96時間 ★★★★
監督  ピエール・モレル
出演  リーアム・ニーソン
ファム・ケ・ヤンソン
わがままを押し通して海外旅行に行った娘(別れた元妻と暮らしている)を、フランスで謎の組織に拉致されてしまった、元CIA工作員が娘を救助する物語。

ちょっとネタバレになるけど、どうせ助かるだろう、どうせ助けるんだろう・・と言う先は見えている物語。「ダイハード」的な・・。
それでも充分楽しめる物語でした。
まずなんといっても、父親ブライアン役のリーアム・ニーソンがカッコイイ!
もうすぐ60になろうとする彼ですが、充分アクションもいけるし、惚れ惚れとしてしまうぐらいに強いお父さんを熱演してました。本当にカッコよかった〜!
私、思ったんだけど、奥さんはなぜあのだんなさんで不満だったんだろうか?
強くて賢くて、何でも出来て、CIAならお給料もいいだろうし、生活も安定しているし。たしかに夫の無事が心配ではあるんだろうけど、それって別れたらすむ問題なのか・・。
私だったらあんな夫なら理想だな!と思ってしまった(笑)。
女性は良く理想のタイプの男性は?ときかれて「守ってくれる人」と答えるではないか。(草食系男子と肉食女子がはびこる最近は違うのかな?)ブライアンのような男だったら、絶対に守ってくれるし(そもそも危険な目に合うことが滅多にないとは思うけど)理想のきわみではないのか?
まぁともかく、この映画は娘を案じて大活躍する強いお父さんの姿を見ているだけで満足できる映画です。
「ダイハード」のジョン・マクレーンと「ボーン」シリーズのジェイソン・ボーンをミックスしたような感じと思います。(どっちも大好き!)
でも、あのお嬢さんにそこまで大金出しますか。と言う感じはしましたが(^^ゞ。
イングロリアス・バスターズ ★★★☆
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ブラッド・ピット
    メラニー・ロラン
    ダイアン・クルーガー
    マイク・マイヤーズ
    クリストフ・ヴァルツ
第二次世界大戦下のフランス。ドイツ軍ランダ大佐は「ユダヤ人ハンター」と異名を取り、片っ端からユダヤ人を検挙し殺していく。ショシャナはそんなランダ大佐に一家を惨殺された生き残り。
かたや、アメリカ軍のアルド・レイン中尉率いるナチスバスターズ8人の極秘部隊は、ナチスを震え上がらせるほど残酷なやり方で、ナチスを退治していくナチスバスターズ。
ショシャナとバスターズはあるプロジェクトで奇しくも交錯する。そのプロジェクトとは・・・。

史実を大胆に無視した設定で、ここまで思い切りやってくれると却ってさばさばとした気持ちで楽しめる。
ともかく、ランダ大佐がお見事なんです。憎たらしいほど完璧。頭いいし勘は鋭いし、冷徹無比でクールで、何ヶ国語も喋ってしまって誰もランダ大佐に太刀打ちできない。憎たらしいキャラだけど、どうにも魅力的で忘れられない人物。なんたって軍服がかっこいいよね・・・・どうしても・・・思わんとこ、と思ってもこれだけ似合っていたら萌えちゃうドイツ軍服。特にロングコート。
しかし、ショシャナに対する仕打ちなんか見てて、こいつを誰かがやっつけてくれる!と期待してみていました。それが、ブラピ・アルド中尉に違いないと思っていたんだけどね〜。
その点がちょっと期待はずれ。アルド中尉とランダ大佐の火花の散るような対決が見たかったけど、かなり方スカシな感じがしてしまいました。
とは言え、他の出演者たちもかなり豪華なラインナップで、バスターズの面々など、もっと活躍を見たかった。
女優陣もみんな美しかった!ダイアン・クルーガーはいつものとおり美しかったけど、ショシャナを演じた女優さんの倫とした古風な美しさにかなり見入ってしまいました。
サブウェイ123 激突 ★★★
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン
ジョン・トラボルタ
イマイチだったかも。。。デンゼル・ワシントンの収賄容疑がもやもやと残ってしまう。やっぱり潔癖であって欲しい。本当のところはどうなのか?と最後まで思っていた。ラストも犯人のトラボルタに同情してしまう。デンゼルにああいう結末を期待していなかった。結局何が言いたかったのか・・誰の何を示したかったのかわからなかった。市長役の人はトゥルーロマンスに出てました。久しぶりに見たらやっぱりそれなりに年取ってて感慨深いですね。
ソーシャル・ネットワーク ★★★★
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ジェシー・アイゼンバーグ(マーク・ザッカーバーグ)
   アンドリュー・ガーフィールド(エドゥアルド・サベリン)
   ジャスティン・ティンバーレイク(ショーン・パーカー)
   アーミー・ハマー(キェメロン&タイラー・ウィンクルボス)
   マックス・ミンゲラ(ディビヤ・ナレンドラ)
先日ゴールデングローブ賞の作品賞を受賞した「ソーシャル・ネットワーク」見てきました。
主人公のマーク・ザッカーバーグはハーバード大学でトップの成績を誇る秀才ですが、人の気持ちを忖度するのが苦手で、彼女を怒らせてしまい振られてしまいます。挙句に彼女の悪口をブログに書くなど男として、人として大事なものが欠落しているとしか思えない人間性。
そんな彼が仲間と一緒に、大学内のSNSを立ち上げ、それが現時点で世界最大のSNS「Facebook」に発展していくのです。
最初はSNSを立ち上げるまでの経過、そしてそれ以後は裁判(調停)のシーンによって、調停の場面と交互に今までの経緯が語られていきます。一体何があってこんな風に裁判沙汰になっているのか?それがおいおい判ってくるのです。

驚いたのは、そう言うサイトを立ち上げたのが「学生」と言うこと。このハーバード大の学長の言葉が映画の中で登場するのですが「仕事を探すのではなく仕事を作れ」と言う意味の(違うかな)ことを言っていました。学生は勉強していればいいというのではなく、学生である時点からもう社会のなかでどれだけ通用することができるか、そう言うことを考えられるか、と言う視点?育つ学生もケタが違うんだなぁと・・・。
主人公は「Facebook」のヒットにより大成功を収めていくんですが、それが、だから幸せかっていうと、全然そうは思えないんです。主人公が好きか?と言うと、見ていても全然好きにならない。悪人とは思わないけど、一言で言うと「友達甲斐のないやつ」であり「KYなやつ」です。
ショーン・パーカーと知り合い、介入されてからの物語はスリリングで面白いんですけど、やっぱり主人公がバカに見えてしまいました。大事なものを見落として目先のチャンスばかりを追う、まぁ誰でもそうなんですけど。でもいたくエドゥアルド・サベリンに同情してしまった。
最後の場面で、マークがなにをしているか・・・あのシーンが印象的で忘れられません。
結局それ?みたいな・・・。
とても皮肉な結末でした。

ところで、ボートクラブのふたごの兄弟、カッコよかったんですけど・・ふたごじゃなくて二役やってたんですね。そっくりだと思った〜(笑)

それから、夫を連れて見に行ったんですが、夫はネットと言えばヤフースポーツとかゴルフ関係の情報を見るぐらいで、SNSという言葉もよく知らないぐらいのネット音痴。夫を連れてきたのは失敗だったなー、夫、きっとつまらないだろうなぁ・・と思ってちょっと集中できませんでした。夫に悪いことをしてしまいました・・(^_^;)
隣の家の少女 ★★★
監督:グレゴリー・M・ウィルソン
出演:ブライス・オーファース
ダニエル・マンシェ
禁断のジャック・ケッチャム「隣の家の少女」の映画化!
「あの」原作を一体どうやって映像にするんだろう?と思ったけど(子どもが子どもを虐待したり、それ以上のことをしたりするから・・)映像的には隠しながら、でも陰惨さはかもし出しと言う、うまい具合に映像化していました。直接的なシーンはほとんどないけど、おぞましさは充分に伝わりました。
ただ、これは原作でも私個人的には思うのだけど、ルースが少女を虐待すると言う背景が、もうちょっと詳しく深く描いてくれるほうが、臨場感があったんじゃないかなぁ。
原作では描いてあることはあるのですが、個人的には「もっと教えて」と思うし、映画ではそのあたりの説明は一切ないから、リアリティに欠ける感じがしました。私はともかく「どうしてそうなってしまったのか」って言うのが気になってしまうのです。
映画では主人公がやたら、「いい少年」になってしまったのも「ん?」と思った。原作ではちょっと「S」的な要素があったような気がするんですけど。
でも、だから最後はほろっとさせられたと言うのも本音。
テンポが良くない気がしたけど、そこそこでした。
ウツ映画好きとしては見とかなくっちゃ!と言う作品です。いろいろゴメンナサイ(^_^;)
グリーン・ホーネット ★★★★

監督 ミシェル・ゴンドリー

製作総指揮 セス・ローゲン

出演 セス・ローゲン(ブリット・リード/グリーン・ホーネット)
ジェイ・チョウ(カトー)
キャメロン・ディアス(レノア・ケース)
クリストフ・ヴァルツ(チュドノフスキー)
エドワード・ジェームズ・オルモス(マイケル・アックスフォード)

マイダーリンのジェイ・チョウが出てるので、張り切って初日に見に行きました。
そして後日2回目の鑑賞に。3回ぐらい見たかったけどあっという間に上映回数が減ってしまい(近頃の映画はどれもそうですが)合う時間がなくて身に行かれなくなりました。残念!!

こういう映画って、楽しめるかどうか、本当に見る人間に掛かってくると思いました。100%見た人が満足できる映画はないにしても、だいたい、アマゾンの評価なんかで言うと、作品によっておおむね星の数が決まってくると言うかね。
でも、この映画って★ひとつの人と、★4つの人と(5個の人はいないでしょ〜・・)きっぱり分かれそうでした。
とは言え★ひとつってひとは稀?
あちこちの感想を見ても、「面白かった」と言う感想が多くてビックリ。
私は、マイダーリンが出てたからそこそこ楽しめたけど、映画としてはほとんどダメだったなぁ。
だいたい、大昔のドラマだったそうですけど(ブルース・リーが駆け出しのころ??)当時はまだまだ、日本と中国が同じ国、みたいな認識だったんじゃないかな?ジェイの演じる「カトー」という人物が、明らかに「加藤」なのに上海生まれの中国人なのも解せないし。
あまりのドタバタっぷりも、洗練されてない昔のギャグ風な感じがした。
一番ダメなのは、そう言う設定なんだろうけど、主人公が馬鹿すぎる。
それならせめてもっとキュートな配役にすればいいのに、全然萌どころがなくて、魅力も感じられない。(セス・ローゲンのファンの方ゴメンナサイ)
悪を倒すと言う主義があるのに、やってるのは世間を騒がせてるだけの馬鹿騒動だし、とても社会に貢献してるように感じなかった。
それなのに、主役二人のケンカのシーンなど、無意味なシーンがやたら長くだれた。
一番言いたいのは、ジェイのカンフーはもっとカッコよいです。
演出下手。

要するに、個人的に思うに、楽しむのにコツがいる映画・・でしょうか。或いは思い入れがあるとか・・・。

イングロリアス・バスターズのランダ大佐がいい味を出しているも、最後はこの人もなんだかなーでガッカリしたし、また、エドワード・ファーロング久々に見たと思ったらこんな役!!・・・やめて・・。みたいな(^_^;)

しかし、何もかもを承知で、見に行った2回目。
大画面で見られるジェイをひたすら見ることに専念し、楽しみました!!
やっぱり大画面は良いね。
声も素敵でした。
文句ばっかり言ってしまったけど、DVD出たら買うよ。BDね!(笑)
プレシャス ★★★★
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ
モニーク
親に虐待されながらも、教育を求め、フリースクールに通い、成長していこうとする少女プレシャスの物語。

んーーーーー
とても切ない物語です。
少女プレシャスの現状がともかく悲惨きわまりない。
フィクションならどうしてこんな悲しい境遇を主人公に与えるのか?
そこから何を訴えようとしているのか?
だけど、それでも逞しく生きようとする彼女のすがたに感動しないではいられません。
ジャケット写真、プレシャスのバックにうっすらチョウチョの羽がついています。
想像の中では彼女はとても幸せなのです。
現実とのギャップがまた物悲しい。
「潜水服は蝶の夢を見る」とか「オアシス」とか・・・彷彿としました。
フリースクールの先生がとてもいい先生だったこと、親ときっぱり決別できたことが、救いです。
プレシャスにエールを送りたい。
私はこの映画がウツ映画とは思いません。
クロスゲーム ★★★
監督:ティボー・タカクス
出演:クリスチャン・スレーター
キューバ・グッティング
相変わらずB級感あふれる作品に出てます。でも好きだから追いかける。「ただの作家」が婚約者の拉致失踪からとんでもない事件に巻き込まれていくサスペンス。婚約者の正体は?・・コミカルに仕立ててあるけど、どうも中途半端な感じがしたなぁ・・。婚約者失踪の後、作家ウェスの前に現れた謎の女も、美女って言う感じじゃないし。萌ツボもあんまりなかった。でも、そこそこ・・かな。ううむ。コミカルなサスペンスならなんといっても「クライム&ダイヤモンド」だろうけど・・あれぐらい面白かったら文句ないけどね。
ザ・ロード ★★★★
監督: ジョン・ヒルコート
出演:ヴィゴ・モーテンセン
コディ・スミット=マクフィー
ロバート・デュヴァル
文明崩壊後の世界で生き抜こうとする父と息子の物語。
なぜ、文明が崩壊したのかという背景は描かれていなくて、ただひたすら暗澹、殺伐とした世界を死に物狂いで「南」に向かって旅する親子の姿が描かれます。
回想シーンで、母親が絶望のあまりに命を絶つというくだりがあるのだけど、何に対してそこまで絶望するのか、疑問に思った。人間は元来「死にたくない」と思う生き物だと思う。どんな状況でも最後まで生に対して執着すると思うのだけど、それが切羽詰っているようにも見えない中で、本当に死を選ぶからには、どれほどか恐ろしいことを体験したか、実際に見たのか・・・。
だとすれば、それはどんなものだったんだろう・・・と、ずっと思っていた。
極限の中で、なんとしても生きようとする親子と、それを阻むように次々に降りかかる難局。重苦しい場面の連続だったけど、見入ってしまった。
正気をも奪う絶望感、だけど、息子への愛情だけはいつまでもしっかり持っている父親の姿と、そんな父親を慕う息子・・この息子がまた一筋の癒し的な温かみを与えてくれて救われる。
ラスト、あの世界の中で生きていくことの困難を思うと、生き残ったとして幸せなのかとも思うけど、どんな状況でも生きることに肯定的な結末に、他人を思うことの出来る結末に、私は感動しました。泣けた。
サベイランス ★★★
監督: ジェニファー・リンチ
出演:ジュリア・オーモンド
ビル・ブルマン
フレンチ・スチュアート
紹介文に「不条理」と書いてあったので借りてみた。
各地で起きる猟奇殺人事件がこの街の道路上で起き、パトロール中の警官も犠牲に。
土地の警察にFBIから捜査官が派遣され、目撃証言者たちの聞き取りを始める。
しかし、その聞き取りの最中にも、新たな犠牲者が出たという知らせが入り、事件は意外な結末を呼ぶのだった・・・。
個人的にはちょっと前半ダラダラしたような気がします。早送りで見たくなってしまった。
結論から言えば、なかなか面白い物語(映画として、ですよ)だと思うけど、そこに行くまでのテンポが良くないんじゃないかなぁ。
私の中で「不条理」の最高作品はハネケ監督の「ファニーゲーム」なんだけど、そこまではぶっ飛び感がない。 あの作品に比べたら甘かったように感じました。本当に盛り上がるのがごく終盤だけだった感じ。
デヴィッド・リンチ監督の娘さんが監督をしています。 次に期待。
しあわせの隠れ場所 ★★★★★
監督: ジョン・リー・ハンコック
出演:サンドラ・ブロック
クィントン・アーロン
ティム・マッグロウ
これは文句のつけようがない「いい話」の映画化です。
実話ベースだからこそ素晴らしいと思える。これが作り物の物語だったら、いい話過ぎて逆に白けるかも・・。

母親がジャンキーで子どもを育てられず、引き離されて友達の家に居候しているマイク。
通称、ビッグマイク。その家にも居辛くなり、街を歩いていた雪の日、アン・リーは彼を「拾い」家に招じ入れ、そのまま彼の世話をすることに。
そしてアメフトの選手として大成していくのです。

普通にお金持ちだと、高みから人を見下したり哀れんだりする、そこからボランティア活動をする人たちも多いと思う(一概に断言しませんが)現に、アン・リーの友達もそんな感じの「嫌な金持ち連中」。
でも、彼女はそうじゃなくて正真正銘の「いいひと」。それが裕福ゆえのものだとしても、やっぱり稀有な存在ではないだろうか?
片やマイケル。すごく荒れた環境に育ちながらも、清純さを失わずこちらもまた「いい子」に育っている。これまた希少な存在。
この物語はそんな両者がたまたま出合ったという、奇跡のような物語だと思います。
その「出会い」こそが物語のポイントじゃないでしょうか。
アン・リーの家族もまたマイケルを家族として迎えることに、躊躇もなく前向き。弟のSJなんて最初から大歓迎だし、「兄」と呼んではばからず慕う。この親にしてこの子あり!の「いい見本」の典型みたいな家族です。
正式にマイケルを養子として迎えようとするときに、産みの母親にあいに行くシーンでは、アン・リーの資質が良く出ていたと思う。子どもを育てられないダメなジャンキーの母親。だけど、そんな彼女にも優しいアン・リー。子どもと引き離されたことの悲しみに同情をよせ、優しく包み込むすがたに、心から頭が下がりました。

ともかく、物語として申し分なく感動的。
嘘じゃないことは、エンドロールに登場する本人たちの写真を見たら納得する。
映画を見終えてジャケットを見るとまた感動が新に蘇るのです。

滂沱のお涙頂戴の物語にならないのは、アメリカの映画だからからっとしてるのかも。
そこもまた良し。
SJの子役がすごく良かったです!!
マイケルのアメフトの「指導」シーンとかすごく好き。
RED ★★★★
監督:ロベルト・シュヴェンケ
出演:ブルース・ウィリス
モーガン・フリーマン
ジョン・マルコヴィッチ
ヘレン・ミレン
「Retired Extremely Dangerous」=「RED」= 引退した超危険人物たち
それはアメリカが最も恐れた危険なオヤジたち。
CIA暗殺リストに記された元一流スパイたち。
彼らの反撃が始まった!

という、チラシにも書いてあるとおりの内容です(笑)。

冒頭、年金係の女性サラと私的な電話をする主人公フランク。一見友達のようにも顔見知りのようにも思える、この二人の関係はなんだろう?と思っていたんだけど、実はこの二人は会ったこともない他人。
年金のことで電話するうちに、フランクが勝手に好きになってしまうと言う、なんともうぶな話。
たったそれだけのことで、この平凡な電話係のサラが大冒険に巻き込まれてしまう。
「君を危険な目に合わせないために」と、サラがフランクに誘拐されるところから始まり、ちょっと「ナイト&デイ」を髣髴とさせる部分もありました。
だから、フランクはサラにとって、目の前で華麗に敵を撃退し、自分を守り抜いてくれる屈強の騎士、それでいて自分にはとても紳士で優しい・・これでは好きにならないわけがない。
「惚れてまうやろ〜〜!」と言う感じです(笑)。
誘拐した相手だからストックホルム症候群と言うのもあると思う。
最初は抵抗しているサラだけど・・・・(笑)。
フランクは現役引退者だから、「老人」だし、サラも若いとはいえない年齢。その二人にこんなロマンスがあるなんて・・・。
すごいアクションで、現役引退の老人たちが現役に負けないぐらいに強くて頼もしいと言う意外性を見せて〜の、ド派手なアクションには本当に堪能させられたけど、それプラス「枯れた男女の(と言うとサラには気の毒だけど)恋愛」が絡んで、老いてなお健在、老いてなおロマンスという、二重に美味しい映画でした。
人をバンバン殺したりするけど、見ていて嫌悪感がないです。そんなことは考えなくていいように、映画自体が作られている。こういうのが娯楽作品と言うのではないでしょうか。
上品な出で立ちでありながら、バズーカをぶっ放すヘレン・ミレンなんて、同じ女性としてめちゃくちゃ憧れます〜!
他にもジョン・マルコビッチ、モーガン・フリーマン、カール・アーバン、リチャード・ドレイファスなどみんなキャラが立っていて、ともかく飽きずに見入ってしまいました。
それにしても、ジェイソン・ボーンとか、こないだ見た「96時間」のリーアム・ニーソンとか・・CIAの男って本当にあんなに出来るの?っていうか、実在するんですか(笑)。
私もサラのように「冒険」に巻き込まれたいなぁ〜〜!と、思わせてくれる映画ですね(*^_^*)
いや、本当に巻き込まれたら困るけどね(笑)
ウォール・ストリート ★★★
感想
ボーイズ・ドント・クライ ★★★★☆
監督: キンバリー・ピアース
出演:ヒラリー・スワンク
クロエ・セヴィニー
ピーター・サーズガード
「幸せの隠れ場所」に引き続き、実話ベースの物語らしいけど、こちらはなんともやりきれない、ものすごく辛くて悲しい物語。
今からざっと30年ほど前の話になるんでしょうか。一人の性同一性障害の女性の生き様を描いています。
今でこそ、「性同一性障害」というのは一般的に知られているし、市民権も得ているように思うけど、当時はきっとまだまだ理解も得られなくて、実際映画の中でも主人公は「ばけもの」と罵倒されたりします。
ヒラリー・スワンクは女性的な女優ではないし、こんな風に男装してみると、パッと見た感じ男にしか見えない。ちょっと優男過ぎる感じはするけど、いくらでもそう言う人いますよね。
そんな主人公、ティーナ・ブランドンが本名だけど、人にはファーストネームが「ブランドン」と言う風に、男名前を教えます。一生懸命男を装い(股間にも工夫している)字幕は「俺」と言う一人称。きっと彼が日本人だったらやっぱり「僕」よりも「俺」を使うでしょうね。
その様子は痛々しくすらあります。
「性転換手術」も考えているんだけど、費用の面と肉体的な苦痛に対する恐怖があるみたい。
男になりたい、中身は男だと思う、けれど、肉体は厳然とした女で、月に一度は生理もやってくる。
想像できない苦悩があるのでしょう。
彼は、見知らぬ町に住み着き、そこで彼女まで作ってしまう。彼女はブランドンの中身に惹かれたのです。
しかし、いつまでも素性が隠せるわけではなく、結局はばれる日が来ます。
そうなると、あれやこれやと想像できるとおりのことが・・最悪の方向にことごとく物語が進んで行き、かなり落ち込む結末に向かいます。
驚くのはやっぱり、これが実話だと言うことでしょうか。
辛すぎる結末だけど、実話だから有無を言わさぬ迫力がある。
事件を起こす二人の極道者がすごく憎たらしいけど、自分がもしも当事者だったら?まさか、この二人のようなことはしないと思う。でも、異端を差別する気持ちが、自分にはないと断言は出来ないのです。
物語として一部始終を傍観するのと、当事者になるのとはまるで違うと思うのです。
そう思うと辛さも倍増する物語でした。
衝撃のラストまでは、特に大事件が起きるわけでもなく、日々の生活を淡々と描いてあるだけなのですが、それがまたなんか知らん釣り込まれましたよ。なんか起きそう・・・とはらはらしながら見ていたからかな。
ものすごく心に残る物語で、しばし後を引きました。
辛い・・・。辛すぎる。ならず者の2人組み、引き裂いてやりたいぐらいに憎いです。


※ならず者なんだけど、ピーター・サーズガードのこと、初めてかっこいいかもと思った(^_^;)
無精ひげとか、だらしないロン毛とか案外似合ってると思いました。
でも、もう、きっとどんな役をやってもこのイメージは拭えない気がする。
それにしても、もう片方のならず者トム、減刑って・・・・無性に腹立たしい!!
ショーツ 魔法の石大作戦 ★★★
監督: ロバート・ロドリゲス
出演:ジョン・クライヤー
ウィリアム・H・メイシー
レスリー・マン
どんな願いも叶えてくれる“魔法の石”を見つけた少年のストーリーを中心に、その石をめぐる人々のエピソードが面白おかしく展開していくロバート・ロドリゲス監督のファミリー・アドベンチャー。

まあまあ楽しい映画だった。「スパイキッズ」もそうだけど、ロドリゲス監督は子どもの気持ちを良く分かってる感じがする。子役が結構可愛い子が多くてそれも楽しかった。ジェームズ・スペイダーには驚いたけど!! ナイス!
レクイエム・フォー・ドリーム ★★★★
監督: ダーレン・アロノフスキー
出演:エレン・バースティン
ジャレッド・レトー
ジェニファー・コネリー
鑑賞後に気分が落ち込む映画系のランキングで、かなり上位を取る作品と言うことで見ました。

麻薬によって崩壊していく4人の人間を描いた物語。
一人目はある母親。テレビを見るのが大好きな母親は視聴者参加型の番組の当選案内か何かが届き、番組に出られるかもしれないと喜びます。そのときに着るドレスがぱつんぱつんで、「痩せなきゃ」と言うところから、自分でも気付かないうちに麻薬にはまり込んでいく。
そしてその息子。自分も中毒なら、それを売ってお金儲けをしようとしている。そしてこの息子の友人、息子の彼女。この4人が見る見るうちにひどい麻薬中毒で「人間やめます」みたいな状態になっていくという、救いも何もない陰鬱な映画です。
しかし、「麻薬やめますか人間やめますか」と言われても、もう「麻薬はやめられない」状態になっていくんですね。だったら人間のほうをやめるしかないと言う二者択一。
そう言う恐ろしさが充分に伝わりました。
ヒース・レジャーの「キャンディ」なんかも、麻薬中毒の二人を描いたものだったけど、二人の愛情に焦点が当てられていたように記憶しています。こちらの映画はもっと情け容赦なく、徹底的に麻薬の恐ろしさを描いてる。
母親なんかは、麻薬と言う認識は一切なしにハマってしまったから、我らにもこういう危険はあると考えるべきだと感じました。


後味の悪い映画のナンバー1かと言われたら、うーん、そうでもないかなぁ・・と言う感じはしますが。
ローラーガールズ・ダイアリー ★★★☆
監督: ドリュー・バリモア
出演:エレン・ペイジ
マーシャ・ゲイ・ハーデン
クリステン・ウィグ
ドリュー・バリモアの初監督作品。 ごく普通の家庭で育った高校生のブリスは、母親の意向で美少女コンテストの常連。 しかしそんな生活に飽きていたある日、ローラーゲームの存在を知ります。 一度その試合を見た彼女は夢中になり、自分もその選手として意外にも実力を発揮するのですが・・。 すごい評判いいですが、私はもっとローラーゲームで上手くなっていくシーンが中心かと勝手に思っていたので、中だるみを感じました。それ以外は、ローラーゲームはもちろんのこと、母親との確執アリ、初恋アリ、友達との友情やぎくしゃくあり、チームメイトとの友情ありで、つまり思春期のアレコレがいっぱいぎゅっと詰まった作品です。 この作品を手放しで褒め、同調するには、ちょっと私、トシ食いすぎてるかな(笑)。 爽やかで可愛いけど、それだけじゃない、いい作品だとは思いますが。 端役で出ているドリューも、久しぶりに見たジュリエッタ・ルイスもよかったです。・・・老けていたけど・・・(^_^;)
フェーズ6 ★★★
監督: アレックス・パストール
出演:クリス・パイン
ルー・テイラー・プッチ
パイパー・ペラーボ
フェーズ6というのは世界保健機関(WHO)が定めた最高度の感染警戒レベルだそうです。 致死率100%のウィルスが蔓延した世界で、ただひたすら逃げる・・あるいは「クスリが発明された」と言う情報に頼ってみたりもしますが・・・ともかく、どこと言う当てもなくひたすら逃げ続ける兄弟とその恋人と友達の4人組の映画。

これも見終えたあと後味の悪い映画に入りますね。ひたすら陰鬱。
希望も何もない。
終末世界を描いたもの、最近では「ザ・ロード」を見ましたが、あちらのほうが救いや愛が描かれている分、感動もしましたが、こちらはそう言うのはない。
ただ、自分なら・・・もっと残酷になるんじゃないか?直接人を殺したりはしないとしても、置き去りや見て見ぬ振りなんかは絶対にすると思う。
リアルにそう言う場面が浮かんでくるような説得力があって、私は面白く見られました。
終着駅 トルストイ最後の旅 ★★★★
監督: マイケル・ホフマン
出演:ヘレン・ミレン
クリストファー・プラマー
ジェームズ・マカヴォイ
ものすごく面白い物語で、感動させられて泣きました。
トルストイの作品の著作権をめぐって、その妻のソフィヤとトルストイ主義者の筆頭チェルトコフの確執。
妻を愛してはいるが、主義は捨てられないトルストイ。家庭の中もトルストイ主義者と反トルストイ主義が入り乱れて、凄まじいバトルが繰り広げられます。やがて疲れ果てた文豪は最後の旅(家出)に出るのです。
その一連の物語を若き真面目青年秘書、ワレンチンの目を通して描きます。
このワレンチンにもやっぱりドラマがありまして・・・。生真面目でストイックを貫こうとしているワレンチンですが、トルストイのコミューンの中で初めて人を愛するのです。
トルストイとソフィア、そしてワレンチンとマーシャ、二組のカップルが繰り広げる愛憎劇としても見応えがありました。
しかし、とにもかくにも、妻ソフィヤです。
自分が一家の主婦であることからも、悪妻と言われる妻ソフィアに感情移入。
映画の初めっから、トルストイが好きで好きでたまりませんオーラ全開のソフィヤ。ヒステリックにさえ感じるほど夫を愛しているようなのです。
もうおばあさんと言ってもいいトシなんだけど、夫に向かって「愛している」「私のこと愛してる?」などと繰り返したり、なんとか自分のほうを向かせようとするところなどは、なんとも可愛く見えてしまいました。
でも、崇高な理念を持つ夫に対してあまりの俗っぽさは、滑稽ですらあります。
その結果、深く愛し合っているのに、主義のために引き裂かれる二人。愛し合いつつ憎み合ってしまう。どんどん溝が深まるばかり。切な過ぎます。
妻が夫に生活の保障や安定を求めるのは普通のことじゃないか?と思いましたが、あまりにも偉大な夫には「ごく普通」「平凡」であることすらも罪なのかも知れません。

トルストイの作品も読んだことがないし、その人生も知らずに見てしまったけれど、トルストイについて少なからず前知識を入れていたらもっと映画も楽しめたと思います。
でも、知らないからこそトルストイの圧倒的なカリスマ性や、文豪としてだけではなく思想家として人々をひきつけ、おおきな影響力を持っていたことがおいおいに分かってくる前半部分も、なるほど!という驚きがあったので、何も知らないことが却って良かったかも知れません。
知らなくても充分楽しめる映画に仕上がっていたことも明記します。
つねに世間に注目されている彼は、新聞でもトップ記事になるし、行く先には取材陣が押し寄せているんです。(だから映像としても結構残っていて、エンドロールのときに見られます。)今とそれほど変わりない光景も、面白かったです。

魅力的な人物だったんだろうな、トルストイという人は・・。だからこそ、人もたくさん集まってきたんだろう。そこにやっぱり軋轢や混乱が生まれてしまうのは仕方がないのかも。
秘書となったワレンチンが、初めてトルストイと対話するシーンでは、ワレンチンの感動が伝わりジーンとしたし、トルストイが妻との馴れ初めをワレンチンに語るシーンも胸が熱くなりました。
それがラストシーンの感動にも繋がりました。

偉大な文豪(世界で一番高名な作家だとのこと)として、その末路は驚くものですが、孤独を求めても結局あんなふうに人に囲まれて亡くなってしまった事は、皮肉なのか、ほっとするべきことなのか。孤独な人間は人とのつながりを求め、人に囲まれている人は孤独を求める・・そんなものかもしれません。


ワレンチンが死んだのが1966年とのことですが、私と数年、人生が重なっている!
トルストイのフィルム映像が残ってることからも、大昔の話ではなく、近い時代の人だったんだなぁとしみじみしました。
息もできない ★★★☆
監督: ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン
キム・コッピ
イ・ファン
借金の取立て家業の、サンフン。すごく極道な男で、暴力暴力暴力の毎日。殴って蹴って借金を返済させる。そんなサンフンがあるとき道ですれ違った女子高生のヨニを殴って気絶させる。それがこの主人公二人の出会いです。
お互い罵倒しあいながらもなんとなく馬が合い、いつしか、悪口を言い合いながらもデートのようなこともする仲に。
ヨニには、母親亡き後弟と共に、精神錯乱状態の父親の面倒を見ています。と言っても弟も相当にグレており、こちらも暴力。映画の中はのべつ幕なしに暴力そして「シバロバー」(・・・と、聞こえたのですが「このやろう!」の意味です)の声。
ちぐはぐな二人のロマンスの様でもあり、友情物語のようでもある。
だけど、二人が一緒に幸せになるには、あまりにも「暴力」に翻弄されすぎてしまっていて、とても切ない幕切れでした。と言っても多分、そうなるんだろう・・という予想通りの結末でしたけど。
主人公二人の気持ちが、だんだんと接近していく過程がとてもよかったです。ふたりとも、自分の境遇を言わない。いかにも幸せな暮らしをしているような素振りで付き合っている。だけど、お互いなんとなく、嫌気が差すような不幸な境遇を察知している・・そんなことが伝わってくる、川べりの抱擁は特に切なかったです。
ただ、人物関係が狭く偶然に頼りすぎていて、それは暴力のリンクにハマった人たちを象徴しているのかもしれないけれど、ちょっと上手く出来過ぎという感じもしました。
主人公のヤン・イクチュンという人は、製作・監督・脚本・編集・主演、5役をこなしたそうで、すごい才能と思います。
次作も期待したいです。
扉をたたく人 ★★★★☆
監督 トム・マッカーシー
脚本 トム・マッカーシー
音楽 ヤン・A・P・カチュマレク
出演 リチャード・ジェンキンス ウォルター・ヴェイル
ヒアム・アッバス モーナ
ハーズ・スレイマン タレク
ダナイ・グリラ ゼイナブ
マリアン・セルデス
地味な作品でしたが、色々考えさせられて心に訴えるものがある、良い作品でした。

主人公のウォルターは大学教授。妻に先立たれてからは惰性のような生活。大学の授業もおざなりで、死んだようなどろんとした余生に突入している感じです。
あるとき大学側から強引に学会で論文を発表するように命じられ、しぶしぶ学会の開かれるニューヨークへ。
そこにはかつて自分が妻のいた頃に暮らしていたアパートメントがあるのですが、久しぶりに入ってみるとまるで知らない若者が入居しており、鉢合わせしてしまいます。
若者夫婦はすぐに出て行ったのですが、行くあてのない彼らを不憫に思い、ウォルターは「しばらくの間、ここにいてもいい」と言ってあげるのです。
そこから3人の奇妙な同居生活が始まり、若者タレクの、屈託のない純粋で善良な部分と、ミュージシャンである彼の演奏する「ジャンベ」を習い始めたことにより、急速に二人の間には友情が芽生えていくのです。
そんなあるとき、駅でほんの些細な手違いからタレクが警察に拘束されてしまいます。手違いだからすぐに釈放されるよ、と、ウォルターはタレクの彼女をなぐさめるのですが、彼女の口から出た言葉は・・・・。


映画の中では、本当に面白みもない、ブスーっとしたおじいさんのウォルターが、タレクとの出会いによって徐々に心を開き、「楽しそう」になっていくのが、すごく見ていて面白い。こっちも「そう、そうだよ、ウォルター。楽しくやろうよ」と声を掛けたくなるようで。ストリートミュージシャンなんて、勇気が要るようなことにも挑戦していく姿、自然にリズムを刻むようになっていく姿、それがまぁ上達していくこと!そんな姿は、時々くすっと笑えるほのぼのとしたものでしが。
でも、タレクの拘束以後はあまりの理不尽さに見ているのも辛いほど。
それをウォルターが親身になり、そして真剣になり・・・静かでひっそりと暮らしていたウォルターが、楽しみを取り戻し、そして熱い男になっていったんです。
なんとかならないのか?なんともならないものなのか?
9.11という日から、アメリカでどれほど危機感が増したか、それはテロに狙われたことがない私には想像がつきませんが、「正義の行方」を見たときにも感じた、偏見を生み出す恐ろしい思想も、その危機感が生み出したのはある意味仕方がないことなのかもしれません。
タレクの母親が、会えなくてもせめてタレクのそばにいる・・とやってきてからの生活は、一見希望があるようにも見えました。
みんなで幸せになるのだと、そんな予感があったような気がします。
あまりに切ないラストには、絶句してしまいましたが・・・それでも、なお、ジャンベをたたくウォルターの姿に、心から応援したくなるようなそんな物語でした。
ミラーズ・クロッシング ★★★☆
キャスト&スタッフ>
監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
脚本:ジョエル&イーサン・コーエン
撮影:バリー・ソネンフェルド
トム…ガブリエル・バーン
レオ…アルバート・フィニー
ヴァーナ…マーシャ・ゲイ・ハーデン
バーニー…ジョン・タトゥーロ
キャスパー…ジョン・ポリト
エディ・デイン…J・E・フリーマン
フランキー…マイク・スター

コーエン兄弟の映画、個人的には好きなのとそうでないのがあります。
たとえば「ファーゴ」は一番好き。
「バートン・フィンク」は良く分からなくて早送りで見て(^_^;)余計に分からなかったという・・・・(汗)。「レディ・キラーズ」「ビッグ・リボウスキ」もそれほど好きでもない。でも、「ノーカントリー」「バーバー」は結構好き。
そんな、決して「コーエン兄弟ファン」といえない私ですが、今回はかなり面白かったです。

内容は
<ストーリー>
929年、禁酒法時代のアメリカ東部のある街。アイルランド系とイタリア系のボスが暗黒街で激しく勢力を争っていた。街を取り仕切るアイルランド系の大ボス、レオ。レオと固い男の絆で結ばれたバクチ打ちのトム。2人から愛されるしたたかな娼婦のヴァーナ。姉のヴァーナに守られて裏切りを重ねるチンピラのバーニー。裏切り、陰謀、欲望が渦巻き血なまぐさいギャング戦争の火蓋が切って落とされた──!(アマゾンのDVD紹介より)

とにかく、ガブリエル・バーンがカッコいいんですよ。頭も切れるし策士ですね。
でも、根底にはある人物に対する並々ならぬ「情」がある。そのためにここまでするか?ということもやってしまう。
見ていて「男の中の男」と言う感じを受けました。
すごく冷徹かと思えば、殺人を躊躇する優しさも持っている。それが優しさかと思えば、実は違っていたり?
二転三転はするんだけど、気持ちよく騙された感じがして、見終えてみると感動が残りました。
ベスト・キッド ★★★
監督: ハラルド・ズワルト
出演: ジェイデン・スミス ドレ・パーカー
ジャッキー・チェン ハン
タラジ・P・ヘンソン シェリー・パーカー
ハン・ウェンウェン メイ
ワン・ツェンウェイ チョン
ユー・ロングァン
ご存知、「ベスト・キッド」のジェイデン・スミスとジャッキー・チェンによる現代版リメイク。

オリジナルはかなり面白かったので、まぁこんなもんだろうという感じ。
面白くはあったけど冗長に感じました。長い!眠くなった(^_^;)。

オリジナルでは、主人公は高校生。今回は小学生か?中学生かもしれないけど。
苛められている主人公を、ジャッキー演じるハンが救い、相手をぶちのめすシーンがあります。
でも、相手がいくら強くても、まだ幼い少年達なので、大人気ないような感じがしました。
そう言うところが「主人公は高校生」だったオリジナルと違います。
小学生(中学生)同士の戦い・・って、ちょっと正視に堪えかねるところがあります。

でも、主演のジェイデンくん、すごい身体能力の持ち主みたいですよね。
今後楽しみな役者さんです。成長してどんどんアクション映画に出てほしいな。

もう一度オリジナルのほうを見たくなりましたね
キック・アス ★★★★
監督 マシュー・ヴォーン
出演 アーロン・ジョンソン デイヴ・リゼウスキ(キック・アス)
クリストファー・ミンツ=プラッセ クリス・ダミコ(レッド・ミスト)
マーク・ストロング フランク・ダミコ
クロエ・グレース・モレッツ ミンディ(ヒット・ガール)
ニコラス・ケイジ デーモン(ビッグ・ダディ)

主人公のデイブはヒーローに憧れる高校生。ついには通販でそれなりのスーツを買い、自ら「ヒーロー」として、町の治安維持に向かいます・・・・が、あえなくナイフで刺され、その上交通事故に!!!
治療の結果、体中の何分の一かはスチール製の骨を入れられ、痛みを感じにくい身体になりました。
ヒーローへの夢をあきらめきれないデイブは、またもや、弱きを助けに街に繰り出します。がそれは、行方不明のペットを探すという、身の丈にあった活動になりました。
ところがそんなデイブの前に偶然、ヒーローとして活躍する場面が登場。インターネットでその姿を配信されて、デイブは一躍時の人に。
そんなデイブに近づく謎の親子、ビッグダディとヒットガールとは何ものなのか・・・!

最初は「なんだこの話は・・・」と呆れ気味に見ておりました。
でも、ヒットガールの登場で俄然面白くなりました。すごくカッコいいんですよ。
人を殺してしまうのは、いかに相手が悪人でもいかがなものか・・・と思うんだけど、そんな「常識」を忘れさせてくれるぐらいの活躍で、見惚れてしまいました。
勘違い的な笑いや、ほのぼのした友情?や、恋愛なども散りばめられていて、飽きさせなかったです。
ヒットガールに触発されるのか、デイブもだんだんと本気でカッコよくなります。
クライマックスの登場シーンは見ものでした!
ヒーローもの?アクション?青春モノ?
そう言う要素がごっちゃになってかなり楽しめる一作品です。でも好き嫌いは分かれそうですが。

主人公のアーロン・ジョンソン。
以前「トムとトーマス」を見たときに、可愛い男児だなぁと思っていました。
でも、可愛い子役は成長すると残念なことになる場合も多いでしょう?
彼は、今回オタクな感じの青年でパッと見はダサいのですが、よくよく見るとかなりの美形です。
可愛い子役が長じても美形だった。嬉しいことですね(*^_^*)
まだこの先が分かりませんが(笑)美しい中年を目指してもらいたいです。
ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 ★★
監督: マイケル・アプテッド
出演: ジョージー・ヘンリー ルーシー・ペベンシー
スキャンダー・ケインズ エドマンド・ペベンシー
ウィル・ポールター ユースチス・ペベンシー
ベン・バーンズ カスピアン
ティルダ・スウィントン 白い魔女
エドマンドトルーシーのふたりが意地悪な従兄弟の家に疎開している。二人と共に、従兄弟のユースチスもナルニア国に旅立つ。
はっきり言ってほとんど面白くない。
ワクワクもしないし・・・はらはらもしない。
ユースチスにいたっては、どうしてもうちょっと可愛げのある子役を使わなかったんだろうか?性格が憎たらしいんだから、顔だけでも可愛くないと、まったく好感の「こ」の字も持てず物語に共感しにくい。
かすぴあん王子のベン・バーンズは鳴り物入りで「第二章」に登場したはずなのに、このシリーズ以外にはほとんど出番がない!なぜ??
今内容を思い出そうとしてもほとんど思い出せない・・。海の上の物語だったので、「パイレーツオブカリビアン」のマネっぽい感じがしたことだけ、思い出す。
ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ★★★★
監督: 寺本幸代
原作: 藤子・F・不二雄
脚本: 清水東
声の出演: 水田わさび ドラえもん
大原めぐみ のび太
かかずゆみ しずかちゃん
木村昴 ジャイアン
関智一 スネ夫
千秋 ドラミ
沢城みゆき リルル
小林由美子 ピッポ
加藤浩次 総司令官
(特別出演)
福山雅治 福山雅秋
(特別出演)
ひさしぶりに、ドラえもんの長編映画を劇場に見に行った。
なぜというなら、娘が「バンプオブチキン」のファンで、今回エンディングを歌っているから。
オリジナル版はもちろん、息子が小さいころに見ており感動している。
当時はきっちり、全部のドラえもんを・・長編も短編テレビアニメも網羅していた。子どもだけじゃなくて私もドラえもんで育ったおそらく最初の世代なので。感慨深いものです。
あるとき、偶然拾った巨大ロボットのパーツ。それを組み立てるのに場所が要るとして、鏡の世界に入ったのび太とドラえもん。大きなロボットが出来て感動したふたりはさっそく静ちゃんを呼んで鏡の世界で楽しく遊ぶ。でも、そのロボットは実は宇宙の果てから地球侵略のために派遣されたロボットの国の戦闘型ロボットだったのです。
その世界では、ロボットの奴隷とするために地球の人間を自分の星に連れ帰る・・ロボットのために人間が働かされると言う「逆」の世界。
まぁよくよく考えてみれば、人間はとてもやわな生き物なので、宇宙旅行なんかしても多分もたないと思うし、激しい労働・・それも、疲弊しないロボット基準の労働に耐えられるわけもなく、どう考えても人間奴隷案は、最初から現実味がない。
ただ、そのなかで、ロボットの少女リルルとピーポが、のび太たちとの間に友情を感じ始め、ロボットと人間と言う枠を超えてつながりを深くしていく部分に見所がありましょう。
オリジナルでは、スネ夫が「ミクロス」っていう面白いロボットを持っていて、このミクロスが良い味出してて好きだったんだけど、今回はミクロスの変わりにピーポが登場している。
脚本はまったくオリジナルと同じ感じで、ピーポーの部分が長く冗長になった感はあるものの、より一層感動できる作品になっていて、ここに来てやっと「新・ドラえもん」の長編もマトモなものが出来たなぁと言う感じがした。
ツーリスト ★★★
監督: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナー
スマルク

出演: アンジェリーナ・ジョリー エリーズ・クリフトン・ワード
ジョニー・デップ フランク・トゥーペロ
ポール・ベタニー ジョン・アチソン警部
ティモシー・ダルトン ジョーンズ主任警部
スティーヴン・バーコフ レジナルド・ショー
ルーファス・シーウェル 英国人男性
ジョニーの映画なので見る!

ん〜〜・・・期待したほどではなかったです。
テンポも良くないし、サスペンスにしては緊張感も緊迫感も切迫感もなく、なんだかまったりとしていて、締まりがない映画と言う感じがしました。
最近のスピーディな作品を見慣れているので、こういう上品でゆるゆるとした作品は物足りなく感じるのかもしれません。
謎の美女に振り回されすぎる、数学を専攻している大学教授のフランク(ジョニー)が、あまりにも情けなくて、もちろんクスリと笑えたりもするんですが、基本的にいらっとさせられてしまうのです。
謎の美女も、フランクを利用するだけだとしても、それが中途半端だったりと「何がしたいのだ?」と突っ込みを入れたくなることしばしば。
ラストにしても、「じゃあ今までは一体なんだったの?」と脱力したくなるようなオチでしたし・・。
ただ、これはアンジェリーナ・ジョリーが素晴らしく綺麗でカッコよくって、彼女、本当にバービー人形のようなんですね。とろとろとした展開も、彼女だからこそ、見惚れているうちに過ぎていくので、まったりしていても不満に感じませんでした。
いらっとさせられる旅行者のフランクも同様に、ジョニーだからこそ不満なく見ていられた。
これが他の配役だったら多分不満爆発・・・?(^_^;)
それから、ポール・ベタニー。この人はいつもかっこいいですが、今回も本当にカッコよくって。
だからこの映画はこの人たちが出演したからこその映画だと思いました。
塔の上のラプンツェル ★★★★☆
監督: ネイサン・グレノ
バイロン・ハワード
声の出演: マンディ・ムーア ラプンツェル
ザカリー・リーヴァイ フリン・ライダー
ドナ・マーフィ ゴーテル
ブラッド・ギャレット フックハンド
ジェフリー・タンバー ビッグノーズ
M・C・ゲイニー 警護隊長
ポール・F・トンプキンス ショーティー
ロン・パールマン スタビントン兄弟
リチャード・キール バルド
声の出演(日本語
吹替版): 中川翔子 ラプンツェル
畠中洋 フリン・ライダー
剣幸 ゴーテル
岡田誠 フックハンド
石原慎一 ビッグノーズ
佐山陽規 警護隊長
多田野曜平 ショーティー
飯島肇 スタビントン兄弟
3D吹き替え版で見に行ってきました。
評判が良くて、私は天邪鬼だから、そう言う作品は結構「それほどでもないやん」と思ってしまうのが多いのですが(^^ゞ、今回は本当〜〜〜〜〜〜〜〜に素晴らしかったです。
何がいいってやっぱり映像が美しい!!
3Dで見てきた映画の中で(と言ってもそれまでには5作品ぐらいしか見てないけど)一番良かったかもしれません。
「トイストーリー」みたいに、泣けて泣けて・・ってことはなかったけど、それでも、最初から最後までとても面白く内容もいい映画でした。
じっと塔の中に閉じ込められている、おしとやかで従順なお姫様・・と言うイメージを覆し、そうかといってお転婆でもじゃじゃ馬でもなく・・すごく愛らしいお姫様ですぐに大好きになりましたし、ヒーローの男も、かなーり好みのヤツでした!
ディズニーアニメの男って、あんまりカッコイイと思えるのはいないんだけど、今回はかなり良い感じだったなぁ。
相変わらず登場する動物たちや脇役たちが、愛しい存在で。みんなが大好きになりました。(特に馬!カメレオンも)
一箇所、水に襲われるシーンがあって、やっぱりそう言うのはドキッとしましたけど・・(「プリキュア」の映画は、洪水のシーンがあり、そこをカットしたらしいです。「ヒアアフター」「唐山大地震」上映中止・延期だし)カットされなくて良かった・・。
確かに、被害者の方が見たら辛い映像になるかも知れず、それは気の毒なのですが・・・。
でも、全体的にとても良い映画で、心が癒される気がしました。
よかったら劇場まで足を運んでみてください。
みんな元気 ★★★★☆
監督: カーク・ジョーンズ
出演: ロバート・デ・ニーロ
ドリュー・バリモア
ケイト・ベッキンセイル
サム・ロックウェル
ルシアン・メイゼル
ダミアン・ヤング
ジェームズ・フレイン
「ニュースネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の同名作品のリメイクだそうです。
オリジナルがあることも知らなかったし、ジャケットの雰囲気から、ハートウォーミングなホームコメディかな〜ぐらいに思っていたけど、ふたを開けてみたら、エライ泣かされてしまいました。

ロバート・デ・ニーロが演じるフランクは、妻を8ヶ月前に亡くしたばかり。慣れない一人暮らしをなんとか順調そうに送っています。独立した4人の子どもたちが久しぶり(妻の葬儀以来)集まるというので、いそいそと準備している様子がほほえましい。お肉も高級なものを、バーベキューのセットも買って・・。それなのに、子どもたちにドタキャンされてしまいます。

しかしフランクはめげずに、遠方の子どもたちにこっそりと会いに行くんです。持病があって医者に止められているにも関わらず。。。ナイショでいきなり会いに行き、驚かせてやると言う悪戯心。
でも、それも、最初に訪れた次男の家で、留守なのか、待ちぼうけを食らわせられて・・。
フランクは無事に、子どもたち全員に会えるのでしょうか。

老いた親が、子どもや孫に会えるのを楽しみにしていたのに、それがドタキャン・・。それだけでもウルルっとなってしまった私。次男の家の前で待ちぼうけを食らって、ただ待っている姿や、「今日は用事があるから一緒にいることが出来ないの」と追い出すようなシーンなど、見ているほうは哀しくて、おじさんが気の毒で泣けてきます。
また、子どもたちが一瞬、幼い子どもの姿で登場するシーンなど、親にとっては子どもはいつまでも子どもなんだなぁ・・・と、親の愛情をひしひしと感じて、それもまたウルル〜。
ともかく、かなり最初のうちから、ツボにハマってしまってずっと泣けてきたんです。
子どもたちには子どもたちの事情があり、それが分かる後半は、それまた涙で。

母親は良かれと思って、父親に子どもたちの「真実」を伝えなかったんだろうと思うけど、でもそれは正しいことなんでしょうか?悪い姿もいい姿も、全部伝えたらよかったのに。私はこの家のお母さんは何を考えて、全て秘密にしてなくなってしまったんだろうと思います。家族なら、幸せも困難も分け合うべきですよね。て、それは理想に過ぎないんでしょうかね。

ともかく、ロバート・デ・ニーロがはまり役。あのひと、演技力があるから何をやっても上手いと思うけど、本当にあの人の雰囲気や表情に泣かされました。
ラスト3デイズ〜すべて彼女のために〜 ★★★☆
監督: フレッド・カヴァイエ
出演: ヴァンサン・ランドン 夫・ジュリアン
ダイアン・クルーガー 妻・リザ
ランスロ・ロッシュ 息子・オスカル
オリヴィエ・マルシャル 作家・アンリ・パスケ
アンムー・ガライア
リリアーヌ・ロヴェール
オリヴィエ・ペリエ
突然、妻が意味も分からず逮捕されてしまったら?
冤罪と信じる夫が、妻のために起こした行動とは。

まったく内容を知らずに(ジャケットの感じからしてサスペンスだということぐらい)観たので、意外な展開に驚きました。
ごくごく普通のオジサンが、妻のために身を張って頑張るのですが、結果的に「ふつうの」おじさんではなし得ないぐらい、すごいことをやってのける話です。
ここまでするのか・・・。妻のために・・・。
夫婦でこの映画を見に行ったら、だんなさんの大半は肩身が狭い思いをするのではないでしょうかね(笑)。
「96時間」とか「ダイハード」などのように、CIAや刑事が夫なら(「96時間」は父親)もっと度派手なエンタメ作品になったところ、あまりにも普通の男性のすることなので、結構地味な展開。それでいて、はらはらさせられてしまいました。
あ、「激流」は、普通の男が妻子を助ける話ですね。ちょっとそれを思い出しました。
それにしても、ダイアン・クルーガーは美しいですね。
あんな奥さんだったらやっぱり夫も俄然張り切るのかもしれません・・・(^_^;)
でも、アドバイスをくれた「体験者」も、「やるのは簡単、難しいのはその後を生き抜くこと」ということを言ってます。
ラストの光景は、その男の言葉を思い出し、ほんの少しもやっと感が残るものでした。
クロッシング ★★★★☆
監督 キム・テギュン 
脚本 イ・ユジン
出演 チャ・インピョ
    シン・ミョンチョル
    ソ・ヨンファ
    チョン・インギ
    チュ・ダヨン
北朝鮮の家族の物語。
炭鉱で働いている元サッカー選手のヨンスは、貧しいながらも妻と息子と幸せな家庭生活を送っている。
しかし、妊娠中の妻が結核で倒れ、ヨンスは二人を残し、中国へ出稼ぎに行く決意を。
それは当然、許可の無い越境であり、ここ北朝鮮では大変危険な行為だった。

これが北朝鮮の誇張のない現実だとしたら辛すぎる映画だった。


内容に触れています。ご注意下さい。


序盤で、貿易をしていた友達が韓国のビデオを見ている。サッカーやドラマなど。ヨンスも時々息子を連れて見せてもらいに行っている。この行為が自殺行為なのだ。やがてそれが体制側にばれたその友人は、連行されてしまう。
これひとつとっても、まるで自由の無い国で、縛られて生きていることの辛さが分かる。
海外のビデオを見ただけで、サッカーの試合を見ただけで強制連行。おそらく殺されたのであろう。
まさに別世界のように理解しがたいし、受け入れがたい生活なのだけど、北朝鮮の人たちは今もこんな暮らしをしているんだろうか・・・。


ヨンスは結局、妻の薬を買うためのお金を儲けようと思って、中国へ危険を冒して渡る。
脱北だとか、反体制だとか、不穏分子だとか、そんなことは全然なくて、純粋に薬を買いたいだけ。
それがなんだかわけもわからず、意図もせず、「ドイツ大使館駆け込み事件」という大事に巻き込まれてしまう。
家族を捨てるつもりがなかったのに、家族のためにした行いなのに、結果的に家族を捨てることになってしまったヨンスの苦悩が見ていても辛かった。
辛いのはヨンス側だけじゃない。残された家族も過酷な生活を強いられる。保障も保険も福祉もないのか。。。
ともかく、この家族が一体どうなるのか目が離せず、見入ってしまった。

特に泣けたのは、生き別れたあとに、初めて父と子が電話で喋るシーン。
息子のジョニは開口一番「お父さんごめんなさい」と泣き謝るのだ。両者の気持ちを思うと、いたたまれなかった。


ご都合主義でもいいから、私は違う結末にして欲しかった。
でも、それでは作品が訴えたいことの半分も伝わらないんだろう。
辛いけれど、こういう現実があるんだということだろう。
エンドロールのとき、とても幸せな光景が広がっている。
これは、ジョニの思い出なのか・・・いやきっと、本当にこんな風に幸せに暮らしているに違いない、と願ってしまうのだった。


トラウマ映画になるような辛い物語だった。
ザ・ファイター ★★★★☆
デヴィッド・O・ラッセル監督
マーク・ウォールバーグ製作・主演
クリスチャン・ベイル共演
実話に基づいた映画。

ボクサーのミッキー(マーク・ウォールバーグ)がボクシングを指南され尊敬するのは、兄ディッキー(クリスチャン・ベイル)。
かつては「ローウェルの誇り」と呼ばれて地元の期待を一身に集めた。
だけど、今は過去の栄光を振り回すだけで、生活は堕落してミッキーのトレーニングもまともに出来ていない。
母親はいわゆる「ステージママ」で、ミッキーの試合の全権を握っている。
そんな二人に振り回されるうち、ミッキーは無謀な試合を組まれてしまう。
そんな折、ディッキーが警察沙汰を起こし、その波紋はミッキーにも及ぶ。
恋人シャーリーンのすすめもあり、ディッキーや母と別れる決意をするミッキーだったが・・・・。

どんなに人間としてダメでも、堕落した生活を送っていても、兄のボクシングの力量を信じている弟のミッキーがいじらしい。
母親にしても、どんなにでしゃばりで強情でワンマンだけど切り捨てられないし、ミッキーの真面目さ、優しさ(弱さというのかもしれないけど)に、少しイラっとしながらも好感を覚えたし、なんだかジーンとさせられた。
兄と母だけじゃなくて、誰をも切り捨てられないんだから、ミッキーって本当に優しいというか博愛主義者?
ボクシング映画といえば、お決まりのトレーニングのシーン。別々のところで兄弟が同じように頑張る姿が、とてもカッコよかった。
恋人のシャーリーンは、(エイミー・アダムスが演じてるんだけど、すごい変貌、結構な迫力!)ミッキーを家族の手から守ろうとして、しまいにはケンカまでしてしまう。強い女だと思った。
ステージママから離れても、やっぱり強い女性に惹かれてしまうのかな(笑)。
ディッキーが立ち直っていく過程はとてもリアルで(実話なんだから当然かもしれないけど)感動的ですらあった。
誰かのために・・・と思う気持ち。
彼らがお互いに思う気持ち、兄弟愛を強く感じて感動した。
兄弟愛なんていうと、うそ臭かったり引いてしまったりしそうだけど(私がひねくれているからか?)屈折した気持ちながらも、兄を慕う弟、無条件に弟を愛している兄、というのがすんなり伝わってきて、よかった。
クリステャン・ベイルはアカデミー賞はじめ色んなところで助演男優賞を獲得しているけれど、納得。すごい迫力だった。
母親役のメリッサ・レイってあんまり有名な女優さんじゃないと思うけど、こちらも同じく助演女優賞をアレコレ獲得。
知らない女優さんだったので(見たことある映画に出演しているけれど覚えてない)余計にものすごいインパクトだった。
タイトル
感想
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