2000年に読んだ本たちその2




「妻よ!」
わが愛と希望と戦いの日々
河野義行

松本サリン事件から早や6年半。この本が書かれたのは事件から4年経つころだ。 前書き読んだだけで、涙が出ます。オウム真理教という集団の狂気の犠牲になったばかりか 犯人扱いされてしまった、河野さんの戦いと奥さんに向ける大きな愛が描かれています。 オウム真理教を恨んではいない。自分の生活を破綻させたと言う意味においては オウムも警察もマスコミも同じように反省してほしいだけ。…と言う言葉が印象的。 何事も前向きにとらえる人生でありたい。そんな思いが胸を打ちます。





「ぼっけいきょうてい」 岩井志麻子

ある雑誌のコラムで読んだけど、この人の妹って美人で賢くて明るくスポーツも出来て その上それを自慢しないとっても性格のいい子で、当然友達も多くて、 姉からすればイヤーーーーーな存在だったんだって! でもご両親が、「妹のようになりなさい」とは一言も言わず、「志麻子はきっと偉い小説家になる」 ってずっと言ってたんだって。でも別に、作文が上手いとかそういうことは少しもなくて、 ただ単に本を読むのが好きな子供だっただけなんだって。 でも、親のその一言が心の支えになってて、妹に対してひがむこともなく 現にこうして作家になった。もしも、「シマ子も妹のように勉強がんばりなさい。」とかいわれてたら 今日のこの人はいなかったかもしれないわけで、それを思うとこの人の親御さんは 偉大な人であったんだなあと思うのです。ア、作品の紹介が。。。怖いよ!





「無間地獄」新藤冬樹

絞れるものは、とことん絞れ!!とばかりに、他人のお金をむしりとる事を生業にしている 2人の似たもの同士の男が、主人公。ひとりは街金に借金のあるひとから なんでもかんでも取ってくる人。なければ自殺に追い込んでその保険金を取り立てる。 もしくは、肝臓でも取り上げて換金させる。 もうひとりはエステの勧誘員。絶世の美男子で、そのマスクを生かして女から 貪るように取る。どっちも聞いたような話だよね、、、、 その二人が対決するとどっちが勝つ?その結末は?。。。。あんなんでいいのか? ちょっとびっくり!





「感情教育」中山可穂

これって実話に基づいた話らしいんだけど。。。。 親に捨てられて孤独だった那智は、理緒と知り合う。お互い惹かれあうが、理緒はレズビアンだった。 しかし二人は、肉体よりも精神的にお互いを求め合う。。。。二人は一緒になれるのか?





「戦慄の脳宇宙」川田弥一郎

脳の障害はその部位によってぜんぜん違う症状を引き起こす。研究者にも良くは分からないらしい。 この本を読んで、「戦慄」というよりは「神秘」を感じた。ミステリーとしても、はらはらして堪能できた。





「マダムの幻影」藤本ひとみ

藤本さんは(知り合いか?)歴史小説を多くかかれる方です。 特にヨーロッパが多くて、フランス革命の著書が多いです。 ベルばらFANの私としては見逃せない存在なのです。 この本のマダムとは、マリーテレーズ、かのマリーアントワネットの 娘に当たる人のこと。 その弟ルイシャルルの出生の秘密を絡めて、ミステリー仕立てになってて 一味違うフランス革命が見られます。 ちなみにこの人の本でフランス革命ものでおすすめは、 小説じゃないけど、「王妃マリーアントワネット」!!! ベルばら神話がひっくり返っちゃうけど、興味あるひとは是非!!


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