎるから、まるで「ファニーゲーム」みたいになってしまうよね(笑)。
もうひとつのエンディングが特典に入ってますが、それもありだなぁ。
ラストはどっちでもいいと思いました。
ちょっと予想したって言うか、「やっぱり!!」と思った。私なんて実は「吸血鬼では?」と思ったぐらいですもん(笑)。

久々にど真ん中ストレートなホラーでした。グッドグッド(^^)
大統領の理髪師 ★★★★
韓国の近代史のなかで、首相官邸のある街で理髪店を営む主人公が、時代や権力に翻弄されるさまや、息子に対する愛情深い父親像を、ユーモア混じりに描く。
見ていて思ったのは、お隣の国韓国のこと、何も知らないなぁということでしょうか。
あまりにも知らないので、「こんなこと本当にあったのか?」と思ってしまいます。たとえば、映画の中には、マルクス病という流行病が登場するんですが、ゲリラと接触がありスパイ容疑があると、誰もが「マルクス病」ということで、逮捕されてしまい、拷問を受ける。これは実際にあったことでしょうか、それとも何かの風刺か暗喩なのでしょうか。
下痢になれば逮捕されると言うのが、可笑しいやら不条理すぎるやらで、なんとも・・・。
おまけに子どもも逮捕、拷問って・・。辛いものがありましたね。
そこで見せられる父親の、子どもに対する愛情が、胸を打ちますね。
特にすきなのは、招かれた首相官邸での夕食会。息子のナガンは父親を、大統領の息子にバカにされ、思わず大統領の息子を突き飛ばしてしまう。そのことで、当然のごとく主人公は、他の高官から大叱責を受けます。
それを自分のせいとしてしょげるナガンは、「僕のせいでお父さんが蹴られたんだから、お父さんは僕を蹴っても良いよ」と言うのですが、子供心に責任を感じているのだなぁと言うことや、それをお父さんは全然叱らずに、おんぶしてやったりして・・・あの場面が一番好きです。
終盤にも、お父さんが息子を負ぶうシーンがあるんですけど、韓国のゴタゴタの怖さもさることながら、こういう父と子の思い会う姿が胸を打ちました。
復讐者に憐れみを ★★★★
パク・ヌチャク監督の「復讐三部作」と呼ばれるシリーズの第一弾です。
ソン・ガンホ祭り開催中なので、以前見たのですが、もう一度。
以前見たときは、それほど、ガンホさんが好きでも何でもなかったからか、印象に薄い映画でした。
なんと言っても、三部作の中で一番最初に見た「オールド・ボーイ」が怖すぎて(面白すぎて)「親切なクムジャさん」も、この「復讐者に憐れみを」も、イマイチ、インパクトに欠けた気がしたのです。

内容は・・・・・
耳の聴こえない青年リュウが、難病の姉の、腎臓移植手術が出来るとだまされてしまい、お金をなくしてしまう。移植手術のために、誘拐を企てるが、子どものことを傷つけるつもりはなかった・・だけど・・・・。

主人公のリュウ、恋人のユンミ、そして、ソン・ガンホの演じるドンジン・・どの人物も「悪人」ではないのですが、まるで渦に巻き込まれるように、残酷な加害者になり、そして被害者になる。救いもなにもない、陰惨な恐ろしくて悲しい物語です。

「復讐3部作」と名がつき、「オールド・ボーイ」の流れと来たら、ノンストップでハンパなく残酷なものを想像していたのですが、前半はそれほどでもなく、ちょっとマッタリした感じがあったかな。しかし後半の怒涛の展開は期待を裏切りません。子どもを失って打ちひしがれるソン・ガンホの姿がいいのです!・・しかし、解剖に立ち会ったりとかするんですかね。実際にその場面はないけど、恐ろしいシーンです。
その後、予想外に復讐の連鎖がつながって行き、前半のじれったさを一気に解消してくれます。
(「オールド・ボーイ」はそれどころじゃなく、これでもか!!これでもか!!という凄まじさがあって、あんな映画は他に類を見ないと思えるほどでしたからね・・)

今回、ソン・ガンホを中心にじっくりと観ました。私は今までソン・ガンホのセクシーな所は見た事がなかったけど、この映画では、ユンミの耳たぶをなめるシーンがあって、かなりゾクゾクしました!
そんな色気を含むシーンじゃなくて、どっちかというと恐ろしい拷問のシーンなのですが、それでもガンホの色気を感じましたよ(笑)。
ジャケット写真の、恐ろしい暴力的な姿もかなり似合っていて、カッコ良いですよね!
萌え萌えです?(^^)

ちなみに、ソン・ガンホ、リュウ役のシン・ハギュンは「JSA」の北コンビですね(^^)
プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 ★★★★
主人公ダスタンは、子どもの頃町で友達が兵士に仕置きを受けるのを助けた。その様子を見た王様は、ダスタンの勇気を見込み、養子に迎えた。その10年後、ダスタンたちは敵国へ武器の密輸をしたとして、アラムートの制圧に赴く。ダスタンは先陣を切り自軍におおきく貢献するのだが、アラムートの女王はダスタンが奪った短剣に執心する。
短剣には、とある秘密の力があるのだった。

一言で言うと、面白かった!!
まず、古代ペルシャの荘厳で幻想的な町が見事に再現されてて見ごたえがありました。映画が始まってすぐに、それでぐっと映画に釣り込まれていきました。アクションに関しても、冒頭、子ども時代の主人公が、大人の兵士を相手に街中を逃げ回るシーンから面白くて見入りました。基本的にパルクールが取り入れられてて迫力があるし、ワクワクするような面白さです。子ども時代もそうですが、主人公は大人になっても壁を伝い、屋根から屋根に飛び回り、すごく魅力的でした。強い男はいいもんです!
ストーリー的にも、主人公が短剣の秘密に迫りつつ、身の潔白を証明しようとする物語で、難しすぎず単調ではなくメリハリがあり、スピーディーでテンポ良く飽きさせませんでした。アラムートの女王様とつかず離れず道行きを共にするのですが、女王のほうも強気でしたたか、(女王様の割りに駆け引きもうまく人を騙すことも)主人公とのやり取りが面白かったです。簡単に恋愛関係に落ちないのもグッド。
最初から最後までまったく飽きずに・・始まる前は「130分、長いな〜」と思ったんですが、終わってみればまったく長く感じませんでした。
特に最後の迫力はなかなかの優れもの。久しぶりに血沸き、肉踊るって言う感じのアクション映画で気分爽快に楽しめました。

それにしても、→ネタバレ「王様の弟って言うポジションは・・・・「ライオンキング」なんかもそうですけどね。スカーを思い出しましたよ。」。
こころの湯 ★★★★☆
地域の開発で、やがて取り壊しとなる古い町の、古い銭湯が舞台です。
その銭湯は、主人公であるおじいさん(父親)が、知的障害のある息子とふたりで切り盛りしています。地域の人たちには人気があり、銭湯、マッサージ、髭剃り、などなどこなしつつ、社交の場であり、いわゆる「憩いの場」でもあるのです。
あるとき、独立して都会で生活している長男が、ひょっこり帰ってきます。
どこかぎくしゃくしている長男とお父さん。
すぐに帰るつもりの長男が、ちょっとしたきっかけからずるずると帰るのを延期して・・・。


この主人公の父親は、「變臉(へんめん)/この櫂に手をそえて」の、主役だった人です。
日本では数年前のNHKのドラマ「大地の子」の、中国での養父役・・(見てないのでわかりませんが)として、出演されているそうです。日本で人間国宝として認定されているようです。


ほのぼのした笑いあり、切なさあり、そして涙あり。
かなり泣けました。
特に子どもを思う親の気持ちが、あのおじいさん俳優がやると、すっごく良いです。なんとも子どもを思っているのが全面に感じられて。息子の二人もいいのですが、次男も好演。泣かされました。
押し付けがましいのは嫌いですが、そういうのがないですね。
長男との軋轢みたいなのは、原因とかははっきりとは描かれてないのですが、田舎暮らしがイヤで都会に行ったんでしょう。そのときのこと、いろいろあったんだろうなと、想像してました。

私は自分が長子なので、どうしても長子と言う存在にこだわってしまいます。色々思いながら見ました。
長男に対しての態度と、次男への態度の違い過ぎることが気がかりでした。
家を捨てて出て行った長男に対して、父親として愛情を示せなくなったのか・・。
もともと、次男への愛情が大きすぎて、長男は父親や家を見限ったから、出て行ったのか。
どちらにせよ、次男への父親の深い愛情を目の当たりにして、長男は複雑な気持ちだったでしょうね。
(でも、一人っ子政策は?)
そして、父と息子の物語は個人的にとてもツボにハマりやすいので、余計にぐっと来ました。


あと、主人公は銭湯を経営していますが、中国では高地の地方で雨のほとんど降らない乾燥帯があり、お風呂どころか水の確保に大変な苦労をしているようです。
その地方で、ある家庭でのこと。娘さんの入浴シーンがあり、水を自分たちの乏しいであろうと思われる穀物と等価で交換しているシーンがあります。お茶碗一杯の穀物と、お茶碗一杯の水を交換してもらい、樽にためて持って帰る・・そのようにお風呂一杯の水を手に入れるのに、ものすごく苦労しているんです。
主人公は、その話を次男に言い伝えていたようなのですが、そのシーンがとても印象的です。
銭湯・・水を思い切り贅沢に使う場所・・・それなのに、というか、だからこそなのか、水の大切さを忘れないように、自分にも息子にも言い聞かせていたのかと思いました。
水浴びが年に一度、それも遠方の湖まで何ヶ月も掛かって巡礼のように歩いていくと言うシーン・・なんだか胸に迫って泣けてきました。
夜、私自身お風呂に入るとき、いつも当たり前のようにお風呂に入っているけど、本当にありがたいことだな〜と、思いました。
こういう気持ちは、時が経てば忘れてしまうんですけどね・・なるべく忘れないようにしなくては!(^^ゞ

しみじみとした感動のある作品です。機会があったらみてみてください。
アイアンマン2 ★★★
前作を見てないのに、勢いで2だけ見に行くと言う無謀?
だからなの?ほとんど面白くなかった・・・。
ヒーローモノの常識を破ってるよね、あれって。
良く分からなかったけど、結局、地球やアメリカや日本?を危機に陥れている「敵」がいない。
と思いましたけど、いたの?
ミッキー・ローク?
なんか、そんな大それた悪いことをしているって言う感じじゃなくて・・・そんなめっちゃ強い悪人って感じもなく
だから、危機感がなくて、そんなにはらはらしなかった。
あと、戦うシーンが割りに少なかったような気がしますね。
それもイマイチの原因。
まぁ良く分からなくて途中寝たわ。
私としてはイマイチ・・・だったなー。
アウトレイジ ★★★☆
邦画の難しいところ(私としては)だけど、いつもテレビやCMで見ている見慣れた人々が、今回その筋の人たちの話なのでね、その筋の人たちのようなもの言い振る舞いをするんだけど、似あわね〜!とか思ってしまって違和感。。ってほどでもないんだろうけど、なんか違う〜みたいな。
「うぉらうぉら〜〜!!」とかすごんでも、イマイチ怖くなかったりして。
ああた、理想の夫婦、理想のだんな様の代表格の三浦友和さんがですよ?
そんなことをやってもね、ワルそうな振りしてもね、なんか違和感がありますよ〜。
それで話に入り込むのに若干時間が掛かったな。
(加瀬 亮ぐらい変貌が大きいと誰だかわかず、却って良かった。エンドロールで分かったぐらいだ笑
いっそ、あんまり知らない俳優さんばっかりでやってもらいたかったと思う。はっきり言って。)
あ、タイトルは良かった。
黒塗りのそれ専用の車が迫ってきて、真上から車体を捕らえて、そこでストップ、「OUTRAGE」。
カッコよかったです。
半分ぐらいからは、俳優がどうというのはなくなって来て、ぐいぐい見られましたけどね。
しかし、もう、その筋の物語100%で、ほんと、こんな人たちとは間違っても
お近づきになりたくないわー・・って感じでした。
ともかく、そればっかり。
そして時々痛い!!
痛ーーーーーっ、イタタターーーやめてーーーー!!みたいな。
もう、歯医者にいけない!!みたいな。
どうやってその筋の人々の姿を描くか、って言うことにのみ重点置いたのかなってかんじ。
面白かったけど、深みとかは感じられなかったなぁ。
任侠ってかんじも全然ないし。
むなしさだけが残った。
可哀想な人たち・・でも自業自得・・あんたもいつかは・・・みたいな、同じことが繰り返される虚しさ
と言うものをかんじました。
ちなみに、タケシの映画って、これで二回目。監督作品は初めて見ました。
以前見たのは、「戦場のメリークリスマス」だ、なつかしー!!(笑)
今でもよく覚えてるのは一緒に見に行った友達(女の子)映画の途中でタバコすってたなぁということ。
誰も注意しなかった・・・と思う。
喫煙に対して、いまより100倍ぐらい自由だったんだなぁ・・・。
結構観客も一杯で、前のほうで見たような気がするんだけど・・・。
「俺の映画、人が入んないの」
って、タケシ氏テレビで言っていたけど、今回私たちが見に行ったときは結構入ってたよ。
よかったねー。
それにしても椎名キッペイが、若い!!それが一番印象的だったりして。
告白 ★★★☆
私は原作を読んでるので、どうかなーと思いながら観ました。
先に見に行って「面白かったよ、アンタも見ておいでよ」と言ってくれた友達に
「私、原作読んでるから。オチも分かってるし、それでも面白いやろか?」
とかなんとか、エラソーに言った割に、実は内容を(オチも!)覚えてないと言う・・・(^_^;)
でもまぁ観ているうちに段々と、というか、次々に
「ああ、そうだった、原作もそうだったそうだった」と思い出しておりました。
まぁそんなこんなで、ズバッと感想は、まぁまぁ面白かった!と言う感じですかね。
見終えた後の衝撃で言えば、去年ビデオレンタルで見た「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」とかのほうが、インパクトあったと思うし、見応えがあった。個人的には。
ジャンルが違うので比べるなと言う話かもしれませんけどね・・・。
なんで比べるって言うと、やっぱり「邦画」だからね。
原作読んでいても、リアリティーがないとは思ってました。それでも面白い、とも。
後味の良くない話なんだけど、がしっとつかまれて一気読みさせられたもんね。
映画は映画で面白かったし、映像も綺麗だったし、何よりも教室の雰囲気なんか、原作よりもリアルだったように思いました。中学生って、右へ倣えで良いことも悪いこともしてしまうって言うイメージがあります。人と違ったことが、それが正しくても出来ない。はみ出すのが怖い・・・だからみんなが騒げば自分も騒ぎ、みんながいじめれば自分もいじめる・・みたいな。教室の喧騒とか、ああいう空気みたいなのは原作よりももっと確かにリアルだったと思いました。
でも、やっぱり原作を読んだときの「あ〜〜!面白かった〜〜!!」って言う感じは、そこまでのものは、なかったかな。忘れていたと言っても、やっぱり原作を読んで、内容を覚えていた(思い出していた)から。
まっさらで観たらもっと面白かったと思います。
最後がそれと長すぎたかも・・。
グリーンゾーン ★★★
感想
THIS IS ENGLAND(2006)
監督:シェーン・メドウス
出演:トーマス・ターグーズ
スティーヴン・グレアム
ジョー・ハートリー
アンドリュー・シム
ヴィッキー・マクルア
ジョー・ギルガン
ロザムンド・ハンソン
1983年、サッチャー政権下の英国。前年に起こったフォークランド紛争で父を亡くした少年ショーン。学校では毎日のようにいじめられ、鬱屈した日々を送っていた。そんな時、ひょんなことからスキンヘッドの若者グループと知合い、リーダー格のウディーに可愛がられたショーンは自分も頭を剃って仲間に入れてもらう。年上の彼らのファッションをまね、行動を共にすることで気分が高揚するショーン。そんなある日、メンバーたちの兄貴分であるコンボが刑期を終え出所してくる。そして次第に、コンボの国粋主義思想に感化されていくショーンだったが…。

うひゃ〜、かなりヘヴィ!!主人公の少年に、もっと安全で安心な環境を与えたかった。自分の息子だったらとても不安でたまらない。こんな少年までがこんな風に巻き込まれてしまう、時代背景がとてもよく分かって切なかったしビックリした。
カティンの森
監督:アンジェイ・ワイダ
出演: マヤ・オスタシェフスカ アンナ
アルトゥル・ジミイェフスキ
マヤ・コモロフスカ
ヴワディスワフ・コヴァルスキ
アンジェイ・ヒラ
1939年9月、ポーランドは密約を結んだナチス・ドイツとソ連によって分割占領されてしまう。ソ連側では多くのポーランド人将校が捕虜となり収容所へと送られた。その中にはアンナの夫アンジェイやその友人イェジも含まれていた。一方、ソ連領に取り残されていたアンナと娘ニカは、1940年春にようやく国境越えに成功、アンジェイの両親のもとへと戻る。しかし、そこに義父の姿はなかった。彼はドイツ軍に逮捕され、収容所で命を落としてしまう。アンナは義母と娘と3人でアンジェイの帰りを待ち続ける。そんな中、1943年4月、ドイツ軍はソ連領のカティンで多数のポーランド人将校の遺体を発見したと発表する。その犠牲者リストにアンジェイの名前がなかったことに望みを託し、ひたすら帰りを待ち続けるアンナだったが…。

カティンの森事件について、良く分かった。主眼があちこちに飛ぶので、少し混乱する。誰が誰やら、主人公だけの物語ではないので。おぞましい事件、描き方が淡々としていたからか、やけに現実を突きつけられた感じ。ポーランドは気の毒な国で、国土が引き裂かれると言うことは、国民もまた思想的に引き裂かれてしまうのだと、最後校長先生となった女性の姉妹の会話を聞いて考えさせられた。重かった。
パラノーマル・アクティビティ ★★
監督:  オーレン・ペリ
出演: ケイティー・フェザーストン
ミカ・スロート
マーク・フレドリックス
アンバー・アームストロング
アシュリー・パーマー
なんでも、スピルバーグが「こんな完璧な映画はリメイクしたくとも出来ない!」と舌を巻いたほど、完璧に面白く怖い映画だと言うことで・・・。

うーん・・・
どこが??って感じでした。
じつに退屈でくだらなかった。

ずっとひとつの屋内で撮ってて、費用もすごく安かったとか。
それでいてこんなに面白い映画が撮れるなんて!という評判なのだけど。

ひとつの結末があって、そこに近づいていく過程で恐ろしい現象が次々と起こる・・・のだけど、その過程がもうとんでもなく退屈。
夜中にビデオを回していて、そこに不振な現象(ドアが勝手に動いたり、灯りが勝手に消えたり、女性が夢遊病患者みたいになったり)が映っているので、まぁ少々は「ゾクッ」としたような気がしないでもないんですが、せいぜいが「ゾクッ・・としたかもしれない」で終わりました。
最後にちょっとビックリさせられる場面はあるけど、全然怖くもないし「は??これだけ???」っていう結末でした。
ほんとに・・・これだけ引っ張っておいてこれだけかよー!って感じ。

これって後悔直前、朝の情報番組とかで、映画を鑑賞している観客を暗視カメラで撮ってて、みんなが泣きそうな感じでぎゃーぎゃーと怖がってて・・・

こんなんで怖い思いができるなんて、怖がりたがりの私から見たらうらやましい話です。

だいたい、悪魔って日本の概念にないのではないのかなぁ。
まだしもユーレイって言われたほうがピンと来ると思うんだけど。

そのユーレイも超常現象も占いも風水も迷信も信じてない私が見たのが間違いだったのですけど、娘のお付き合いでした。
一応、「怖がらせてくれるかな?」とワクワクして観たんですけどね。
真剣に見たんですよ。倍速とかしないで。ちゃんと。

がっかりというか、しょーもないというか。
ともかくつまらん映画でした。
オアシス ★★★★★
監督: イ・チャンドン
出演: ソル・ギョング ホン・ジョンドゥ
ムン・ソリ ハン・コンジュ
アン・ネサン ホン・ジョンイル
チュ・グィジョン ジョンイルの妻
リュ・スンワン ホン・ジョンセ
ソン・ビョンホ ハン・サンシク
↓ネタバレ少々あり








脳性まひの女性と、前科3犯のロクデナシ男との風変わりなラブストーリー・・・・と、大まかに言えばそんな感じ。
だけど、日本ではこんな映画、作れないだろうなぁ。
凄まじいですよ。
ビックリしました。

人間は(私は)、少しの情報と第一印象と思い込みで、他人のひととなりとか物事を、全て何もかも判断している、ということをど真ん中に突きつけられた気がしました。
映画の中で主人公たちを取り巻く人たちは、こちらから見ると「わからずや」みたいなのばっかりなんですけど、自分もあの中にいたら間違いなくその「わからずや」になるはず。

「こんな子を相手にそんなことをするなんて、けだもの!」
みたいなせりふがあったけど、その発想自体が差別だということが、本人たちには全然分からないのですね。
自分の理解の範疇、自分なりの物差しでしか、物事を判断できないということが、結果的にどれほど傲慢なのか。
そして自分もその傲慢さを持ってるんだと、言われてるような・・。



主演二人の演技がとにかく素晴らしくて、というかリアルで、圧倒させられました。


男はバカです。イライラさせられるほど。
映画の冒頭からバカで、最後もやっぱりバカだったけど、でもその「バカ」が、最初と最後では全然違っているのです。
見終えて自分が、恥じ入って頭が下がってしまうような、それでいて清清しく感じられるような、希望が見えるような素敵なラストもよかった。
ちょっと「潜水服は蝶の夢を見る」みたいな部分があったかな?私はこちらの映画のほうが100倍くらい好きです。
「シークレット・サンシャイン」の監督と同じだそうです。


さらにネタばれで・・・・


冒頭、服役を終えて出所する主人公の様子は、あまりにも情けなく、好感のかけらも持てません。
家族にもつまはじきで、兄の奥さんからは「アンタがいないうちは心安らかに暮らせた」みたいなことを言われてしまうんだけど、前科3犯ともなれば家族がそう思うのは当然だ・・と、共感してしまう。
最初に、自分が死なせてしまった人の家族に会いに行くなんて、無神経だなーとまず思うし、結局その娘である障害者に暴行しようとしてしまうところでは、完全に主人公に対して「悪人だ」とレッテルが貼られ大嫌いになってしまうんですが・・・
だんだんと、この人が本当にその障害のある娘に対して、真心がこもった世話をしているのを見て、観客の心に「?」が生まれます。「あれ?結構イイやつなの?」・・・。
合間合間に見せられる主人公のだらしなさや、生活能力のなさ、情けない姿にやっぱりガッカリしながらも、どこかで「いいヤツかもしれない」と思えてくる。
主人公側のパーティーでは、家族に彼女を疎んじられながらも、堂々と連れて行く。
そのとき、ひとつの真実が観客に知らされます。
なんと、じゃあ、主人公は前科3犯じゃないじゃないか・・。
ラストにも結局彼は、彼女への暴行と言う罪を着せられて服役する。。これで、世間的には前科4犯です。。だけど、観客はその4のうち2は「違う」と知っている。
じゃぁひょっとして、2のうち1つはまた違うかも・・。2のうち、2も違うかも?
どこまでが本当に彼が犯した罪なのか?
どこまでが彼の本当の姿なのか?
一見、どうしようもない悪人に見えた主人公への、印象って言うのが、実は思い込んでしまった先入観によるものだと段々分かってくるんですよね。
ふたりが純粋に愛し合っていても、世間はそれを認められない。
なぜなら「自分だったら・・・」と思うからです。
そこに傲慢な思い込みがあるということに気付かないのです。
観客である私にも「傲慢」があるだろう、と、思い切り指摘されてしまうような作品でした。

また、彼女の心の中の「自由」を求める心にもはっとさせられました。
彼女の気持ちを想像すると(想像は及ばないだろうけど)いろんなことを考えさせられました。
バカだなー、主人公。なんでちゃんと説明しない?その辺あまりにも口下手でイライラさせてくれる・・・・
でも、それが彼の一種の「よさ」なんですよね。

彼が自分に出来ることで、彼女への愛情を表現している部分や
最後の手紙には胸が熱くなりました。

ゴースト・ハウス ★★★
監督:オキサイド・パン 、ダニー・パン
出演: クリステン・スチュワート (ジェス)
ディラン・マクダーモット (ロイ)
ペネロープ・アン・ミラー (デニース)
あらすじ: 大都会シカゴを離れ、ノース・ダコタの人里離れた農場に引っ越してきたソロモン一家。失業中の父ロイ(ディラン・マクダーモット)はここでのヒマワリ栽培に賭ける一方、家族の心をバラバラにした問題児の長女ジェス(クリステン・スチュワート)の存在に頭を痛めていた。そんな中、ジェスは家の中で怪現象の数々に遭遇し始める。 シネマトゥデイ

期待しないで見たが、割と怖がらせるツボを心得ている作品。ユーレイを信じてなくてもぞっとするし、内容的にも面白い。ちょっとトシオくん(呪怨)とか貞子とか思い出されて、日本人向きのホラーかもしれません。 まぁ音やら衝撃で驚かす・・というのはあると思うけど、割と楽しめた。
クリスティン・スチュワートの「トワイライト」以前の作品と知って、同時に偶然「トワイライト2」を借りていたので驚いたしだい。
ニュームーン/トワイライト・サーガ ★★☆
監督:クリス・ワイツ
出演: クリステン・スチュワート (ベラ・スワン)
ロバート・パティンソン (エドワード・カレン)
テイラー・ロートナー (ジェイコブ・ブラック)
ダコタ・ファニング (ジェーン)
アシュリー・グリーン (アリス・カレン)
あらすじ: 18歳の誕生パーティーでのある事件がきっかけとなり、愛するバンパイアのエドワード(ロバート・パティンソン)と離ればなれになってしまう人間の女子高生ベラ(クリステン・スチュワート)。傷つくベラを励ますジェイコブ(テイラー・ロートナー)だったが、彼はバンパイアの宿敵、狼一族の末裔(まつえい)だった……。 シネマトゥデイ

うーん、結局このふたりがやってることは第一話とそうかわらなかった気がする 。結局、好きだけど立場と言うか体質と言うか・・・人間とバンパイヤは一緒にはなれないんだ・・・という苦しみが主体で、それほど進展があるような気もしない。娘が好きなダコタが出てただけめっけもん。
セブンティーン・アゲイン ★★★
監督 バー・スティアーズ
出演: ザック・エフロン (マイク・オドネル(17歳))
レスリー・マン (スカーレット・オドネル)
トーマス・レノン (ネッド・ゴールド)
ミシェル・トラクテンバーグ (マギー・オドネル)
スターリング・ナイト (アレックス・オドネル)
あらすじ: 高校バスケット・ボール部のスター選手して活躍するも、恋人の妊娠を機にすべてを投げだしたマイク・オドネル(マシュー・ペリー)は、過去の栄光の日々とはほど遠い生活を送っていた。そんなある日、ひょんなことから突然17歳の姿に戻ったマイク(ザック・エフロン)は、これでまでの人生を取り戻そうと高校生活を再び始める。 シネマトゥデイ

ありがちな話かと思ったけど、案外意外性があって面白かった。自分の本当の気持ちに気付いていく過程がコミカルに無理なく描かれてて楽しめました。ロウティーン以下にも人気があるザックだからか、物語が健全すぎるほど健全。私は娘と見たのですっごく安心して見ていられたのがよかった。
テケテケ ★★
都市伝説由来の映画作品。上半身だけのお化け「テケテケ」がやってくる。振り返ると上半身と下半身、真っ二つにされて殺される・・というもの。あまりのリアリティのなさに却って怖くもなんともない。友達を失う喪失感が切なくて、その辺まではなんとか見られたけれど・・・。あとは・・・。
AKB48が出ていて、後で知ってちょっとびっくりした。
借りぐらしのアリエッティ ★★★★
監督: 米林宏昌
プロデューサー: 鈴木敏夫
企画: 宮崎駿
原作: メアリー・ノートン
『床下の小人たち』(岩波少年文庫刊)
脚本: 宮崎駿
丹羽圭子

声の出演: 志田未来 アリエッティ
神木隆之介 翔
大竹しのぶ ホミリー
竹下景子 貞子
藤原竜也 スピラー
三浦友和 ポッド
樹木希林 ハル
実はあんまり期待してなくて、「ゲド戦記」よりはマシだろうって程度でした。
が、見始めてすぐに世界観に引き込まれました。
心臓に病気があり、数日後に手術を控えている翔という少年が、大叔母の閑静な住宅に静養に来たとき、そこで小さな人間を見ます。それがアリエッティ。この家の床下で「借りぐらし」をしている一家の一人娘です。
アリエッティたち小人は、人間からいろんなものを少しずつ「借り」て、暮らしていますが、決して人間に姿を見られてはいけません。そんな掟のあるアリエッティが、翔に姿を見られてしまい・・・??
と言う物語ですが、ともかく、アリエッティたちの暮らしぶりが面白くて釣り込まれます。
人間には小さな一枚の葉っぱですが、アリエッティが持てばとんでもなく大きな葉っぱ。
「ローリエね。これで一年分はあるわ。」と言うように、そして、我らにはなんでもない一滴の水も、小人たちにとっては巨大な一粒であるように、人にとってはなんでもない一粒の砂糖、食器棚、テーブル・・・それが小人たちにどう見えてどういう存在か・・・・小さな人たちから見たこの世界観にワクワクしました。
壁掛けの花瓶、見たことあるなと思ったら鉛筆のキャップだったりとか、ディティールの使い方が見応えあったし、こんな風に小人が夜な夜な我が家の台所にでも来ているとしたら面白いな、と、素直に思えました。
アリエッティが好感の持てる可愛い女の子で、翔と淡い恋にも似た気持ちを持ち、お互いにもっと近づきたいと言う気持ちを持ちながらも、人間と小人では許されないと言う禁断の恋?みたいな設定も萌えました。
ジブリ作品で、見たことあるな〜みたいなのもあれこれ出てきて、その辺も楽しかった。オマージュになってると思うんだけど、ジブリファンから見たら嬉しい設定でした。(^^)
どうみても猫の雰囲気はあの映画のアレだし、スピアーなんかはあのアニメのあの子にそっくりだし・・みたいな。他にも色々あったと思います。
そんな風に引き込まれたままあっという間に時間が過ぎて、ラストはもう、涙涙、涙涙。
こういうの好きです。

私的にはポニョよりもいいと思いました(^^)

ただ、やっぱり声ね。
いつもいつもジブリ作品の声の使い方には疑問が。
他にもっと雰囲気のあった声優がいるだろうにと思えてなりません。お父さんの声はソフトすぎると思うし、お母さんの声もまるで合ってない。違和感強すぎました。翔の声のあのひとは相変わらず棒読み!!
志田未来さんだけは予想外にうまくてよかった。志田未来さん正直好きでもなんでもなかったけど、これでかなり見直しました!
トイストーリー3 ★★★★★
監督: リー・アンクリッチ
声の出演: トム・ハンクス ウッディ
ティム・アレン バズ・ライトイヤー
ジョーン・キューザック ジェシー
ネッド・ビーティ ロッツォ
ドン・リックルズ ミスター・ポテトヘッド
マイケル・キートン ケン
今年度一番のお楽しみ、「トイストーリー3」を3Dで見てきました。
アンディはどこか遠方の(かどうか、家からは通えないところらしい)大学に入ることになり、アンディがいなくなった部屋を妹が使うため、部屋の整理をしています。
アンディはすっかり大きくなり、部屋ももう立派な男子の部屋。おもちゃで遊んでいた頃の面影はありません。
持ち物は「大学へ持っていくもの」「屋根裏部屋に片付けておくもの」「捨てるもの」の3つの選択。
さぁ。アンディのおもちゃ、ウッディやバズ、ジェシー、ポテトヘッドたちはどうなるの??

トイストーリーは、1も2もとても面白いです。
結構「2」ははずれが多いけどこれだけは別。
では「3」はどうか。期待しつつも、外れるかもしれないな・・という気持ちもどこかにありました。
見終えて正直な感想は・・「やっぱり『1』や『2』ほどは面白くないな」というものですね。
もちろん、面白いことは面白いです。
観ている間中、スクリーンに釘付けで、笑ったりはらはらしたり切なくなったりして夢中で見ていました。
でも、前作と比べると物足りなく感じてしまうんですね。
クライマックスの危機感だけは1や2よりも「絶体絶命」って感じが大きい状況だったんですけど、でもいかんせん「スピード感」がなくて。ちょっとまったりとしてしまった感じがしました。
だから、やっぱり期待しすぎるとはずれてしまうのですね。
いや、決して「はずれ」などではないですけどね。
(ただ、1と2と比べると・・・って、しつこいですね(^_^;))

全体的には満足のいく楽しい映画でした。


以下ネタバレ気味です




というのも、アンディが大きくなればどうしてもおもちゃでは遊ばない。
気持ちも離れて、箱の中にしまいっぱなしのおもちゃたち。
いつかは永遠に別れなければならないのでは?
子どもが成長するときに感じる親の寂しさが切々と伝わるところです。
アンディが大学へ行くと、おもちゃたちだけじゃなくて、家族だって寂しくなります。
子どもは大きくなる。そして世界を広げ、自分のもとから離れていく。
それは喜ばしいことに違いないのですけど、どうしても一抹の寂しさや郷愁に襲われてしまうのです。
その寂しさにやられてしまい、最後のほうは涙、涙で嗚咽さえしたくなるほどでした。
胸が詰まる映画でした。

そうそう、3Dですが・・・3Dはもう、どうでもよかったような気がします。
最初のほうは3Dの迫力も楽しんでましたけど、最後のほうになるとストーリーに引き込まれて、3Dだということも忘れてしまうほどでした。
っていうか、そろそろ見慣れて来たっていうのもあるかもしれませんね。
見慣れるほども見てないような気がするけど。


ストーリー的に
同じような感じで、「くまのプーさん」も最後は泣けてしまいますよね。
でも、プーさんはあんな感じ、100エーカーの森の仲間たちもあんな感じ(笑)
とぼけていて、寂しいとしても、とぼけすぎていて淡々としています。
それがまた余計に泣かせるんですよね。